有価証券報告書-第95期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 14:20
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年4月に緊急事態宣言が発出され、企業活動や消費者の行動が大幅に制限された影響により、景気は急速に悪化しました。緊急事態宣言解除後は、政府による景気対策の効果や、経済活動の段階的な再開により一時的に回復の兆しが見られたものの、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大により、緊急事態宣言が再発出されるなど、感染収束時期が見通せず、予断を許さない状況が続いております。また世界経済におきましては、米国の政権交代を契機に米中の対立が一層深刻化しております。また新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に収束の気配はなく、ワクチンの接種が開始されたものの、経済活動の回復には、依然として先行き不透明な状況が続いております。
建設業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による経済活動の抑制から、受注競争の激化に加え、労務費の高騰及び建設資材の価格上昇により、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような状況のなか、当社は、新型コロナウイルス感染症予防・拡大防止対策の取り組みを継続し、事業活動を行ってまいりました。従前から培ってきたコア事業である「商業施設」建築のノウハウや企画・提案力を生かし、店舗等の新築・内改装工事の建設需要に対して積極的な受注活動を行い、また、マンション、物流施設、医療・福祉施設等、幅広い民間事業者の建設需要にも取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度の経営成績につきましては、売上高は886億2千4百万円(前期比2.4%増)となりました。
損益につきましては、完成工事高の増加や利益率の改善などにより売上総利益が増加したことから、営業利益は47億5千8百万円(前期比8.6%増)、経常利益は46億7千3百万円(前期比10.2%増)となりました。また、当期純利益は31億6千1百万円(前期比8.4%増)となりました。
セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。
(建設事業)
受注高は849億6千8百万円(前期比9.1%減)となりました。完成工事高は879億4千2百万円(前期比2.4%増)となり、次期への繰越工事高は735億1千6百万円(前期比3.9%減)となりました。そして、セグメント利益は66億7千万円(前期比9.5%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は6億8千1百万円(前期比4.5%増)、セグメント損失は1億8千7百万円(前年同期は1億3千9百万円のセグメント利益)となりました。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度に比べ3億1千7百万円の資金の減少(前年同期は3億9千万円の資金の増加)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5億4千3百万円の資金の増加(前年同期は36億2千2百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益46億4千5百万円、未成工事受入金の増加8億7千4百万円、未払消費税等の増加7億4千5百万円、主な減少要因は、仕入債務の減少39億1千6百万円、未成工事支出金の増加21億6百万円、法人税等の支払額13億4千1百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6千3百万円の資金の減少(前年同期は54億4千5百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因は、差入保証金の回収による収入2億4千7百万円、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出2億9千4百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、7億9千7百万円の資金の減少(前年同期は22億1千3百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入17億9千5百万円、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出11億3百万円、配当金の支払額6億5千万円などであります。
③ 受注高、売上高及び繰越工事高の実績
a.受注工事高、売上高及び繰越工事高
期別セグメントの名称前期繰越
工事高
(百万円)
当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)
当期売上高
(百万円)
次期繰越
工事高
(百万円)
前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
建設事業
建築工事68,66493,499162,16385,67276,491
土木工事1845189189-
68,84893,504162,35285,86176,491
不動産事業---652-
合計68,84893,504162,35286,51376,491
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
建設事業
建築工事76,49184,961161,45287,93673,516
土木工事-666-
76,49184,968161,45987,94273,516
不動産事業---681-
合計76,49184,968161,45988,62473,516

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にも係る増減額が含まれている。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期売上高)である。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
期別区分特命(%)競争(%)計(%)
前事業年度(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
建築工事24.975.1100
土木工事100-100
当事業年度(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
建築工事21.378.7100
土木工事100-100

(注)百分比は請負金額比である。
c.売上高
期別セグメントの名称官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
建設事業
建築工事1,54684,12585,672
土木工事-189189
1,54684,31485,861
不動産事業-652652
合計1,54684,96686,513
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
建設事業
建築工事1,72886,20787,936
土木工事6-6
1,73586,20787,942
不動産事業-681681
合計1,73586,88988,624

(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度 請負金額5億円以上の主なもの
MULプロパティ㈱OASIS Town キセラ川西新築工事
アパホーム㈱アパホテル〈山手大塚駅タワー〉新築工事
㈱ジョイフル本田ジョイフルアスレティッククラブ土浦新築工事
JR西日本不動産開発㈱ヴィアイン博多口駅前新築工事
北海道防衛局東千歳(29)局舎新設等建築その他工事

当事業年度 請負金額5億円以上の主なもの
オーハイバレー㈲Coaska Bayside Stores リニューアル計画
三菱地所㈱ザ・ロイヤルパークホテル京都梅小路新築工事
東急不動産㈱ブランズ大阪松屋町新築工事
㈱大京ONSEN RYOKAN 由縁 札幌新築工事
アパホーム㈱アパホテル&リゾート〈博多駅東〉新築工事

2.前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
d.次期繰越工事高(2021年3月31日現在)
区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
建築工事1,71171,80573,516
土木工事---
1,71171,80573,516

(注)次期繰越工事のうち請負金額5億円以上の主なものは、次のとおりである。
㈱日商エステム(仮称)エステムコート尼崎市小中島1丁目新築工事2022年1月完成予定
多木化学㈱グリーンプラザべふリニューアル工事2022年5月完成予定
JR西日本不動産開発㈱横浜市旧南区総合庁舎跡地開発 新築工事(その1)2022年9月完成予定
郡山市細沼町地区再開発ビル建設協議会郡山市細沼町地区再開発ビル建設事業に伴う、施設建築物工事2023年7月完成予定
第一交通産業㈱(仮称)グランドパレス吾妻町新築工事2023年9月完成予定

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態の分析
当事業年度の資産合計は540億2千8百万円、負債合計は294億8百万円、純資産合計は246億1千9百万円となり、前事業年度と比べて総資産は13億1千万円増加しております。
a.流動資産
現金預金が3億1千7百万円、受取手形が25億9百万円、販売用不動産が1億3千6百万円減少した一方、電子記録債権が17億4千2百万円、完成工事未収入金が7億9百万円、未成工事支出金が21億6百万円増加したため、流動資産は前事業年度と比べて14億6千1百万円増加しております。
b.固定資産
投資有価証券が3億1千5百万円増加しましたが、破産更生債権等が1億3千万円、差入保証金が2億1千5百万円、貸倒引当金が1億3千万円減少したことなどにより、固定資産は前事業年度と比べて1億5千1百万円減少しております。
c.流動負債
電子記録債務が48億4千5百万円、未払消費税等が7億4千5百万円、、未成工事受入金が8億7千4百万円、預り金が8億4千9百万円増加しましたが、支払手形が58億2千万円、工事未払金が29億4千1百万円、短期借入金が8億円減少したことなどにより、流動負債は前事業年度と比べて20億3千5百万円減少しております。
d.固定負債
長期預り金が1億3千1百万円減少しましたが、長期借入金が6億6千万円増加したことなどにより、固定負債は前事業年度と比べて6億7百万円増加しております。
e.純資産
利益剰余金が前事業年度に係る剰余金の配当により6億5千2百万円減少しましたが、当事業年度において当期純利益を31億6千1百万円獲得したため、25億8百万円増加しました。
また、株式含み益の増加により評価・換算差額等が2億3千1百万円増加したため、純資産は前事業年度と比べて27億3千9百万円増加しております。
② 経営成績の分析
経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりで、キャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。
2019年3月期2020年3月期2021年3月期
自己資本比率(%)33.741.545.5
時価ベースの自己資本比率(%)23.316.627.6
キャッシュ・フロー対有利子負債
比率(年)
-1.711.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-62.76.3

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

1.いずれの指標も財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.2019年3月期は営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点において入手可能な情報をもとに検証を行っております。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。当社では、取締役会等において決議された翌事業年度の事業計画に基づき回収可能性を検討しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、前提とした条件や仮定に変更が生じ、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
b.減損会計による将来キャッシュ・フロー
「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる資産又は資産グループについて、主に当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。当社では、減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、市場環境の悪化等により収益性が低下した場合には、割引前将来キャッシュ・フローの総額が減少することで減損損失が計上される可能性があります。
c.販売用不動産の評価
当社が保有している販売用不動産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しており、期末に帳簿価額と正味売却価額を比較し、正味売却価額が帳簿価額を下回っている場合には、販売用不動産に係る評価損として計上しております。当社では、経済情勢や不動産市況の悪化等により、収益性が低下した場合には、正味売却価額が下落するすることで、販売用不動産に係る評価損が計上される可能性があります。
d.工事原価総額の見積り
工事原価総額の見積りについては、当初は工事契約に関する実行予算によって算出しております。当社では、実行予算作成時には、将来の気象条件や作成時点で入手可能な情報に基づき、施工条件や建設資材価格等について仮定を設定し、作業効率等を勘案して工種毎に詳細に積み上げることによって工事原価総額を見積り、工事着工後完成に至るまでは、作業所において実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価総額の検討・見直しを行っております。このように気象条件、施工条件、建設資材価格、作業効率等さまざまな仮定要素があり、適時・適切に見積りを行っておりますが、将来の損益は見積金額と異なる可能性があります。
e.工事損失引当金の計上
工事契約について、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額のうち、当該工事契約に関して既に計上された損益の額を控除した残額を、超過が見込まれた期の損失として処理し、工事損失引当金を計上しております。当社では、工事原価総額を合理的な方法により算定しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、将来において認識される業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

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