有価証券報告書-第23期(2023/07/01-2024/06/30)

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2024/09/25 16:30
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当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の経済環境は、日経平均株価が史上最高値を記録するなど景気回復に向けた動きが見られた一方で、ウクライナ情勢及びイスラエル情勢の長期化、日米の金融政策の動向などに対する懸念が存在し、先行き不透明な状態が続きました。
このような市場環境の中、当社グループは、パーパスを「笑顔につながる、まだ見ぬアイデア実現の母体となる」、提供価値を「デザインとエンジニアリングの力で、挑戦を支える」と定義した上で、「挑戦を、楽しもう。」をブランドスローガンに掲げ、挑戦的な文化を醸成し、ITを軸とした様々な挑戦を積極的に進めていく企業を目指しております。
当社グループは、企業、教育、医療の現場で活用されるモバイル端末の一元管理・運用を行うSaaS(Software as a Service)を提供する「CLOMO事業」を主軸に展開しております。また、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)やM&Aを通じた投資活動により、グループの持続的成長とスタートアップ企業の新たな価値創造を支える「投資事業」を運営しております。
また、当社グループは、当連結会計年度において10KN COMPANY LIMITEDの全株式を取得し、子会社化しました。同社は、ベトナム(ハノイ市)に拠点を置く開発会社であり、豊富な経験と高い開発スキルを有する若きエンジニアを数多く揃え、日本企業向けのシステム、WEB、アプリケーション等の受託開発案件も手掛けております。同社を迎えいれることで、当社グループの中長期的な開発リソースを強化するとともに、さらなる事業拡大を目指してまいります。
当連結会計年度の経営成績については、主軸事業であるCLOMO事業において、OEM提供を通じた新規顧客の獲得が進んだ結果、売上高が前年同期比で増加しました。CLOMO事業の売上原価は、前連結会計年度において製品開発力の増強を目的に、新たに開拓した委託先企業と積極的に開発投資を進めたことで、ソフトウェア製品のリリースが増加した結果、減価償却費を中心に前年同期比で増加しました。投資事業の売上原価は、当社グループのCVCを通じた投資先の評価損が発生した結果、前年同期比で増加しました。販売費及び一般管理費は、当連結会計年度においては、企業の持続的成長を目的に新卒人材を中心とした採用計画を進めており、中途採用に係る人材紹介費用等が減少したものの、M&Aに係る諸費用等が発生したことにより前年同期比で増加しました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,949,083千円(前期比10.7%増)、営業利益692,162千円(前期比11.9%増)、経常利益668,440千円(前期比9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益463,463千円(前年同期比5.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① CLOMO事業
CLOMO事業においては、2010年から提供を開始したモバイル端末管理サービス「CLOMO MDM」及びモバイル端末向けアプリサービス「CLOMO SECURED APPs」(以下、CLOMOサービスとする。)を事業の主軸に、クラウドを利用したBtoBのSaaS事業をサブスクリプションの形で提供しており、2023年12月に公表されたMDM市場(自社ブランド)シェアにおいて、2011年度から13年連続でシェアNo.1を達成しました(注1)。
当連結会計年度においては、株式会社NTTドコモが提供するMDMサービスであり当社がOEMを提供する「あんしんマネージャーNEXT(注2)」の拡大に伴い、新規顧客の獲得が進みました。この結果、1年間に増加した導入法人数は、前々連結会計年度が524社増、前連結会計年度が1,014社増であったのに対して、当連結会計年度は1,781社増となりました。導入法人数の増加ペースは、あんしんマネージャーNEXTへのOEM提供開始後2年間で3倍以上に加速しております。
さらに、2024年2月にCLOMOサービスが「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)(注3)」 に登録され、政府が求める高いセキュリティ水準をクリアしたサービスとして認められました。これにより、政府・行政機関はもちろん、その他の顧客にとってもCLOMOサービスの信頼性向上に繋がり、新規顧客の獲得に貢献するものと考えております。
また、ARPU(注4)向上を目指した戦略の一環として、オプションサービスの拡充を進めており、2023年9月よりTeamViewerジャパン株式会社との協業を開始し、同社が提供するリモートアクセスツール「TeamViewer Remote」の提供を開始しました。近年、モバイル端末の活用方法は多様化しており、例えば、店舗等に備え付けられている無人のモバイル端末の管理や、離れたオフィスで発生したITトラブルへの対応など、モバイル端末へのリモート接続が必要となる場面が増加しております。TeamViewer Remoteは高いセキュリティレベルを維持した上で、各種モバイル端末へリモート接続し、遠隔からモバイル端末の操作を可能とするサービスです。2024年6月にはCLOMO MDMとの連携機能をリリースしており、今後もさらなる利便性の向上を図る予定です。
さらに、2023年12月にはCheck Point Software Technologies Ltd.が開発するモバイルセキュリティソリューション「Harmony Mobile」の提供を開始しました。Harmony Mobileは、悪意のあるアプリやネットワーク・OS攻撃からモバイル端末を包括的に保護し、多角的な防御を可能にする、モバイル端末向けセキュリティソリューションです。CLOMO MDMと合わせて使うことで、高度な脅威に対応したモバイル端末管理が可能となり、企業における安心・安全なモバイル端末の活用をサポートします。このように、MDMの周辺サービスをオプションサービスにラインナップすることで、クロスセルによるARPUの向上を図ってまいりました。
製品開発においては、CLOMOサービスのPC資産管理市場でのシェア獲得に必要となるWindows端末向けの機能強化のほか、他社製品との連携、ChromeOSへの対応など、顧客のニーズに応えるための機能改善に引き続き注力しました。
これらの取り組みにより、導入法人数は6,710社(前連結会計年度末に比べ1,781社、36.1%増)に達しました。
この結果、売上高は2,949,083千円(前期比10.7%増)、営業利益は763,328千円(前期比20.3%増)となりました。
なお、サービス別の内訳は次のとおりであります。
CLOMO MDM売上高2,692,338千円
SECURED APPs売上高153,474千円
その他売上高103,271千円

② 投資事業
投資事業では、ベンチャーキャピタル子会社である株式会社アイキューブドベンチャーズを通じてアイキューブド1号投資事業有限責任組合を設立し、CVCとして投資活動を推進しております。当連結会計年度においては2社へ投資を行い、投資先社数は7社となりました。
主な投資対象はモバイル、SaaS、セキュリティ等、当社事業領域と親和性の高い企業、社会課題解決型企業及び当社グループが本社を置く九州の地場で活動している企業としております。また、当社グループの新たな市場領域への進出及び収益源の創出を図るべく、M&Aを通じた新事業開発にも積極的に取り組んでおります。
この結果、営業損失は71,165千円(前期は営業損失15,666千円)となりました。
(注)1.出典 デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望(https://mic-r.co.jp/mr/00755/)」2011~2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号: https://mic-r.co.jp/micit/2023/)」2014~2022年度出荷金額・2023年度出荷金額予測。
2.株式会社NTTドコモが提供しているモバイル端末管理サービスです。主に、社員・生徒に貸与したデバイスに対して紛失・盗難時に有効な「ロック/初期化」機能や、「カメラ制御」「利用可能アプリの制限」などのセキュリティ機能、「アプリ配信」などのデバイス管理業務効率化機能を備えております。
3.政府が求めるセキュリティ要求を満たしているクラウドサービスを予め評価・登録することにより、政府のクラウドサービス調達におけるセキュリティ水準の確保を図り、円滑に導入できることを目的とした制度です。本制度は「政府情報システムにおけるクラウドサービスのセキュリティ評価制度の基本的枠組みについて」(2020年1月30日サイバーセキュリティ戦略本部決定)に基づき、内閣サイバーセキュリティセンター・デジタル庁・総務省・経済産業省が運営しております。
4.Average Revenue Per Userの略称であり、導入法人数当たりの平均月間単価。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態については次のとおりであります。
(資産)
総資産は3,609,238千円となり、前連結会計年度末に比べ209,827千円の増加となりました。これは主に投資有価証券が141,600千円、のれんが133,248千円、繰延税金資産が71,285千円、売掛金が71,136千円、ソフトウエアが36,034千円、その他流動資産が26,990千円、営業投資有価証券が24,802千円増加し、現金及び預金が243,385千円、ソフトウエア仮勘定が70,205千円減少したことによるものです。
(負債)
負債は1,029,673千円となり、前連結会計年度末に比べ203,769千円の増加となりました。これは主に未払法人税等が122,128千円、その他流動負債が81,523千円、契約負債が12,547千円増加し、買掛金が18,078千円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は2,579,565千円となり、前連結会計年度末に比べ6,058千円の増加となりました。これは主に自己株式の取得に伴う減少が298,400千円、剰余金の配当に伴う利益剰余金の減少が158,765千円発生し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加が463,463千円発生したことによるものです。この結果、自己資本比率は71.2%(前連結会計年度末は75.5%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,811,066千円となり、前連結会計年度末に比べ244,910千円の減少となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は823,344千円(前年同期は得られた資金301,117千円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益668,440千円、減価償却費317,055千円、投資事業組合運用損22,240千円、売上債権の増加額60,413千円、仕入債務の減少額19,027千円、契約負債の増加額12,547千円、営業投資有価証券の増加額24,802千円、営業活動その他の増加額77,797千円、法人税等の支払額177,861千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は616,441千円(前年同期は使用した資金484,467千円)となりました。これは主に、有価証券の取得による支出700,000千円、有価証券の償還による収入700,000千円、有形固定資産の取得による支出18,845千円、無形固定資産の取得による支出275,881千円、投資有価証券の取得による支出164,000千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出156,820千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は452,254千円(前年同期は使用した資金98,082千円)となりました。これは主に、配当金の支払額158,654千円、自己株式の取得による支出298,400千円によるものです。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載を省略しております。
② 受注実績
当社グループで行う事業は、受注から役務提供の開始までの期間が短く、受注状況には重要性がないため記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
CLOMO事業2,949,083110.7
投資事業--
合 計2,949,083110.7

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社NTTドコモ及びそのグループ会社1,248,28746.81,480,94550.2
株式会社ソラニワ--300,41510.2
株式会社ティーガイア291,23310.9--

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては、記載を省略しております。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績の状況」、「(2) 財政状態の状況」、「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業運営上必要な運転資金の需要のうち主なものは、当社グループサービスを安定的に運営し、また拡大していくための開発人員及び営業人員の人件費、研究開発に係る費用であります。
④ 目標とする経営指標の状況
a CLOMOの導入法人数
当連結会計年度末のCLOMOの導入法人数は6,710社(前連結会計年度末に比べ1,781社、36.1%増加)となりました。
営業拠点を通じた地方の販売パートナーとの連携強化や、OEM提供先サービスの成長によって、導入法人数の増加ペースが加速しており、純増導入法人数は前期比約1.8倍となりました。
b ライセンス継続率
当連結会計年度のライセンス継続率は94.8%となりました。(注)
カスタマーサクセス部門による、ユーザーミーティングの開催や、定期面談、製品活用のためのステップアップセミナーの実施など、エンドユーザーの成功体験を目的とした様々な取り組みの成果が、製品に対する心理的ロイヤルティ向上を後押ししたことで、ライセンス継続率は引き続き高い水準を維持しております。一方で、特定の大口顧客が契約期間満了を迎え、計画的な解約に至ったことで、当連結会計年度末においては一時的にライセンス継続率が低下しております。
(注)継続率は、当連結会計年度に発生した各月の解約数を前年同月末のライセンス数から控除したライセンス数について、前年同月末ライセンス数で除して算出しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。

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