有価証券報告書-第99期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(経営成績等の状況の概要)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善し、当初は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中貿易摩擦による世界経済の減速に対する警戒感の高まりや消費税増税後の消費マインドの落ち込み、さらには今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念が国内消費だけでなく世界経済にも影響を及ぼすなど不安定な要素も多く、先行きが不透明な状況が続きました。
菓子・食品業界におきましては、個人消費は持ち直しの動きがあるものの、節約志向は依然として続いており、さらに、人件費や物流費、原材料価格の高騰などの様々なコストアップ要因が企業収益を圧迫する厳しい環境となりました。
このような環境のもと、当社は2019年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「中期経営計画2021」を策定し、中期基本方針に「売上高の拡大と生産性向上・効率化推進による収益力の強化」を掲げ、経営基盤の整備と強化並びに収益の拡大に取り組みました。
具体的には、当社の主力商品である中華まんにおいて、高付加価値商品の開発や新たな販路の開拓を進めました。また、2018年に竣工した武蔵工場を中心に、生産機能の効率化を推進しました。菓子分野では、新規ブランド店舗の展開策として、集客が見込める主要ターミナル内に数多くの催事出店を行い、売上高の拡大を図りました。
食品分野では、消費トレンドに合致した新商品を市場へ投入するほか、他社と商品を共同開発するなど新たな取組みにチャレンジしました。さらに、全社的な業務コストの削減に努めるほか、昨年10月に開示した東京事業所(本社機能を有する)の移転に向けて、働き方改革を一層推進すべく制度の見直しにも取り組みました。また、昨年11月よりSNSの公式サイトの運営にも取り組み、積極的な情報発信を展開しました。
しかしながら、温暖化などの気候変動リスクや当社の主要取引先である小売・流通業を取り巻く市場環境の変化、さらには持続可能な社会に対する関心の高まりなど、環境変化に十分な対応が図れなかったことから、当事業年度における売上高は、36,120,900千円 前年同期に対し2,622,875千円、6.8%の減収となりました。
利益面につきましては、売上高の減収とそれに伴う生産ラインの稼働率低下から売上総利益が大きく減益となり、人件費・経費のコスト削減はあったものの、営業損失は1,392,955千円(前年同期は営業利益108,891千円)、経常損失は1,226,218千円(前年同期は経常利益264,443千円)、当期純利益は、204,299千円と固定資産売却益等で利益を計上しましたが、前年同期に対し564,526千円、73.4%の減益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 菓子事業
菓子事業におきましては、新・改良商品の発売や新規ブランドの展開に取り組みました。併せて不採算商品の絞込みを実施し、収益の改善を進めました。
贈答菓子類では、発売30周年となる「うすあわせ」の品質改良を実施しました。また、「月餅」「自慢詰合わせ」の品質・パッケージの改良に取り組みました。このほか、フードプリンターでメッセージやイラストを施した「あんまかろん」や新商品「月の菓」を発売し、商品力の強化を図りました。夏のデザート類では、詰合せ内容の充実を図るほか、生の水ようかんの風味を追求した新商品「本涼味」を発売しました。
自家用菓子類では、「かりんとう」発売100周年、「うにあられ」発売50周年に合わせ、袋菓子類のパッケージを一新しました。また、量販店販路における拡販に向けて、量販店向けの「月餅」や、もちもちとした食感の生地で餡を包んだ「もっちりあずき」を発売するほか、「カステラ」の品質改良に取り組みました。
中華まん類では、当社の最高峰の中華まんに位置づけている肉まん「天成肉饅」の改良を行いました。量販店販路では、定番品の「肉まん」の中身の旨味の向上や「あんまん」の餡のごま風味を強める改良を行いました。コンビニエンスストア販路では、基幹商品の「肉まん」「あんまん」「ピザまん」「豚まん」を改良するとともに、豚肉とコクのあるチーズを組み合わせた「3種のチーズ肉まん」のほか、「たっぷり☆懐かしのカレーまん」や「のびーる♪もちチーズまん」を新発売しました。
新宿中村屋ビル地下1階「スイーツ&デリカBonna」では、レトルトカレーの品揃えを増やし、カレーの販売を強化しました。また、空港、駅ナカで展開している土産菓子やカジュアルギフトを取り揃え、商品の充実を図るほか、店内で職人がつくるエッグタルトや手焼きどらやきなどを販売しました。
店舗展開では、黒糖菓子専門店「くろ一や(くろいちや)」のリブランディングを実施し、店舗、パッケージのデザイン変更と併せて新商品の発売及び既存商品の改良を行いました。また、キャラメルスイ-ツ専門店の「CARAMELMONDAY」を、東京駅を中心とした主要ターミナル駅及び商業施設に催事出店しました。
以上のような営業施策を展開しましたが、夏の商戦期にあたる7月の日照不足や8月の猛暑及び大型台風による被害の影響を受け、菓子事業の売上が伸びなかったこと、また暖冬による中華まん類への影響が大きかったことから売上高が目標を下回り、菓子事業全体の売上高は26,695,450千円、前年同期に対し2,782,017千円、9.4%の減収、営業利益は58,223千円、前年同期に対し1,420,697千円、96.1%の減益となりました。
② 食品事業
食品事業におきましては、次のとおり事業拡大に向けた活動を展開しました。
市販食品事業では、美味しさの追求と市場ニーズへの対応を軸に主力のレトルトカレーシリーズと中華シリーズの強化を図り、電子レンジ調理に対応した「東京洋食 熟成欧風ビーフカリー」や1人前の容量の「レンジで作る 麻婆豆腐」を新発売しました。また、好調の「食べる麻辣油」に続く新商品「食べるスパイスラー油」やシビ辛ブームに対応した「本格麻辣 花椒カリー」などを発売しました。
業務用食品事業では、コンビニエンスストアにおける多様化する商品への対応を強化しました。また、ドーナツチェーン店とのコラボレーションをはじめ、伸張するカフェ・ファストフードなどの業態特性やニーズに応じたカレーソース類、スープ類、パスタソース類などを提供しました。
直営レストラン「オリーブハウス」では、春と秋にメニュー改訂を実施し、主力のスパゲティ、ハンバーグの改良や品揃えの強化によりメニューの充実を図ることで、お客さま満足の向上と利用の機会創出に努めました。新宿中村屋ビル地下2階「レストラン&カフェManna」では、「ベンゴールカリー」(ビーフカリー)を新発売し、カリー群の充実を図りました。また、純印度式カリーの価格改定を4年半ぶりに実施し、これらの取組みにより客単価が向上しました。8階「カジュアルダイニングGranna」では、季節ごとにコースメニューを変更するほか、日本各地のワイナリーの魅力を伝える「ワイン賞味会」などを定期的に開催しました。
以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は8,884,931千円、前年同期に対し159,142千円、1.8%の増収、営業利益は395,111千円、前年同期に対し36,779千円、8.5%の減益となりました。
③ 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業におきましては、商業ビル「新宿中村屋ビル」において、快適で賑わいのある商業空間を提供することで満室稼動を維持しました。
以上の結果、売上高は540,519千円、前年同期と同額、営業利益は199,937千円、前年同期に対し15,520千円、7.2%の減益となりました。
(2) 当期の財政状態の概況
資産、負債及び純資産の状況
当事業年度末における資産総額は、現金及び預金の増加514,817千円等があったものの、投資有価証券の減少1,402,257千円、売掛金の減少783,814千円、機械及び装置の減少765,748千円等により、前事業年度末に比べ2,719,150千円減少し、43,555,555千円となりました。
負債総額は、短期借入金の増加2,600,000千円等があったものの、長期借入金の減少1,500,000千円、リース債務の減少772,246千円、退職給付引当金の減少475,408千円、繰延税金負債の減少436,004千円、未払法人税等の減少382,253千円等により、前事業年度末に比べ1,632,922千円減少し、17,333,872千円となりました。
純資産の部は、その他有価証券評価差額金の減少782,542千円等により、前事業年度末に比べ1,086,228千円減少し、26,221,682千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、514,839千円増加し、1,811,306千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、313,523千円の支出(前事業年度は1,878,827千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費1,884,103千円等があったものの、有形固定資産の売却損益1,338,744千円、法人税等の支払額577,278千円、退職給付引当金の増減額475,408千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,436,212千円の収入(前事業年度は6,525,273千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出416,698千円等があったものの、有形固定資産の売却による収入1,374,401千円、投資有価証券の売却による収入556,467千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、607,846千円の支出(前事業年度は2,885,915千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,200,000千円があったものの、短期借入金の純増減額1,300,000千円、リース債務の返済による支出1,199,464千円、長期借入金の返済による支出800,000千円、配当金の支払額507,137千円等があったことによるものです。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当社は受注生産をしておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当事業年度の経営成績の分析・検討
当社の当事業年度の経営成績等は、売上高については経営指標目標40,690,000千円に対して、36,120,900千円、前年同期比は6.8%減収となりました。減収要因は、温暖化などの気候変動リスクや当社の主要取引先である小売・流通業を取り巻く市場環境の変化、さらには持続可能な社会に対する関心の高まりなど、環境変化に十分な対応が図れなかったことによるものです。営業利益については、経営指標目標750,000千円に対して1,392,955千円の営業損失となりました。減益要因は、人件費・経費削減はあったものの、売上高の減収とそれに伴う生産ラインの稼働率低下による減益が大きかったことによるものです。営業利益率については、経営指標目標1.8%に対して△3.9%となりました。
当社は環境の変化に十分な対応を図ることで、売上高は拡大し、生産性向上と効率化推進による収益力の強化が、経営基盤の整備と強化を実現し、持続的成長が果たせると考えております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び流動性についての分析
当社の資金の状況は、当事業年度末には1,811,306千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産売却損益等により、資金の支出は313,523千円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入等により、資金の収入は1,436,212千円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額等により、資金の支出は607,846千円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響と今後の収束に先行き不透明な状況の中で、生活習慣等に新たな変化が生まれようとしており、ビジネスのスタイルについても、その変化を受け留めることが求められています。当社全体で環境の変化に対応し、当社のセグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
菓子事業
新工場稼動から1年あまりが経過し、各工場の生産機能再編が加速的にすすんだことで、全既存商品の生産効率向上だけでなく、新規ビジネスに必要な新製品等についても、開発から販売まで一連の体制が築けたことで、新たな変化にも素早く対応できる年になると認識しております。
食品事業
不採算店舗の閉鎖計画が完了した結果、人と物の財産を新たなビジネスチャンスへチェンジすることが出来ました。新たに体制が強化されたことは、当社の強みを活かした既存事業に加え、新規販路拡大ための新商品開発力・提案力・提供力がより強固なものとなりました。新商品による、さらなる需要開拓の年になると認識しております。
不動産賃貸事業
当社保有の新宿中村屋ビルは、立地の良さを背景に、安定した賃貸収入を実現しております。売上に結びつく唯一の不動産ですが、他の所有不動産についても、効率的な運用が心掛けられています。今後についても、当社事業の成長にあわせ、効率的な運用を継続的に行っていくことに変わりはないと認識しております。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積もりについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なることがあります。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 財務諸表等 注記事項」に記載しております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少金額を特別損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善し、当初は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中貿易摩擦による世界経済の減速に対する警戒感の高まりや消費税増税後の消費マインドの落ち込み、さらには今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念が国内消費だけでなく世界経済にも影響を及ぼすなど不安定な要素も多く、先行きが不透明な状況が続きました。
菓子・食品業界におきましては、個人消費は持ち直しの動きがあるものの、節約志向は依然として続いており、さらに、人件費や物流費、原材料価格の高騰などの様々なコストアップ要因が企業収益を圧迫する厳しい環境となりました。
このような環境のもと、当社は2019年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「中期経営計画2021」を策定し、中期基本方針に「売上高の拡大と生産性向上・効率化推進による収益力の強化」を掲げ、経営基盤の整備と強化並びに収益の拡大に取り組みました。
具体的には、当社の主力商品である中華まんにおいて、高付加価値商品の開発や新たな販路の開拓を進めました。また、2018年に竣工した武蔵工場を中心に、生産機能の効率化を推進しました。菓子分野では、新規ブランド店舗の展開策として、集客が見込める主要ターミナル内に数多くの催事出店を行い、売上高の拡大を図りました。
食品分野では、消費トレンドに合致した新商品を市場へ投入するほか、他社と商品を共同開発するなど新たな取組みにチャレンジしました。さらに、全社的な業務コストの削減に努めるほか、昨年10月に開示した東京事業所(本社機能を有する)の移転に向けて、働き方改革を一層推進すべく制度の見直しにも取り組みました。また、昨年11月よりSNSの公式サイトの運営にも取り組み、積極的な情報発信を展開しました。
しかしながら、温暖化などの気候変動リスクや当社の主要取引先である小売・流通業を取り巻く市場環境の変化、さらには持続可能な社会に対する関心の高まりなど、環境変化に十分な対応が図れなかったことから、当事業年度における売上高は、36,120,900千円 前年同期に対し2,622,875千円、6.8%の減収となりました。
利益面につきましては、売上高の減収とそれに伴う生産ラインの稼働率低下から売上総利益が大きく減益となり、人件費・経費のコスト削減はあったものの、営業損失は1,392,955千円(前年同期は営業利益108,891千円)、経常損失は1,226,218千円(前年同期は経常利益264,443千円)、当期純利益は、204,299千円と固定資産売却益等で利益を計上しましたが、前年同期に対し564,526千円、73.4%の減益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 菓子事業
菓子事業におきましては、新・改良商品の発売や新規ブランドの展開に取り組みました。併せて不採算商品の絞込みを実施し、収益の改善を進めました。
贈答菓子類では、発売30周年となる「うすあわせ」の品質改良を実施しました。また、「月餅」「自慢詰合わせ」の品質・パッケージの改良に取り組みました。このほか、フードプリンターでメッセージやイラストを施した「あんまかろん」や新商品「月の菓」を発売し、商品力の強化を図りました。夏のデザート類では、詰合せ内容の充実を図るほか、生の水ようかんの風味を追求した新商品「本涼味」を発売しました。
自家用菓子類では、「かりんとう」発売100周年、「うにあられ」発売50周年に合わせ、袋菓子類のパッケージを一新しました。また、量販店販路における拡販に向けて、量販店向けの「月餅」や、もちもちとした食感の生地で餡を包んだ「もっちりあずき」を発売するほか、「カステラ」の品質改良に取り組みました。
中華まん類では、当社の最高峰の中華まんに位置づけている肉まん「天成肉饅」の改良を行いました。量販店販路では、定番品の「肉まん」の中身の旨味の向上や「あんまん」の餡のごま風味を強める改良を行いました。コンビニエンスストア販路では、基幹商品の「肉まん」「あんまん」「ピザまん」「豚まん」を改良するとともに、豚肉とコクのあるチーズを組み合わせた「3種のチーズ肉まん」のほか、「たっぷり☆懐かしのカレーまん」や「のびーる♪もちチーズまん」を新発売しました。
新宿中村屋ビル地下1階「スイーツ&デリカBonna」では、レトルトカレーの品揃えを増やし、カレーの販売を強化しました。また、空港、駅ナカで展開している土産菓子やカジュアルギフトを取り揃え、商品の充実を図るほか、店内で職人がつくるエッグタルトや手焼きどらやきなどを販売しました。
店舗展開では、黒糖菓子専門店「くろ一や(くろいちや)」のリブランディングを実施し、店舗、パッケージのデザイン変更と併せて新商品の発売及び既存商品の改良を行いました。また、キャラメルスイ-ツ専門店の「CARAMELMONDAY」を、東京駅を中心とした主要ターミナル駅及び商業施設に催事出店しました。
以上のような営業施策を展開しましたが、夏の商戦期にあたる7月の日照不足や8月の猛暑及び大型台風による被害の影響を受け、菓子事業の売上が伸びなかったこと、また暖冬による中華まん類への影響が大きかったことから売上高が目標を下回り、菓子事業全体の売上高は26,695,450千円、前年同期に対し2,782,017千円、9.4%の減収、営業利益は58,223千円、前年同期に対し1,420,697千円、96.1%の減益となりました。
② 食品事業
食品事業におきましては、次のとおり事業拡大に向けた活動を展開しました。
市販食品事業では、美味しさの追求と市場ニーズへの対応を軸に主力のレトルトカレーシリーズと中華シリーズの強化を図り、電子レンジ調理に対応した「東京洋食 熟成欧風ビーフカリー」や1人前の容量の「レンジで作る 麻婆豆腐」を新発売しました。また、好調の「食べる麻辣油」に続く新商品「食べるスパイスラー油」やシビ辛ブームに対応した「本格麻辣 花椒カリー」などを発売しました。
業務用食品事業では、コンビニエンスストアにおける多様化する商品への対応を強化しました。また、ドーナツチェーン店とのコラボレーションをはじめ、伸張するカフェ・ファストフードなどの業態特性やニーズに応じたカレーソース類、スープ類、パスタソース類などを提供しました。
直営レストラン「オリーブハウス」では、春と秋にメニュー改訂を実施し、主力のスパゲティ、ハンバーグの改良や品揃えの強化によりメニューの充実を図ることで、お客さま満足の向上と利用の機会創出に努めました。新宿中村屋ビル地下2階「レストラン&カフェManna」では、「ベンゴールカリー」(ビーフカリー)を新発売し、カリー群の充実を図りました。また、純印度式カリーの価格改定を4年半ぶりに実施し、これらの取組みにより客単価が向上しました。8階「カジュアルダイニングGranna」では、季節ごとにコースメニューを変更するほか、日本各地のワイナリーの魅力を伝える「ワイン賞味会」などを定期的に開催しました。
以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は8,884,931千円、前年同期に対し159,142千円、1.8%の増収、営業利益は395,111千円、前年同期に対し36,779千円、8.5%の減益となりました。
③ 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業におきましては、商業ビル「新宿中村屋ビル」において、快適で賑わいのある商業空間を提供することで満室稼動を維持しました。
以上の結果、売上高は540,519千円、前年同期と同額、営業利益は199,937千円、前年同期に対し15,520千円、7.2%の減益となりました。
(2) 当期の財政状態の概況
資産、負債及び純資産の状況
当事業年度末における資産総額は、現金及び預金の増加514,817千円等があったものの、投資有価証券の減少1,402,257千円、売掛金の減少783,814千円、機械及び装置の減少765,748千円等により、前事業年度末に比べ2,719,150千円減少し、43,555,555千円となりました。
負債総額は、短期借入金の増加2,600,000千円等があったものの、長期借入金の減少1,500,000千円、リース債務の減少772,246千円、退職給付引当金の減少475,408千円、繰延税金負債の減少436,004千円、未払法人税等の減少382,253千円等により、前事業年度末に比べ1,632,922千円減少し、17,333,872千円となりました。
純資産の部は、その他有価証券評価差額金の減少782,542千円等により、前事業年度末に比べ1,086,228千円減少し、26,221,682千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、514,839千円増加し、1,811,306千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、313,523千円の支出(前事業年度は1,878,827千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費1,884,103千円等があったものの、有形固定資産の売却損益1,338,744千円、法人税等の支払額577,278千円、退職給付引当金の増減額475,408千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,436,212千円の収入(前事業年度は6,525,273千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出416,698千円等があったものの、有形固定資産の売却による収入1,374,401千円、投資有価証券の売却による収入556,467千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、607,846千円の支出(前事業年度は2,885,915千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,200,000千円があったものの、短期借入金の純増減額1,300,000千円、リース債務の返済による支出1,199,464千円、長期借入金の返済による支出800,000千円、配当金の支払額507,137千円等があったことによるものです。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 菓子事業 | 13,497,190 | △3.7 |
| 食品事業 | 3,350,346 | △1.2 |
| 合計 | 16,847,535 | △3.2 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当社は受注生産をしておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 菓子事業 | 26,695,450 | △9.4 |
| 食品事業 | 8,884,931 | 1.8 |
| 不動産賃貸事業 | 540,519 | - |
| 合計 | 36,120,900 | △6.8 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前事業年度 | 当事業年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| ㈱セブン-イレブン・ジャパン | 13,913,740 | 35.9 | 13,442,440 | 37.2 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当事業年度の経営成績の分析・検討
当社の当事業年度の経営成績等は、売上高については経営指標目標40,690,000千円に対して、36,120,900千円、前年同期比は6.8%減収となりました。減収要因は、温暖化などの気候変動リスクや当社の主要取引先である小売・流通業を取り巻く市場環境の変化、さらには持続可能な社会に対する関心の高まりなど、環境変化に十分な対応が図れなかったことによるものです。営業利益については、経営指標目標750,000千円に対して1,392,955千円の営業損失となりました。減益要因は、人件費・経費削減はあったものの、売上高の減収とそれに伴う生産ラインの稼働率低下による減益が大きかったことによるものです。営業利益率については、経営指標目標1.8%に対して△3.9%となりました。
当社は環境の変化に十分な対応を図ることで、売上高は拡大し、生産性向上と効率化推進による収益力の強化が、経営基盤の整備と強化を実現し、持続的成長が果たせると考えております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び流動性についての分析
当社の資金の状況は、当事業年度末には1,811,306千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産売却損益等により、資金の支出は313,523千円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入等により、資金の収入は1,436,212千円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額等により、資金の支出は607,846千円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響と今後の収束に先行き不透明な状況の中で、生活習慣等に新たな変化が生まれようとしており、ビジネスのスタイルについても、その変化を受け留めることが求められています。当社全体で環境の変化に対応し、当社のセグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
菓子事業
新工場稼動から1年あまりが経過し、各工場の生産機能再編が加速的にすすんだことで、全既存商品の生産効率向上だけでなく、新規ビジネスに必要な新製品等についても、開発から販売まで一連の体制が築けたことで、新たな変化にも素早く対応できる年になると認識しております。
食品事業
不採算店舗の閉鎖計画が完了した結果、人と物の財産を新たなビジネスチャンスへチェンジすることが出来ました。新たに体制が強化されたことは、当社の強みを活かした既存事業に加え、新規販路拡大ための新商品開発力・提案力・提供力がより強固なものとなりました。新商品による、さらなる需要開拓の年になると認識しております。
不動産賃貸事業
当社保有の新宿中村屋ビルは、立地の良さを背景に、安定した賃貸収入を実現しております。売上に結びつく唯一の不動産ですが、他の所有不動産についても、効率的な運用が心掛けられています。今後についても、当社事業の成長にあわせ、効率的な運用を継続的に行っていくことに変わりはないと認識しております。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積もりについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なることがあります。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 財務諸表等 注記事項」に記載しております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少金額を特別損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。