有価証券報告書-第8期(令和2年9月1日-令和3年8月31日)

【提出】
2021/11/29 16:57
【資料】
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【項目】
125項目
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、依然として厳しい状況にあります。政府による段階的な経済活動の再開や各種施策の実施効果及び、ワクチン接種が開始されたことにより、個人消費及び企業収益に持ち直しの動きがみられたものの、感染拡大を受け、断続的にまん延防止等重点措置や緊急事態宣言が発出されるなど、さまざまな経済活動が制限されており、日本経済の先行きは不透明な状況が続いております。
このような経済状況のもと、国内の人材市場については、厚生労働省調査による2021年7月の有効求人倍率が1.15倍を記録しており、2020年10月以降の人材需要は緩やかな回復傾向にあります。当社の事業領域と相関の高いIT市場におきましては、デジタルトランスフォーメーションへの投資案件も増加基調は続いております。ITエンジニアに対する企業の採用意欲は依然として高く、デジタルシフトを進める企業にITエンジニアを提供する当社の役割は、より重要なものになると認識しております。
このような事業環境下におきまして、当社は企業のデジタル化を推進すべく、企業に対し的確なITエンジニアリソースの提供を行うとともに、ITエンジニアの独立支援を行うMidworks事業、プログラミング学習サービスであるtech boost事業の拡大に注力いたしました。
また、当連結会計年度におきましては、Midworks事業を中心に積極的な広告宣伝費の投資を行いました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,283,146千円、営業利益127,876千円、経常利益131,809千円、親会社株主に帰属する当期純利益は75,809千円となりました。なお、当社は、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較はしておりません。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
Midworks事業
ITエンジニアに対する企業の採用意欲が高い水準で推移する中、Midworks事業では、新規取引先の獲得に注力するとともに、既存取引先についても関係を維持しつつ、広告から獲得したエンジニアのスキルに適した案件獲得に努めました。また、企業に対し的確なITエンジニアリソースの提供を行う等、稼働エンジニア数及び取引企業数の増加に注力いたしました。
この結果、本報告セグメントの売上高は3,435,627千円、セグメント利益は346,380千円となりました。
メディア事業
複数の情報発信メディアを運営するメディア事業では、新たに連結子会社を取得したことに加え、広告収入の基礎となるPV(ページビュー)数を増加させるためにサイト評価を上げる施策について継続し、閲覧者数の増加に注力するとともに、他社メディアの新規立上げやメディア運営の受託等のマーケティングコンサルティングを行うBtoBサービス「SAKAKU」の販促に努めました。 この結果、本報告セグメントの売上高は365,430千円、セグメント利益は91,757千円となりました。
tech boost事業
tech boost事業では、ITエンジニアを目指す人を対象としたプログラミング教育を提供しております。当連結会計年度におきましては、イベント施策を通じた集客施策を強化するとともに、法人向け研修サービスの拡充・拡販に努めました。
この結果、本報告セグメントの売上高は278,128千円、セグメント利益は72,982千円となりました。
FCS事業
システムの受託開発を主に行っているFCS事業では、当社でITエンジニアチームを編成し顧客の要望に沿ったシステムの受託開発を行っております。当連結会計年度におきましては、継続案件及び新規Webサイトの作成に注力いたしました。
この結果、本報告セグメントの売上高は116,157千円、セグメント利益は52,420千円となりました。
その他事業
その他事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主にTechStars事業が含まれます。
TechStars事業は、ITエンジニアに特化した転職支援サービスです。当連結会計年度におきましては、人材紹介サービス事業者向けに提供されている有料の人材サービスに加え、自社の人材データベースの活用や事業部間の連携を強化したことにより、ITエンジニアの転職決定数に注力いたしました。
この結果、本報告セグメントの売上高は87,801千円、セグメント利益は13,232千円となりました。
② 財政状態の状況
総資産につきましては、1,324,556千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が481,675千円、売掛金が656,796千円、子会社取得に係るのれんが26,221千円、敷金及び保証金が77,830千円であります。
負債につきましては、742,832千円となりました。主な内訳は、買掛金が266,346千円、未払金が171,054千円、長期借入金が104,087千円であります。
純資産合計につきましては、581,724千円となりました。主な内訳は、資本金が129,967千円、資本剰余金が129,867千円、利益剰余金が318,864千円であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、481,675千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、54,168千円の収入となりました。主な収入の内訳は、税金等調整前当期純利益121,807千円、未払金の増加が57,254千円、仕入債務の増加が48,725千円、助成金の受取額が15,852千円であり、主な支出の内訳は、売上債権の増加が234,493千円、法人税等の支払額が22,934千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは80,626千円の支出となりました。主な支出の内訳は、敷金及び保証金の差入による支出39,131千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出27,628千円、有価証券の取得による支出10,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、77,169千円の支出となりました。収入の内訳は、株式の発行による収入2,498千円であり、支出の内訳は、長期借入金の返済による支出79,668千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
Midworks事業3,435,627
メディア事業365,430
tech boost事業278,128
FCS事業116,157
その他87,801
合計4,283,146

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.2021年8月期より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表を作成するために、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行っています。経営者は、これらの見積もりについて過去の経験・実績や現在及び見込まれる経済状況など勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果になる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、4,283,146千円となりました。
これは主にMidworks事業が堅調に推移した他、tech boost事業の法人向け研修サービスの提供に伴い売上が好調に推移したことによるものであります。
この結果、案件獲得数が大幅に増加し、売上高の増加につながりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は2,918,023千円となりました。これは主に売上に伴う外注費によるものであります。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、1,365,123千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,237,246千円となりました。これは主に、Midworks事業及びtech boost事業の広告宣伝費の投下によるものであります。
この結果、当連結会計年度における営業利益は127,876千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益では、助成金収入6,157千円、受取補償金3,642千円等を計上いたしました。また、営業外費用では、支払利息1,698千円、株式交付費償却2,785千円等を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、131,809千円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は投資有価証券評価損による10,001千円を計上いたしました。
この結果、税金等調整前当期純利益は121,807千円となりました
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税45,727千円等を計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は75,809千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備資金は無いため、人件費の支払いから販売代金の入金までの期間の運転資金が資金需要となり、当社グループのフリーキャッシュ・フロー並びに金融機関からの借入れによる資金調達を行うことを基本としております。効率的な人材配置と債権回収により営業キャッシュ・フローの増加に努めるとともに、借入金につきましては、長期資金の割合を高めて、財務健全性の維持を図り、当連結会計年度末における借入金の残高は167,659千円となっております。なお、資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関5行と取引をしております。なお、現金及び現金同等物の残高は481,675千円となっております。
⑤ 目標とする経営指標
当社グループは売上高成長率を重要な経営指標としておりますが、2021年8月期より連結財務諸表を作成しているため、当連結会計年度については個別業績における売上高成長率を指標としております。Midworks事業においては案件の新規獲得が堅調し、前事業年度に対し33.2%の増加いたしました。また、tech boost事業においては新規受講者人数の増加により、前事業年度に対し売上高を伸ばしました。その結果、個別業績における総売上高では前事業年度に対し37.2%の成長となりました。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。