有価証券報告書-第160期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/17 13:04
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183項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、景気が緩やかに回復していたものの、中国など一部地域において景気に弱さがみられる状態となりました。また、米国の関税政策や中東情勢の影響など、先行き不透明な状況のうちに推移しました。
当連結会計年度の売上高は5,796億29百万円(前年度比1.2%減)、営業利益は420億69百万円(同31.0%減)、経常利益は451億30百万円(同27.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、現在建設中のCOC樹脂の新規プラント(第2プラント)について、需要拡大の遅れや投資額の増加により収益性の低下が認められるため、減損損失を計上したことなどにより、101億80百万円(同79.4%減)となりました。
当期のセグメント別の状況
[メディカル・ヘルスケア事業]
ライフサイエンス事業は、キラルカラムの販売数量が増加したことなどにより、増収となりました。
ヘルスケア事業は、顧客のサプリメントの販売が好調に推移したことなどにより健康食品素材の販売数量が増加し、増収となりました。
当部門の売上高は、162億27百万円(前年度比12.4%増)、ヘルスケア事業の販売数量増加などにより、営業利益は、4億27百万円(同63.6%増)となりました。
[スマート事業]
ファンクショナルプロダクツ事業は、中国における価格競争などによりカプロラクトン誘導体の販売が減少したものの、欧米での拡販などによりエポキシ化合物の販売が増加し、増収となりました。
アドバンストテクノロジー事業は、半導体材料市場の需要が堅調であり、電子材料向け溶剤の販売が増加したものの、機能フィルムの販売減少などにより、減収となりました。
当部門の売上高は、377億46百万円(前年度比1.2%増)、前年度の有機半導体事業撤退による損益改善などにより、営業利益は、5億36百万円(前年度は営業損失7億80百万円)となりました。
[セイフティ事業]
自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、中国市場での中国自動車メーカーの生産回復や、インドでの拡販などにより販売数量が増加し、増収となりました。
当部門の売上高は、1,041億64百万円(前年度比6.7%増)、販売数量の増加や北米拠点の生産性改善などにより、営業利益は、60億95百万円(同55.0%増)となりました。
[マテリアル事業]
アセチル事業の酢酸は、前年度に原料(一酸化炭素)プラントのトラブルにより販売調整を実施していたことから販売数量は増加したものの、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調であることなどにより市況が低下し、減収となりました。
アセテート・トウは、一部顧客での在庫調整の影響により販売数量が減少したことや、為替の影響などにより、減収となりました。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、ディスプレイ材料用途が増加したものの、中国市場における繊維やプラスチック用途などの需要減少により、減収となりました。
その他のケミカル製品は、市況低下や競争環境激化の影響を受けた製品があったものの、1,3-ブチレングリコールの化粧品市場での需要が堅調に推移したことなどにより、微増収となりました。
当部門の売上高は、1,613億24百万円(前年度比12.0%減)、販売数量の減少や前年度からの繰越在庫の影響、為替の影響などにより、営業利益は、149億53百万円(同49.5%減)となりました。
[エンジニアリングプラスチック事業]
ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス株式会社の事業は、ポリアセタール樹脂において諸工業向けなどの販売数量減少や期初の需要減少時に価格対応を行った影響があったものの、ポリアセタール樹脂以外の製品での電子材料向けなど高付加価値製品の販売増加や、販売価格の是正などにより、増収となりました。
水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズ株式会社の事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセル株式会社へ移管したことにより、減収となりました。
当部門の売上高は、2,547億18百万円(前年度比2.7%増)、減価償却費の増加や定期修繕費用の増加などにより、営業利益は、191億51百万円(同29.1%減)となりました。
[その他]
その他部門は、水処理用分離膜モジュールなどのメンブレン事業の販売減少などにより、減収となりました。
当部門の売上高は、54億48百万円(前年度比5.5%減)、営業利益は、9億4百万円(同6.3%減)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
総資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末に比し200億98百万円増加し、8,339億29百万円となりました。
負債は、長期借入金等の増加により、前連結会計年度末に比し247億55百万円増加し、4,635億49百万円となりました。
また純資産は、3,703億80百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、3,555億99百万円となり自己資本比率は42.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し20億63百万円増加し、668億30百万円(前連結会計年度末比3.2%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、678億38百万円(前年同期は、934億6百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、減価償却費433億26百万円および減損損失328億45百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額250億44百万円および投資有価証券売却損益174億86百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、477億2百万円(前年同期は、478億69百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、投資有価証券の売却及び償還による収入204億15百万円であり、資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出653億27百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、228億14百万円(前年同期は、488億55百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、長期借入れによる収入361億62百万円であり、資金減少の主な内容は、社債の償還による支出200億円0百万円、長期借入金の返済による支出175億84百万円、配当金の支払額159億12百万円、自己株式の取得による支出137億53百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
メディカル・ヘルスケア事業8,74732.26
スマート事業34,13212.57
セイフティ事業90,708△10.90
マテリアル事業149,581△11.33
エンジニアリングプラスチック事業225,388△1.90
報告セグメント計508,557△5.33
その他2,879△12.79
合計511,436△5.38

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
メディカル・ヘルスケア事業16,22712.39
スマート事業37,7461.16
セイフティ事業104,1646.70
マテリアル事業161,324△12.04
エンジニアリングプラスチック事業254,7182.71
報告セグメント計574,180△1.13
その他5,448△5.53
合計579,629△1.18

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において判断したものであります。
① 経営成績等
中期戦略『Accelerate 2025』では2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしておりました。
全社業績:
売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、EBITDA 1,360億円
経営指標:
営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%
株主還元 中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上
※2024年度より、配当をDOE(株主資本配当率)4%以上、総還元性向 40%以上に変更。
本中期戦略最終年度である当連結会計年度は、需要の回復による販売機会を着実に捉えるとともに、徹底したコストダウンを実施してまいりましたが、売上高は5,796億29百万円(前年度比1.2%減)、営業利益は420億69百万円(同31.0%減)、経常利益は451億30百万円(同27.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、現在建設中のCOC樹脂の新規プラント(第2プラント)について減損損失を計上したことなどにより、101億80百万円(同79.4%減)となりました。
なお、新中期戦略『Accelerate 2030』では以下の全社業績および経営指標を掲げております。
2028年度計画
売上高 6,750億円、営業利益 630億円、親会社株主に帰属する当期純利益 440億円、EBITDA 1,200億円、ROE 12%、ROIC 7%、ROA 5%、棚卸資産回転日数 100日
2030年度挑戦
売上高 7,500億円、営業利益 1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益 650億円、EBITDA 1,700億円、ROE 15%、ROIC 10%、ROA 7%、棚卸資産回転日数 90日以下
株主還元については、2026年度より、配当をDOE(株主資本配当率)5%以上、総還元性向 60%以上に変更しております。
これらの実現へ向け、最重要基盤である安全・安定性のさらなる進化とともに、収益基盤の盤石化と事業成長の両立に向けた取り組みを推進してまいります。
経営成績
売上高および営業利益
売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外損益
営業外損益は31億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し18億円改善いたしました。
主に持分法による投資利益の影響などによるものであります。
特別損益
特別利益は200億円を計上いたしました。投資有価証券売却益174億円などによるものであります。
特別損失は390億円を計上いたしました。減損損失328億円などによるものであります。
法人税等
税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は56.3%と、前連結会計年度に比し33.3ポイント増加いたしました。
非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は13億円と、前連結会計年度に比し3億円(27.0%)増加いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は102億円と、前連結会計年度に比し393億円(79.4%)の減益となりました。 また、ROEは2.9%となり、前連結会計年度に比し10.9ポイント悪化しました。ROICは4.2%、EBITDAは854億円となりました。
財政状態
資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、有利子負債比率は37.4%となりました。
また、2025年11月6日取締役会決議に基づく自己株式の取得を138億円実施しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要
当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。
当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し34億円増加し、728億円(前連結会計年度比4.8%増)、減価償却費は前連結会計年度に比し20億円増加し、433億円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。
当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し4億円減少し、256億円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。
財務政策
当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入等による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は3,122億円であります。
新中期戦略『Accelerate 2030』におきましては、キャッシュアロケーションにおいて、収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル改善により資金創出力向上により得た資金を、トップライン拡大につながる成長投資への配分を強化します。
また、株主還元は総還元性向60%以上、DOE(株主資本配当率)は5%以上を目標とし、自己株式取得も機動的に活用して、株主還元も強化してまいります。
そして、有利子負債の水準はネットD/Eレシオを指標に増加を抑制し、エクイティ/デッドの水準を適切にコントロールしてまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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