四半期報告書-第63期第3四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
国内農業は、農業生産者の減少及び高齢化が進んでいる一方で、大規模生産者や農業法人の増加など農業生産構造の変化が現れてきております。また、一昨年からの相次ぐ大型台風や大雨が農業へ大きな被害をもたらしており、その影響を残している国内農業は大変厳しい環境にあります。このような中、国内農薬業界におきましては、改正農薬取締法(2018年12月施行)により一層の農薬の安全性の向上が要求されており、国内の既登録農薬についても最近の科学的知見に基づいた安全性等の再評価が必要となっております。また、世界農薬市場におきましては、国内に先行し農薬登録制度の見直しが行われており、農薬使用時や残留農薬の安全性評価に留まらず生態系に対する環境影響評価が強化され、多くの既存薬剤の登録の失効・淘汰が進んでいます。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大による農薬の生産・物流・消費等に対する影響を注視していく必要があります。
このような情勢の中で当社グループは、経営理念である「我が信条」(お客様のため、社員のため、社会のため、株主のためという4か条)ならびに「どこまでも農家とともに」をモットーとして研究開発・技術普及・生産・販売を展開しております。当社グループは、創業以来の経営理念を堅持しつつ100年企業を目指すために、「Lead The Way 2025」をスローガンとした長期事業計画とともに、新中期事業計画(2019年-2021年)を策定し「飛躍のための加速期間」をテーマとして取り組んでおります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために、当社グループは安全性や衛生管理に配慮した業務運営に取り組んでおります。
研究開発部門では、創薬のための研究開発を継続するために組織力の増強と研究レベルの向上を図り、ポートフォリオの充実と拡大に努めております。またポートフォリオ拡充への取組みの結果、米国Gowan社との間でダニ剤「ダニエモンフロアブル」、「エコマイト顆粒水和剤」の日本における取扱いについて合意され、当社では現販売会社のバイエル クロップサイエンス株式会社の地位を継承し、本年7月から両剤の販売を開始しております。
生産部門では、東京電力福島第一原子力発電所事故による福島工場の操業停止から10年となる中、山口工場はその代替工場として2018年11月に建設され、2021年2月にISO9001の認証を取得しました。茨城工場・直江津工場と併せて自社生産体制の向上により、製品の安定供給とコスト削減に取り組むとともに、品質保証と顧客満足の向上に努めております。また、山口工場は西日本の物流拠点としての機能を備えており、東日本の物流拠点である所沢物流倉庫と併せた効率的な運用による一層のサービス向上に努めてまいります。
なお、2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故による営業損害につきましては、東京電力ホールディングス株式会社に対し損害賠償訴訟を係属中であります。
営業技術普及部門では、農業生産者への適切な技術情報の提供に加えて、土壌分析室を活用し、農業の根幹となる土づくり、土壌のセンチュウ対策、病害虫診断の支援活動を拡大しています。さらに、グローバルGAP認証取得支援ならびに地域の農業・栽培問題解決のための研究実践農場(カネショウファーム)の運営も全国6か所に拡大し、これらのサービス提供により地域農業や農業生産者への貢献に努めております。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い営業・技術普及活動の一部自粛や制限がある中、昨年より実施している「お客様相談窓口」の強化を継続し、能動的に製品の技術情報などお客様のお問合わせに対応いたしました。
海外事業部門では、主力製品「カネマイトフロアブル」の登録が世界50か国で認可され、更に6か国で開発を進めております。「ネマキック粒剤・液剤」については現在9か国で登録が認可され今後も登録国の拡大に取り組んでまいります。また、海外子会社を通じて全世界で「バスアミド微粒剤」、「D-D」の登録維持・拡大・販売活動を整備し、韓国においては現地販売会社・小売店・農家に対する直接的な支援を強化してまいります。
当第3四半期連結累計期間においては、主に主要剤であるダニ剤「カネマイトフロアブル」の売上が、国内、海外共に前年同四半期を下回り、売上高は前年同四半期を下回りました。販売費及び一般管理費は前年同四半期に対し、販売促進費、研究開発費関連が減少したために減少し、営業利益が前年同四半期に対し増加しております。経常利益は前年同四半期期比で営業外収益が減少したため、前年同四半期に対し減少しております。また当社の連結子会社である株式会社KANESHO CHPに関する特別損失(減損損失)667百万円を計上いたしました。これは同社の保有する「ダーズバン」ののれんに関して当初想定していた収益が見込めなくなったことから、のれんの回収可能性について検討した結果、減損処理を行ったものです。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は111億5千5百万円(前年同四半期比3億8千8百万円の減少、前年同四半期比3.4%減)、営業利益は9億3千1百万円(前年同四半期比2千2百万円の増加、前年同四半期比2.5%増)、経常利益は9億7千6百万円(前年同四半期比7千5百万円の減少、前年同四半期比7.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億8千万円(前年同四半期比2億4千2百万円の減少、前年同四半期比57.3%減)となりました。
なお、当社グループの売上高は事業の性質上、業績に季節的変動があり、第1四半期及び第2四半期連結会計期間の売上高が他の四半期連結会計期間と比較して多くなる傾向にあります。また、研究開発費は他の四半期連結会計期間と比較して第4四半期連結会計期間に多く計上される傾向にあります。
製品の種類別売上高については次のとおりであります。
(イ)害虫防除剤
海外では主に「カネマイトフロアブル」が北米では前年同四半期を上回りましたが、欧州向け販売が進まず、全体で前年同四半期を下回りました。国内では「ペンタック水和剤」、「サムコルフロアブル」、「ペイオフME」が前年同四半期を上回り売上に貢献しましたが、「カネマイトフロアブル」、「バイスロイドEW」、「アルバリン顆粒水溶剤」が前年同四半期を下回り、害虫防除剤全体で前年同四半期を下回りました。この結果、売上高は24億7千万円(前年同四半期比3億5千6百万円の減少、前年同四半期比12.6%減)となりました。
(ロ)病害防除剤
「兼商クプロシールド」、「モレスタン水和剤」が前年同四半期を大きく上回りましたが、「キノンドー水和剤」、「キノンドーフロアブル」などの「キノンドー剤」と「ストライド顆粒水和剤」「アフェットフロアブル」、「フルーツセイバー」が前年同四半期を下回ったため、病害防除剤全体で前年同四半期を下回りました。この結果、売上高は7億1千9百万円(前年同四半期比3千9百万円の減少、前年同四半期比5.2%減)となりました。
(ハ)土壌消毒剤
国内では「D-D」が前年同四半期を上回りましたが、「バスアミド微粒剤」、「ネマキック粒剤」が前年同四半期を下回りました。海外では「D-D」が欧州では減少したものの、モロッコ等で前年同四半期を上回りましたが、「バスアミド微粒剤」は前年同四半期を下回り、土壌消毒剤全体で前年同四半期を下回りました。この結果、売上高は57億3千5百万円(前年同四半期比4千7百万円の減少、前年同四半期比0.8%減)となりました。
(ニ)除草剤
「モゲトン粒剤」が前年同四半期を下回りましたが、「カソロン剤」、「アークエース1キロ粒剤」が前年同四半期を上回り、除草剤全体でも前年同四半期を上回りました。この結果、売上高は13億3千3百万円(前年同四半期比5千7百万円の増加、前年同四半期比4.5%増)となりました。
(ホ)その他
園芸用品、植調剤が前年同四半期を上回りましたが、展着剤が前年同四半期をやや下回り、その他全体で前年同四半期を若干下回りました。この結果、売上高は8億9千6百万円(前年同四半期比2百万円の減少、前年同四半期比0.3%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は280億9千2百万円(前連結会計年度比8億8千5百万円の減少、前連結会計年度比3.1%減)となりました。これは主に流動資産の内、売上債権が9億1千4百万円、たな卸資産が2億9千1百万円増加する一方、現金及び預金が14億8千9百万円減少したことで、流動資産が前連結会計年度比1億6千6百万円減少し、固定資産の内、無形固定資産がのれんの減損損失等で7億4千9百万円減少したことにより、固定資産が前連結会計年度比7億1千9百万円減少したことによるものであります。
(負債及び純資産)
当第3四半期連結会計期間末における負債は74億9百万円(前連結会計年度比1億9千8百万円の減少、前連結会計年度比2.6%減)となりました。これは主に流動負債の内、仕入債務が4億5千4百万円、未払法人税等が1億8千6百万円、賞与引当金が1億1千1百万円増加する一方、その他が6億3千6百万円減少したことにより、流動負債が前連結会計年度比1億1千6百万円増加したものの、固定負債の内、山口工場建設のための借入返済で、長期借入金2億9千2百万円が減少したことにより、固定負債が前連結会計年度比3億1千4百万円減少したことによるものです。また、純資産は206億8千2百万円となりました。その結果、自己資本比率は67.2%、1株当たり純資産額は1,523円98銭となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3億7千1百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。