有価証券報告書-第171期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、輸出産業を中心に業績が好調で、さらにインバウンド消費が成長を牽引した。他方、前年度来の物価高が響き、個人消費は低迷した。定期購読による収入が中心の新聞業界は短期的な景気動向の影響は受けにくいものの、新聞の総発行部数の減少傾向への対応が求められるなかで原燃料や新聞用紙が高騰したため、当社を含めて新聞購読料の改定に踏み切る新聞社が相次いだ。広告市場では、総広告費が過去最高になったものの、新聞と雑誌を含む「マスコミ四媒体」の広告費の減少傾向は続いている。
当社グループでは、基幹となる当社の「中期経営計画2023」最終年度となり、主力のプリントメディア事業を効率化させつつ、デジタル、イベント、不動産など非プリント事業での伸長に引き続き取り組んだ。「朝日新聞」「朝日新聞デジタル」による報道分野においては、国土交通省OBによる民間企業への人事介入問題の調査報道、自民党派閥による裏金事件報道などを通じ、ジャーナリズムを担う言論・報道機関としての役割を果たした。また、㈱朝日プリンテックと当社によって開発された「ブランケット復活装置」は、斬新な発想と高い技術で新聞業界全体の課題である環境への配慮、資材価格の高騰への解決策を示す取り組みとして高く評価され、日本新聞協会の新聞技術賞を受賞した。当社においては組織再編も進め、ビジネス系の部門を統合して23年4月に「メディア事業本部」を発足させ、顧客ニーズに機動的に対応する体制を整えた。また、業務の効率化と高度化のためにバックオフィス系の部門を統合し、24年4月に「コーポレート本部」を発足させることを決めた。グループ経営の強化へ向け、24年度より当社経営陣とグループ企業社長の一部でつくる「グループ経営会議」を新設し、グループ全体の事業構造改革を推進することとした。
24年1月、「朝日新聞」創刊150年を迎える29年に向けて当社グループがめざすべき姿と理念を描いた「パーパス・ビジョン」を公表した。パーパス・ビジョンを実現するため、24年度からの3カ年の「中期経営計画2026」を策定し、24年4月からスタートすることを決定した。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、269,116百万円と前年同期と比べ2,084百万円(0.8%)の増収となった。損益については、営業利益が5,781百万円と同6,201百万円の増益(前年同期は営業損失419百万円)、経常利益も13,069百万円と同6,007百万円(85.1%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は9,899百万円と同7,307百万円(281.9%)の増益となった。営業利益の良化には「朝日新聞」の購読料改定や不動産事業の伸長が寄与した。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
主力のプリントメディア事業では、23年5月に「朝日新聞」の購読料を改定した。月ぎめ購読料は、朝夕刊セット版を4,400円から4,900円へ、統合版を3,500円から4,000円へ改定した(いずれも税込み)。前回の購読料改定は21年7月だったが、その後の22年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に原燃料や新聞用紙の価格が高騰したことから、安定的な新聞発行を続けるためにも購読料改定が必要と判断した。
新聞発行の効率化も進めた。23年春から、北海道と東北地方の一部の新聞発行について、それぞれ㈱北海道新聞社及びそのグループ企業、㈱河北新報社への委託を拡大した。また夕刊の発行を23年4月末に愛知、岐阜、三重の3県で、24年3月末に北海道で休止した。「朝日新聞」の年間平均部数は朝刊358万部、夕刊106万5千部(前期比で朝刊41万1千部減、夕刊17万2千部減)だった。部数減に伴い、広告収入や折込収入が減収となった。
㈱朝日学生新聞社では、23年4月から㈱Gakkenと紙面や書籍などで協業をスタートさせた。
「朝日新聞デジタル」の有料会員数は30万6千人(前期比1千人増、24年3月31日現在)になった。23年4月に言論サイト「Re:Ron(リロン) 立ち止まるためのメディア」をオープン。アプリ版では、時事クイズ「ニュースQ」が登場。7月には、その日の重要ニュース3項目が1分で読める「ニュースの要点」の配信を始めた。
顧客データの基盤となる「朝日ID」は643万件(前期比46万件増、24年3月31日現在)となった。
デジタル関連では、朝日放送テレビ㈱と協業するバーチャル高校野球事業が、スポーツブル(㈱運動通信社)、スポーツナビ(LINEヤフー㈱)に加え、ABEMA(㈱AbemaTV)にも配信を拡大、全国高等学校野球選手権大会の地方大会全試合の配信を開始した。
24年1月には、朝日インタラクティブ㈱が、ウェブアクセシビリティと「やさしい日本語」を強みとするソフトウェア開発企業、アルファサード㈱の全株式を取得した。年齢や障がいの有無にかかわらずウェブ上の情報にアクセスし、利用できるようにする技術を、グループ各社のサービスを通じて提供していく。
㈱朝日新聞出版では、101年続いた「週刊朝日」を部数減や広告減により23年5月末で休刊した。今後は週刊誌「AERA」のほか、デジタル版の「AERA dot.」に注力する。「ゲッターズ飯田の五星三心占い」など一部好調な書籍販売はあったものの、全体では減収となった。10月には科学誌「Newton」を発行する㈱ニュートンプレスの全株式を取得した。同社のコンテンツを「朝日新聞」などグループ各社のメディアにも提供していく。
展覧会事業では「マティス展」「古代メキシコ展」「和食展」などを展開し、コロナ禍で減っていた客足は回復傾向をみせた。通販事業では、22年10月に立ち上げた「朝日新聞モール」が売上を伸ばした。22年9月に全株式を取得した通販サイト「にっぽん津々浦々」を展開する㈱スペースアイランドが、当連結会計年度より連結対象会社となった。
当セグメントの売上高は225,803百万円と前年同期と比べ4,119百万円(△1.8%)の減収、セグメント損失は2,546百万円(前年同期の損失は7,047百万円)となった。
[不動産事業]
収益の柱として不動産事業の重要性はますます高まっており、保有不動産の価値の最大化を図るとともに、新たな収益源となる計画を積極的に推進している。不動産収入の大部分を占めるオフィス賃貸で高い入居率を維持したほか、インバウンド需要により中之島フェスティバルタワー・ウエストに入居する「コンラッド大阪」や東京銀座朝日ビルディングに入る「ハイアットセントリック銀座東京」などホテル事業が好調に推移した。空港利用者数も上向き、㈱朝日エアポートサービスの業績も回復した。広島市基町地区の再開発事業は、23年12月に既存建物の解体を始め、27年4月竣工を予定している。札幌駅前再開発「北5西1・西2地区第一種市街地再開発事業」は詳細計画を詰めている。
当セグメントの売上高は40,840百万円と前年同期と比べ6,268百万円(18.1%)の増収、セグメント利益は8,454百万円と前年同期と比べ1,830百万円(27.6%)の増益となった。
[その他の事業]
㈱朝日カルチャーセンターは、コロナ禍からの回復が遅れ、厳しい状況が続いているが、オンライン講座の拡充強化をめざす。
当セグメントの売上高は2,471百万円と前年同期と比べ64百万円(△2.5%)の減収、セグメント損失は59百万円(前年同期の損失は11百万円)となった。
当連結会計年度の総資産は585,550百万円で、前年同期と比べ23,480百万円(4.2%)増加した。主な要因は、投資有価証券が242,876百万円と同22,466百万円(10.2%)増加したことなどによる。負債合計は194,703百万円で、同2,994百万円(△1.5%)減少した。純資産合計は390,847百万円で、同26,475百万円(7.3%)増加した。その結果、当連結会計年度の自己資本比率は65.4%となり、同2.0ポイント増加した。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は71,206百万円と前年同期と比べ8,152百万円(12.9%)増加した。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は14,434百万円となり、前年同期と比べ13,034百万円(931.1%)増加となった。これは、税金等調整前当期純利益が10,887百万円となり、前年同期の税金等調整前当期純損失386百万円から利益に転じたことなどによる。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に支出した資金は4,429百万円となり、前年同期に得られた資金2,261百万円から支出に転じた。これは定期預金の払戻による収入が27,255百万円減少したことなどによる。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は1,985百万円となり、前年同期と比べ114百万円(△5.4%)の減少となった。これは配当金の支払額による支出が64百万円減少したことなどによる。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
(注) 部数は発行回数1回当たりの部数である。朝日新聞名古屋本社夕刊は23年4月28日で休止し、朝日新聞北海道支社夕刊は24年3月30日で休止した。週刊朝日は23年5月末で休刊した。
[不動産事業]
不動産事業は受注生産形態をとらないため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
[その他の事業]
その他の事業は文化事業、電波事業とその他事業であり、広範囲かつ多種多様であるため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
b. 受注実績
[メディア・コンテンツ事業]
新聞については、主に新聞販売店を経由した読者からの受注部数と、即売スタンドでの販売見込部数を生産・販売している。出版物については、主に書店又は即売スタンドでの販売見込部数を生産している。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) セグメント間取引については相殺消去している。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりである。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりである。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源については、独立しかつ安定した経営基盤のもとで企業活動を継続していくことを基本としており、主として営業活動からのキャッシュ・フローを源泉にしている。
また、資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関と提携しており、現在必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えている。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
a.固定資産の減損
固定資産の減損の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
b.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
c.退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在する。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定している。数理計算上の仮定には、割引率、長期期待運用収益率等の様々な計算基礎がある。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性がある。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)2.確定給付制度(簡便法を適用した制度を除く) (8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりである。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、輸出産業を中心に業績が好調で、さらにインバウンド消費が成長を牽引した。他方、前年度来の物価高が響き、個人消費は低迷した。定期購読による収入が中心の新聞業界は短期的な景気動向の影響は受けにくいものの、新聞の総発行部数の減少傾向への対応が求められるなかで原燃料や新聞用紙が高騰したため、当社を含めて新聞購読料の改定に踏み切る新聞社が相次いだ。広告市場では、総広告費が過去最高になったものの、新聞と雑誌を含む「マスコミ四媒体」の広告費の減少傾向は続いている。
当社グループでは、基幹となる当社の「中期経営計画2023」最終年度となり、主力のプリントメディア事業を効率化させつつ、デジタル、イベント、不動産など非プリント事業での伸長に引き続き取り組んだ。「朝日新聞」「朝日新聞デジタル」による報道分野においては、国土交通省OBによる民間企業への人事介入問題の調査報道、自民党派閥による裏金事件報道などを通じ、ジャーナリズムを担う言論・報道機関としての役割を果たした。また、㈱朝日プリンテックと当社によって開発された「ブランケット復活装置」は、斬新な発想と高い技術で新聞業界全体の課題である環境への配慮、資材価格の高騰への解決策を示す取り組みとして高く評価され、日本新聞協会の新聞技術賞を受賞した。当社においては組織再編も進め、ビジネス系の部門を統合して23年4月に「メディア事業本部」を発足させ、顧客ニーズに機動的に対応する体制を整えた。また、業務の効率化と高度化のためにバックオフィス系の部門を統合し、24年4月に「コーポレート本部」を発足させることを決めた。グループ経営の強化へ向け、24年度より当社経営陣とグループ企業社長の一部でつくる「グループ経営会議」を新設し、グループ全体の事業構造改革を推進することとした。
24年1月、「朝日新聞」創刊150年を迎える29年に向けて当社グループがめざすべき姿と理念を描いた「パーパス・ビジョン」を公表した。パーパス・ビジョンを実現するため、24年度からの3カ年の「中期経営計画2026」を策定し、24年4月からスタートすることを決定した。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、269,116百万円と前年同期と比べ2,084百万円(0.8%)の増収となった。損益については、営業利益が5,781百万円と同6,201百万円の増益(前年同期は営業損失419百万円)、経常利益も13,069百万円と同6,007百万円(85.1%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は9,899百万円と同7,307百万円(281.9%)の増益となった。営業利益の良化には「朝日新聞」の購読料改定や不動産事業の伸長が寄与した。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
主力のプリントメディア事業では、23年5月に「朝日新聞」の購読料を改定した。月ぎめ購読料は、朝夕刊セット版を4,400円から4,900円へ、統合版を3,500円から4,000円へ改定した(いずれも税込み)。前回の購読料改定は21年7月だったが、その後の22年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に原燃料や新聞用紙の価格が高騰したことから、安定的な新聞発行を続けるためにも購読料改定が必要と判断した。
新聞発行の効率化も進めた。23年春から、北海道と東北地方の一部の新聞発行について、それぞれ㈱北海道新聞社及びそのグループ企業、㈱河北新報社への委託を拡大した。また夕刊の発行を23年4月末に愛知、岐阜、三重の3県で、24年3月末に北海道で休止した。「朝日新聞」の年間平均部数は朝刊358万部、夕刊106万5千部(前期比で朝刊41万1千部減、夕刊17万2千部減)だった。部数減に伴い、広告収入や折込収入が減収となった。
㈱朝日学生新聞社では、23年4月から㈱Gakkenと紙面や書籍などで協業をスタートさせた。
「朝日新聞デジタル」の有料会員数は30万6千人(前期比1千人増、24年3月31日現在)になった。23年4月に言論サイト「Re:Ron(リロン) 立ち止まるためのメディア」をオープン。アプリ版では、時事クイズ「ニュースQ」が登場。7月には、その日の重要ニュース3項目が1分で読める「ニュースの要点」の配信を始めた。
顧客データの基盤となる「朝日ID」は643万件(前期比46万件増、24年3月31日現在)となった。
デジタル関連では、朝日放送テレビ㈱と協業するバーチャル高校野球事業が、スポーツブル(㈱運動通信社)、スポーツナビ(LINEヤフー㈱)に加え、ABEMA(㈱AbemaTV)にも配信を拡大、全国高等学校野球選手権大会の地方大会全試合の配信を開始した。
24年1月には、朝日インタラクティブ㈱が、ウェブアクセシビリティと「やさしい日本語」を強みとするソフトウェア開発企業、アルファサード㈱の全株式を取得した。年齢や障がいの有無にかかわらずウェブ上の情報にアクセスし、利用できるようにする技術を、グループ各社のサービスを通じて提供していく。
㈱朝日新聞出版では、101年続いた「週刊朝日」を部数減や広告減により23年5月末で休刊した。今後は週刊誌「AERA」のほか、デジタル版の「AERA dot.」に注力する。「ゲッターズ飯田の五星三心占い」など一部好調な書籍販売はあったものの、全体では減収となった。10月には科学誌「Newton」を発行する㈱ニュートンプレスの全株式を取得した。同社のコンテンツを「朝日新聞」などグループ各社のメディアにも提供していく。
展覧会事業では「マティス展」「古代メキシコ展」「和食展」などを展開し、コロナ禍で減っていた客足は回復傾向をみせた。通販事業では、22年10月に立ち上げた「朝日新聞モール」が売上を伸ばした。22年9月に全株式を取得した通販サイト「にっぽん津々浦々」を展開する㈱スペースアイランドが、当連結会計年度より連結対象会社となった。
当セグメントの売上高は225,803百万円と前年同期と比べ4,119百万円(△1.8%)の減収、セグメント損失は2,546百万円(前年同期の損失は7,047百万円)となった。
[不動産事業]
収益の柱として不動産事業の重要性はますます高まっており、保有不動産の価値の最大化を図るとともに、新たな収益源となる計画を積極的に推進している。不動産収入の大部分を占めるオフィス賃貸で高い入居率を維持したほか、インバウンド需要により中之島フェスティバルタワー・ウエストに入居する「コンラッド大阪」や東京銀座朝日ビルディングに入る「ハイアットセントリック銀座東京」などホテル事業が好調に推移した。空港利用者数も上向き、㈱朝日エアポートサービスの業績も回復した。広島市基町地区の再開発事業は、23年12月に既存建物の解体を始め、27年4月竣工を予定している。札幌駅前再開発「北5西1・西2地区第一種市街地再開発事業」は詳細計画を詰めている。
当セグメントの売上高は40,840百万円と前年同期と比べ6,268百万円(18.1%)の増収、セグメント利益は8,454百万円と前年同期と比べ1,830百万円(27.6%)の増益となった。
[その他の事業]
㈱朝日カルチャーセンターは、コロナ禍からの回復が遅れ、厳しい状況が続いているが、オンライン講座の拡充強化をめざす。
当セグメントの売上高は2,471百万円と前年同期と比べ64百万円(△2.5%)の減収、セグメント損失は59百万円(前年同期の損失は11百万円)となった。
当連結会計年度の総資産は585,550百万円で、前年同期と比べ23,480百万円(4.2%)増加した。主な要因は、投資有価証券が242,876百万円と同22,466百万円(10.2%)増加したことなどによる。負債合計は194,703百万円で、同2,994百万円(△1.5%)減少した。純資産合計は390,847百万円で、同26,475百万円(7.3%)増加した。その結果、当連結会計年度の自己資本比率は65.4%となり、同2.0ポイント増加した。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は71,206百万円と前年同期と比べ8,152百万円(12.9%)増加した。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は14,434百万円となり、前年同期と比べ13,034百万円(931.1%)増加となった。これは、税金等調整前当期純利益が10,887百万円となり、前年同期の税金等調整前当期純損失386百万円から利益に転じたことなどによる。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に支出した資金は4,429百万円となり、前年同期に得られた資金2,261百万円から支出に転じた。これは定期預金の払戻による収入が27,255百万円減少したことなどによる。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は1,985百万円となり、前年同期と比べ114百万円(△5.4%)の減少となった。これは配当金の支払額による支出が64百万円減少したことなどによる。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
| 主力商品 | 部数(千部) | 前年同期比(%) | 発行回数(回) |
| 朝日新聞朝刊 | 3,580 | △10.3 | 354 |
| 朝日新聞夕刊 | 1,065 | △13.9 | 293 |
(注) 部数は発行回数1回当たりの部数である。朝日新聞名古屋本社夕刊は23年4月28日で休止し、朝日新聞北海道支社夕刊は24年3月30日で休止した。週刊朝日は23年5月末で休刊した。
[不動産事業]
不動産事業は受注生産形態をとらないため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
[その他の事業]
その他の事業は文化事業、電波事業とその他事業であり、広範囲かつ多種多様であるため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
b. 受注実績
[メディア・コンテンツ事業]
新聞については、主に新聞販売店を経由した読者からの受注部数と、即売スタンドでの販売見込部数を生産・販売している。出版物については、主に書店又は即売スタンドでの販売見込部数を生産している。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| メディア・コンテンツ事業 | 225,803 | △1.8 |
| 不動産事業 | 40,840 | 18.1 |
| その他の事業 | 2,471 | △2.5 |
| 合計 | 269,116 | 0.8 |
(注) セグメント間取引については相殺消去している。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりである。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりである。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源については、独立しかつ安定した経営基盤のもとで企業活動を継続していくことを基本としており、主として営業活動からのキャッシュ・フローを源泉にしている。
また、資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関と提携しており、現在必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えている。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
a.固定資産の減損
固定資産の減損の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
b.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
c.退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在する。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定している。数理計算上の仮定には、割引率、長期期待運用収益率等の様々な計算基礎がある。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性がある。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)2.確定給付制度(簡便法を適用した制度を除く) (8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりである。