有価証券報告書-第115期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、雇用情勢・所得環境の改善傾向が持続したものの、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減や大型台風の襲来など相次ぐ自然災害の影響により、高水準を維持しつつも一進一退で推移しましたが、年明けから新型コロナウイルス感染拡大により先行き不透明な状況となりました。
当社グループの主要事業である建設業界においては、政府建設投資が引き続き20兆円を上回る水準を維持し、民間建設投資も人手不足や働き方改革への対応等を背景とした省力化投資等を中心に増加基調が持続しました。
このような状況下、当社グループは、官庁工事は総合評価向上による受注確保、民間工事は安定成長実現に向けグループ一体となったエリア戦略による受注拡大に注力し、工事受注高は前年同等の126,322百万円(前連結会計年度比0.6%減)、工事売上高は120,250百万円(同1.6%増)、製品等を含めた総売上高については148,699百万円(同1.6%増)となりました。
利益については、建設事業において工事売上高の増加に伴い利益が増加したものの、製造・販売事業において原材料価格の上昇等により利益が減少したこと等により、売上総利益は15,867百万円(同0.7%減)、営業利益は7,515百万円(同3.2%減)、経常利益は7,853百万円(同3.8%減)となりました。また、独占禁止法関連損失引当金戻入額1,661百万円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は6,792百万円(同49.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。(セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。)
(建設事業)
当社グループの主要部門であり、売上高は120,263百万円(同1.6%増)、営業利益は6,365百万円(同0.5%増)となりました。
(製造・販売事業)
売上高は29,107百万円(同2.2%増)、営業利益は3,361百万円(同8.6%減)となりました。
(賃貸事業)
売上高は6,511百万円(同1.1%増)、営業利益は364百万円(同3.9%増)となりました。
(その他)
売上高は2,828百万円(同21.9%増)、営業利益は389百万円(同10.8%増)となりました。
また、当連結会計年度の財政状態は、次のとおりです。
(資産の部)
当連結会計年度の資産合計は、145,974百万円(同5,367百万円減、3.5%減)、流動資産は104,690百万円(同6,914百万円減、6.2%減)、固定資産は41,284百万円(同1,547百万円増、3.9%増)となりました。
主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が5,652百万円減少し、新規合材プラントの建設等により有形固定資産が2,278百万円増加したことによります。
(負債の部)
当連結会計年度の負債合計は、60,487百万円(同9,851百万円減、14.0%減)、流動負債は49,538百万円(同10,640百万円減、17.7%減)、固定負債は10,949百万円(同788百万円増、7.8%増)となりました。
主な要因は、電子記録債務が3,962百万円及び独占禁止法関連損失引当金が5,162百万円減少したことによります。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産合計は、85,486百万円(同4,483百万円増、5.5%増)となりました。
主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を6,792百万円計上し、株主配当金1,758百万円を支払ったことによります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況については、営業活動により4,922百万円資金が増加し、投資活動により5,171百万円、財務活動により1,760百万円それぞれ資金が減少しました。
その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,008百万円減少し35,052百万円(前連結会計年度末は37,061百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益9,377百万円の計上及び独占禁止法関連損失引当金5,162百万円の減少等により4,922百万円の資金増加(前連結会計年度は4,393百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
製造・販売拠点の拡充更新に伴う有形固定資産の取得等により5,171百万円の資金減少(同4,619百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払等により1,760百万円の資金減少(同1,320百万円の減少)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(a) 受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 建設事業(百万円) | 127,024 | (4.8%増) | 126,322 | (0.6%減) |
(b) 売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 建設事業(百万円) | 118,307 | (6.3%増) | 120,250 | (1.6%増) |
| 製造・販売事業(百万円) | 20,719 | (5.9%減) | 20,955 | (1.1%増) |
| 賃貸事業(百万円) | 5,427 | (7.0%減) | 5,493 | (1.2%増) |
| その他(百万円) | 1,840 | (16.1%増) | 2,000 | (8.7%増) |
| 合計(百万円) | 146,294 | (4.0%増) | 148,699 | (1.6%増) |
(注)1.当社グループでは建設事業以外の受注実績はグループ各社の受注概念が異なるため記載しておりません。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3.セグメント間の取引については相殺消去しております。
4.( )内は、前連結会計年度比です。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況
受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期別 | 工種別 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計(百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 舗装工事 | 37,578 | 78,840 | 116,419 | 71,632 | 44,786 |
| 土木工事 | 12,258 | 30,344 | 42,602 | 29,145 | 13,457 | |
| 建築工事 | 185 | 796 | 982 | 831 | 150 | |
| 計 | 50,022 | 109,981 | 160,004 | 101,609 | 58,395 | |
| 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 舗装工事 | 44,786 | 74,123 | 118,910 | 74,264 | 44,645 |
| 土木工事 | 13,457 | 35,521 | 48,979 | 29,582 | 19,396 | |
| 建築工事 | 150 | 1,029 | 1,180 | 891 | 289 | |
| 計 | 58,395 | 110,674 | 169,070 | 104,738 | 64,331 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
| 期別 | 工種別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 舗装工事 | 68.1 | 31.9 | 100 |
| 土木工事 | 70.4 | 29.6 | 100 | |
| 建築工事 | 100.0 | - | 100 | |
| 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 舗装工事 | 70.7 | 29.3 | 100 |
| 土木工事 | 82.3 | 17.7 | 100 | |
| 建築工事 | 100.0 | - | 100 |
(注)百分率は請負金額比です。
完成工事高
| 期別 | 工種別 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 舗装工事 | 32,028 | 39,603 | 71,632 |
| 土木工事 | 3,466 | 25,678 | 29,145 | |
| 建築工事 | 0 | 830 | 831 | |
| 計 | 35,496 | 66,112 | 101,609 | |
| 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 舗装工事 | 29,865 | 44,399 | 74,264 |
| 土木工事 | 2,893 | 26,688 | 29,582 | |
| 建築工事 | 0 | 891 | 891 | |
| 計 | 32,759 | 71,979 | 104,738 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
| 発注者 | 工事名 |
| 国土交通省 東北地方整備局 | 国道45号外 甲子地区舗装工事 |
| 国土交通省 北海道開発局 | 新千歳空港 国際線エプロン外工事 |
| 佐世保市 | 佐世保競輪場走路改修工事 |
| 西日本高速道路㈱ | 高松自動車道 板野舗装工事 |
| 清水建設㈱ | 六甲バター神戸新工場 外構一式工事 |
当事業年度
| 発注者 | 工事名 |
| 国土交通省 関東地方整備局 | 東京国際空港B滑走路取付誘導路他舗装等工事 |
| 国土交通省 東北地方整備局 | 柏木平地区舗装工事 |
| 西日本高速道路㈱ | 長崎自動車道 長崎舗装工事 |
| 関西エアポート㈱ | 大阪国際空港C3C4W8誘導路改修工事 |
| 清水建設㈱ | 群馬県コンベンション施設整備事業 会議・展示施設建設 建築工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
| 期別 | 相手先 | 金額(百万円) | 完成工事高総額に対する割合(%) |
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 国土交通省 | 12,463 | 12.3 |
| 清水建設㈱ | 13,131 | 12.9 | |
| 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 清水建設㈱ | 16,406 | 15.7 |
次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
| 工種別 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 舗装工事 | 28,022 | 16,622 | 44,645 |
| 土木工事 | 1,951 | 17,445 | 19,396 |
| 建築工事 | - | 289 | 289 |
| 計 | 29,973 | 34,357 | 64,331 |
(注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
| 発注者 | 工事名 | 完成予定年月 |
| 国土交通省 関東地方整備局 | 交通安全環境研究所自動車試験場走行路(19)舗装改修工事 | 2021年3月 |
| 国土交通省 四国地方整備局 | 平成31-32年度 新猪ノ鼻トンネル舗装(香川工区)工事 | 2020年10月 |
| 西日本高速道路㈱ | 令和元年度 山陽自動車道 福山高速道路事務所管内舗装補修工事 | 2022年10月 |
| 首都高速道路㈱ | (修)舗装改修工事2019-3-1 | 2021年2月 |
| 学校法人 東邦大学 | (仮称)駒場東邦中学・高等学校グラウンド人工芝化工事 | 2020年9月 |
製造・販売事業におけるアスファルト合材等製品の販売状況
| 期別 | アスファルト合材 | アスファルト乳剤 | その他売上高 (百万円) | 売上高合計 (百万円) | ||
| 売上数量(t) | 売上高 (百万円) | 売上数量(t) | 売上高 (百万円) | |||
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 2,015,934 | 18,964 | 1,691 | 210 | 2,835 | 22,010 |
| 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 1,995,467 | 18,889 | 1,344 | 156 | 3,048 | 22,094 |
(注)その他売上高は、砕石等の販売、機械の賃貸等の売上高です。
不動産事業の状況
| 期別 | 宅地売上高 (百万円) | 不動産賃貸収入 (百万円) | 合計 (百万円) |
| 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 72 | 87 | 159 |
| 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 4 | 84 | 89 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、総売上高148,699百万円(前連結会計年度比1.6%増)、営業利益は7,515百万円(同3.2%減)、経常利益は7,853百万円(同3.8%減)となりました。また、独占禁止法関連損失引当金戻入額1,661百万円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は6,792百万円(同49.3%増)となりました。
(単位:百万円)
| 2018年度 実績 | 2019年度 実績 | 増減率 | |
| 建設事業受注高 | 127,024 | 126,322 | 0.6%減 |
| 建設事業売上高 | 118,307 | 120,250 | 1.6%増 |
| 製造・販売事業売上高 | 20,719 | 20,955 | 1.1%増 |
| その他売上高 | 7,267 | 7,493 | 3.1%増 |
| 総売上高 | 146,294 | 148,699 | 1.6%増 |
| 営業利益 | 7,764 | 7,515 | 3.2%減 |
| 経常利益 | 8,160 | 7,853 | 3.8%減 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,550 | 6,792 | 49.3%増 |
(建設事業)
「エリア環境に適合した営業活動を実践し、受注を拡大する」を重点実施事項とし、スピードと攻めの姿勢に徹した民間営業、民間の得意先への提案営業強化等を展開し、特に、自動車関連、スポーツ施設、物流関連を重点3分野と位置付けて営業強化を行いました。また、再生可能エネルギー関連事業についても新たなチャンネルとして注力しました。その結果、当社では民間の得意先からの受注は79,151百万円(前事業年度比13.1%増)となり、官庁からの受注減をカバーでき、連結での工事受注高は126,322百万円(前連結会計年度比0.6%減)、工事売上高は120,250百万円(同1.6%増)となりました。
利益については、「現場力(施工体制面+管理面)向上による収益力のアップ」を重点的に展開し、中・小規模工事におけるIT施工活用拡大により民間工事でのコストダウン効果が上がり、セグメント利益は6,365百万円(同0.5%増)となりました。
(製造・販売事業)
エリアごとの特性を踏まえた得意先分類別戦略の展開でシェアアップを図り、また、拠点の再構築(新設、増設、移設、設備更新等による能力増強)を行い、製品売上高は20,955百万円(同1.1%増)となりました。
利益については、原油価格上昇の影響で、主要材料であるアスファルトの価格が高騰したことにより、セグメント利益は3,361百万円(同8.6%減)となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2019年5月に「中期経営計画2019(2019~2023年度)」を策定しており、当社グループを取り巻く事業環境を認識し、重要課題とその施策を具体的に打ち出した企業価値向上に向けた取り組みとして、民間受注の拡大、営業利益率の向上等を挙げ、働き方改革にも対応し、「成長よりも安定的な経営基盤の構築」を重視した計画としております。
初年度(2019年度)は、計画を若干下回った項目もありますが、受注高、売上高、利益とも概ね計画通りと判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要の主なものとして、工事施工に係る工事原価、合材製造に係る製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用、設備投資等があります。設備投資については、建設事業における施工用機械、製造・販売事業におけるプラント設備更新、拠点増設による土地購入、賃貸事業における賃貸資産の購入等があります。
運転資金については、自己資金、金融機関からの借入による資金調達の他、取引銀行2行と43億円の貸出コミットメント契約(借入実行残高なし)及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達方法を確保しており、新型コロナウイルス感染症の影響が長期間に及び資金繰りが悪化する場合にも、対応する準備を整えております。
また、資金の流動性を確保するために、グループ資金を当社に集中させ、当社の運転資金及び資金需要のある子会社に短期貸付を行っております。
当連結会計年度末の当社グループの借入金は9,700百万円、現金及び現金同等物は35,052百万円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、工事進行基準の適用、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度等、会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、財務諸表等に反映されております。
これらの見積りについては、継続して評価、見直しを行っていますが、自然災害、感染症の感染拡大等予期せぬ事態が発生し、国内外において経済活動に多大な影響を与える等の環境の変化により、実際の結果は見積りと異なることがあります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」に記載のとおり、民間の得意先からの工事受注時期に懸念はあるものの、具体的な対応策により、現時点では当社グループの経営成績等に与える影響は軽微と判断しており、それに基づき見積りをしています。
また、新型コロナウイルス感染症が長期間に及び、国内外における経済活動に多大な影響が出て、当社グループの経営環境にも大きな変化が出る場合には、必要に応じて見積りを見直します。