有価証券報告書-第96期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナの感染拡大によりリーマンショックを上回る落ち込みとなりました。第1四半期に大きく落ち込んだ後、第2四半期に持ち直しに転じましたが、年末にかけて感染が再拡大し、回復が停滞しました。
造船業界は、新造船発注が低調だったところに、新型コロナの感染拡大により新造船商談が停滞し、大変厳しい受注環境となりました。また、国内造船業界では、商船建造からの撤退、造船部門の事業譲渡、他社との資本業務提携等の生き残りをかけた動きが加速しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、機械関連事業の舶用機器は、国内造船所の受注不振が続く中、需要が低調となりました。産業機器の需要は重電関連及び製鉄関連とも低調でした。資源関連事業については、住宅関連資材向けが新型コロナの感染拡大により需要が低調だったものの、半導体、情報関連分野の需要は、堅調に推移しました。賃貸ビル業においては、都内オフィスビルの平均空室率は、新型コロナの感染拡大により上昇基調に転じました。
このような状況の中で、当社グループは、機械関連事業においては、国内造船所の受注不振の影響が夏場以降顕在化し、工事量が減少したことから、工事量減少に対応して生産体制を調整するとともに、業務効率化に努めました。また、同事業の松浦工場及び江迎工場が、昨年9月の台風10号で大きな被害を受け、生産、出荷等へ影響がでましたが、現在はほぼ復旧しつつあります。資源関連事業のハイシリカ(精製珪石粉等)部門においては、堅調な半導体封止材向け需要に対応した増産と高付加価値製品への生産シフトを進めました。一方結晶質石灰石部門は、住宅関連資材向け需要が低調で販売に苦戦しましたが、引き続き収支改善策に取り組みました。このように全事業部門を通じて、売上高の確保とコスト削減、業務の効率化等による収益力の強化に努めました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ109百万円増加し、15,298百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ73百万円増加し、4,358百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ35百万円増加し、10,940百万円となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は8,473百万円(前連結会計年度比6.0%減)、営業利益は99百万円(同36.5%減)、経常利益は102百万円(同39.3%減)となりました。特別損益に、災害に係る受取保険金63百万円を特別利益として計上したこと、機械関連事業における災害による損失205百万円及び資源関連事業の結晶質石灰石部門の減損損失122百万円を特別損失として計上したこと、また、特別損失等に係る繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額(益)106百万円を計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純損失は82百万円(前連結会計年度は40百万円の当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
機械関連事業は、売上高は5,472百万円(前連結会計年度比12.4%減)、セグメント利益は4百万円(同98.3%減)となりました。
資源関連事業は、売上高は2,193百万円(前連結会計年度比17.0%増)、セグメント損失は17百万円(前連結会計年度はセグメント損失197百万円)となりました。
不動産関連事業は、売上高は145百万円(前連結会計年度比2.5%増)、セグメント利益は65百万円(同19.4%増)となりました。
素材関連事業は、売上高は661百万円(前連結会計年度比12.0%減)、セグメント利益は44百万円(同14.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,840百万円となり、前連結会計年度末の4,084百万円より755百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、950百万円(前連結会計年度比104.4%増)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失が155百万円であったものの、売上債権が425百万円減少したことや減価償却費が332百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、101百万円(同58.3%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出313百万円があった一方で、定期預金解約による収入が預入による支出を239百万円上回ったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、92百万円(同348.3%増)となりました。これは長短借入金の返済60百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2. セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、有価証券等の資産の評価などについて、過去の実績や当該取引の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があること、また新型コロナに係るワクチン接種の進捗度によって先行きが不透明であることからこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものは以下のとおりです。
有価証券
当社グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。
時価のある有価証券につきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、回復可能性について検討を行い判断しております。
世界経済並びに日本経済の動向に伴う株価の変動等で評価損の計上が必要となる可能性があり、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
固定資産の減損
当社グループは、減損損失を把握するにあたっては、当社は原則として事業部別に、子会社は会社別にグルーピングを実施しております。事業用資産については収益性の低下により、資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損処理しております。
回収可能価額の算定にあたっては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、割引率について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、見積もりと判断により決定しておりますが、新型コロナ等将来の不確実な経営環境の変化によって影響を受ける可能性があるため、これらの見積もりと異なる場合、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
繰延税金資産
当社グループは、財務諸表と税務上の資産、負債の金額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の認識は、課税所得が生ずる可能性の判断において、事業計画に基づいて課税所得を合理的に見積もり算定しております。
課税所得は、新型コロナ等将来の不確実な経営環境の変化によって影響を受ける可能性があるため、これらの見積もりと異なる場合があり、実際に発生した金額が見積もりと異なった場合、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、連結会計年度末における受注契約に係る損失見込額を計上しております。損失見込額算定に当たっては翌連結会計年度以降に発生するコストを見積もりしております。
翌連結会計年度以降に発生するコストは、合理的な見積もりに基づいて算定しておりますが、実際に発生したコストが見積もりと異なる場合、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、15,298百万円となり、前連結会計年度末比109百万円増加いたしました。これは、受取手形及び売掛金、その他に含まれる未収入金並びに有形固定資産の減少がある一方、現金及び預金並びに投資有価証券の増加があったこと等によるものであります。
負債合計は4,358百万円となり、前連結会計年度末比73百万円増加いたしました。これは繰延税金負債の減少があったものの、未払費用並びに退職給付に係る負債が増加したこと等によるものであります。
純資産合計は10,940百万円となり、前連結会計年度末比35百万円増加いたしました。これは、その他有価証券評価差額金が増加する一方、利益剰余金が減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は71.5%となりました。
2)経営成績
当連結会計年度は、資源関連事業のハイシリカ部門(半導体、情報通信関連分野)及び結晶質石灰石部門とも売上が増加したものの、機械関連事業の舶用機器や産業機器、ライナテックス(高純度天然ゴム)、耐熱塗料等の売上が減少したことから、売上高は8,473百万円(前連結会計年度比6.0%減)、営業利益は99百万円(同36.5%減)となりました。
また、営業外損益は、災害による損失を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ9百万円悪化し、3百万円の利益(純額)となりました。この結果、経常利益は102百万円(同39.3%減)となりました。
特別損益につきましては、特別利益に災害に係る受取保険金63百万円、投資有価証券売却益21百万円等の計85百万円、特別損失に、災害による損失205百万円、減損損失122百万円等の計344百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ247百万円悪化し、258百万円の損失(純額)となりました。
この結果、税金等調整前当期純損失は155百万円(前連結会計年度は158百万円の税金等調整前当期純利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失等に係る繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額(益)106百万円を計上したこと等から82百万円(前連結会計年度は40百万円の当期純利益)となりました。
(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因といたしましては、市場動向、特に新造船市況、原料確保、生産性の向上、収益の安定化と拡大、為替動向等があります。
また、ワクチン接種の普及により新型コロナの感染は、今後収束に向かうと予想され、世界経済は回復に向かうと期待されますが、当社グループへの影響は現時点では不透明であります。
市場動向につきましては、機械関連事業に係る新造船受注には回復の兆しが見られるものの、足許の工事量は減少することが見込まれていることから、工事量の減少に対応して生産体制のスリム化を行うものの、次年度以降の工事量増加を見据えた体制を構築します。産業機器部門では、水力発電、風力発電、製鉄関連等の工事獲得に努めるとともに、収益力の改善に努めます。
原料確保につきましては、資源関連事業に関し、結晶質石灰石部門においては良質原石の採掘及び新鉱画の開発、ハイシリカ部門においては原料調達の多様化等に取り組みます。
生産性の向上につきましては、老朽化が進んでいる設備の更新等による生産の効率化に取り組むとともに、人材の確保と育成に取り組みます。
収益の安定化と拡大につきましては、機械関連事業の産業機器では、見積精度の向上及び工程管理の徹底等により収益力の改善に努めます。資源関連事業のハイシリカ部門では、引き続き汎用製品の海外生産委託及び国内工場での高付加価値製品への生産シフトを進めます。
為替動向につきましては、当社グループの債務(原料及び製作品の調達)に外貨建てがあることから、債権の一部を外貨建てにすることで外貨建て債務に係る為替リスクの低減や為替予約の実施によるリスクヘッジに努めます。
(ハ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フロー計算書に係る分析
「第2「事業の状況」3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析②キャッシュ・フローの状況」に記載いたしましたとおり、当連結会計年度の営業活動の結果、950百万円の資金が得られており、当社グループは、当該資金を、設備投資等投資活動や借入金の返済等財務活動の財源として活用いたしました。
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度比142百万円減の101百万円となりました。その主な内容は、機械関連事業における長崎県松浦工場の生産体制の整備、拡充を目的とした設備投資にかかる資金支出であります。
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度比72百万円増の92百万円となりました。これは、主に借入金の返済であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は4,840百万円となり、前連結会計年度末比755百万円増加いたしました。
2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金、生産性向上及び老朽化した設備の更新等を目的とした投資資金が主であります。
当社グループの事業活動に必要な運転資金及び投資資金につきましては、内部資金の活用及び金融機関からの借入れにより資金調達を行なっております。
手許資金につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は4,840百万円であり、複数の金融機関との当座貸越枠とあわせて、十分な流動性を確保しております。
(ニ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す「営業利益」を主要な経営指標と位置付けていますが、これに加え、「経常利益」「当期純利益」「営業利益率」などを、また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率を主要な経営指標としています。
(ホ)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容
機械関連事業
舶用機器は、国内造船所の受注不振による建造ペース減速等により売上、受注とも減少しました。加えて、既受注案件の納期変更、造船所内作化に伴う発注の取りやめや台風被害の影響等により操業度が低下し収支が悪化しました。産業機器は、重電関連、製鉄関連ともに需要が低調に推移する中、新型コロナの感染拡大に伴う営業活動の制約等により受注は減少しました。また、火力発電、水力発電案件ともに工期の延期により操業が低下しました。
この結果、機械関連事業全体では、売上高は5,472百万円(前連結会計年度比12.4%減)、セグメント利益は4百万円(同98.3%減)となりました。
セグメント資産は、受取手形及び売掛金、有形固定資産の減少等がある一方、現金及び預金、未払費用の増加等により、前連結会計年度末に比べ58百万円増加し、8,792百万円となりました。
資源関連事業
結晶質石灰石部門の売上高は、台風被害を受けた昨年度と比較すると増収ではありますが、新型コロナの感染拡大で住宅関連資材、道路塗料・資材向け需要が低調に推移しました。半導体封止材などの原料であるハイシリカ(精製珪石粉等)部門は、光学関連需要が落ち込んだものの、半導体関連の需要が引き続き堅調に推移したことから業績は大幅に回復しました。
この結果、資源関連事業全体では、売上高は2,193百万円(前連結会計年度比17.0%増)、セグメント損失は17百万円(前連結会計年度はセグメント損失197百万円)となりました。
セグメント資産は、有形固定資産の減少等がある一方、現金及び預金、受取手形及び売掛金、電子記録債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ84百万円増加し、1,736百万円となりました。
不動産関連事業
引き続き高稼働率を維持したこと等から売上高が145百万円(前連結会計年度比2.5%増)になるとともに、修繕費の減少によりセグメント利益は65百万円(同19.4%増)となりました。
セグメント資産は、有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、2,423百万円となりました。
素材関連事業
新型コロナの感染拡大により、耐熱塗料部門は売上高が減少しました。ライナテックス(高純度天然ゴム)関連は新型コロナの感染拡大の影響により売上高が減少しましたが、新規顧客案件を取り込んだこともあり、利益は相応の水準を維持しました。
この結果、素材関連事業全体では、売上高は661百万円(前連結会計年度比12.0%減)、セグメント利益は44百万円(同14.4%減)となりました。
セグメント資産は、受取手形及び売掛金の減少がある一方、現金及び預金、無形固定資産、投資有価証券増加等により、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、845百万円となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナの感染拡大によりリーマンショックを上回る落ち込みとなりました。第1四半期に大きく落ち込んだ後、第2四半期に持ち直しに転じましたが、年末にかけて感染が再拡大し、回復が停滞しました。
造船業界は、新造船発注が低調だったところに、新型コロナの感染拡大により新造船商談が停滞し、大変厳しい受注環境となりました。また、国内造船業界では、商船建造からの撤退、造船部門の事業譲渡、他社との資本業務提携等の生き残りをかけた動きが加速しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、機械関連事業の舶用機器は、国内造船所の受注不振が続く中、需要が低調となりました。産業機器の需要は重電関連及び製鉄関連とも低調でした。資源関連事業については、住宅関連資材向けが新型コロナの感染拡大により需要が低調だったものの、半導体、情報関連分野の需要は、堅調に推移しました。賃貸ビル業においては、都内オフィスビルの平均空室率は、新型コロナの感染拡大により上昇基調に転じました。
このような状況の中で、当社グループは、機械関連事業においては、国内造船所の受注不振の影響が夏場以降顕在化し、工事量が減少したことから、工事量減少に対応して生産体制を調整するとともに、業務効率化に努めました。また、同事業の松浦工場及び江迎工場が、昨年9月の台風10号で大きな被害を受け、生産、出荷等へ影響がでましたが、現在はほぼ復旧しつつあります。資源関連事業のハイシリカ(精製珪石粉等)部門においては、堅調な半導体封止材向け需要に対応した増産と高付加価値製品への生産シフトを進めました。一方結晶質石灰石部門は、住宅関連資材向け需要が低調で販売に苦戦しましたが、引き続き収支改善策に取り組みました。このように全事業部門を通じて、売上高の確保とコスト削減、業務の効率化等による収益力の強化に努めました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ109百万円増加し、15,298百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ73百万円増加し、4,358百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ35百万円増加し、10,940百万円となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は8,473百万円(前連結会計年度比6.0%減)、営業利益は99百万円(同36.5%減)、経常利益は102百万円(同39.3%減)となりました。特別損益に、災害に係る受取保険金63百万円を特別利益として計上したこと、機械関連事業における災害による損失205百万円及び資源関連事業の結晶質石灰石部門の減損損失122百万円を特別損失として計上したこと、また、特別損失等に係る繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額(益)106百万円を計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純損失は82百万円(前連結会計年度は40百万円の当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
機械関連事業は、売上高は5,472百万円(前連結会計年度比12.4%減)、セグメント利益は4百万円(同98.3%減)となりました。
資源関連事業は、売上高は2,193百万円(前連結会計年度比17.0%増)、セグメント損失は17百万円(前連結会計年度はセグメント損失197百万円)となりました。
不動産関連事業は、売上高は145百万円(前連結会計年度比2.5%増)、セグメント利益は65百万円(同19.4%増)となりました。
素材関連事業は、売上高は661百万円(前連結会計年度比12.0%減)、セグメント利益は44百万円(同14.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,840百万円となり、前連結会計年度末の4,084百万円より755百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、950百万円(前連結会計年度比104.4%増)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失が155百万円であったものの、売上債権が425百万円減少したことや減価償却費が332百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、101百万円(同58.3%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出313百万円があった一方で、定期預金解約による収入が預入による支出を239百万円上回ったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、92百万円(同348.3%増)となりました。これは長短借入金の返済60百万円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 機械関連事業 | 5,316,734 | △15.9 |
| 資源関連事業 | 1,726,303 | 24.1 |
| 素材関連事業 | 660,015 | △10.2 |
| 合計 | 7,703,053 | △8.8 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2. セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| 機械関連事業 | 4,842,949 | △21.2 | 1,886,036 | △23.9 |
| 素材関連事業 | 546,697 | 12.9 | 133,079 | 537.5 |
| 合計 | 5,389,646 | △18.7 | 2,019,115 | △19.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 機械関連事業 | 5,472,714 | △12.4 |
| 資源関連事業 | 2,193,261 | 17.0 |
| 不動産関連事業 | 145,638 | 2.5 |
| 素材関連事業 | 661,909 | △12.0 |
| 合計 | 8,473,524 | △6.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱大島造船所 | 2,535,196 | 28.1 | 2,368,463 | 28.0 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、有価証券等の資産の評価などについて、過去の実績や当該取引の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があること、また新型コロナに係るワクチン接種の進捗度によって先行きが不透明であることからこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものは以下のとおりです。
有価証券
当社グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。
時価のある有価証券につきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、回復可能性について検討を行い判断しております。
世界経済並びに日本経済の動向に伴う株価の変動等で評価損の計上が必要となる可能性があり、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
固定資産の減損
当社グループは、減損損失を把握するにあたっては、当社は原則として事業部別に、子会社は会社別にグルーピングを実施しております。事業用資産については収益性の低下により、資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損処理しております。
回収可能価額の算定にあたっては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、割引率について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、見積もりと判断により決定しておりますが、新型コロナ等将来の不確実な経営環境の変化によって影響を受ける可能性があるため、これらの見積もりと異なる場合、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
繰延税金資産
当社グループは、財務諸表と税務上の資産、負債の金額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の認識は、課税所得が生ずる可能性の判断において、事業計画に基づいて課税所得を合理的に見積もり算定しております。
課税所得は、新型コロナ等将来の不確実な経営環境の変化によって影響を受ける可能性があるため、これらの見積もりと異なる場合があり、実際に発生した金額が見積もりと異なった場合、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、連結会計年度末における受注契約に係る損失見込額を計上しております。損失見込額算定に当たっては翌連結会計年度以降に発生するコストを見積もりしております。
翌連結会計年度以降に発生するコストは、合理的な見積もりに基づいて算定しておりますが、実際に発生したコストが見積もりと異なる場合、翌連結会計年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、15,298百万円となり、前連結会計年度末比109百万円増加いたしました。これは、受取手形及び売掛金、その他に含まれる未収入金並びに有形固定資産の減少がある一方、現金及び預金並びに投資有価証券の増加があったこと等によるものであります。
負債合計は4,358百万円となり、前連結会計年度末比73百万円増加いたしました。これは繰延税金負債の減少があったものの、未払費用並びに退職給付に係る負債が増加したこと等によるものであります。
純資産合計は10,940百万円となり、前連結会計年度末比35百万円増加いたしました。これは、その他有価証券評価差額金が増加する一方、利益剰余金が減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は71.5%となりました。
2)経営成績
当連結会計年度は、資源関連事業のハイシリカ部門(半導体、情報通信関連分野)及び結晶質石灰石部門とも売上が増加したものの、機械関連事業の舶用機器や産業機器、ライナテックス(高純度天然ゴム)、耐熱塗料等の売上が減少したことから、売上高は8,473百万円(前連結会計年度比6.0%減)、営業利益は99百万円(同36.5%減)となりました。
また、営業外損益は、災害による損失を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ9百万円悪化し、3百万円の利益(純額)となりました。この結果、経常利益は102百万円(同39.3%減)となりました。
特別損益につきましては、特別利益に災害に係る受取保険金63百万円、投資有価証券売却益21百万円等の計85百万円、特別損失に、災害による損失205百万円、減損損失122百万円等の計344百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ247百万円悪化し、258百万円の損失(純額)となりました。
この結果、税金等調整前当期純損失は155百万円(前連結会計年度は158百万円の税金等調整前当期純利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失等に係る繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額(益)106百万円を計上したこと等から82百万円(前連結会計年度は40百万円の当期純利益)となりました。
(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因といたしましては、市場動向、特に新造船市況、原料確保、生産性の向上、収益の安定化と拡大、為替動向等があります。
また、ワクチン接種の普及により新型コロナの感染は、今後収束に向かうと予想され、世界経済は回復に向かうと期待されますが、当社グループへの影響は現時点では不透明であります。
市場動向につきましては、機械関連事業に係る新造船受注には回復の兆しが見られるものの、足許の工事量は減少することが見込まれていることから、工事量の減少に対応して生産体制のスリム化を行うものの、次年度以降の工事量増加を見据えた体制を構築します。産業機器部門では、水力発電、風力発電、製鉄関連等の工事獲得に努めるとともに、収益力の改善に努めます。
原料確保につきましては、資源関連事業に関し、結晶質石灰石部門においては良質原石の採掘及び新鉱画の開発、ハイシリカ部門においては原料調達の多様化等に取り組みます。
生産性の向上につきましては、老朽化が進んでいる設備の更新等による生産の効率化に取り組むとともに、人材の確保と育成に取り組みます。
収益の安定化と拡大につきましては、機械関連事業の産業機器では、見積精度の向上及び工程管理の徹底等により収益力の改善に努めます。資源関連事業のハイシリカ部門では、引き続き汎用製品の海外生産委託及び国内工場での高付加価値製品への生産シフトを進めます。
為替動向につきましては、当社グループの債務(原料及び製作品の調達)に外貨建てがあることから、債権の一部を外貨建てにすることで外貨建て債務に係る為替リスクの低減や為替予約の実施によるリスクヘッジに努めます。
(ハ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フロー計算書に係る分析
「第2「事業の状況」3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析②キャッシュ・フローの状況」に記載いたしましたとおり、当連結会計年度の営業活動の結果、950百万円の資金が得られており、当社グループは、当該資金を、設備投資等投資活動や借入金の返済等財務活動の財源として活用いたしました。
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度比142百万円減の101百万円となりました。その主な内容は、機械関連事業における長崎県松浦工場の生産体制の整備、拡充を目的とした設備投資にかかる資金支出であります。
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度比72百万円増の92百万円となりました。これは、主に借入金の返済であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は4,840百万円となり、前連結会計年度末比755百万円増加いたしました。
2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金、生産性向上及び老朽化した設備の更新等を目的とした投資資金が主であります。
当社グループの事業活動に必要な運転資金及び投資資金につきましては、内部資金の活用及び金融機関からの借入れにより資金調達を行なっております。
手許資金につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は4,840百万円であり、複数の金融機関との当座貸越枠とあわせて、十分な流動性を確保しております。
(ニ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す「営業利益」を主要な経営指標と位置付けていますが、これに加え、「経常利益」「当期純利益」「営業利益率」などを、また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率を主要な経営指標としています。
(ホ)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容
機械関連事業
舶用機器は、国内造船所の受注不振による建造ペース減速等により売上、受注とも減少しました。加えて、既受注案件の納期変更、造船所内作化に伴う発注の取りやめや台風被害の影響等により操業度が低下し収支が悪化しました。産業機器は、重電関連、製鉄関連ともに需要が低調に推移する中、新型コロナの感染拡大に伴う営業活動の制約等により受注は減少しました。また、火力発電、水力発電案件ともに工期の延期により操業が低下しました。
この結果、機械関連事業全体では、売上高は5,472百万円(前連結会計年度比12.4%減)、セグメント利益は4百万円(同98.3%減)となりました。
セグメント資産は、受取手形及び売掛金、有形固定資産の減少等がある一方、現金及び預金、未払費用の増加等により、前連結会計年度末に比べ58百万円増加し、8,792百万円となりました。
資源関連事業
結晶質石灰石部門の売上高は、台風被害を受けた昨年度と比較すると増収ではありますが、新型コロナの感染拡大で住宅関連資材、道路塗料・資材向け需要が低調に推移しました。半導体封止材などの原料であるハイシリカ(精製珪石粉等)部門は、光学関連需要が落ち込んだものの、半導体関連の需要が引き続き堅調に推移したことから業績は大幅に回復しました。
この結果、資源関連事業全体では、売上高は2,193百万円(前連結会計年度比17.0%増)、セグメント損失は17百万円(前連結会計年度はセグメント損失197百万円)となりました。
セグメント資産は、有形固定資産の減少等がある一方、現金及び預金、受取手形及び売掛金、電子記録債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ84百万円増加し、1,736百万円となりました。
不動産関連事業
引き続き高稼働率を維持したこと等から売上高が145百万円(前連結会計年度比2.5%増)になるとともに、修繕費の減少によりセグメント利益は65百万円(同19.4%増)となりました。
セグメント資産は、有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、2,423百万円となりました。
素材関連事業
新型コロナの感染拡大により、耐熱塗料部門は売上高が減少しました。ライナテックス(高純度天然ゴム)関連は新型コロナの感染拡大の影響により売上高が減少しましたが、新規顧客案件を取り込んだこともあり、利益は相応の水準を維持しました。
この結果、素材関連事業全体では、売上高は661百万円(前連結会計年度比12.0%減)、セグメント利益は44百万円(同14.4%減)となりました。
セグメント資産は、受取手形及び売掛金の減少がある一方、現金及び預金、無形固定資産、投資有価証券増加等により、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、845百万円となりました。