有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/02/09 15:00
【資料】
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【項目】
143項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
第4期連結会計年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ420百万円増加し、1,855百万円(前連結会計年度末比29.3%増)となりました。その他の流動資産の減少14百万円等により減少した一方で、主に、株式会社セイリング株式の取得に伴うのれんの増加203百万円、営業活動および財務活動による資金獲得に伴う現金及び預金の増加187百万円、繰延税金資産の増加23百万円、売掛金の増加14百万円等により増加しております。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ174百万円増加し、1,218百万円(前連結会計年度末比16.8%増)となりました。主に、株式会社セイリング株式の取得に伴う仲介手数料の支払等による未払金の減少54百万円、未払法人税等の減少50百万円、短期借入金の減少45百万円等により減少した一方で、主に、株式会社セイリング株式の取得のための資金調達に伴う長期借入金の増加196百万円、未払消費税等の増加106百万円等により増加しております。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ245百万円増加し、637百万円(前連結会計年度末比62.7%増)となりました。主に、当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加210百万円、ストックオプションの行使による払込に伴う資本金の増加17百万円及び資本剰余金の増加17百万円等により増加しております。
第5期第1四半期連結累計期間(自 2020年10月1日 至 2020年12月31日)
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ36百万円減少し、1,819百万円(前連結会計年度末比2.0%減)となりました。事業拡大に伴う売掛金の増加60百万円、その他流動資産の増加35百万円等により増加した一方で、主に法人税等の納付に伴う現金及び預金の減少109百万円、のれんの減少14百万円等により減少しております。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ115百万円減少し、1,102百万円(前連結会計年度末比9.5%減)となりました。月末が銀行休業日だったことに伴う未払費用の増加78百万円、その他の流動負債の増加51百万円等により増加した一方で、主に、消費税の納付に伴う未払消費税等の減少127百万円、賞与引当金の減少76百万円、未払金の減少25百万円、長期借入金の減少23百万円等により減少しております。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ79百万円増加し、716百万円(前連結会計年度末比12.5%増)となりました。四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加79百万円により増加しております。
②経営成績の状況
第4期連結会計年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により緊急事態宣言が発令され、経済活動が大きく制限されたことなどから急速に後退しました。その後緊急事態宣言が解除されたことを受けて、経済活動は再開され回復に向かうことが期待されております。しかしながら、依然国内外の感染症の動向は楽観視できない状況が続いており、先行きは極めて不透明な状況が続いております。
当連結会計年度においては、当社グループの主要顧客である大手システム開発企業各社で、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴い技術開発投資の延期等が発生したことから、受注環境が悪化しました。そうした状況の中、当社は、技術者派遣においては、案件に係る商流の改善を進めることで、派遣単価の向上に努めてまいりました。一方、当第3四半期及び第4四半期連結会計期間(2020年4月~9月)におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により首都圏を中心に技術者派遣需要が停滞傾向の中、採用は引き続き優秀な人材の獲得に取り組むものの、不透明な国内需要動向を鑑み、中途採用を一時的に抑制しました。その結果、当社グループのエンジニアの稼働率が減少し、エンジニアの待機経費は当期で122百万円となりました。
なお、ご参考ではありますが、過去の待機経費は第3期で24百万円、第2期で41百万円、第1期で77百万円となっております。
当社グループにおける待機経費とは、待機に回ったエンジニアの日割り計算累積人件費金額のことを指しております。
当連結会計年度においては、当社グループの主要顧客である大手システム開発企業各社で、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は依然として残るものの、受注環境は回復傾向にあり、当社グループの事業活動において、受注に向けた営業活動の停滞、受注減少等に与える影響は限定的と認識しております。
このような事業環境のもと、当社グループは中長期的な経営戦略として、将来に向けた成長基盤の拡充と人財の育成を掲げ、「業界有数の人財数」、「業界有数の技術力」、「オリジナルの制度に基づく人財育成力」(各経営戦略の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の通りであります)、を実現すべく、当連結会計年度において新たな顧客企業の開拓等により新型コロナウイルス感染症による影響を極小化することに取り組んでまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は4,565百万円(前年同期比9.9%増)となり、営業利益は303百万円(前年同期比9.4%減)、経常利益は303百万円(前年同期比9.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は210百万円(前年同期比3.1%増)となりました(子会社別の売上高は、株式会社ブレーンナレッジシステムズ:3,120百万円、株式会社シー・エル・エス:1,015百万円、株式会社アセットコンサルティングフォース:203百万円、株式会社セイリング:401百万円となっており、グループ内取引の相殺消去前の数値を記載しております。)。
なお、当社はシステムソリューションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第5期第1四半期連結累計期間(自 2020年10月1日 至 2020年12月31日)
当第1四半期連結累計期間においては、当社グループの主要顧客である大手システム開発企業各社で、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は依然として残るものの、受注環境は回復傾向にあり、当社グループの事業活動において、受注に向けた営業活動の停滞、受注減少等に与える影響は限定的と認識しております。
このような事業環境のもと、当社グループは中長期的な経営戦略として、将来に向けた成長基盤の拡充と人財の育成を掲げ、「業界有数の人財数」、「業界有数の技術力」、「オリジナルの制度に基づく人財育成力」を実現すべく取り組んでまいりました。
1)業界有数の人財数:中途採用市場が活性化しており、近年は競争激化の影響で採用数が鈍化していることを踏まえ、媒体広告や宣伝等に投下する費用を増加して候補者へのアプローチを広く、深くしていくとともに、成果報酬型採用等のエージェントを活用した採用活動も積極的に行っております。
2)業界有数の技術力:当社グループ全体で注力している人脈活用による新規取引先の拡大と、取引先峻別によりコンサルタントやエンジニアの付加価値提供先の選択肢が増加し、かつ参画するプロジェクトの内容の高度化が進んでおります。高度なプロジェクトにおける現場経験を積むことに伴って、当社グループに帰属するコンサルタントやエンジニアの技術力が向上し、当社グループの人財のうちコンサルタント、プロジェクトマネージャー及びプロジェクトリーダーが占める割合を向上させていくことにより、業界有数の技術力を実現すべく取り組んでおります。
3)オリジナルの制度に基づく人財育成力:成果ではなく成果を生み出す行動を重視した人事制度の制定・改善や管理監督者を対象としたマネジメント研修の継続実施、24時間・場所を選ばずスキマ時間での学習が可能な当社グループオリジナルの階層別eラーニングカリキュラムや対話を重視した研究会・勉強会の補助等社内教育プログラムの拡充等により順調に進捗しているため、こうした取り組みを今後も継続してまいります。
以上の結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は1,210百万円となり、営業利益は120百万円、経常利益は120百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は79百万円となりました(子会社別の売上高は、株式会社ブレーンナレッジシステムズ:767百万円、株式会社シー・エル・エス:255百万円、株式会社アセットコンサルティングフォース:138百万円、株式会社セイリング:107百万円となっており、グループ内取引の相殺消去前の数値を記載しております。)。
なお、当社グループはシステムソリューションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
第4期連結会計年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ187百万円増加し、586百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、338百万円の収入(前年同期は308百万円の収入)となりました。これは主に事業拡大に伴う法人税負担増に伴う法人税等の支払額150百万円等があった一方で、税金等調整前当期純利益303百万円を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、269百万円の支出(前年同期は70百万円の支出)となりました。これは主に敷金の回収による収入3百万円等があった一方で、主に、株式会社セイリング株式を取得したことにより連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出248百万円があったこと、及び、人財獲得力の強化と、より一層のグループ内コミュニケーション活性化や労働環境の改善を目的として、国内子会社における支店を移転したことに伴う有形固定資産の取得による支出18百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、118百万円の収入(前年同期は214百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出285百万円、長期借入金の返済による支出235百万円等があった一方で、主に株式会社セイリング株式の取得のための資金を調達したことに伴う長期借入れによる収入400百万円があったこと、及び、短期借入れによる収入240百万円等があったことによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業(システムソリューションサービス事業)は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
b.受注実績
当社グループで行う事業(システムソリューションサービス事業)は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
c.販売実績
第4期連結会計年度及び第5期第1四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはシステムソリューションサービス事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称第4期連結会計年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
第5期第1四半期
連結累計期間
(自 2020年10月1日
至 2020年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
システムソリューションサービス事業4,565,004109.91,210,242
合計4,565,004109.91,210,242

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度及び第5期第1四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に重要なものは以下のとおりであります。
(のれんの評価)
当社グループは、のれんを計上しております。のれんの対象会社における経営成績悪化等により減損の兆候が生じる場合には、減損の判定を行っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第4期連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当社グループは、当連結会計年度において技術者派遣の案件に係る商流の改善を進めたことによる派遣単価の向上、新たな顧客企業の開拓等に努めてまいりました。一方、当第3四半期及び第4四半期連結会計期間(2020年4月~9月)におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により首都圏を中心に技術者派遣需要が停滞傾向になりました。採用については引き続き優秀な人材の獲得に取り組むものの、不透明な国内需要動向を鑑み、中途採用を一時的に抑制しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は4,565,004千円となり、前連結会計年度に比べ9.9%増加いたしました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は3,371,264千円となり、結果として売上総利益は1,193,739千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費の主な項目として、給料及び手当274,761千円(売上比6.0%)を計上した結果、販売費及び一般管理費合計で890,019千円(売上比19.5%)となりました。
結果として、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引きました営業利益は303,720千円(売上比6.7%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益で3,572千円(売上比0.1%)、営業外費用で3,850千円(売上比0.1%)を計上しました。結果として経常利益は303,442千円(売上比6.6%)となりました。
(特別損失、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損失で361千円、法人税等合計で92,812千円(売上比2.0%)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は210,268千円(売上比4.6%)となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、1,855,481千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、1,218,442千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、637,038千円となりました。
主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が132.2%、自己資本比率が34.3%になっております。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、人材採用のための採用費、採用したエンジニアの人件費等があり、主な資金の源泉は、営業活動による純現金収入及び借入によります。当社グループでは、継続して売上高が増加しているため、万一不足が見込まれる運転資金は銀行からの長期借入金及び短期借入金を活用して手当てしております。
当社グループでは過去の業績の拡大とそれにより発生した資金需要等を勘案し、事業拡大に必要となる資金は借入等を効率的に活用して調達する予定であります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。