有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/11/15 15:00
【資料】
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【項目】
145項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第9期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は915,611千円となり、前連結会計年度末と比較して644,846千円の増加となりました。これは主に、増資に伴う現金及び預金の増加687,521千円によるものであります。
固定資産は61,130千円となり、前連結会計年度末と比較して34,869千円の減少となりました。これは主に建物の減少24,033千円、工具、器具及び備品の減少9,273千円によるものであります。
この結果、総資産は、976,741千円となり、609,976千円の増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は459,713千円となり、前連結会計年度末と比較して50,384千円の減少となりました。これは主に、未払費用の減少51,535千円によるものであります。
固定負債は207,244千円となり、前連結会計年度末と比較して107,976千円の減少となりました。これは、長期借入金の減少95,502千円によるものであります。
この結果、負債合計は666,958千円となり、前連結会計年度末に比べ158,360千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は309,783千円となり、前連結会計年度末と比較して768,337千円の増加となりました。これは、資本金の減少183,500千円、資本剰余金の増加1,133,499千円、利益剰余金の減少181,650千円によるものであります。
第10期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は955,450千円となり、前連結会計年度末と比較して39,839千円の増加となりました。これは主に、売掛金及び契約資産の増加84,347千円によるものであります。
固定資産は70,468千円となり、前連結会計年度末と比較して9,338千円の増加となりました。これは主にソフトウエアの増加26,518千円によるものであります。
この結果、総資産は、1,025,919千円となり、前連結会計年度末に比べ49,177千円の増加となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は340,836千円となり、前連結会計年度末と比較して118,876千円の減少となりました。これは主に、未払消費税等の減少48,118千円によるものであります。
固定負債は183,709千円となり、前連結会計年度末と比較して23,535千円の減少となりました。これは、資産除去債務の減少16,881千円によるものであります。
この結果、負債合計は524,546千円となり、前連結会計年度末に比べ142,411千円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は501,372千円となり、前連結会計年度末と比較して191,589千円の増加となりました。これは、資本金および資本剰余金がそれぞれ75,000千円ずつ増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第9期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度における我が国の経済においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、先行きが不透明な状況が続いている一方で、多くの企業は多様な働き方と新たな価値の創造を両立することが求められております。
このような経済環境の中、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響による社会変革の加速を予見しておりました。そのなかで2020年7月にリリースした仮想空間共有技術プラットフォーム「XR CLOUD」は、仮想空間におけるイベントや展示会など様々なシーンにおいて、順調に実績を積み重ねております。なお、前連結会計年度に引き続き当連結会計年度を「XR CLOUD」の研究開発期間と位置づけ、経営資源を投入しております。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,291,305千円(前年同期比14.6%増)、営業損失136,288千円(前年同期は487,539千円の営業損失)、経常損失174,526千円(前年同期は479,888千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失181,650千円(前年同期は580,928千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループは、XR事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
第10期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、回復の兆しが見え始めました。緩やかな景気回復を背景に投資再開の動きが広がる中、新たな変異ウイルスであるオミクロン株の感染急拡大を受け、個人消費が低迷するなど、勢いを欠いた経済活動を余儀なくされました。また、2月下旬にロシア・ウクライナ情勢が株価に与える影響や資源価格の高騰によるインフレの長期化が懸念されるなど、先行きは不透明な状況が継続しております。
このような経済環境の中、当社グループは、引き続きイベント開催件数増加に注力し、さらにオウンドメディア「メタバース相談室」の運営を始め、新規顧客獲得の数・質を高めるために、当社ターゲット企業へ効率的にリーチできる体制を構築してまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの経営成績は、売上高1,094,950千円、営業利益48,929千円、経常利益48,220千円、親会社株主に帰属する四半期純利益40,910千円となりました。
なお、当社グループは、XR事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況
第9期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、696,521千円増加し、787,374千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果支出した資金は、114,590千円(前連結会計年度は162,177千円の支出)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失177,098千円、未払費用の減少額51,434千円などにより資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、12,458千円(前連結会計年度は2,126千円の支出)となりました。
これは、業務拡大による従業員数の増加などの有形固定資産の取得による支出7,731千円、敷金及び保証金の差入による支出4,700千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は、843,277千円(前連結会計年度は128,584千円の獲得)となりました。
これは、長期借入金の返済による支出105,815千円があったものの、株式の発行による収入949,999千円により資金が増加したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
第9期連結会計年度及び第10期第3四半期連結累計期間の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはXR事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
サービスの名称第9期連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
前年同期比(%)第10期第3四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
メタバースサービス(千円)937,652106.0818,944
XRイベントサービス(千円)85,378-120,015
XR周辺サービス(千円)268,275110.7155,990
合計(千円)1,291,305114.61,094,950

(注)1.第8期連結会計年度、第9期連結会計年度及び第10期第3期四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第8期連結会計年度
(自2020年1月1日
至2020年12月31日)
第9期連結会計年度
(自2021年1月1日
至2021年12月31日)
第10期第3四半期連結累計期間
(自2022年1月1日
至2022年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
阪急阪神グループ--152,37411.80357,12932.62
パルス株式会社368,82032.72570,11744.15337,07730.78
株式会社NTTドコモ126,08111.19--1,0700.10

2.XRイベントサービスは第9期連結会計年度中に販売が開始されたものであるため、前年同期比(%)の記載はしておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社グループの財政状態及び経営成績にとって重要であり、かつ、相当程度の経営判断や見積を必要とする重要な会計方針について、以下のとおり説明いたします。
受注制作のソフトウエア開発に係る収益の認識
当社グループは、第10期連結会計年度の期首から受注制作のソフトウエアに係る収益に関し、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については、インプット法を適用して計上しております。
インプット法における進捗率は原価比例法を採用し、当該進捗率に応じて収益を計上しております。期末日現在の進捗率は、プロジェクト原価の見積総原価に対する期末日までの実際発生原価の割合に基づき算出しております。
総原価の見積りはプロジェクトの進行に応じて適時、適切に見直しを行いますが、契約ごとに個別性が高く、顧客からの要請の高度化・複雑化や開発段階でのシステム要件の変更、納期の変更等により、総原価の見積りが変動することがあり、その結果、プロジェクトの進捗度が変動する可能性があります。また、これらの見積りには不確実性が含まれているため、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第9期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、1,291,305千円(前年同期比14.6%増)となりました。
売上高の分析・検討内容につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、826,118千円(前年同期比5.7%減)となりました。
主な要因は、当期製品製造原価の減少によります。この結果、売上総利益は465,186千円(前年同期は250,888千円)となりました。
(販管費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度の販管費及び一般管理費は、601,474千円(前年同期比18.5%減)となりました。
主な要因は、給与手当の減少によります。この結果、営業損失は136,288千円(前年同期は487,539千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)
当連結会計年度において、営業外収益は5,619千円、営業外費用は43,858千円となりました。
主な要因は、助成金収入1,866千円、持分法による投資損失40,095千円を計上したことによるものです。この結果、経常損失は、174,526千円(前年同期は479,888千円の経常損失)となりました。
(特別損失、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度において、賃貸借契約解約損による特別損失が2,571千円発生しました。税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を4,551千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は181,650千円(前年同期は580,928千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
第10期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
(売上高)
当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,094,950千円となりました。
売上高の分析・検討内容につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間の売上原価は、610,866千円となりました。
主な要因は、当期製品製造原価の減少によります。この結果、売上総利益は484,084千円となりました。
(販管費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期連結累計期間の販管費及び一般管理費は、435,154千円となりました。
主な要因は、研究開発費の減少によります。この結果、営業利益は48,929千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当第3四半期連結累計期間において、営業外収益は5,033千円、営業外費用は5,743千円となりました。
主な要因は、補助金収入2,693千円、支払利息2,735千円を計上したことによるものです。この結果、経常利益は、48,220千円となりました。
(特別損失、親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第3四半期連結累計期間において、減損損失による特別損失を20,865千円計上しました。税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を3,362千円計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は40,910千円となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要として主なものは、事業の拡大に伴う人件費、プロダクトの開発費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは安定的な成長を表す指標として、売上高、営業利益及び売上高営業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標として位置付けております。また、売上高の拡大には、イベント実施数の拡大が必要であると考えております。当第3四半期連結累計期間におけるイベント実施数は35件と前年同期間の8件対比で337.5%増加しており、順調に推移しているものと認識しております。