有価証券報告書-第105期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の事業環境は、公共投資が堅調に推移したものの、厳しい受注競争や人手不足に加え、コロナ禍の影響により民間設備投資の縮小や先送りが懸念される状況にあった。
こうした中、当社グループは、中期経営計画[2018~2020年度]に基づき都市圏の事業拡大や営業・施工体制の強化、業務改革の推進等の諸施策を進めてきた。
また、当期におけるコロナ禍による事業への大きな影響はなかった。
以上の結果、当期の業績は次のとおりとなった。
売上高は、屋内電気工事や空調管工事の減少により個別は減少となったものの、前年度末に連結化した株式会社昭和コーポレーションが加わったことなどにより、前期に比べ増収となった。
営業利益は、売上高の増加に加え、原価管理の徹底や効率化施策による生産性向上などにより、前期に比べ増益となった。
受取利息などの営業外損益を加えた経常利益や親会社株主に帰属する当期純利益についても、営業利益の増加や前期に計上したM&Aに係るのれんの減損損失が発生しなかったことなどにより、前期を上回った。
[連結業績]
(単位:百万円、%)
| 区 分 | 前 期 (2019.4.1~ 2020.3.31) | 当 期 (2020.4.1~ 2021.3.31) | 増減額 | 増減率 |
| 売 上 高 | 168,888 | 184,482 | 15,593 | 9.2 |
| 営 業 利 益 | 8,333 | 9,482 | 1,149 | 13.8 |
| 経 常 利 益 | 11,188 | 11,899 | 711 | 6.4 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,795 | 8,119 | 3,324 | 69.3 |
[個別業績]
(単位:百万円、%)
| 区 分 | 前 期 (2019.4.1~ 2020.3.31) | 当 期 (2020.4.1~ 2021.3.31) | 増減額 | 増減率 |
| 売 上 高 | 149,347 | 148,443 | △904 | △0.6 |
| 営 業 利 益 | 7,900 | 8,131 | 230 | 2.9 |
| 経 常 利 益 | 10,780 | 10,538 | △242 | △2.2 |
| 当 期 純 利 益 | 3,520 | 7,816 | 4,296 | 122.1 |
(設備工事業)
当社グループの主たる事業である設備工事業は、完成工事高は1,643億4千万円(前年度比4.0%増)、完成工事総利益は213億2千6百万円(前年度比7.4%増)となった。
(その他の事業)
その他の事業は、その他の事業売上高は201億4千2百万円(前年度比84.9%増)、その他の事業総利益は40億7千8百万円(前年度比187.2%増)となった。
当社グループの主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||||||
| 金額 | 割合 | 金額 | 割合 | |||||
| 中国電力グループ | 35,790 | 百万円 | 21.2 | % | 38,967 | 百万円 | 21.1 | % |
総資産は2,765億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億4千3百万円の増加となった。これは、有価証券の増加105億1千1百万円、現金預金の減少35億1千万円、繰延税金資産の減少18億1百万円などによるものである。
負債は577億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ51億6千万円の減少となった。これは、支払手形・工事未払金等の減少16億7千3百万円、未払法人税等の減少14億2千5百万円などによるものである。
純資産は2,187億4千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億4百万円の増加となった。これは、その他有価証券評価差額金の増加39億9百万円、利益剰余金の増加23億7百万円などによるものである。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、財務活動により資金を使用したが、営業活動及び投資活動による資金の獲得により、前連結会計年度末に比較し82億3千5百万円増加し、当連結会計年度末は304億7千7百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度では、営業活動によって91億1千6百万円の資金を獲得した(前連結会計年度は118億3千5百万円の資金の獲得)。
これは主に、税金等調整前当期純利益128億1千8百万円などの資金増加要因によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度では、投資活動によって63億4千4百万円の資金を獲得した(前連結会計年度は157億2千5百万円の資金の使用)。
これは主に、有形固定資産の取得により14億7千万円、投資有価証券の取得により9億5百万円などの支出があったが、投資有価証券の売却及び償還により95億3千7百万円などの収入があったことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度では、財務活動によって71億8千2百万円の資金を使用した(前連結会計年度は64億3千8百万円の資金の使用)。
これは主に、配当金の支払により58億1千2百万円を支出したことなどによるものである。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループが営んでいる事業の大部分においては、生産実績について定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していない。
事業の大部分を占めている設備工事業においては、請負形態をとっているため、販売実績という定義が実態にそぐわないことや、その他の事業では受注生産形態をとっていない事業もあることから、「受注及び販売の実績」については「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとの業績に関連付けて記載している。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況
第104期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
第105期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(単位:百万円)
| 工事別 | 前期繰越 工事高 | 当期受注 工事高 | 計 | 当期完成 工事高 | 次期繰越 工事高 | |
| 第104期 | 屋内電気工事 | 60,443 | 73,342 | 133,785 | 74,640 | 59,144 |
| 空調管工事 | 22,664 | 30,352 | 53,017 | 32,006 | 21,010 | |
| 情報通信工事 | 3,761 | 7,951 | 11,712 | 8,399 | 3,313 | |
| 配電線工事 | 1,317 | 27,988 | 29,306 | 28,676 | 629 | |
| 送変電工事 | 3,676 | 6,582 | 10,259 | 5,624 | 4,635 | |
| 計 | 91,863 | 146,217 | 238,081 | 149,347 | 88,733 | |
| 第105期 | 屋内電気工事 | 59,144 | 67,705 | 126,849 | 72,360 | 54,489 |
| 空調管工事 | 21,010 | 32,199 | 53,210 | 27,393 | 25,817 | |
| 情報通信工事 | 3,313 | 16,893 | 20,206 | 11,017 | 9,189 | |
| 配電線工事 | 629 | 31,183 | 31,813 | 30,852 | 961 | |
| 送変電工事 | 4,635 | 7,717 | 12,352 | 6,819 | 5,532 | |
| 計 | 88,733 | 155,699 | 244,433 | 148,443 | 95,990 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれる。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命、競争及び中国電力グループとの工事委託契約によるものとに大別される。
(単位:%)
| 期別 | 区分 | 特命 | 競争 | 工事委託契約 | 計 |
| 第104期 | 配電線工事 | 5.6 | 5.9 | 88.5 | 100.0 |
| その他 | 15.5 | 84.5 | - | 100.0 | |
| 合計 | 13.6 | 69.4 | 17.0 | 100.0 | |
| 第105期 | 配電線工事 | 6.2 | 8.2 | 85.6 | 100.0 |
| その他 | 17.4 | 82.6 | - | 100.0 | |
| 合計 | 15.1 | 67.7 | 17.2 | 100.0 |
(注)百分比は、請負金額比である。
c.完成工事高
| 期別 | 得意先 | 完成工事高 | |||
| 第104期 | 中国電力グループ | 35,755 | 百万円 | 24.0 | % |
| 官公庁 | 30,969 | 20.7 | |||
| 一般民間 | 82,622 | 55.3 | |||
| 計 | 149,347 | 100.0 | |||
| 第105期 | 中国電力グループ | 38,874 | 26.2 | ||
| 官公庁 | 33,686 | 22.7 | |||
| 一般民間 | 75,882 | 51.1 | |||
| 計 | 148,443 | 100.0 | |||
(注)1.完成工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。
第104期
| ㈱大林組 | (仮称)アパホテル&リゾート⦅横浜ベイタワー⦆新築工事(電気設備) |
| ㈱出雲村田製作所 | ㈱出雲村田製作所南工場N1棟建設工事他(電気設備) |
| ㈱日立製作所 | 岡山県新見市太陽光発電所工事(電気設備) |
| エフビット コミュニケーションズ㈱ | 岡山美咲発電所建設工事(電気設備) |
| 福山市 | 福山市立小中学校空気調和設備整備業務委託(電気空調設備) |
第105期
| 前田建設工業㈱ | (仮称)広島大学跡地「知の拠点」再生プロジェクト新築工事 (電気空調給排水設備) |
| ㈱大林組 | マイクロンメモリジャパン広島工場F2棟及びC4棟建設 プロジェクト(電気設備) |
| ㈱竹中工務店 | 広島銀行新本店ビル新築工事(電気設備) |
| PFI学校空調東広島㈱ | 東広島市立小中学校空調設備事業(電気空調設備) |
| PFI学校空調やまぐち㈱ | 山口市立学校施設空調設備整備(電気空調設備) |
2.第104期及び第105期における完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、中国電力グループのみである。
d.次期繰越工事高(2021年3月31日現在)
| 区分 | 次期繰越工事高 | |||
| 中国電力グループ | 5,897 | 百万円 | 6.1 | % |
| 官公庁 | 37,396 | 39.0 | ||
| 一般民間 | 52,696 | 54.9 | ||
| 計 | 95,990 | 100.0 | ||
(注)次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりである。
| 広島市 | 広島市立学校校内LAN整備等業務(情報通信設備) | 2021年4月完成 |
| ㈱塩浜工業 | ESR幸浦ディストリビューションセンター新築工事 (電気空調給排水設備) | 2022年1月完成予定 |
| 鹿島建設㈱ | 広島駅南口計画(仮称)新築工事(電気空調給排水設備) | 2022年8月完成予定 |
| 岡山県 | 岡山県庁舎耐震化整備工事(電気空調給排水設備) | 2024年3月完成予定 |
| 戸田建設㈱ | 山口県済生会山口総合病院新病院建築工事(仮称) (電気空調給排水設備) | 2027年2月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績について
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上高及び各利益の前期比較の増減内訳は以下のとおりとなった。
【売上高1,844億円 前期比155億円増の内訳】
当社個別は、ホテルや学校空調関係の工事が減少し、屋内電気工事や空調管工事が減少したことなどにより、前期に比べ9億円減少した。一方、連結子会社は、中国地域や海外子会社で32億円減少したものの、前年度末に連結化した株式会社昭和コーポレーションが加わったことで都市圏子会社が197億円増加し、前期に比べ164億円増加した。
【営業利益94億円 前期比11億円増の内訳】
当社個別は、一般部門で5億円減少したものの、電力部門で8億円増加し、前期に比べ2億円増加した。また、連結決算処理で、のれん償却額の増加などにより1億円の減少となったものの、連結子会社の営業利益が10億円増加し、前期に比べ9億円増加した。
【親会社株主に帰属する当期純利益81億円 前期比33億円増の内訳】
経常利益が7億円増加したことに加え、前期に計上したM&Aに係るのれんの減損損失17億円や投資有価証券評価損11億円などの特別損失の反動減により、特別損益が29億円改善したことなどによる。
売上高は9期連続の増収で、効率化施策による生産性向上や原価管理の徹底、販管費の抑制等に努めた結果、営業利益についても2期連続で増益になるなど、業績は堅調に推移したものと認識している。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
当社グループの事業活動のために必要な資金及び株主還元のための資金は、自己資金を充当することを基本としている。
当社グループの主な資金需要は、材料費、外注費、人件費など設備工事施工のための運転資金、事業場の整備・拡充、工具・事務機器等の更新、システム改修などのための設備投資資金、持続的発展に向けたM&Aなどの成長投資のための資金などがある。なお、資金需要の時期が来るまでは、手元資金を確保した上で金融商品で資金運用を行うこととしている。
株主還元については、業績等を踏まえつつ、持続的・安定的な配当を行うことを重視し、DOE(連結株主資本配当率)2.7%を目途に配当を行う方針としている。また、経営環境等を総合的に勘案した上で、必要に応じて自己株式取得を実施することとしている。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性のある見積りを必要とする場合がある。こうした見積りについては、過去の実績や様々な要因、仮定等を勘案し、合理的に判断しているが、見積り特有の不確実性により、実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載している。