有価証券報告書-第4期(令和2年8月1日-令和3年7月31日)

【提出】
2021/10/26 17:00
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132項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、昨年5月末の緊急事態宣言解除以降、新型コロナウイルス感染防止を図りながら社会経済活動の水準を引き上げるとともに、大規模な財政出動と緩和的な金融措置により総需要の下支えが図られたことから、個人消費や輸出に持ち直しの動きがみられるなど、一部に改善の兆しもありましたが、秋以降の新規感染者数の増加を受けて、地域レベルで経済活動の制限が拡がり、本年1月には再び緊急事態宣言が発出されるなど、景気は先行き不透明なまま推移いたしました。感染症の拡大による社会経済活動への影響は業種によって大きく異なり、回復のペースもばらつきがみられ、内外経済のリスク及び金融資本市場の変動等には留意する必要がありました。
このような環境下、政府は2020年12月21日付で「新子育て安心プラン」を打ち出しました。同プランにおいては、待機児童の解消に向け2021年度から2024年度までの4年間で14万人分の保育の受け皿を整備する方針としており、同方針を背景に共働き世帯や女性の就業率は増加していくことが見込まれます。また、2021年4月時点において「こども庁」の創設を巡る政府の議論が活発になっており、政府予算のうち、子育て関連支出の国内総生産に占める割合を欧州諸国並みへ高める提言が報道されるなど、社会保障の支え手を増やし、子育てをしやすい環境をつくる保育の社会的な役割・重要性は中長期的にもますます高まることが予想されます。
株式会社さくらさくみらいを中心に子ども・子育て支援事業を展開する当社グループにおいては、厚生労働省による1994年の調査開始以来、全国の待機児童が初めて1万人を割り込むなど、認証保育所や小規模保育事業所を中心に保育需要が減少する中、依然として底堅いニーズを保つ、東京都の認可保育所を中心とした新規開設を進めてまいりました。
2021年4月には株式会社デイブレイクとの合弁で株式会社みらいパレットを設立し、同社の持つIT技術を活用して保育所のICT化を推進するだけでなく、園が持つさまざまな情報資産を活用することで、子どもと子どもに関わる人々が自分らしい未来を描くためのサービス提供へ向け事業を開始いたしました。
また、同年6月には中学受験対策に強みを持つ学習塾の運営会社である株式会社VAMOSを子会社化し、これにより保育対象年齢から中学受験に至るまで(子どもが成長し花開くまで)を一貫してサポートする体制が整うこととなりました。同社は都内3か所で学習塾を運営していますが、当社グループの不動産開発力を活用して拠点を増やす計画にしております。
なお、当社グループの当連結会計年度における保育所の新規開設実績としましては、2021年1月1日に1施設、2021年4月1日に12施設、2021年7月1日に1施設、合計14施設の認可保育所の東京都への開設となりました。
(2021年1月開園)
さくらさくみらい下目黒(目黒区)
(2021年4月開園)
さくらさくみらい弥生町(中野区)
さくらさくみらい東品川(品川区)
さくらさくみらい旭町 (練馬区)
さくらさくみらい西六郷(大田区)
さくらさくみらい三好 (江東区)
さくらさくみらい下赤塚(板橋区)
さくらさくみらい成増 (板橋区)
さくらさくみらい西永福(杉並区)
さくらさくみらい東仲通り(中央区)
さくらさくみらい築地 (中央区)
さくらさくみらい蔵前 (台東区)
さくらさくみらい下谷 (台東区)
(2021年7月開園)
さくらさくみらい西日暮里(荒川区)
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高10,004,688千円(前年同期比31.1%増)、営業利益464,890千円(同92.8%増)、経常利益1,641,816千円(同9.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益956,011千円(同2.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、学習塾の運営開始により、報告セグメントの名称を従来の「保育事業」から「子ども・子育て支援事業」に変更しております。セグメント名称変更によりセグメント情報へ与える影響はありません。
当社グループは子ども・子育て支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
財政状態については以下の通りであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、2,448,104千円となり、前連結会計年度末と比べて837,093千円増加しました(前連結会計年度末比52.0%増)。これは主に、現金及び預金が367,879千円増加したことや未収入金が367,153千円増加したことによるものです。固定資産は、8,934,191千円となり、前連結会計年度末と比べて2,489,489千円増加しました(前連結会計年度末比38.6%増)。これは主に、保育施設の完成により建物及び構築物が1,475,090千円増加したことによるものです。この結果、資産合計は11,382,295千円となり、前連結会計年度末と比べて3,326,583千円増加しました(前連結会計年度末比41.3%増)。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、2,807,867千円となり、前連結会計年度末と比べて457,059千円増加しました(前連結会計年度末比19.4%増)。これは主に、短期借入金が145,300千円増加したことや未払法人税等が124,258千円増加したことによるものです。固定負債は、4,317,668千円となり、前連結会計年度末と比べて896,383千円増加しました(前連結会計年度末比26.2%増)。これは主に、長期借入金が118,834千円増加したことや繰延税金負債が484,175千円増加したことによるものです。この結果、負債合計は7,125,535千円となり、前連結会計年度末と比べて1,353,443千円増加しました(前連結会計年度末比23.4%増)。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は4,256,759千円となり、前連結会計年度末と比べて1,973,140千円増加しました(前連結会計年度末比86.4%増)。これは主に、公募増資及び第三者割当増資の実施等に伴い資本金が498,775千円、資本剰余金が498,775千円それぞれ増加したことや、親会社株主に帰属する当期純利益956,011千円の計上に伴い、利益剰余金が956,011千円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて367,879千円増加し、1,158,863千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,720,308千円の収入となりました(前連結会計年度は1,815,523千円の収入)。これは主に税金等調整前当期純利益の計上1,640,168千円、減価償却費の計上400,976千円による資金増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2,742,818千円の支出となりました(前連結会計年度は1,728,573千円の支出)。これは主に有形固定資産の取得による支出1,940,961千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,390,388千円の収入となりました(前連結会計年度は171,031千円の支出)。これは主に長期借入金の返済による支出2,002,069千円があった一方で、長期借入れによる収入1,961,312千円や株式の発行による収入986,211千円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
c. 売上実績
当連結会計年度の売上実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは子ども・子育て支援事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年8月1日
至 2021年7月31日)
前年同期比(%)
子ども・子育て支援事業(千円)10,004,688131.1

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年8月1日
至 2020年7月31日)
当連結会計年度
(自 2020年8月1日
至 2021年7月31日)
売上高(千円)割合(%)売上高(千円)割合(%)
大田区936,66712.31,135,17211.3
練馬区--1,128,40311.3

2.前連結会計年度の練馬区に対する売上高は、総売上高に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
3.上記は、子ども・子育て支援事業における同区からの委託費収入、補助金収入等を売上計上しているものです。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は10,004,688千円となり、前連結会計年度に比べ2,375,019千円増加しました(前年同期比31.1%増)。これは主に、保育所の新規開設(当連結会計年度は14施設)により、運営する施設数が増加し、当連結会計年度末現在74園となったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は8,413,555千円となり、前連結会計年度に比べ1,941,424千円増加しました(前年同期比30.0%増)。これは主に、保育所の新規開設により、運営する施設数が増加したことによるものであります。売上原価の主な内訳は、給料及び手当3,581,894千円、地代家賃2,035,585千円であります。この結果、売上総利益は1,591,132千円となり、売上総利益率は15.9%(前年同期比0.7ポイント増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,126,242千円となり、前連結会計年度に比べ209,859千円増加しました(前年同期比22.9%増)。これは主に、保育所の新規開設により本部の人件費が増加したことによるものであります。販売費及び一般管理費の主な内訳は役員報酬104,820千円、給料及び手当328,035千円、地代家賃137,896千円であります。この結果、営業利益は464,890千円となり、営業利益率は4.6%(前年同期比1.4ポイント増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は2,116,531千円となり、前連結会計年度に比べ168,088千円増加しました(前年同期比8.6%増)。営業外収益の主な内訳は、保育所の新規開設のための施設整備等にかかる補助金収入2,092,060千円であります。営業外費用は939,604千円となり、前連結会計年度に比べ244,968千円増加しました(前年同期比35.3%増)。営業外費用の主な内訳は、開業準備費839,176千円であります。この結果、経常利益は1,641,816千円となり、経常利益率は16.4%(前年同期比3.2ポイント減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は346千円となり、前連結会計年度に比べ155千円増加しました(前年同期比81.2%増)。これは主に、固定資産除却損が155千円増加したことによるものです。この結果、税金等調整前当期純利益は1,640,168千円となり、法人税等合計684,399千円及び非支配株主に帰属する当期純損失242千円を差し引いた当期連結年度の親会社株主に帰属する当期純利益は956,011千円となりました(前年同期比2.4%増)。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、人材の確保、国及び地方自治体の政策、法規制等の様々なリスクの顕在化により業績に影響を受ける可能性があるものと認識しております。
したがって、内外の経営環境及び事業環境に影響を及ぼす要因に留意しつつ、適時に情報を収集・分析する体制を整備し、リスクに対応可能な内部管理体制を構築するとともに必要な経営上の施策を実行することにより業績に影響を与えるリスク要因の分散及び低減を図ってまいります。
d. 経営者の問題意識と今後の方針について
待機児童問題の解消や保育士の処遇改善等の社会的要請は依然として強く、我が国経済の発展のためにはこれらの問題解決を通じて社会における女性の活躍、児童の健全な成長等を図ることは重要なテーマであると認識しております。
当社グループが民間事業者の立場からこれらの課題の解決に取り組むためには、待機児童数の多い地域に優先的に良質な認可保育所を開設していくことや、保育所で働く保育士の教育や待遇の改善を通じて優秀な人材の確保・育成を図ることが必要であり、また、高度なコンプライアンス意識を社内文化として醸成していくことが不可欠であると認識しております。
当社グループは、社会的な問題の解消を図りつつ、当社グループで働く人材が社会ニーズに応えている満足感や充実感を感じながら働くことができる環境を構築し、同時に企業として健全な発展と成長を図ることを基本的な方針として事業拡大に取り組んでまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の当社グループの業績に与える影響は本書提出日現在においては軽微であると考えておりますが、同ウイルスの拡大懸念につきましては、当社グループの利用者並びに従業員の安全確保を最優先として、感染拡大防止と予防については、各自治体とも連携して対策とその実行に継続して取り組んでまいります。
e. 経営上の客観的指標の達成状況について
当社は営業利益率を重要な経営指標として位置付けております。
当社グループは、「安全と安心を提供し、自然で和やかな笑いに満ちた温かい育児環境を作り出す」という経営理念及び方針を掲げ、持続的な成長を目指していく方針であります。当連結会計年度においては、このような方針のもと、現在の主要事業である子ども・子育て支援事業において新規施設の開設や既存施設の稼働率、入園児童の定着率の向上等をはかり、前連結会計年度から営業利益率を向上させることを目標として事業の推進をしてまいりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益率は4.6%(前年同期比1.4ポイント改善)となりました。引き続きこの指標について、前年度より改善されるように取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
今後の資金需要のうち主なものは、保育施設の運営に係る運転資金、新規に開設する保育所に係る設備投資資金であります。
当社グループにおける運転資金及び設備投資資金等につきましては、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
固定資産の減損処理
当社グループは重要な固定資産を有しており、収益性低下により投資額の回収が困難と見込まれるもの、及び閉鎖や移転が決定している資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額の算定にあたっては、外部の情報源に基づく情報等を含む、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。

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