有価証券報告書-第89期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/23 15:53
【資料】
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【項目】
138項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態の分析
① 資産の部
総資産は、前連結会計年度末に比べ2,212億14百万円増加し、1兆5,723億67百万円となりました。
流動資産は、主に譲渡性預金である有価証券が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ122億91百万円の減少となりましたが、固定資産は、主として持分法投資利益の計上及び円安の影響などにより投資有価証券が、タガニートプロジェクトへの設備投資により有形固定資産が、また、シエラゴルダ鉱山社への長期貸付金が、それぞれ増加したことから、前連結会計年度末に比べ2,335億5百万円の増加となりました。
② 負債の部
負債の部の合計は、前連結会計年度末に比べ467億8百万円増加し、5,533億14百万円となりました。
流動負債は、1年以内に返済予定の借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ123億77百万円の増加となりました。固定負債は、引き続き大型プロジェクトへの投融資などに充てるための長期借入金が増加したことから、前連結会計年度末に比べ343億31百万円の増加となりました。
③ 純資産の部
純資産の部の合計は、当期純利益を802億58百万円計上し、さらに円安の進行に伴い為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,745億6百万円増加し、1兆190億53百万円となりました。
④ 経営指標
当社グループは、平成25年度から平成27年度までの3年間を対象とする「12中計」に基づき、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上を実現するために邁進してまいります。
「12中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として引き続き連結自己資本比率50%以上の維持をめざすととともに、株主還元として連結配当性向は前回中計より5%引き上げた25%以上をめざすこととしております。なお、当連結会計年度の自己資本比率は58.1%となり、連結配当性向は25.5%となりました。
(2)経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の連結売上高は、8,305億46百万円となりました。銅は減販となりましたが、円安による増収及び電気ニッケルの増販などにより、前連結会計年度に比べ220億6百万円の増収となりました。
② 営業利益
当連結会計年度の連結営業利益は、754億18百万円となりました。円安による好転があったものの、金及びニッケル価格の下落などにより、前連結会計年度に比べ203億67百万円減少となりました。
③ 経常利益
当連結会計年度の連結経常利益は、1,143億52百万円となりました。連結営業利益が悪化したものの、持分法による投資利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ6億82百万円の減少となりました。
④ 当期純利益
当連結会計年度の当期純利益は、802億58百万円となりました。環境対策引当金繰入額の増加などにより、前連結会計年度に比べ63億82百万円の減少となりました。
なお、当連結会計年度の世界経済は、米国が堅調に推移するなか、欧州では景気が下げ止まり、主に中国などの新興国で成長が安定化したことなどからプラス成長となりました。国内経済は、円安による輸出環境の回復と堅調な個人消費などから着実な改善がみられました。
当社グループを取り巻く環境は、非鉄金属業界におきまして、ニッケル及び銅価格は下落傾向が継続しましたが、景気の先行きへの警戒感が和らいだことなどから一旦は下げ止まりました。その後、ニッケル価格はインドネシアの鉱石輸出規制による供給面への懸念などから当連結会計年度末にかけて上昇したものの、銅価格は軟調に推移しました。金価格は、米国の景気回復による投資資金の流出により、一段と下値を探る状況が継続しましたが、平成25年末以降上昇傾向がみられました。材料事業の関連業界におきましては、車載用電池向け部材の需要が拡大し、高機能携帯端末向けや家電向けなどの部材は好調な販売環境を維持しました。