有価証券報告書-第72期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における建設業界は、政府建設投資が引き続き高水準で推移し、民間建設投資は企業収益の改善等を背景に設備投資が増加傾向にあるなど、良好な受注環境が続きました。
このような状況のもと、当社におきましては、2016年6月7日に発表しました中期経営計画「Raito2018」の最終年度を迎え、『次世代へ繋がる体質の強化』に向けて各種施策を推進してまいりました。当年度は東日本大震災の復興需要が一巡したことによる事業量の減少が見込まれていたことから、機械化や施工人員の適正配置による施工効率の強化と選別受注の徹底により事業量の確保と収益性の向上に努めました。また、次世代で核となる技術の開発や経営の効率化などに取り組みました。
この結果、当連結会計年度の経営成績等は以下の通りとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、東日本大震災の復興需要が一巡したことに伴い、東北地方に拠点を置く連結子会社の売上高が減少したものの、当社を中心に専業土木分野の受注高が増加し、施工も順調に推移したことにより、1,028億2千5百万円(前期比2.7%増)となりました。
利益面につきましては、売上高が増加したことに加え、採算性も向上したことにより、売上総利益は194億2千7百万円(前期比4.5%増)となりました。
また、営業利益、経常利益につきましては、売上総利益が増加したことにより、各々97億2百万円(前期比8.4%増)、101億2千4百万円(前期比9.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、65億1千2百万円(前期比0.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
「建設事業」
建設事業の受注高は、1,048億8千6百万円(前期比7.4%増)、売上高は1,021億2千5百万円(前期比2.7%増)となりました。
また、主な工事種目別の状況は下記のとおりであります。
① 斜面・法面対策工事
受注高は、平成30年7月豪雨等における災害復旧工事が増加したことに加え、鉄道関連の軌道盛土耐震対策工事の受注が増加したことにより、378億1千1百万円(前期比15.1%増)となりました。
売上高は、道路分野及びダム分野の工事や平成30年7月豪雨等における災害復旧工事の売上が増加したこと等により、364億2千9百万円(前期比17.3%増)となりました。
② 基礎・地盤改良工事
受注高は、空港及び港湾分野の液状化対策工事の受注が増加したことに加え、米国連結子会社の受注が増加したことにより、375億5千万円(前期比15.7%増)となりました。
売上高は、国土交通省発注の空港及び港湾分野の工事や電力会社発注工事の売上が増加したこと等により、353億4千9百万円(前期比7.5%増)となりました。
③ 補修・補強工事
受注高は、官公庁発注の橋梁補修・補強工事の受注が減少したことにより、32億7千7百万円(前期比9.2%減)となりました。
売上高は、橋梁補修・補強工事の手持工事が減少したこと等により、31億8百万円(前期比16.2%減)となりました。
④ 環境修復工事
受注高は、民間発注の土壌・地下水汚染対策工事の受注が減少したことにより、22億3千3百万円(前期比49.8%減)となりました。
売上高は、環境省及び地方自治体発注の除染工事の反動減や、民間発注の土壌・地下水汚染対策工事の売上が減少したことにより、26億2千7百万円(前期比43.4%減)となりました。
⑤ 一般土木・その他工事
受注高は、港湾及び河川における防潮堤新設工事の受注が増加したこと等により、91億5千5百万円(前期比10.2%増)となりました。
売上高は、連結子会社において一般土木工事の売上が増加したことや、当社において管きょ工事の売上が増加したこと等により、90億5千6百万円(前期比2.0%増)となりました。
⑥ 建築工事
受注高は、東北地方に拠点を置く連結子会社において大型建築工事の受注が減少したことにより、148億5千9百万円(前期比6.8%減)となりました。
売上高は、連結子会社において大型工事が減少したこと等により、155億5千5百万円(前期比15.0%減)となりました。
「その他」
その他の売上高は、6億9千9百万円(前期比6.0%増)となりました。
なお、「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、商品・資材販売事業、リース事業及び訪問介護事業等を含んでおります。事業の性質上、受注生産は行っておりません。
b.財政状態
当連結会計年度の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ29億8千万円増加し、967億4千5百万円となりました。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ9億8千2百万円減少し、339億9千7百万円となりました。その結果、純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ39億6千2百万円増加し、627億4千7百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金預金同等物は、株主配当金の支払いによる支出及び自己株式の取得による支出があったものの、法人税等の支払による支出が前期末より減少したこと及び新規連結子会社の増加の影響もあり、前連結会計年度に比べ13億1千5百万円増加し、219億9千2百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
(注)当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。
b.売上実績
(注)1 セグメント間での取引については相殺消去しております。
(注)2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び施工高の状況
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
4 前期繰越工事高は、期中に工種の変更が生じた場合、工種分類を組替えております。したがって、総額に変更はありませんが、前期末時点の内訳と異なる場合があります。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 売上高
(注)1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額 300百万円以上の主なもの。
当事業年度 請負金額 200百万円以上の主なもの。
④ 手持工事高(2019年3月31日現在)
(注)1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2 手持工事の内請負金額200百万円以上の主なものは、次のとおりであります。
(3)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、特に以下の会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
売上高は、建設事業について、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。商品・資材販売については、出荷した時点にて計上しております。貸倒引当金は、売上債権、貸付金等の損失に備えて一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については回収不能見込額を計上しており、取引先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。完成工事補償引当金は、過去の実績率に基づき将来の見積補償額を算定し計上しております。工事損失引当金は、合理的に見積もることの出来る工事について損失見込額を計上しております。退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定された前提条件に基づいて算定されております。実際の結果が前提条件と異なる場合は、将来期間において認識される債務及び計上される費用に影響を及ぼします。投資の減損は、期末における時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合はすべて減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要な額を減損処理しております。
b.経営成績及び経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社を取り巻く事業環境は、中長期的に財政的な制約や人口の減少に伴い国内建設市場は縮小していくものと予想しております。現時点での国内建設市場は、企業収益の改善を背景に民間設備投資が増加傾向で推移し、政府建設投資も大都市部の再開発事業や国土強靭化に伴うインフラ対策等を背景に高水準で推移するなど活況を維持しております。
このような中、当事業年度は、2016年度から2018年度までの3ヵ年にわたるライト工業グループ中期経営計画 「Raito2018」の最終年度を迎えました。本計画における2018年度における目標と実績は以下のとおりです。
●中期経営計画「Raito2018」(2016~2018年度)最終年度経営数値目標と最終年度事業実績
また、当社グループは、2019年5月10日に2019年度を初年度とする新中期経営計画「Raito2021」を公表いたしました。
本計画の最終年度である2021年度における経営数値目標は以下のとおりです。
●新中期経営計画「Raito2021」(2019~2021年度)最終年度経営数値目標
当事業年度の連結売上高は、1,028億円(前期比2.7%増)となりました。中期経営計画(2016~2018年度)の目標値である1,030億円を若干下回り、未達となりました。ライト工業単体の売上高は良好な受注環境と施工効率の向上により目標値を上回ることができました。一方で、東北地方に拠点を置く連結子会社において震災復興工事の需要が計画策定時より減少したこと及び海外子会社で想定していた売上高が計画に届かなかったことが連結売上高目標値の未達の要因となりました。
2019年度を初年度とする新中期経営計画「Raito2021」(以下、「新中期経営計画」)では、連結売上高1,100億円、単体売上高900億円を新たな目標に掲げました。ライト工業単体は研究・開発強化戦略としてICT法面、ICT地盤改良のトップランナーを目指した技術の開発と普及を図ることにより引き続き穏やかな成長を継続させるとともに、連結子会社においては人材育成の強化と施工効率の改善による生産性の向上を図ることにより、連結売上高目標値の達成を目指してまいります。
営業利益につきましては、97億円(前期比8.4%増)となりました。売上高と同様に中期経営計画(2016~2018年度)の目標値である100億円を若干下回り、未達となりました。工事の採算性は計画通りに推移しましたが、売上高が目標値に届かなかったことに加え、固定費の支出が想定より多かったことが営業利益目標値の未達の要因となりました。固定費につきましては、ベースアップ等による人件費の増加と研究開発に注力した結果の増加であり、当社グループの中長期的な成長に欠かすことのできない「ヒト」と「技術」への投資であったと考えております。
新中期経営計画では、連結営業利益105億円、単体営業利益90億円を新たな目標に掲げました。売上高目標値の達成と工事採算性の更なる向上を図ることにより、営業利益目標値の達成を目指してまいります。また、固定費につきましては常にコスト削減を模索していく一方で、短期的な視点にとらわれず、持続的な成長に資する研究開発や人材育成等には一定の支出を行う方針です。経営数値目標に強いこだわりを持ちつつ、適正な固定費の配分に努めてまいります。
ROEにつきましては、目標値11.0%以上に対し実績10.7%と目標未達となりました。当該計画期間の3年間における剰余金の配当の継続的な増配や、資本効率向上のための自己株式取得の実施など、積極的に施策を講じてまいりましたが、ROE目標値未達の主要因は目標とした営業利益の不足であったと考えております。
新中期経営計画でのROE目標値は10.0%以上としております。新中期経営計画の当該計画期間は『持続的成長に向けた企業力の向上』を基本方針に掲げ、資本コストを意識した成長投資を実行してまいります。内部留保金を活用した積極的な成長投資により事業収益性の最大化を図りROE向上に努めてまいります。
配当性向につきましては、目標値30.0%以上に対し実績30.6%と目標を達成いたしました。当社グループにおける配当の基本方針は安定的な配当の維持を基本に、業績と経営環境を勘案して決定する方針としております。
新中期経営計画では配当性向の目標を30.0%以上といたしました。配当の基本方針を堅持しつつ、内部留保金につきましては、将来の企業価値を高めるために研究開発や戦略投資等に充て、持続的な成長を実現してまいります。
中期経営計画の最終年度であった当事業年度は、『次世代へ繋がる体質の強化』を基本方針とした中期経営計画「Ratio2018」における連結ベースでの経営数値目標は配当性向以外で未達となりましたが、当該計画期間において各種の施策に着実に取り組んできた結果、定性的な目標も含めて、概ね当社グループとして目標とした水準に達することができたと考えております。
今後も引き続き、「新たな価値に挑戦し、創造し続ける」の経営理念のもと、当社グループ一丸となって『持続的成長に向けた企業力の向上』を基本方針とした新中期経営計画「Raito2021」に掲げる各種施策を着実に実行し、全てのステークホルダーの皆さまの期待に応えるべく中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
c.財政状態
当連結会計年度の資産につきましては、前期比で29億8千万円増加し、967億4千5百万円となりました。このうち、流動資産は前期比で37億1千1百万円増加し、696億1千4百万円となりました。これは主に、現金預金が増加したことによるものと、受取手形・完成工事未収入金が増加したことによるものです。また、固定資産は前期比で7億3千1百万円減少し、271億3千1百万円となりました。これは主に、当社において建物の除却や償却があったことによるものです。
負債につきましては、前期比で9億8千2百万円減少し、339億9千7百万円となりました。このうち、流動負債は前期比で8億3千2百万円減少し、330億4千6百万円となりました。これは主に、未払消費税が減少したことによるものです。また、固定負債は前期比で1億4千9百万円減少し、9億5千万円となりました。これは子会社において長期借入金が減少したことによるものです。
純資産につきましては、前期比で39億6千2百万円増加し、627億4千7百万円となりました。これは主に、株主配当金18億3千8百万円の支払い及び株主還元の充実、資本効率の向上を目的として行った自己株式の取得が9億9千9百万円あったものの、親会社に帰属する当期純利益65億1千2百万円を計上したこと等によるものです。以上の結果、当連結会計年度における自己資本比率は前期比で2.2ポイント増加し、64.9%となりました。今後も強固な経営基盤を確立し、事業運営を行ってまいります。
d.キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、55億6千万円の収入超過(前年同期は75億6千5百万円の収入超過)となりました。これは主に、法人税等の支払(25億8千6百万円)による支出を、税金等調整前当期純利益(96億8百万円)による収入が上回ったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、21億2千7百万円の支出超過(前年同期は59億3百万円の支出超過)となりました。これは主に、有価証券の取得による支出(50億円)及び有形固定資産の取得による支出(14億8千5百万円)が、有価証券の償還による収入(42億9千9百万円)及び投資不動産の売却による収入(4億1千7百万円)を上回ったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、29億6千9百万円の支出超過(前年同期は16億3千2百万円の支出超過)となりました。これは主に、配当金の支払額(18億3千8百万円)による支出及び自己株式の取得による支出(10億円)によるものであります。
以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、新規連結による増加と合わせ前連結会計年度末比13億1千5百万円増加し、219億9千2百万円となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を使用しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
e.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、従来から蓄積した資金により自己資本比率が高く健全な財政状態であります。また、営業活動においてキャッシュ・フローを生み出す能力、コミットメントラインの借入枠80億円、国内子会社の当座貸越契約枠3億5千万円及び海外子会社の当座貸越契約枠13億3千2百万円に対して、未実行の借入枠は98億8千2百万円あり、当社グループの事業活動を継続するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を確保することは可能と考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における建設業界は、政府建設投資が引き続き高水準で推移し、民間建設投資は企業収益の改善等を背景に設備投資が増加傾向にあるなど、良好な受注環境が続きました。
このような状況のもと、当社におきましては、2016年6月7日に発表しました中期経営計画「Raito2018」の最終年度を迎え、『次世代へ繋がる体質の強化』に向けて各種施策を推進してまいりました。当年度は東日本大震災の復興需要が一巡したことによる事業量の減少が見込まれていたことから、機械化や施工人員の適正配置による施工効率の強化と選別受注の徹底により事業量の確保と収益性の向上に努めました。また、次世代で核となる技術の開発や経営の効率化などに取り組みました。
この結果、当連結会計年度の経営成績等は以下の通りとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、東日本大震災の復興需要が一巡したことに伴い、東北地方に拠点を置く連結子会社の売上高が減少したものの、当社を中心に専業土木分野の受注高が増加し、施工も順調に推移したことにより、1,028億2千5百万円(前期比2.7%増)となりました。
利益面につきましては、売上高が増加したことに加え、採算性も向上したことにより、売上総利益は194億2千7百万円(前期比4.5%増)となりました。
また、営業利益、経常利益につきましては、売上総利益が増加したことにより、各々97億2百万円(前期比8.4%増)、101億2千4百万円(前期比9.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、65億1千2百万円(前期比0.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
「建設事業」
建設事業の受注高は、1,048億8千6百万円(前期比7.4%増)、売上高は1,021億2千5百万円(前期比2.7%増)となりました。
また、主な工事種目別の状況は下記のとおりであります。
① 斜面・法面対策工事
受注高は、平成30年7月豪雨等における災害復旧工事が増加したことに加え、鉄道関連の軌道盛土耐震対策工事の受注が増加したことにより、378億1千1百万円(前期比15.1%増)となりました。
売上高は、道路分野及びダム分野の工事や平成30年7月豪雨等における災害復旧工事の売上が増加したこと等により、364億2千9百万円(前期比17.3%増)となりました。
② 基礎・地盤改良工事
受注高は、空港及び港湾分野の液状化対策工事の受注が増加したことに加え、米国連結子会社の受注が増加したことにより、375億5千万円(前期比15.7%増)となりました。
売上高は、国土交通省発注の空港及び港湾分野の工事や電力会社発注工事の売上が増加したこと等により、353億4千9百万円(前期比7.5%増)となりました。
③ 補修・補強工事
受注高は、官公庁発注の橋梁補修・補強工事の受注が減少したことにより、32億7千7百万円(前期比9.2%減)となりました。
売上高は、橋梁補修・補強工事の手持工事が減少したこと等により、31億8百万円(前期比16.2%減)となりました。
④ 環境修復工事
受注高は、民間発注の土壌・地下水汚染対策工事の受注が減少したことにより、22億3千3百万円(前期比49.8%減)となりました。
売上高は、環境省及び地方自治体発注の除染工事の反動減や、民間発注の土壌・地下水汚染対策工事の売上が減少したことにより、26億2千7百万円(前期比43.4%減)となりました。
⑤ 一般土木・その他工事
受注高は、港湾及び河川における防潮堤新設工事の受注が増加したこと等により、91億5千5百万円(前期比10.2%増)となりました。
売上高は、連結子会社において一般土木工事の売上が増加したことや、当社において管きょ工事の売上が増加したこと等により、90億5千6百万円(前期比2.0%増)となりました。
⑥ 建築工事
受注高は、東北地方に拠点を置く連結子会社において大型建築工事の受注が減少したことにより、148億5千9百万円(前期比6.8%減)となりました。
売上高は、連結子会社において大型工事が減少したこと等により、155億5千5百万円(前期比15.0%減)となりました。
「その他」
その他の売上高は、6億9千9百万円(前期比6.0%増)となりました。
なお、「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、商品・資材販売事業、リース事業及び訪問介護事業等を含んでおります。事業の性質上、受注生産は行っておりません。
b.財政状態
当連結会計年度の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ29億8千万円増加し、967億4千5百万円となりました。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ9億8千2百万円減少し、339億9千7百万円となりました。その結果、純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ39億6千2百万円増加し、627億4千7百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金預金同等物は、株主配当金の支払いによる支出及び自己株式の取得による支出があったものの、法人税等の支払による支出が前期末より減少したこと及び新規連結子会社の増加の影響もあり、前連結会計年度に比べ13億1千5百万円増加し、219億9千2百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 受注高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) | ||
| 建設事業 | |||||
| 斜面・法面対策工事 | 32,857 | 16,003 | 37,811 | 17,528 | |
| 基礎・地盤改良工事 | 32,462 | 14,569 | 37,550 | 16,435 | |
| 補修・補強工事 | 3,610 | 1,059 | 3,277 | 1,204 | |
| 環境修復工事 | 4,447 | 2,712 | 2,233 | 2,350 | |
| 一般土木工事 | 6,528 | 9,980 | 7,484 | 10,407 | |
| 建築工事 | 15,946 | 13,867 | 14,859 | 13,171 | |
| その他工事 | 1,782 | 296 | 1,670 | 770 | |
| 合計 | 97,636 | 58,489 | 104,886 | 61,867 | |
(注)当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。
b.売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||
| 建設事業 | 99,465 | 99.3 | 102,125 | 99.3 | |
| 斜面・法面対策工事 | 31,063 | 31.0 | 36,429 | 35.4 | |
| 基礎・地盤改良工事 | 32,874 | 32.8 | 35,349 | 34.4 | |
| 補修・補強工事 | 3,710 | 3.7 | 3,108 | 3.0 | |
| 環境修復工事 | 4,644 | 4.6 | 2,627 | 2.6 | |
| 一般土木工事 | 7,087 | 7.1 | 7,357 | 7.2 | |
| 建築工事 | 18,292 | 18.3 | 15,555 | 15.1 | |
| その他工事 | 1,793 | 1.8 | 1,699 | 1.7 | |
| その他 | 659 | 0.7 | 699 | 0.7 | |
| 合計 | 100,125 | 100.0 | 102,825 | 100.0 | |
(注)1 セグメント間での取引については相殺消去しております。
(注)2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び施工高の状況
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
| 期別 | 工種別 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 | 当期施工高 (百万円) | ||
| 手持工事高(百万円) | うち施工高 (%、百万円) | ||||||||
| 前事業年度 自2017年4月1日 至2018年3月31日 | 斜面・法面対策工事 | 13,669 | 31,128 | 44,797 | 29,324 | 15,473 | 16.2 | 2,501 | 28,957 |
| 基礎・地盤改良工事 | 13,919 | 31,366 | 45,286 | 31,543 | 13,743 | 11.1 | 1,530 | 30,594 | |
| 補修・補強工事 | 1,159 | 3,479 | 4,638 | 3,586 | 1,052 | 8.4 | 88 | 3,523 | |
| 環境修復工事 | 2,910 | 4,447 | 7,357 | 4,644 | 2,712 | 1.6 | 42 | 3,956 | |
| 一般土木工事 | 193 | 1,306 | 1,500 | 815 | 685 | 9.0 | 61 | 871 | |
| 建築工事 | 11,337 | 13,111 | 24,448 | 12,664 | 11,784 | 3.4 | 399 | 12,708 | |
| その他工事 | 216 | 1,631 | 1,848 | 1,601 | 246 | 40.6 | 100 | 1,590 | |
| 合計 | 43,405 | 86,472 | 129,878 | 84,180 | 45,698 | 10.3 | 4,724 | 82,202 | |
| 当事業年度 自2018年4月1日 至2019年3月31日 | 斜面・法面対策工事 | 15,184 | 33,198 | 48,382 | 33,243 | 15,139 | 10.5 | 1,589 | 32,331 |
| 基礎・地盤改良工事 | 13,402 | 34,771 | 48,174 | 33,807 | 14,366 | 9.6 | 1,382 | 33,659 | |
| 補修・補強工事 | 968 | 3,081 | 4,049 | 2,858 | 1,191 | 5.3 | 63 | 2,832 | |
| 環境修復工事 | 2,743 | 2,233 | 4,977 | 2,627 | 2,350 | 1.8 | 41 | 2,626 | |
| 一般土木工事 | 860 | 325 | 1,186 | 885 | 300 | 1.8 | 5 | 829 | |
| 建築工事 | 11,784 | 13,036 | 24,820 | 12,522 | 12,298 | 0.5 | 59 | 12,182 | |
| その他工事 | 754 | 1,416 | 2,170 | 1,456 | 714 | - | 0 | 1,355 | |
| 合計 | 45,698 | 88,063 | 133,762 | 87,400 | 46,361 | 6.8 | 3,141 | 85,816 | |
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
4 前期繰越工事高は、期中に工種の変更が生じた場合、工種分類を組替えております。したがって、総額に変更はありませんが、前期末時点の内訳と異なる場合があります。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
| 期別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 86.4 | 13.6 | 100.0 |
| 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 87.6 | 12.4 | 100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 売上高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) |
| 前事業年度 自2017年 4月1日 至2018年 3月31日 | 斜面・法面対策工事 | 22,593 | 6,730 | 29,324 |
| 基礎・地盤改良工事 | 25,612 | 5,931 | 31,543 | |
| 補修・補強工事 | 3,331 | 255 | 3,586 | |
| 環境修復工事 | 1,326 | 3,318 | 4,644 | |
| 一般土木工事 | 803 | 11 | 815 | |
| 建築工事 | - | 12,664 | 12,664 | |
| その他工事 | 1,142 | 459 | 1,601 | |
| 計 | 54,809 | 29,370 | 84,180 | |
| 当事業年度 自2018年 4月1日 至2019年 3月31日 | 斜面・法面対策工事 | 26,022 | 7,220 | 33,243 |
| 基礎・地盤改良工事 | 24,729 | 9,077 | 33,807 | |
| 補修・補強工事 | 2,618 | 239 | 2,858 | |
| 環境修復工事 | 165 | 2,461 | 2,627 | |
| 一般土木工事 | 819 | 65 | 885 | |
| 建築工事 | - | 12,522 | 12,522 | |
| その他工事 | 991 | 465 | 1,456 | |
| 計 | 55,346 | 32,053 | 87,400 |
(注)1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額 300百万円以上の主なもの。
| (発注者) | (工事名) | |
| ㈱タカラレーベン・三信住建㈱ | (仮称)レーベン阪東橋新築工事 | |
| ㈱エルヴェ環境 | 津谷川外河川災害復旧工事(その4) | |
| 郡山市 | 郡山市道路除染業務委託(H28-第13工区) | |
| 国土交通省 | 鶴甲東地区斜面対策(その3)工事 | |
| 国土交通省 | H28拝島橋耐震補強その他工事 |
当事業年度 請負金額 200百万円以上の主なもの。
| (発注者) | (工事名) | |
| ㈱コスモスイニシア・ 大和ハウス工業㈱ | (仮称)小岩駅前2共同住宅新築工事 | |
| 西日本高速道路㈱ | 中国自動車道 根越地区のり面補強工事 | |
| 国土交通省 | H28精進湖立体橋耐震補強その1工事 | |
| 国土交通省 | 沢向地区道路改良工事 | |
| 国土交通省 | 東京国際空港C滑走路北側他地盤改良工事(その2) |
④ 手持工事高(2019年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) |
| 斜面・法面対策工事 | 12,020 | 3,119 | 15,139 |
| 基礎・地盤改良工事 | 10,484 | 3,882 | 14,366 |
| 補修・補強工事 | 1,191 | - | 1,191 |
| 環境修復工事 | - | 2,350 | 2,350 |
| 一般土木工事 | 300 | - | 300 |
| 建築工事 | - | 12,298 | 12,298 |
| その他工事 | 489 | 224 | 714 |
| 計 | 24,487 | 21,874 | 46,361 |
(注)1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2 手持工事の内請負金額200百万円以上の主なものは、次のとおりであります。
| (発注者) | (工事名) | (完工予定年月) | ||
| JR西日本プロパティーズ㈱ | (仮称)日本橋富沢町計画新築工事 | 2021年9月 | ||
| 東日本高速道路㈱ | 関越自動車道越後川口SAのり面補強工事 | 2020年3月 | ||
| 埼玉県 | 総選除)30草加-15号調整池地盤改良工事 | 2020年2月 | ||
| 国土交通省 | 一関大橋床版連結工事 | 2020年3月 | ||
| 中日本高速道路㈱ | 新東名高速道路 藤枝地区のり面補強工事 | 2019年12月 |
(3)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、特に以下の会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
売上高は、建設事業について、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。商品・資材販売については、出荷した時点にて計上しております。貸倒引当金は、売上債権、貸付金等の損失に備えて一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については回収不能見込額を計上しており、取引先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。完成工事補償引当金は、過去の実績率に基づき将来の見積補償額を算定し計上しております。工事損失引当金は、合理的に見積もることの出来る工事について損失見込額を計上しております。退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定された前提条件に基づいて算定されております。実際の結果が前提条件と異なる場合は、将来期間において認識される債務及び計上される費用に影響を及ぼします。投資の減損は、期末における時価が取得価額に比べ50%以上下落した場合はすべて減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要な額を減損処理しております。
b.経営成績及び経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社を取り巻く事業環境は、中長期的に財政的な制約や人口の減少に伴い国内建設市場は縮小していくものと予想しております。現時点での国内建設市場は、企業収益の改善を背景に民間設備投資が増加傾向で推移し、政府建設投資も大都市部の再開発事業や国土強靭化に伴うインフラ対策等を背景に高水準で推移するなど活況を維持しております。
このような中、当事業年度は、2016年度から2018年度までの3ヵ年にわたるライト工業グループ中期経営計画 「Raito2018」の最終年度を迎えました。本計画における2018年度における目標と実績は以下のとおりです。
●中期経営計画「Raito2018」(2016~2018年度)最終年度経営数値目標と最終年度事業実績
| 単体 | 連結 | |||||||
| 目標 | 実績 | 達成率 | 目標 | 実績 | 達成率 | |||
| 売上高 | 850億円 | 874億円 | 102.8% | 売上高 | 1,030憶円 | 1,028億円 | 99.8% | |
| 営業利益 | 85億円 | 87億円 | 102.4% | 営業利益 | 100億円 | 97億円 | 97.0% | |
| ROE | - | - | - | ROE | 11.0%以上 | 10.7% | △0.3pt | |
| 配当性向 | - | - | - | 配当性向 | 30.0%以上 | 30.6% | +0.6pt | |
また、当社グループは、2019年5月10日に2019年度を初年度とする新中期経営計画「Raito2021」を公表いたしました。
本計画の最終年度である2021年度における経営数値目標は以下のとおりです。
●新中期経営計画「Raito2021」(2019~2021年度)最終年度経営数値目標
| 2021年度目標値 | ||
| 単体 | 連結 | |
| 売上高 | 900億円 | 1,100億円 |
| 営業利益 | 90億円 | 105億円 |
| ROE | - | 10.0%以上 |
| 配当性向 | - | 30.0%以上 |
当事業年度の連結売上高は、1,028億円(前期比2.7%増)となりました。中期経営計画(2016~2018年度)の目標値である1,030億円を若干下回り、未達となりました。ライト工業単体の売上高は良好な受注環境と施工効率の向上により目標値を上回ることができました。一方で、東北地方に拠点を置く連結子会社において震災復興工事の需要が計画策定時より減少したこと及び海外子会社で想定していた売上高が計画に届かなかったことが連結売上高目標値の未達の要因となりました。
2019年度を初年度とする新中期経営計画「Raito2021」(以下、「新中期経営計画」)では、連結売上高1,100億円、単体売上高900億円を新たな目標に掲げました。ライト工業単体は研究・開発強化戦略としてICT法面、ICT地盤改良のトップランナーを目指した技術の開発と普及を図ることにより引き続き穏やかな成長を継続させるとともに、連結子会社においては人材育成の強化と施工効率の改善による生産性の向上を図ることにより、連結売上高目標値の達成を目指してまいります。
営業利益につきましては、97億円(前期比8.4%増)となりました。売上高と同様に中期経営計画(2016~2018年度)の目標値である100億円を若干下回り、未達となりました。工事の採算性は計画通りに推移しましたが、売上高が目標値に届かなかったことに加え、固定費の支出が想定より多かったことが営業利益目標値の未達の要因となりました。固定費につきましては、ベースアップ等による人件費の増加と研究開発に注力した結果の増加であり、当社グループの中長期的な成長に欠かすことのできない「ヒト」と「技術」への投資であったと考えております。
新中期経営計画では、連結営業利益105億円、単体営業利益90億円を新たな目標に掲げました。売上高目標値の達成と工事採算性の更なる向上を図ることにより、営業利益目標値の達成を目指してまいります。また、固定費につきましては常にコスト削減を模索していく一方で、短期的な視点にとらわれず、持続的な成長に資する研究開発や人材育成等には一定の支出を行う方針です。経営数値目標に強いこだわりを持ちつつ、適正な固定費の配分に努めてまいります。
ROEにつきましては、目標値11.0%以上に対し実績10.7%と目標未達となりました。当該計画期間の3年間における剰余金の配当の継続的な増配や、資本効率向上のための自己株式取得の実施など、積極的に施策を講じてまいりましたが、ROE目標値未達の主要因は目標とした営業利益の不足であったと考えております。
新中期経営計画でのROE目標値は10.0%以上としております。新中期経営計画の当該計画期間は『持続的成長に向けた企業力の向上』を基本方針に掲げ、資本コストを意識した成長投資を実行してまいります。内部留保金を活用した積極的な成長投資により事業収益性の最大化を図りROE向上に努めてまいります。
配当性向につきましては、目標値30.0%以上に対し実績30.6%と目標を達成いたしました。当社グループにおける配当の基本方針は安定的な配当の維持を基本に、業績と経営環境を勘案して決定する方針としております。
新中期経営計画では配当性向の目標を30.0%以上といたしました。配当の基本方針を堅持しつつ、内部留保金につきましては、将来の企業価値を高めるために研究開発や戦略投資等に充て、持続的な成長を実現してまいります。
中期経営計画の最終年度であった当事業年度は、『次世代へ繋がる体質の強化』を基本方針とした中期経営計画「Ratio2018」における連結ベースでの経営数値目標は配当性向以外で未達となりましたが、当該計画期間において各種の施策に着実に取り組んできた結果、定性的な目標も含めて、概ね当社グループとして目標とした水準に達することができたと考えております。
今後も引き続き、「新たな価値に挑戦し、創造し続ける」の経営理念のもと、当社グループ一丸となって『持続的成長に向けた企業力の向上』を基本方針とした新中期経営計画「Raito2021」に掲げる各種施策を着実に実行し、全てのステークホルダーの皆さまの期待に応えるべく中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
c.財政状態
当連結会計年度の資産につきましては、前期比で29億8千万円増加し、967億4千5百万円となりました。このうち、流動資産は前期比で37億1千1百万円増加し、696億1千4百万円となりました。これは主に、現金預金が増加したことによるものと、受取手形・完成工事未収入金が増加したことによるものです。また、固定資産は前期比で7億3千1百万円減少し、271億3千1百万円となりました。これは主に、当社において建物の除却や償却があったことによるものです。
負債につきましては、前期比で9億8千2百万円減少し、339億9千7百万円となりました。このうち、流動負債は前期比で8億3千2百万円減少し、330億4千6百万円となりました。これは主に、未払消費税が減少したことによるものです。また、固定負債は前期比で1億4千9百万円減少し、9億5千万円となりました。これは子会社において長期借入金が減少したことによるものです。
純資産につきましては、前期比で39億6千2百万円増加し、627億4千7百万円となりました。これは主に、株主配当金18億3千8百万円の支払い及び株主還元の充実、資本効率の向上を目的として行った自己株式の取得が9億9千9百万円あったものの、親会社に帰属する当期純利益65億1千2百万円を計上したこと等によるものです。以上の結果、当連結会計年度における自己資本比率は前期比で2.2ポイント増加し、64.9%となりました。今後も強固な経営基盤を確立し、事業運営を行ってまいります。
d.キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、55億6千万円の収入超過(前年同期は75億6千5百万円の収入超過)となりました。これは主に、法人税等の支払(25億8千6百万円)による支出を、税金等調整前当期純利益(96億8百万円)による収入が上回ったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、21億2千7百万円の支出超過(前年同期は59億3百万円の支出超過)となりました。これは主に、有価証券の取得による支出(50億円)及び有形固定資産の取得による支出(14億8千5百万円)が、有価証券の償還による収入(42億9千9百万円)及び投資不動産の売却による収入(4億1千7百万円)を上回ったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、29億6千9百万円の支出超過(前年同期は16億3千2百万円の支出超過)となりました。これは主に、配当金の支払額(18億3千8百万円)による支出及び自己株式の取得による支出(10億円)によるものであります。
以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、新規連結による増加と合わせ前連結会計年度末比13億1千5百万円増加し、219億9千2百万円となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年3月期 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | |
| 自己資本比率 | 57.8% | 59.7% | 62.7% | 64.9% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 68.3% | 66.9% | 61.6% | 80.0% |
| 債務償還年数 | 0.1年 | 0.2年 | 0.14年 | 0.2年 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 281倍 | 173倍 | 346倍 | 397倍 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を使用しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
e.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、従来から蓄積した資金により自己資本比率が高く健全な財政状態であります。また、営業活動においてキャッシュ・フローを生み出す能力、コミットメントラインの借入枠80億円、国内子会社の当座貸越契約枠3億5千万円及び海外子会社の当座貸越契約枠13億3千2百万円に対して、未実行の借入枠は98億8千2百万円あり、当社グループの事業活動を継続するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を確保することは可能と考えております。