有価証券報告書-第96期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善が進み、緩やかな回復が続いております。
水産・食品業界におきましては、人手不足による労働コスト・物流コストの上昇に加え、世界的な水産物需要の増大による買付コストの上昇など、厳しい状況は続いております。
このような状況のもとで、中期経営計画『Change Kyokuyo 2021』(2018年度~2020年度)の初年度として、『魚を中心とした総合食品会社として、高収益構造への転換をはかり、資源、環境、労働などの社会的要請を踏まえ、事業のウイングの拡大と時間価値の提供により企業価値の向上を目指す』という基本方針のもと、『ESG重視の事業活動』を通じて『拡大』『強化』『均衡』の各戦略を進め、高収益構造へ大きく転換していくことを目指し、取り組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は、エビや北洋魚などの市況低迷やカツオ魚価の大幅下落、連結子会社における会社分割及び株式譲渡により、水産商事、鰹・鮪、物流サービスの各セグメントは前年実績を下回りましたが、冷凍食品、常温食品の各セグメントは前年実績を上回りました。その結果、2,561億51百万円と前期比13億67百万円増加(前期比0.5%増)しました。
営業利益は、冷凍食品、常温食品、物流サービスの各セグメントは前年実績を上回りましたが、エビや北洋魚などの市況低迷により上半期に苦戦を強いられた水産商事セグメント、台風被害、カツオ魚価の大幅下落の影響を受けた鰹・鮪セグメントは前年実績を下回りました。その結果、38億31百万円と前期比2億35百万円減少(前期比5.8%減)しました。
経常利益は44億34百万円と前期比3百万円減少(前期比0.1%減)し、親会社株主に帰属する当期純利益は29億14百万円と前期比2億96百万円減少(前期比9.2%減)しました。
また、当社グループが重視しております経営指標の当期実績は自己資本当期純利益率が9.6%(前期比2.3ポイント下降)、自己資本比率が27.7%(前期比0.5ポイント上昇)、有利子負債資本倍率が1.9倍(前期比0.1ポイント悪化)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。
水産商事セグメント
水産商事において、国内では鮭鱒などの付加価値加工品の取扱いは伸びましたが、市況が低迷したエビや北洋魚などの販売は前年を下回りました。一方、海外では日本産サバ・イワシの輸出、米国子会社による米国内販売が伸長しました。結果、下半期は前年を上回る利益を計上することができましたが、苦戦を強いられた上半期の業績を補うまでには至らず、売上・利益ともに前期を下回りました。
水産商事セグメントの売上高は1,249億52百万円(前期比4.5%減)、営業利益は24億44百万円(前期比6.4%減)となりました。
冷凍食品セグメント
水産冷凍食品事業では寿司種を中心とした生食用商品及び切身・煮魚などの加熱用商品の拡販に努め、特に煮魚などの個食タイプの販売が伸長しました。調理冷凍食品事業ではカニ風味かまぼこが、家庭用冷凍食品事業では塩釜工場製品の販売が順調に推移しました。この結果、売上・利益ともに前期を上回りました。
冷凍食品セグメントの売上高は824億5百万円(前期比10.8%増)、営業利益は9億32百万円(前期比3.9%増)となりました。
常温食品セグメント
缶詰販売は、サバ缶の需要拡大により発生した供給不足に対し、イワシ缶などその他水産缶詰の販売に注力しましたが、補うことができませんでした。一方、珍味製品においては、販売が好調に推移したほか、規格変更などでコストアップ対策に取り組みました。この結果、売上は前期並みとなりましたが、利益は前期を上回りました。
常温食品セグメントの売上高は189億76百万円(前期比0.0%増)、営業利益は4億82百万円(前期比32.5%増)となりました。
物流サービスセグメント
連結子会社において会社分割及び株式譲渡を行なったことにより、売上は前期を下回りましたが、入庫貨物の確保を図り、配送事業の強化に努めた結果、利益は前期を上回りました。
物流サービスセグメントの売上高は9億94百万円(前期比3.9%減)、営業利益は2億65百万円(前期比6.9%増)となりました。
鰹・鮪セグメント
加工及び販売事業では、クロマグロなど脂物製品や、マグロタタキ、カツオ加工品の取扱いを伸ばしました。一方、養殖事業は台風被害などにより養殖魚の生育に影響が出たほか、海外まき網事業は、前期と比べ水揚げ数量は上回ったものの、魚価が大幅に下落したことで、売上・利益とも前期を下回りました。
鰹・鮪セグメントの売上高は284億42百万円(前期比2.4%減)、営業利益は7億37百万円(前期比28.4%減)となりました。
生産・仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産・仕入実績
当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結 財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご覧ください。
4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。
② 受注実績
受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結 財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご覧ください。
4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。
(2) 財政状態の分析
総資産は、前連結会計年度末に比べ83億76百万円増加し、1,146億73百万円となりました。
流動資産は、たな卸資産や受取手形及び売掛金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ82億6百万円増加し、894億25百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億69百万円増加し、252億48百万円となりました。
負債合計は、借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ56億23百万円増加し、826億円77百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ27億53百万円増加し、319億96百万円となりました。
この結果、自己資本比率は27.7%(前連結会計年度末比0.5ポイント増)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加などにより、41億18百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、24億94百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、59億58百万円の収入となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首残高より3億55百万円減少し、46億21百万円となりました。
当社グループは、事業活動に適切な流動性の維持と十分な資金を確保すると共に、運転資金の効率的な管理により、事業活動における資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を資金の主な源泉と考え、さらに金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行などによる資金調達を必要に応じて行い、十分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善が進み、緩やかな回復が続いております。
水産・食品業界におきましては、人手不足による労働コスト・物流コストの上昇に加え、世界的な水産物需要の増大による買付コストの上昇など、厳しい状況は続いております。
このような状況のもとで、中期経営計画『Change Kyokuyo 2021』(2018年度~2020年度)の初年度として、『魚を中心とした総合食品会社として、高収益構造への転換をはかり、資源、環境、労働などの社会的要請を踏まえ、事業のウイングの拡大と時間価値の提供により企業価値の向上を目指す』という基本方針のもと、『ESG重視の事業活動』を通じて『拡大』『強化』『均衡』の各戦略を進め、高収益構造へ大きく転換していくことを目指し、取り組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は、エビや北洋魚などの市況低迷やカツオ魚価の大幅下落、連結子会社における会社分割及び株式譲渡により、水産商事、鰹・鮪、物流サービスの各セグメントは前年実績を下回りましたが、冷凍食品、常温食品の各セグメントは前年実績を上回りました。その結果、2,561億51百万円と前期比13億67百万円増加(前期比0.5%増)しました。
営業利益は、冷凍食品、常温食品、物流サービスの各セグメントは前年実績を上回りましたが、エビや北洋魚などの市況低迷により上半期に苦戦を強いられた水産商事セグメント、台風被害、カツオ魚価の大幅下落の影響を受けた鰹・鮪セグメントは前年実績を下回りました。その結果、38億31百万円と前期比2億35百万円減少(前期比5.8%減)しました。
経常利益は44億34百万円と前期比3百万円減少(前期比0.1%減)し、親会社株主に帰属する当期純利益は29億14百万円と前期比2億96百万円減少(前期比9.2%減)しました。
また、当社グループが重視しております経営指標の当期実績は自己資本当期純利益率が9.6%(前期比2.3ポイント下降)、自己資本比率が27.7%(前期比0.5ポイント上昇)、有利子負債資本倍率が1.9倍(前期比0.1ポイント悪化)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。
水産商事セグメント
水産商事において、国内では鮭鱒などの付加価値加工品の取扱いは伸びましたが、市況が低迷したエビや北洋魚などの販売は前年を下回りました。一方、海外では日本産サバ・イワシの輸出、米国子会社による米国内販売が伸長しました。結果、下半期は前年を上回る利益を計上することができましたが、苦戦を強いられた上半期の業績を補うまでには至らず、売上・利益ともに前期を下回りました。
水産商事セグメントの売上高は1,249億52百万円(前期比4.5%減)、営業利益は24億44百万円(前期比6.4%減)となりました。
冷凍食品セグメント
水産冷凍食品事業では寿司種を中心とした生食用商品及び切身・煮魚などの加熱用商品の拡販に努め、特に煮魚などの個食タイプの販売が伸長しました。調理冷凍食品事業ではカニ風味かまぼこが、家庭用冷凍食品事業では塩釜工場製品の販売が順調に推移しました。この結果、売上・利益ともに前期を上回りました。
冷凍食品セグメントの売上高は824億5百万円(前期比10.8%増)、営業利益は9億32百万円(前期比3.9%増)となりました。
常温食品セグメント
缶詰販売は、サバ缶の需要拡大により発生した供給不足に対し、イワシ缶などその他水産缶詰の販売に注力しましたが、補うことができませんでした。一方、珍味製品においては、販売が好調に推移したほか、規格変更などでコストアップ対策に取り組みました。この結果、売上は前期並みとなりましたが、利益は前期を上回りました。
常温食品セグメントの売上高は189億76百万円(前期比0.0%増)、営業利益は4億82百万円(前期比32.5%増)となりました。
物流サービスセグメント
連結子会社において会社分割及び株式譲渡を行なったことにより、売上は前期を下回りましたが、入庫貨物の確保を図り、配送事業の強化に努めた結果、利益は前期を上回りました。
物流サービスセグメントの売上高は9億94百万円(前期比3.9%減)、営業利益は2億65百万円(前期比6.9%増)となりました。
鰹・鮪セグメント
加工及び販売事業では、クロマグロなど脂物製品や、マグロタタキ、カツオ加工品の取扱いを伸ばしました。一方、養殖事業は台風被害などにより養殖魚の生育に影響が出たほか、海外まき網事業は、前期と比べ水揚げ数量は上回ったものの、魚価が大幅に下落したことで、売上・利益とも前期を下回りました。
鰹・鮪セグメントの売上高は284億42百万円(前期比2.4%減)、営業利益は7億37百万円(前期比28.4%減)となりました。
生産・仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産・仕入実績
当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産商事 | 144,563 | △0.6 |
| 冷凍食品 | 44,542 | 10.3 |
| 常温食品 | 15,199 | 1.1 |
| 物流サービス | ― | ― |
| 鰹・鮪 | 29,173 | 4.6 |
| その他 | 556 | 14.9 |
| 合計 | 234,035 | 2.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結 財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご覧ください。
4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。
② 受注実績
受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産商事 | 124,952 | △4.5 |
| 冷凍食品 | 82,405 | 10.8 |
| 常温食品 | 18,976 | 0.0 |
| 物流サービス | 994 | △3.9 |
| 鰹・鮪 | 28,442 | △2.4 |
| その他 | 378 | △1.6 |
| 合計 | 256,151 | 0.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結 財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご覧ください。
4 前年同期比は、前年同期の数値をセグメント変更後に組み替えて算出しております。
(2) 財政状態の分析
総資産は、前連結会計年度末に比べ83億76百万円増加し、1,146億73百万円となりました。
流動資産は、たな卸資産や受取手形及び売掛金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ82億6百万円増加し、894億25百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億69百万円増加し、252億48百万円となりました。
負債合計は、借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ56億23百万円増加し、826億円77百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ27億53百万円増加し、319億96百万円となりました。
この結果、自己資本比率は27.7%(前連結会計年度末比0.5ポイント増)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フロー 現金及び現金同等物に係る換算差額 現金及び現金同等物の増減額 現金及び現金同等物の期首残高 会社分割に伴う現金及び現金同等物 の増加額 現金及び現金同等物の期末残高 | 3,201 △1,179 255 127 2,405 2,572 ― 4,977 | △4,118 △2,494 5,958 △15 △670 4,977 314 4,621 | △7,320 △1,315 5,702 △142 △3,075 2,405 314 △355 |
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加などにより、41億18百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、24億94百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、59億58百万円の収入となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首残高より3億55百万円減少し、46億21百万円となりました。
当社グループは、事業活動に適切な流動性の維持と十分な資金を確保すると共に、運転資金の効率的な管理により、事業活動における資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を資金の主な源泉と考え、さらに金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行などによる資金調達を必要に応じて行い、十分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。