半期報告書-第22期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/08 10:47
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により、景気に緩やかな回復の動きが見られました。しかしながら、中東地域等をめぐる情勢に加え、円安等の影響による物価上昇のほか、金融資本市場の変動など先行きに対する不透明感が高まりました。
建設業界におきましては、政府建設投資が堅調に推移する見込みであり、民間建設投資は前年度より増加することが予測され、建設投資は総じて微増する見通しとなりました。
このような情勢下におきまして当社グループは、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした5つの重点戦略(「東急建設ブランドの訴求・確立」「コア事業の深化」「戦略事業の成長」「人材・組織戦略」「財務・資本戦略」)に取り組んでまいりました。
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は118,626百万円(前中間期比11.9%減)となりました。損益面では、営業損失は5百万円(前中間連結会計期間は2,043百万円の営業利益)、経常損失は630百万円(前中間連結会計期間は2,843百万円の経常利益)となりました。これに、税金費用等を加味した結果、親会社株主に帰属する中間純損失は59百万円(前中間連結会計期間は2,510百万円の親会社株主に帰属する中間純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(建設事業(建築))
受注高は、国内官公庁工事が増加したものの、国内民間工事及び海外工事の減少により、99,406百万円(前中間期比5.9%減)となりました。
完成工事高については、国内官公庁工事が増加したものの、国内民間工事及び海外工事の減少により、91,660百万円(前中間期比12.7%減)となりました。損益面については、2,927百万円(前中間期比15.4%減)のセグメント利益となりました。
(建設事業(土木))
受注高は、海外工事が減少したものの、国内民間工事及び国内官公庁工事の増加により、34,035百万円(前中間期比18.9%増)となりました。
完成工事高については、国内民間工事が増加したものの、国内官公庁工事及び海外工事の減少により、25,977百万円(前中間期比9.9%減)となりました。損益面については、565百万円(前中間期比51.3%減)のセグメント利益となりました。
(不動産事業等)
不動産事業等売上高については、988百万円(前中間期比11.0%増)となりました。損益面については、賃貸事業等で利益を計上したことに加え、長期開発事業からの撤退に伴う費用の見積りの減少により不動産事業等損失引当金を取り崩した結果、553百万円のセグメント利益(前中間期比47.1%減)となりました。
②財政状態の分析
当中間連結会計期間末の資産の部につきましては、未成工事支出金が6,173百万円増加した一方、受取手形・完成工事未収入金等が28,883百万円、投資有価証券が2,433百万円それぞれ減少したことなどにより、資産合計は前連結会計年度末と比較して24,121百万円減少(9.1%減)し、240,404百万円となりました。 負債の部につきましては、未成工事受入金が6,119百万円増加した一方、短期借入金が14,127百万円、支払手形・工事未払金等が7,158百万円それぞれ減少したことなどにより、負債合計は前連結会計年度末と比較して20,845百万円減少(12.7%減)し、142,890百万円となりました。 純資産の部につきましては、親会社株主に帰属する中間純損失を59百万円計上したことや、配当を2,019百万円実施したことにより利益剰余金が減少した結果、株主資本は1,919百万円減少しました。また、株式相場の影響等によりその他有価証券評価差額金が1,506百万円減少したことなどから、その他の包括利益累計額は1,410百万円減少しました。この結果、純資産合計は前連結会計年度末と比較して3,275百万円減少(3.2%減)し、97,513百万円となりました。 なお、自己資本は96,636百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して2.4ポイント増加し、40.2%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末から862百万円増加し、32,805百万円(前中間連結会計期間は31,991百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、仕入債務の減少や未成工事支出金の増加等により資金減少があったものの、売上債権の減少や未成工事受入金の増加等の資金増加により、15,984百万円の資金増加(前中間連結会計期間は49,852百万円の資金減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、投資有価証券の売却による収入等があったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出等により、402百万円の資金減少(前中間連結会計期間は333百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、短期借入金の減少や配当金の支払い等により、14,744百万円の資金減少(前中間連結会計期間は23,256百万円の資金増加)となりました。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
わが国経済の今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復の継続が期待されます。ただし、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響等、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、世界情勢、国内災害、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
今後の国内建設市場につきましては、建設投資は引き続き堅調に推移することが見込まれます。しかしながら、技能労働者の減少、時間外労働に関する上限規制の適用による影響や原材料価格の高止まり等が懸念されるとともに、新設等を主体とした「フロー」型から維持・修繕等の「ストック」型への需要の質的変化や、デジタルによる技術革新など構造変革が迫られております。
このような情勢下におきまして当社グループでは、協力会社との関係強化や物価高騰への対応を図りつつ、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、既存事業の深掘りと新規分野の模索など「知の深化」と「知の探索」を実践してまいります。また、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とし、この3つの提供価値と人材・デジタル技術の競争優位構築による「東急建設ブランドの訴求・確立」をはじめとする5つの重点戦略を実行することで当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。
また、施工中工事の不具合や、過年度引渡し物件に係る施工瑕疵に対し、当社では、安全・品質・工程管理等のコア業務に関する技術員教育の強化、本社による作業所支援体制の強化、特定工事に対する専門委員会の設置等、品質管理体制の強化による再発防止策を徹底し、施工品質の向上に引き続き努めてまいります。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は542百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。