有価証券報告書-第98期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 10:00
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(経営成績等の状況の概要)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、企業収益や雇用、所得環境の改善により、緩やかな回復基調となりました。一方で、米中貿易摩擦や中国経済の減速、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動などにより、先行きは不透明な状況で推移しました。
菓子・食品業界におきましては、消費者の節約・低価格志向が継続する中、労働力不足に伴う人件費や物流費の上昇、さらには天候不順や相次ぐ自然災害の影響などを受け、厳しい経営環境が続きました。
このような環境の中、当社は経営理念「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」のもと、年度経営方針を「生産性の向上」、行動指針を「『Change』~私が変わる、会社を変える、変え続ける~」と定め、今後の成長に向けた経営基盤の整備と強化を進めました。
具体的には、需要の増大が見込まれる中華まんの生産能力の増強及び生産の効率化を図るため、埼玉県入間市に武蔵工場を竣工し、昨年8月より本格稼動を開始しました。同時に、品質保証体制を強化し「食の安全・安心」を徹底するとともに、当社独自の生産技術を結集させ、より付加価値の高い商品を供給することで、さらなる事業の拡大に取り組みました。
また、菓子・食品事業では、新商品開発・新規販路開拓を積極的に進め、売上高の拡大に努めました。一方で連結子会社である株式会社エヌエーシーシステムの株式譲渡を行うなど、経営の合理化を進めました。
本年1月には、日本初となる中華まんの工場見学施設『中華まんミュージアム』を武蔵工場内にオープンしました。五感で楽しむ体験型の施設を通じ中華まんのおいしさを伝え、新たなファンを作るとともに、小学校の社会科見学利用などの地域社会貢献にも取り組みました。
以上のような経過の中で、当事業年度における売上高は、天候不順の影響や不採算店舗の整理、新規販路開拓の遅れ、主力商品の価格改定後の販売数量の減少などにより、38,743,775千円 前年同期に対し1,584,463千円、3.9%の減収となりました。
利益面につきましては、武蔵工場は順調に稼動しましたが、暖冬による生産量への影響、それに伴う全社の中華まんラインの一時的な稼働率の低下、また人件費・物流費等のコスト削減を推進したものの売上高が大きく減収したことにより、営業利益は108,891千円 前年同期に対し656,283千円、85.8%の減益、経常利益は264,443千円 前年同期に対し636,997千円、70.7%の減益、当期純利益は、768,825千円 関係会社株式売却益もあり、前年同期に対し87,164千円、12.8%の増益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。 なお、当事業年度より非連結決算に移行したことから、セグメント別の業績について、前事業年度との比較は行っておりません。
① 菓子事業
菓子事業におきましては、新・改良商品の発売や新規ブランドの開発を積極的に進め、売上高拡大に取り組みました。合わせて、不採算店舗の整理を推進し、収益改善に取り組みました。
贈答菓子類では、主力商品「うすあわせ」「あんまかろん」「スイートチーズクーヘン」の品質・パッケージを改良し、商品力の強化に取り組みました。一方、昨今の原材料・物流費等の高騰の吸収が困難となり、9月より価格を改定しました。夏のデザート類では、贈答用商品の改良を行うとともに、カジュアルギフトに対応した商品を取り揃え、ギフト商戦の競争力を高めました。
自家用菓子類では、主力商品「どら焼き」の改良、個食タイプの「厚切りカステラ」の品揃えを充実させるほか、当社秘伝のスパイスを使用した市販菓子「カリーあられスパイシーチキン」などを新発売し、量販店販路を中心に拡販に努めました。
中華まん類では、武蔵工場が昨年8月より計画通り稼動し、順調に生産を行いました。また、百貨店・駅ビル販路では、定番の「天成肉饅」「天成餡饅」の生地や具材の改良を行いました。量販店販路では、「肉まん」「あんまん」「ピザまん」の改良を行うとともに、明太子とほくほくのポテトを組み合わせた新商品「明太ポテトまん」を発売しました。コンビニエンスストア販路では、主力商品「肉まん」「あんまん」「ピザまん」などを改良したほか、本格的なスパイスの香りが特徴の「スパイス香る!カレー肉まん」や牛・豚の合挽き肉を濃厚なデミグラスソースで煮込んだ「たっぷりお肉のデミグラまん」、青唐辛子の刺激的な辛さが楽しめる「ホットチリ!タコスミートまん」などを新発売しました。
新宿中村屋ビル地下1階「スイーツ&デリカBonna新宿中村屋」では「エッグタルト」や「スフレバウム」の季節商品を順次展開するほか、シェフが作るレストラン仕様の惣菜などを販売しました。また、SNSを使い新商品やイベントの情報を発信し、お客様利用の促進に努めました。
店舗展開では、新ブランド「新宿中村屋カリーパン」を羽田空港、海老名SA(下り)に出店したほか、昨年度から催事で展開してきた「東京ガトーつのはず堂」を小田急新宿店に出店しました。また、キャラメルスイーツを取扱う「CARAMELMONDAY」を品川駅に催事出店しました。
以上のような営業活動を行った結果、暖冬による中華まん類への影響が大きかったこと、また、菓子類では西日本豪雨が中元シーズンを直撃したことに加え、価格改定後の主力商品の売上高が目標を下回ったことにより、菓子事業全体の売上高は29,477,467千円、営業利益は、1,478,919千円となりました。
② 食品事業
食品事業におきましては、次の通り事業拡大に向けた活動を展開しました。
市販食品事業では、主力のレトルトカレーの強化策として「インドカリー 辛さ突きぬけるグリルチキン」を新発売しました。また、「インドカリー ベジタブル」「純欧風ビーフカリー 芳醇リッチ」の改良を行い、拡販に努めました。さらに、好評の本格四川シリーズでは「麻婆豆腐」を全国ブランド化すべく販促活動を展開するほか、「食べる麻辣油」を新発売し、中華カテゴリーの活性化を図りました。
業務用食品事業では、ファミリーレストラン、カフェ、給食、ファストフードなど多岐に亘る業態の特性に合わせたカレーソース、スープ、パスタソースなどを積極的に提案するほか、OEM商品の拡大及び新規販路の開拓に努めました。
直営レストランでは、「オリーブハウス」「洋食レストラン新宿中村屋」において、お客様満足の向上を目指し、美味しさの追求とサービスの充実に取り組みました。また、お客様のニーズやトレンドを取り入れたグランドメニューの改定や季節ごとのフェアメニューを積極的に打ち出すことで利用の機会創出に努めました。
新宿中村屋ビル地下2階「レストラン&カフェManna新宿中村屋」では、「汁なし坦々麺」「ローストビーフバーガー」などを新発売しました。昨年10月に発売した「中村屋伝統の『純印度式カリー』&本格『麻婆豆腐』のコラボセット」は歴史の味を一度に楽しめるとご好評をいただいております。8階「カジュアルダイニングGranna新宿中村屋」では、グランドメニューを改定し、肉料理の充実を図るとともに日本ワインの魅力を伝える賞味会などを随時開催しました。
以上のような営業活動を行ったものの、業務用食品事業が苦戦し、直営レストランの店舗閉鎖による減収の影響もあり、食品事業全体の売上高は8,725,789千円、営業利益は431,890千円となりました。
③ 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業におきましては、商業ビル「新宿中村屋ビル」において、快適で賑わいのある商業空間を提供することで満室稼動を維持しました。
以上のような営業活動を行った結果、売上高は540,519千円、営業利益は215,456千円となりました。
(2)当期の財政状態の概況
資産、負債及び純資産の状況
当事業年度末における資産総額は、武蔵工場の当事業年度からの稼動に伴い、建設仮勘定の減少4,512,766千円等があったものの、建物の増加4,962,655千円、リース資産の増加2,265,931千円、機械及び装置の増加2,137,559千円等により、前事業年度末に比べ3,388,420千円増加し、46,274,705千円となりました。
負債総額は、未払金の減少1,092,516千円、長期借入金の減少800,000千円等があったものの、短期借入金の増加3,200,000千円、リース債務の増加1,841,090千円等により、前事業年度末に比べ3,288,962千円増加し、18,966,795千円となりました。
純資産の部は、その他有価証券評価差額金の減少159,634千円等があったものの、繰越利益剰余金の増加319,519千円等により、前事業年度末に比べ99,458千円増加し、27,307,910千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物は、1,296,467千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,878,827千円の収入となりました。これは主に関係会社株式売却損益951,189千円等があったものの、減価償却費1,353,584千円、税引前当期純利益1,155,120千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、6,525,273千円の支出となりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入990,500千円等があったものの、有形固定資産の取得による支出7,412,100千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,885,915千円の収入となりました。これは主に、リース債務の返済による支出809,654千円等があったものの、短期借入金の純増減額2,400,000千円、セール・アンド・リースバックによる収入1,805,950千円等があったことによるものです。
なお、当事業年度より非連結決算に移行したことから、キャッシュ・フローの状況について、前事業年度との比較は行っておりません。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
菓子事業14,016,480-
食品事業3,389,978-
合計17,406,458-

(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当社は受注生産をしておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
菓子事業29,477,467-
食品事業8,725,789-
不動産賃貸事業540,519-
合計38,743,775-

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先当事業年度
販売高(千円)割合(%)
㈱セブン-イレブン・ジャパン13,913,74035.9

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準、すなわち、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づいて作成されております。なお、詳細は、「重要な会計方針」の項目をご参照ください。
(2) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①当事業年度の経営成績の分析・検討
当社の当事業年度の経営成績等は、売上高については経営指標目標43,082,000千円に対して、38,743,775千円となりました。前年同期比は3.9%減収となりました。天候不順の影響や不採算店整理を行ったことによるものです。営業利益については、経営指標目標1,051,000千円に対して108,891千円となりました。前年同期比は85.8%減益となりました。減益要因は売上高減少に加えて、生産コスト等の上昇によるものです。営業利益率については、経営指標目標2.4%に対して0.3%となりました。
当社が厳しい環境の中でも持続的成長を果たしていくためには、労働生産性の向上と新規成長市場への挑戦により企業価値を高めることが必須と考えます。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び流動性についての分析
当社の資金の状況は、当事業年度末には1,296,467千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費の計上等により、資金の収入は1,878,827千円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、資金の支出は6,525,273千円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、セール・アンド・リースバックによる収入等により、資金の収入は2,885,915千円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。
また、重要な資本的支出として2018年7月に竣工した新工場建設があります。資金調達方法としては自己資金であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
菓子事業
生産再編から2019年3月期に、投資額100億円超の新工場が稼動を開始しました。厳しい市場環境の中、競争に打ち勝つには、販売戦略だけでなく生産性向上が必要不可欠であります。生産効率の高い新工場の稼動率を上げ、全社最適化に向け、当社の生産再編が加速する年になると認識しております。
食品事業
不採算店舗の閉鎖が計画通り推進した結果、昨年に続き2019年3月期に影響しましたが、負の部分を整理出来たことで、人と物の財産を新たなビジネスチャンスへチェンジします。当社の強みを活かした既存事業に加え、新カテゴリー・新コンセプトの商品開発・提案・提供による新しい需要開拓の年になると認識しております。
不動産賃貸事業
当社保有の新宿中村屋ビルは、立地の良さを背景に、安定した賃貸収入を実現しております。売上に結びつく唯一の不動産ですが、他の所有不動産についても、効率的な運用が心掛けられております。今後についても、当社事業の成長にあわせ、効率的な運用を継続的に行っていくことに変わりはないと認識しております。

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