有価証券報告書-第11期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 15:21
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174項目
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識並びに分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
(1) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,259,889千円となり、前連結会計年度末に比べ784,247千円増加いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が587,599千円、現金及び預金が230,645千円増加したことによるものです。
また、当連結会計年度末における固定資産は1,397,885千円となり、前連結会計年度末から538,216千円減少いたしました。これは主に投資有価証券が676,995千円、長期貸付金が48,504千円、長期未収入金が35,698千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は7,657,775千円となり、前連結会計年度末に比べ246,030千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,615,059千円となり、前連結会計年度末に比べ221,611千円増加いたしました。これは主に、契約負債が309,292千円、1年内返済予定の長期借入金が242,466千円減少した一方、販売促進引当金が398,320千円、賞与引当金が197,524千円、未払金が91,661千円、返金負債が77,371千円増加したことによるものです。
また、当連結会計年度末における固定負債は260,840千円となり、前連結会計年度末に比べ205,775千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が205,522千円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は2,875,899千円となり、前連結会計年度末に比べ15,836千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は4,781,875千円となり、前連結会計年度末に比べ230,194千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益130,918千円の計上、為替換算調整勘定79,314千円の増加によるものです。
(2) 経営成績の状況と分析
当社グループは決算期変更に伴い、前連結会計年度は15ヶ月の変則決算となっております。このため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善や雇用・所得環境の持ち直しを背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。他方、為替の円安基調の長期化や米国を中心とした通商政策の変化に伴う物価上昇圧力に加え、主要各国の金融政策が転換局面を経て高水準で推移していること等から、金融・為替市場の変動性は引き続き高い状況にあります。更に、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル及び米国によるイラン攻撃を契機とした中東情勢は急速に緊迫度を深めていること等から、地政学リスクは依然として解消されておらず、エネルギー価格の動向を含めた景気の先行きについては不透明な状況が継続しております。
当社グループが属するエネルギー業界を取り巻く環境においては、ウクライナ危機による資源価格の激しい変動を経て、一定の落ち着きを見せたものの、足もとでは中東情勢の緊迫が高まる等、地政学的リスクや為替動向の影響を受けやすい状況は継続しており、引き続き価格変動リスクへの注視が続く状況となりました。小売電力市場においては、ウクライナ危機による一時的な高騰後は一部の新電力を中心に顧客獲得に向けた動きが活発化した一方で、中東情勢等の外的要因の影響から消費者及び事業者における電気料金をはじめとしたエネルギー価格の動向への関心は再び高まっております。
このような状況を背景に、電力各社が提供する料金メニューは急速に多様化しております。従来の燃料費調整制度に準拠したプランに加え、卸電力取引所の価格を反映する「市場連動型」や、価格変動リスクを排除した「完全固定型」、更にはこれらを組み合わせた各社独自の「独自燃料費調整」等、契約形態の複雑化が顕著となっております。こうした市場環境の変化を受け、家庭及び法人需要家においては、最適な電力プランの選択や価格変動リスクへの対応が喫緊の課題となっております。これに対し、当社のプラットフォームが有する情報提供機能、並びに営業によるコンサルティング機能の重要性が一段と高まった結果、中立的な立場から複雑なプランを比較・解説できる当社の市場プレゼンスは着実に向上いたしました。
加えて、需要家向けサービスにとどまらず、供給側である新電力各社におけるニーズも変容しております。具体的には、電源調達の最適化や環境価値(非化石証書等)の調達支援といった川上領域における機能提供への要望が強まっており、当社の事業領域を更に広げる新たな収益機会となっております。
また、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画においても、生成AIの普及によるデータセンターの増設や半導体工場の新増設等を背景とした電力需要の増加が見込まれており、エネルギー需給構造の変化が加速していくものと想定されます。
このような環境のもと、当社グループでは、2025年6月23日付「事業計画及び成長可能性に関する事項」に記載のとおり、当社事業領域において、エネルギー流通を支えるプラットフォーマーとして、日本のエネルギーコスト・環境コストの低減に資するソリューションを提供することに取り組んで参りました。当社プラットフォームにおける顧客への提供価値を高め、介在する電力量を最大化することを目標に、既存の「電力切替支援」、「SaaS・システム開発」の深化を継続していきます。加えて、当社は、2026年6月22日付「事業計画及び成長可能性に関する事項」で開示した通り、電力切替や新電力向け基幹システムの開発等の既存事業に加え、「現場領域のAI活用」「海外投資マネジメント事業」を通じて事業規模を飛躍させていくことを計画しております。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高6,697,531千円、営業利益592,811千円、経常損失148,737千円、親会社株主に帰属する当期純利益は130,918千円となっております。
なお、営業外費用で持分法による投資損失728,410千円、特別利益で受取保険金23,662千円、投資有価証券売却益17,743千円を計上しております。
また、セグメント別の経営成績につきましては、当連結会計年度より、報告セグメントを従来の「エネルギープラットフォーム事業」、「エネルギーデータ事業」及び「EV充電事業」の3区分から、「エネルギー流通プラットフォーム事業」の単一セグメントに変更しております。詳細は、「第5.経理の状況 注記事項1.連結財務諸表(セグメント情報等)」に記載しております。
(売上高)
当連結会計年度において、売上高は6,697,531千円となりました。各ソリューションの経営成績は、次のとおりであります。
① 電力切替支援
「電力切替支援」の売上高は5,116,109千円となりました。家庭向け電力切替ではユーザー獲得戦略の見直し等により継続ユーザー数は270,278件と微減、法人向けでは小規模拠点での獲得伸長等により法人向け継続拠点数は17,718件と増加いたしました。
当連結会計年度の取り組みとして、電力・ガス切替比較プラットフォームである「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」及び「エネチェンジ Biz 電力最適診断」の両サービスにおいては、電力ガス事業者との連携をこれまで以上に強化しております。あわせて、AIの急速な普及を背景に、AI検索最適化(AIO)の強化や検索エンジンを介さない集客チャネルにも対応できるよう、主力サービスである当該切替比較サイトの大型改善に着手したほか、引越しに伴うタスク管理やライフライン(電気・ガス・水道等)の手続きをLINE上で完結できる新サービス「エネチェンジ Home 引越しWeb簡単サポート」の提供を開始いたしました。
② SaaS・システム開発
「SaaS・システム開発」の売上高は1,137,361千円となりました。電力ガス事業者向けに顧客ポータルや料金シミュレーション、申し込みシステム、家庭向けDR(デマンドレスポンス)サービス等を提供するデジタルソリューション「エネチェンジ Utility」の既存顧客への継続的なサービス提供やアップセル・クロスセルに注力しており、顧客数は42社で横ばいとなっております。
当連結会計年度においては、中期経営計画期間(2026年3月期-2028年3月期)での新ソリューションである「新電力向け基幹システム」の開発に着手しており、2027年3月期中に第1号顧客へサービスを提供開始することを予定しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度において、売上原価は791,853千円となりました。主にSaaS・システム開発事業の開発人件費です。
この結果、売上総利益は5,905,678千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は5,312,866千円となりました。主な内訳は、販売手数料1,864,866千円、給料及び手当1,134,706千円、業務委託費561,702千円、販売促進引当金繰入529,161千円、広告宣伝費407,344千円等です。
この結果、営業利益は592,811千円となりました。
(経常損失)
当連結会計年度において、営業外収益は21,472千円、営業外費用は763,021千円となりました。営業外収益の内訳は、主に受取利息12,804千円です。営業外費用の主な内訳は、持分法投資損失728,410千円、支払利息14,542千円、支払手数料11,111千円等です。
この結果、経常損失は148,737千円となりました。
(税金等調整前当期純損失)
当連結会計年度において、特別利益は41,405千円、特別損失は9,044千円となりました。特別利益の内訳は、受取保険金23,662千円、投資有価証券売却益17,743千円です。特別損失の内訳は、関係会社清算損7,517千円、投資有価証券売却損1,527千円です。
この結果、税金等調整前当期純損失116,376千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税3,470千円、法人税等調整額△250,765千円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益が130,918千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当社グループは決算期変更に伴い、前連結会計年度は15ヶ月の変則決算となっております。このため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,494,153千円(前連結会計年度末4,263,507千円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は654,942千円となりました。主な増加要因は、持分法による投資損失728,410千円、販売促進引当金の増加額398,320千円、未払消費税等の増加額228,925千円、賞与引当金の増加額197,524千円、未払金の増加額85,224千円等であります。主な減少要因は、売上債権の増加額551,986千円、契約負債の減少額309,292千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果獲得した資金は91,308千円となりました。主な増加要因は、貸付金の回収による収入99,354千円、投資有価証券の売却による収入83,870千円、敷金及び保証金の回収による収入41,138千円であります。主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出77,404千円、有形固定資産の取得による支出37,711千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は515,619千円となりました。主な増加要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入22,236千円等であります。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出447,988千円、短期借入金の返済による支出100,000千円等であります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは決算期変更に伴い、前連結会計年度は15ヶ月の変則決算となっております。このため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注残高
区分受注高(千円)前期末比(%)受注残高(千円)前期末比(%)
電力切替支援
SaaS・システム開発193,80460,859△88.8
その他
合計193,80460,859△88.8

(注)当連結会計年度の受注残高は、前連結会計年度と比較して、前期以前に受注したSaaS‧システム開発案件の履行義務の提供完了が当期に集中したことにより減少しております。
c.販売実績
当社グループは「エネルギー流通プラットフォーム事業」の単一セグメントであるため、販売実績についてソリューション別に示すと次のとおりであります。(単位:千円)
区分当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
電力切替支援5,116,109
SaaS・システム開発1,137,361
その他444,060
合計6,697,531

(注)1.当連結会計年度より、「エネルギー流通プラットフォーム事業」の単一セグメントに変更しておりますので、前年同期比の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社NEXT ONE957,45614.31,033,45615.4

(5) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えています。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮したうえで行っていますが、結果としてこのような見積りと実績が異なる場合があります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、当該リスクが顕在化した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。そのため、当社グループは、市場動向等を注視し、組織体制の整備、リスク管理体制の強化、成長事業領域への継続投資等を行い、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減する対応を適切に行ってまいります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものには、「電力切替支援」における人件費及び広告宣伝費、「SaaS・システム開発」におけるソフトウエア制作に係る人件費及び外注費のほか、管理部門における人件費等があります。
当社グループでの資金需要は、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としており、資金需要の金額や資金使途に応じて柔軟に検討を行う予定です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,494,153千円となっています。
なお、当社は当連結会計年度末において複数の取引金融機関との当座貸越契約を締結しており、資金調達手段を確保することにより、変動する資金需要に対応し、流動性リスクをコントロールしております。
(8) 経営者の問題認識及び今後の方針について
当社グループが認識する課題等について、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。これらの課題に対し、経営者は市場ニーズや事業環境の変化に関する情報の入手、分析を行い、現在及び将来の事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を適切に配分し、対応策を実施していく方針です。
(9) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

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