四半期報告書-第99期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/07 14:37
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、10月より新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が解除されるなど、持ち直しの動きが見られる一方で、変異株の感染拡大の懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続きました。
水産・食品業界におきましては、一部の諸外国で需要回復が見られた一方で、国内においては輸送費の上昇や原材料価格の高騰などにより、依然として厳しい状況が続きました。
このような状況の中で、当社グループは2021年4月より中期経営計画『Build Up Platform 2024』(2021年度~2023年度)をスタートさせました。『経営基盤の強化を図りながら、「事業課題への継続的取組み」と「持続的成長への挑戦」を柱とする戦略を進め、社会と極洋それぞれが共有するべき価値を創造していくことで、新たな成長への礎となる「高収益構造への転換」を目指す。』という基本方針のもと、目標達成に向け取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は2,004億77百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は57億15百万円(前年同期比55.2%増)、経常利益は60億30百万円(前年同期比57.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は39億91百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの変更を行っており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は「第4経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」のⅡ当第3四半期連結累計期間の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。
また、当社グループは第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。収益認識会計基準等の適用の詳細については「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)収益認識に関する会計基準等の適用」ご覧ください。
セグメント別業績は次のとおりです。
①水産商事セグメント
最大の需要期である年末商戦は、外食産業が回復し、量販店向けも好調に推移したことから、主要魚種のサケ・エビの加工品の販売が伸長しました。過去最高値となったカニも昨年に引き続きプチ贅沢需要があり、計画通りに販売できました。また、世界的な需要回復に伴いホタテの輸出も伸長しました。この結果、売上・利益ともに前年同期を上回りました。
水産商事セグメントの売上高は989億51百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は46億75百万円(前年同期比64.6%増)となりました。
②食品セグメント
業務用冷凍食品は、年末のオードブル需要により、フリッターや水産フライ製品が好調に推移しました。外食産業も持ち直し、回転寿司ルートも一定の販売を確保しました。しかしながら、上半期までの落ち込みを補うまでには至りませんでした。
市販用冷凍食品は、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大による工場稼働率の低下により、煮魚・焼魚製品の生産量が減少し、収益を圧迫しました。缶詰は市場トレンドが変化したことにより、主力量販店での売上が減少しました。この結果、売上・利益とも前年同期を下回りました。
食品セグメントの売上高は740億13百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は9億51百万円(前年同期比31.7%減)となりました。
③鰹・鮪セグメント
輸入冷凍クロマグロ、インドマグロの取扱いが伸長し、量販店、回転寿司ルートを中心にマグロ加工品も好調に推移しました。また、国産クロマグロの養殖事業は、品質の向上及び出荷体制の安定化により、利益改善に貢献しました。海外まき網事業は、水揚げ数量が減少したものの、カツオの魚価が回復基調に転じたことにより収支が改善しました。この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。
鰹・鮪セグメントの売上高は263億34百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は7億6百万円(前年同期は営業損失69百万円)となりました。
④物流サービスセグメント
国内貨物の集荷に注力し、配送事業は好調に推移しましたが、倉庫事業はコンテナ不足に伴う外国貨物の入庫数量減少により在庫数量が減少し、利益面での影響を受けました。この結果、売上は前年同期を上回りましたが、利益は前年同期を下回りました。
物流サービスセグメントの売上高は8億76百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は1億80百万円(前年同期比39.0%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ276億93百万円増加し、1,440億24百万円となりました。
流動資産は、受取手形及び売掛金や棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ260億5百万円増加し、1,126億55百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ16億87百万円増加し、313億68百万円となりました。
負債合計は、支払手形及び買掛金や短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ256億8百万円増加し、1,019億63百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ20億85百万円増加し、420億60百万円となりました。
この結果、自己資本比率は29.6%(前連結会計年度末比5.1ポイント減)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億38百万円であります。
(6)主要な設備の新設
鰹・鮪セグメントにおいて、子会社である極洋水産㈱所属の海外まき網船の代船を建造いたしま
す。投資予定金額は32億円で、2022年8月に竣工予定です。