半期報告書-第172期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における日本経済は、インバウンド消費が好調だった一方、物価高が個人消費に影響を与える状況が続いた。内閣府の24年9月「月例経済報告」では景気は緩やかに回復しているとされたが、海外の景気動向や金融資本市場の変動など先行きへの懸念材料も示された。定期購読による収入が中心の新聞業界は短期的な景気動向の影響は受けにくいものの、新聞発行部数の減少傾向と原材料費などのコスト高により厳しい経営状況が続いている。
このような状況の中、「朝日新聞」創刊150年を迎える29年に向けて当社グループがめざすべき姿と理念を描いた「パーパス・ビジョン」を実現するため、24年度からの3カ年の「中期経営計画2026」が24年4月にスタートした。「企業価値の源泉を磨き上げる」「成長のための投資を加速する」「会社のかたちを創り直す」を「3つの方針」として定め、主力のプリントメディア事業の市場縮小が続くなか、プリントメディア事業が中心の事業構造から脱却し、新たな事業領域を開拓して着実に成長をめざす。
24年6月には中村史郎代表取締役社長が代表取締役会長に、角田克専務取締役が代表取締役社長に就任した。ツートップ体制への移行で「朝日新聞を創り直す」ための取り組みを前進させる。中村会長はグループ経営統括として、グループ経営と業界対応にいっそう注力する。角田社長は業務執行統括として、当社の改革と成長を加速させる。
当社グループ全体が本格的なグループ経営へ転換するための推進役として、当社役員と主なグループ企業社長で構成する「グループ経営会議」が24年度に新設された。また、バックオフィス系の部門を統合した「コーポレート本部」が24年4月に発足した。業務の効率化と高度化をめざすとともに、グループ経営を推進するための体制も整えていく。
当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、売上高が135,893百万円で前年同期比3,710百万円(2.8%)の増収となった。損益については、営業利益が1,985百万円で同1,374百万円(224.8%)の増益、経常利益が5,408百万円で同1,848百万円(51.9%)の増益、税金等調整前中間純利益は4,349百万円で同1,492百万円(△25.6%)の減益、親会社株主に帰属する中間純利益は3,331百万円で同1,791百万円(△35.0%)の減益だった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
正しさが裏付けられた情報を「朝日新聞デジタル」で速報し、価値付けを一覧できる紙媒体の「朝日新聞」で整理して伝える。この循環を「企業価値の源泉」として磨き上げることを念頭に、当社は多角的で充実した報道を展開した。24年9月には、日本新聞協会が発表した24年度新聞協会賞に、当社の「自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道」が選ばれた。「政治とカネを巡る構造を多角的に掘り下げ、裏金問題の解明を終始リードし社会に強いインパクトを与えた」「自民党の派閥解体や政治資金規正法の改正など政治の流れに大きな影響を及ぼし、権力監視の役割を果たした」と高く評価された。同時に、新聞技術賞には、当社と㈱北海道新聞社による「統合編集システムの共同開発」が選ばれた。新聞技術賞の受賞は2年連続。統合編集システムは、デジタルと紙面の素材を一元的に作成・配信できるシステム。「AIによる見出し・要約の作成機能を設けるなど業務の効率化に大きく貢献した」「全国紙とブロック紙が共通化を追求したシステムは、他社への展開も期待でき、新聞界のDX化を推進する技術開発」と高い評価を受けた。
朝日新聞デジタルでは、読者のみなさまとつながるジャーナリズムをめざしてアプリ版のリニューアルに取り組んだ。24年6月には、第一弾として、読者が記者とつながることができる、有料会員限定の機能「記者フォロー」がスタートした。フォローした記者が書いた記事をチェックしたり、記者のイベント出演情報などを確認したりすることができるようになった。24年8月には、読者が記者に対して記事への質問や感想を送り、記者が返信することができる双方向コミュニケーション機能も追加された。
また、「バーチャル高校野球」は昨年3,482試合の全試合をライブ配信し、「単一スポーツチャンピオンシップをプラットフォームでライブストリーム配信した最多試合数」としてギネス世界記録に認定された。今夏も全3,391試合をライブ配信し好調な総再生回数を獲得した。
「朝日新聞デジタル」の有料会員数は30万3千人(前年同期比5百人増、24年9月30日現在)、顧客データの基盤となる「朝日ID」は659万件(24年9月30日現在)となった。
新聞用紙など原材料が高騰し、読者のみなさまに新聞を届ける経費が増加する中で、24年4月から北海道で夕刊の発行を休止した。24年10月からは静岡、山口、福岡の3県で夕刊を休止する。
当中間連結会計期間における「朝日新聞」の平均部数は朝刊338万5千部、夕刊97万6千部(前年同期比で朝刊27万7千部減、夕刊12万4千部減)だった。
メディア・コンテンツ事業では、主力商品である「朝日新聞」の販売部数の減少に加え、読者層の高齢化や広告媒体の多様化などにより、新聞広告市場や折込広告市場の縮小も続く。こうした状況の中、新聞発行を効率化させつつ、「朝日新聞デジタル」を新聞に代替する存在に成長させるべく投資を進めると同時に、当社グループの強みを生かせる事業領域で成長するための投資や取り組みも進めた。24年5月には、アパレルを中心に雑貨や伝統工芸品、食品などの通信販売と店舗販売を営む㈱ライトアップショッピングクラブの全株式を当社が取得した。アクティブシニアを中心とする顧客基盤を生かして、当社グループの通信販売事業の中核会社としての役割を担っていく。また、発足2年目を迎えたメディア事業本部では、新聞広告収入の減少傾向が続く中、ソリューション提供など新領域開拓への取り組みを加速させた。
展覧会事業では、京都市京セラ美術館で開催した「村上隆 もののけ 京都」が計画を大きく上回る約46万人の入場者を集め物販も好調だった。㈱朝日新聞出版では、大型企画の「ゲッターズ飯田の五星三心占い2025全12冊」や映画化された文庫「傲慢と善良」などが好調だった。
当中間連結会計期間の「メディア・コンテンツ事業」に係る売上高は113,719百万円で前年同期比2,509百万円(2.3%)の増収、セグメント損失は1,875百万円(前年同期のセグメント損失は3,073百万円)となった。
[不動産事業]
収益の柱として不動産事業の重要性はますます高まっており、保有不動産の価値の最大化を図るとともに、新たな収益源となる計画を積極的に推進している。不動産賃貸では、中核となるオフィス賃貸物件の高稼働に努め安定収入を確保したほか、訪日観光客数の増加に伴い、中之島フェスティバルタワー・ウエストに入居する「コンラッド大阪」や東京銀座朝日ビルに入る「ハイアットセントリック銀座東京」の客室単価及び稼働率が高水準で推移し増収に貢献した。空港関連では、㈱朝日エアポートサービスが、インバウンドによる関西空港利用者数の回復と円安の影響により売上を大きく伸ばした。広島市内の「基町相生通地区第一種市街地再開発事業」は、既存建物の解体工事が順調に進み、予定通り24年10月新築工事に着手する。当中間連結会計期間の「不動産事業」に係る売上高は20,961百万円で前年同期比1,221百万円(6.2%)の増収、セグメント利益は3,845百万円で同115百万円(3.1%)の増益となった。
[その他の事業]
㈱朝日カルチャーセンターは、コロナ禍からの回復が遅れているが、オンライン講座の拡充強化をめざしている。当中間連結会計期間の「その他の事業」に係る売上高は1,212百万円で前年同期比20百万円(△1.6%)の減収、セグメント損失は4百万円(前年同期のセグメント損失は46百万円)となった。
当中間連結会計期間末の総資産は583,680百万円で、前連結会計年度末比で1,870百万円(△0.3%)の減少となった。負債合計は190,977百万円で、同3,726百万円(△1.9%)減少した。これは、退職給付に係る負債が83,185百万円と同3,425百万円(△4.0%)減少したことなどの要因による。純資産合計は392,703百万円で、同1,855百万円(0.5%)増加した。その結果、当中間連結会計期間末の自己資本比率は65.9%となり、前連結会計年度末に比べて0.5ポイント増加した。
② キャッシュ・フローの状況
連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)の当中間連結会計期間末の残高は67,376百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,830百万円(△5.4%)減少し、前中間連結会計期間末に比べて14,518百万円(△17.7%)減少した。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動により得られた資金は7,332百万円となり、前年同期に得られた資金から1,222百万円(20.0%)増加した。これは、売上債権の増減額が前年同期比2,105百万円減少したことなどの要因による。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動により支出した資金は9,436百万円(前年同期は13,630百万円の収入)となった。これは、有形固定資産の売却による収入が前年同期比5,224百万円減少したことに加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出により4,667百万円を支出したことなどの要因による。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動により支出した資金は2,048百万円となり、前年同期比1,006百万円(96.5%)の増加となった。これは短期借入金の返済が前年同期比986百万円増加したことなどの要因による。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
(注) 部数は発行回数1回当たりの部数である。朝日新聞北海道支社夕刊は4月1日から休止した。朝日新聞静岡県、山口県、福岡県夕刊は10月1日から休止する。
[不動産事業]
不動産事業は受注生産形態をとらないため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
[その他の事業]
その他の事業は、文化事業・電波事業・その他事業であり、広範囲かつ多種多様であるため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
b. 受注実績
[メディア・コンテンツ事業]
新聞については、主に新聞販売店を経由した読者からの受注部数と、即売スタンドでの販売見込部数を生産・販売している。出版物については、主に書店または即売スタンドでの販売見込部数を生産している。
c. 販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) セグメント間取引については相殺消去している。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要」で触れたとおりである。また、前事業年度の有価証券報告書の「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「事業等のリスク」に記載したように、既存メディア離れ、新聞広告市場の縮小など経営環境の変化への対応を重要課題として認識している。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源については、独立しかつ安定した経営基盤のもとで企業活動を継続していくことを基本としており、主として営業活動からのキャッシュ・フローを源泉にしている。
また、資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関と提携しており、現在必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えている。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について変更は行っていない。
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における日本経済は、インバウンド消費が好調だった一方、物価高が個人消費に影響を与える状況が続いた。内閣府の24年9月「月例経済報告」では景気は緩やかに回復しているとされたが、海外の景気動向や金融資本市場の変動など先行きへの懸念材料も示された。定期購読による収入が中心の新聞業界は短期的な景気動向の影響は受けにくいものの、新聞発行部数の減少傾向と原材料費などのコスト高により厳しい経営状況が続いている。
このような状況の中、「朝日新聞」創刊150年を迎える29年に向けて当社グループがめざすべき姿と理念を描いた「パーパス・ビジョン」を実現するため、24年度からの3カ年の「中期経営計画2026」が24年4月にスタートした。「企業価値の源泉を磨き上げる」「成長のための投資を加速する」「会社のかたちを創り直す」を「3つの方針」として定め、主力のプリントメディア事業の市場縮小が続くなか、プリントメディア事業が中心の事業構造から脱却し、新たな事業領域を開拓して着実に成長をめざす。
24年6月には中村史郎代表取締役社長が代表取締役会長に、角田克専務取締役が代表取締役社長に就任した。ツートップ体制への移行で「朝日新聞を創り直す」ための取り組みを前進させる。中村会長はグループ経営統括として、グループ経営と業界対応にいっそう注力する。角田社長は業務執行統括として、当社の改革と成長を加速させる。
当社グループ全体が本格的なグループ経営へ転換するための推進役として、当社役員と主なグループ企業社長で構成する「グループ経営会議」が24年度に新設された。また、バックオフィス系の部門を統合した「コーポレート本部」が24年4月に発足した。業務の効率化と高度化をめざすとともに、グループ経営を推進するための体制も整えていく。
当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、売上高が135,893百万円で前年同期比3,710百万円(2.8%)の増収となった。損益については、営業利益が1,985百万円で同1,374百万円(224.8%)の増益、経常利益が5,408百万円で同1,848百万円(51.9%)の増益、税金等調整前中間純利益は4,349百万円で同1,492百万円(△25.6%)の減益、親会社株主に帰属する中間純利益は3,331百万円で同1,791百万円(△35.0%)の減益だった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
正しさが裏付けられた情報を「朝日新聞デジタル」で速報し、価値付けを一覧できる紙媒体の「朝日新聞」で整理して伝える。この循環を「企業価値の源泉」として磨き上げることを念頭に、当社は多角的で充実した報道を展開した。24年9月には、日本新聞協会が発表した24年度新聞協会賞に、当社の「自民党派閥の裏金問題をめぐる一連のスクープと関連報道」が選ばれた。「政治とカネを巡る構造を多角的に掘り下げ、裏金問題の解明を終始リードし社会に強いインパクトを与えた」「自民党の派閥解体や政治資金規正法の改正など政治の流れに大きな影響を及ぼし、権力監視の役割を果たした」と高く評価された。同時に、新聞技術賞には、当社と㈱北海道新聞社による「統合編集システムの共同開発」が選ばれた。新聞技術賞の受賞は2年連続。統合編集システムは、デジタルと紙面の素材を一元的に作成・配信できるシステム。「AIによる見出し・要約の作成機能を設けるなど業務の効率化に大きく貢献した」「全国紙とブロック紙が共通化を追求したシステムは、他社への展開も期待でき、新聞界のDX化を推進する技術開発」と高い評価を受けた。
朝日新聞デジタルでは、読者のみなさまとつながるジャーナリズムをめざしてアプリ版のリニューアルに取り組んだ。24年6月には、第一弾として、読者が記者とつながることができる、有料会員限定の機能「記者フォロー」がスタートした。フォローした記者が書いた記事をチェックしたり、記者のイベント出演情報などを確認したりすることができるようになった。24年8月には、読者が記者に対して記事への質問や感想を送り、記者が返信することができる双方向コミュニケーション機能も追加された。
また、「バーチャル高校野球」は昨年3,482試合の全試合をライブ配信し、「単一スポーツチャンピオンシップをプラットフォームでライブストリーム配信した最多試合数」としてギネス世界記録に認定された。今夏も全3,391試合をライブ配信し好調な総再生回数を獲得した。
「朝日新聞デジタル」の有料会員数は30万3千人(前年同期比5百人増、24年9月30日現在)、顧客データの基盤となる「朝日ID」は659万件(24年9月30日現在)となった。
新聞用紙など原材料が高騰し、読者のみなさまに新聞を届ける経費が増加する中で、24年4月から北海道で夕刊の発行を休止した。24年10月からは静岡、山口、福岡の3県で夕刊を休止する。
当中間連結会計期間における「朝日新聞」の平均部数は朝刊338万5千部、夕刊97万6千部(前年同期比で朝刊27万7千部減、夕刊12万4千部減)だった。
メディア・コンテンツ事業では、主力商品である「朝日新聞」の販売部数の減少に加え、読者層の高齢化や広告媒体の多様化などにより、新聞広告市場や折込広告市場の縮小も続く。こうした状況の中、新聞発行を効率化させつつ、「朝日新聞デジタル」を新聞に代替する存在に成長させるべく投資を進めると同時に、当社グループの強みを生かせる事業領域で成長するための投資や取り組みも進めた。24年5月には、アパレルを中心に雑貨や伝統工芸品、食品などの通信販売と店舗販売を営む㈱ライトアップショッピングクラブの全株式を当社が取得した。アクティブシニアを中心とする顧客基盤を生かして、当社グループの通信販売事業の中核会社としての役割を担っていく。また、発足2年目を迎えたメディア事業本部では、新聞広告収入の減少傾向が続く中、ソリューション提供など新領域開拓への取り組みを加速させた。
展覧会事業では、京都市京セラ美術館で開催した「村上隆 もののけ 京都」が計画を大きく上回る約46万人の入場者を集め物販も好調だった。㈱朝日新聞出版では、大型企画の「ゲッターズ飯田の五星三心占い2025全12冊」や映画化された文庫「傲慢と善良」などが好調だった。
当中間連結会計期間の「メディア・コンテンツ事業」に係る売上高は113,719百万円で前年同期比2,509百万円(2.3%)の増収、セグメント損失は1,875百万円(前年同期のセグメント損失は3,073百万円)となった。
[不動産事業]
収益の柱として不動産事業の重要性はますます高まっており、保有不動産の価値の最大化を図るとともに、新たな収益源となる計画を積極的に推進している。不動産賃貸では、中核となるオフィス賃貸物件の高稼働に努め安定収入を確保したほか、訪日観光客数の増加に伴い、中之島フェスティバルタワー・ウエストに入居する「コンラッド大阪」や東京銀座朝日ビルに入る「ハイアットセントリック銀座東京」の客室単価及び稼働率が高水準で推移し増収に貢献した。空港関連では、㈱朝日エアポートサービスが、インバウンドによる関西空港利用者数の回復と円安の影響により売上を大きく伸ばした。広島市内の「基町相生通地区第一種市街地再開発事業」は、既存建物の解体工事が順調に進み、予定通り24年10月新築工事に着手する。当中間連結会計期間の「不動産事業」に係る売上高は20,961百万円で前年同期比1,221百万円(6.2%)の増収、セグメント利益は3,845百万円で同115百万円(3.1%)の増益となった。
[その他の事業]
㈱朝日カルチャーセンターは、コロナ禍からの回復が遅れているが、オンライン講座の拡充強化をめざしている。当中間連結会計期間の「その他の事業」に係る売上高は1,212百万円で前年同期比20百万円(△1.6%)の減収、セグメント損失は4百万円(前年同期のセグメント損失は46百万円)となった。
当中間連結会計期間末の総資産は583,680百万円で、前連結会計年度末比で1,870百万円(△0.3%)の減少となった。負債合計は190,977百万円で、同3,726百万円(△1.9%)減少した。これは、退職給付に係る負債が83,185百万円と同3,425百万円(△4.0%)減少したことなどの要因による。純資産合計は392,703百万円で、同1,855百万円(0.5%)増加した。その結果、当中間連結会計期間末の自己資本比率は65.9%となり、前連結会計年度末に比べて0.5ポイント増加した。
② キャッシュ・フローの状況
連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)の当中間連結会計期間末の残高は67,376百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,830百万円(△5.4%)減少し、前中間連結会計期間末に比べて14,518百万円(△17.7%)減少した。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動により得られた資金は7,332百万円となり、前年同期に得られた資金から1,222百万円(20.0%)増加した。これは、売上債権の増減額が前年同期比2,105百万円減少したことなどの要因による。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動により支出した資金は9,436百万円(前年同期は13,630百万円の収入)となった。これは、有形固定資産の売却による収入が前年同期比5,224百万円減少したことに加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出により4,667百万円を支出したことなどの要因による。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動により支出した資金は2,048百万円となり、前年同期比1,006百万円(96.5%)の増加となった。これは短期借入金の返済が前年同期比986百万円増加したことなどの要因による。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
[メディア・コンテンツ事業]
| 主力商品 | 部数(千部) | 前年同期比(%) | 発行回数(回) |
| 朝日新聞朝刊 | 3,385 | △7.6 | 177 |
| 朝日新聞夕刊 | 976 | △11.3 | 149 |
(注) 部数は発行回数1回当たりの部数である。朝日新聞北海道支社夕刊は4月1日から休止した。朝日新聞静岡県、山口県、福岡県夕刊は10月1日から休止する。
[不動産事業]
不動産事業は受注生産形態をとらないため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
[その他の事業]
その他の事業は、文化事業・電波事業・その他事業であり、広範囲かつ多種多様であるため、生産規模及び受注規模を金額、あるいは数量で示すことはしていない。
b. 受注実績
[メディア・コンテンツ事業]
新聞については、主に新聞販売店を経由した読者からの受注部数と、即売スタンドでの販売見込部数を生産・販売している。出版物については、主に書店または即売スタンドでの販売見込部数を生産している。
c. 販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| メディア・コンテンツ事業 | 113,719 | 2.3 |
| 不動産事業 | 20,961 | 6.2 |
| その他の事業 | 1,212 | △1.6 |
| 合計 | 135,893 | 2.8 |
(注) セグメント間取引については相殺消去している。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要」で触れたとおりである。また、前事業年度の有価証券報告書の「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「事業等のリスク」に記載したように、既存メディア離れ、新聞広告市場の縮小など経営環境の変化への対応を重要課題として認識している。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源については、独立しかつ安定した経営基盤のもとで企業活動を継続していくことを基本としており、主として営業活動からのキャッシュ・フローを源泉にしている。
また、資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関と提携しており、現在必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えている。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について変更は行っていない。