有価証券届出書(新規公開時)

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2023/03/08 15:00
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173項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社は、2021年2月1日開催の臨時株主総会の決議により、決算期を3月20日から6月30日に変更しております。従って、第7期は2021年3月21日から2021年6月30日までの3ヶ月10日間となっております。そのため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
① 経営成績の状況
第8期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、ワクチン接種の普及拡大による回復傾向は見られたものの変異株の発生による感染再拡大もあり、感染の収束は見通せない状況であります。さらに、原油価格の高騰に伴うインフレ圧力の高まり、ウクライナ情勢等による地政学リスク、急激な円安の進行などもあり、先行き不透明な状況が依然として継続しております。
このような環境の中、当社グループの主力事業である流通小売事業では、「あなたの生活必需店」をコンセプトとして、24時間営業により「欲しいものが、いつでも買える」、EDLP(Every Day Low Price)の価格戦略により「欲しいものが、いつでも安い」を実現し、お客様の生活を応援してまいりました。また、生鮮など「食」を強化した繁盛店作りを行ったことにより、お客様の需要が高い生鮮食品を高品質かつ低価格で提供できるようになりました。
さらに、セルフレジ機能を搭載したスマートショッピングカートなどのIoTデバイスのトライアル店舗への導入も加速させて、より広い地域でお客様の利便性向上や新しい買い物体験を提供しました。
その結果、改装等により生鮮など「食」を強化した繁盛店は、商品力の向上により、売上高は大幅に伸長しました。また、IoTデバイスによるスループット(レジ通過客数)が上昇しました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高597,653百万円、営業利益12,046百万円、経常利益12,687百万円、親会社株主に帰属する当期純利益7,135百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、売上高については、外部顧客への売上高の金額によっております。また、セグメント利益又はセグメント損失については、未実現利益の消去等及び全社費用を調整する前の金額によっております。
(流通小売事業)
当連結会計年度の売上高は596,741百万円、セグメント利益は14,978百万円となりました。
新規出店については、メガセンター、スーパーセンターをそれぞれ2店舗、smartを1店舗、小型店を2店舗の合計7店舗を新規出店し、当社グループの主力フォーマットであるスーパーセンターを中心に25店舗の改装を行いました。また、smartを1店舗閉店した結果、当連結会計年度末の店舗数は271店舗(FC3店舗含む)となりました。
(リテールAI事業)
当連結会計年度の売上高は432百万円、セグメント損失は1,820百万円となりました。
主にスマートショッピングカート(SSC)やその他のプロダクトの月額利用料・ライセンス利用料を収受しております。また、リテールAIテクノロジーの研究開発を加速するために、研究開発人材の積極的な採用を行うとともに、当社グループの実店舗へIoTデバイスの導入を進めてまいりました。
(その他事業)
当連結会計年度の売上高は478百万円、セグメント損失は346百万円となりました。
当連結会計年度は宿泊施設の増減がありませんでした。なお、当連結会計年度末の宿泊施設は7施設であります。
第9期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は続くなか、行動制限の緩和により過去の感染拡大局面のような落ち込みは回避される一方、世界的な資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱、急激な円安の進行等により、依然として国内外における経済の先行きは不透明な状態が続いております。また、生活必需品の値上げやエネルギーコストの上昇も相次いでおり、消費者の節約志向も強まっております。
そのような経済環境の中、当社グループの事業領域である食品小売業界におきましては、世界情勢や円安の影響を受けて原材料や燃料等の高騰による物価上昇の影響を受け、消費マインドの低下等が続いている一方で、ディスカウントストアの需要は高まっております。
ウィズコロナの環境下、当社グループは「テクノロジーと、人の経験知で、世界のリアルコマースを変える。」というビジョンを実現すべく、ディスカウントストアの新規出店を加速させるとともに、リテールAIデバイスを活用した顧客利便性の高い店舗づくりに努めてまいりました。
また、当社グループでは、あなたの「生活必需品」をコンセプトとして、24時間営業により「欲しいものが、いつでも買える」、EDLP(Every Day Low Price)の価格戦略により「欲しいものが、いつでも安い」を実現し、お客様の生活を応援しております。
以上の結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高336,327百万円、営業利益7,264百万円、経常利益7,519百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,185百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
なお、売上高については、外部顧客への売上高の金額によっております。また、セグメント利益又はセグメント損失については、未実現利益の消去等及び全社費用を調整する前の金額によっております。
(流通小売事業)
生鮮を中心とする店づくりの改装を進めた結果、生鮮及び食品を中心に売上が堅調に推移いたしました。一方で、生鮮を中心とした売場強化に伴う人件費は増加しておりますが、仕入原価の引下げやロスの改善、店舗オペレーションの効率化に努めてまいりました。
新規出店については、当第2四半期連結累計期間において、大型店舗を2店舗、中型店舗を1店舗の合計3店舗を出店した結果、当第2四半期連結会計期間末の店舗数は、274店舗(うちFC3店舗を含む)となりました。改装については、大型店舗を4店舗、中型店舗を14店舗、小型店舗を6店舗の合計24店舗を改装いたしました。
以上の結果、当事業の売上高は335,394百万円、セグメント利益は8,208百万円となりました。
(リテールAI事業)
主にスマートショッピングカート(SSC)やその他のプロダクトの月額利用料・ライセンス利用料を収受しております。また、リテールAIテクノロジーの研究開発を加速するために、研究開発人材の積極的な採用を行うとともに、当社グループの実店舗へIoTデバイスの導入を進め、収益基盤が整備されつつあります。
以上の結果、当事業の売上高は331百万円、セグメント損失は208百万円となりました。
(その他の事業)
不動産・リゾート事業について、新型コロナウイルスの感染者数は高止まりしている一方で、入国者数の上限撤廃や全国旅行支援によって旅館運営事業の黒字化の目途が見えてきました。
以上の結果、当事業の売上高は600百万円、セグメント損失は6百万円となりました。
② 財政状態の状況
第8期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ14,285百万円増加し、185,730百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ8,602百万円増加し、76,365百万円となりました。その主な要因は、業績が堅調に推移したことにより現金及び預金が4,688百万円増加及び棚卸資産が2,156百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ5,682百万円増加し、109,365百万円となりました。その主な要因は、新規出店及び改装等により土地が336百万円、建物及び構築物が4,549百万円、また投資有価証券が534百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ、7,375百万円増加し、126,023百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ5,692百万円増加し、97,046百万円となりました。その主な要因は、売上高の増加に伴い原価等の取引量が増加したことにより支払手形及び買掛金が2,563百万円増加し、また決算期変更により前期が3ヵ月と10日と会計期間が例年よりも短期間であったことが要因となり未払法人税等が1,763百万円増加、未払消費税等が1,234百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ1,682百万円増加し、28,976百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が返済により2,541百万円減少するも、資産除去債務が会計上の見積りを変更したこと等により3,642百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産額は、前連結会計年度末と比べ6,910百万円増加し、59,707百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が6,834百万円増加となったことによるものであります。
第9期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ43,697百万円増加し、229,428百万円となりました。これは主として、現金及び預金が27,895百万円、棚卸資産が5,324百万円、流動資産その他が5,622百万円、建物及び構築物が1,568百万円増加したことによるものであります。
負債は前連結会計年度末に比べ39,166百万円増加し、165,189百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が39,836百万円、契約負債が2,610百万円増加し、未払消費税等が1,894百万円、長期借入金が2,163百万円減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ4,531百万円増加し、64,238百万円となりました。これは主として、利益剰余金が4,185百万円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
第8期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,688百万円増加して27,432百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は22,344百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12,029百万円、減価償却費9,412百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は13,494百万円となりました。これは主に新規出店及び改装に伴う有形固定資産の取得による支出12,334百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は4,318百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出5,592百万円等によるものであります。
第9期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は55,327百万円となりました。当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主な支出項目として棚卸資産の増加額が5,329百万円、法人税等の支払額が2,743百万円あったものの、主な収入項目として税金等調整前四半期純利益が7,519百万円、減価償却費の計上が5,035百万円、仕入債務の増加が40,974百万円などにより39,584百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出9,087百万円などにより9,370百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出2,237百万円などにより2,278百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第8期連結会計年度
(自 2021年7月1日
至 2022年6月30日)
金額(百万円)
流通小売事業596,741
グロサリー189,328
デイリー106,366
フレッシュ138,642
生活75,909
ハード58,504
アパレル16,285
その他11,703
リテールAI事業432
その他事業478
合計597,653

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.グロサリーとは菓子類などの加工食品、デイリーとは卵や乳製品などの日配品、フレッシュとは生鮮四品(青果・精肉・鮮魚・惣菜)、生活とはタオルや収納用品などの生活雑貨、ハードとはキャンプ用品などの耐久性商品を示します。
3.第8期の主な相手先別の販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文における将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性がともなうため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
当社の連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
ロ 経営成績
第8期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
2022年6月期の前事業年度である2021年6月期は、決算期を3月20日から6月30日に変更したことにより2021年3月21日から2021年6月30日の3ヶ月10日間であります。そのため、前年同期間との比較は記載しておりません。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、597,653百万円となりました。
店舗数は前連結会計年度末の265店舗から当連結会計年度末には271店舗となり、1店舗閉鎖するも7店舗の新規出店、また25店舗を改装した効果などにより、順調に推移しました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、485,416百万円となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は、徹底した原価管理などが要因として、81.2%となり、売上総利益は112,236百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、102,379百万円となりました。
また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、17.1%であり、前連結会計年度と大きな変動はありません。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
営業外収益は944百万円となりました。これは主に、持分法による投資利益473百万円及び助成金収入173百万円によるものであります。
営業外費用は303百万円となりました。これは主に、支払利息137百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は12,687百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7,135百万円となりました。
第9期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)
(売上高)
当第2四半期連結累計期間の売上高は、336,327百万円となりました。
店舗数は前連結会計年度末の271店舗から3店舗の新規出店により当第2四半期連結会計期間末には274店舗となり、また24店舗を改装した効果などもあり順調に推移しました。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期連結累計期間の売上原価は、271,872百万円となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は、徹底した原価管理などが要因として、前年同期から1.1ポイント減少して80.8%となり、売上総利益は64,455百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、58,349百万円となりました。
また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前年同期から0.9ポイント増加して17.3%であり、前連結会計年度と大きな変動はありません。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当第2四半期連結累計期間の営業外収益は448百万円となりました。これは主に、持分法による投資利益273百万円によるものであります。
当第2四半期連結累計期間の営業外費用は194百万円となりました。これは主に、支払利息60百万円及び為替差損74百万円によるものであります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経常利益は7,519百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4,185百万円となりました。
ハ キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。