有価証券報告書-第60期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、設備投資や雇用環境が堅調に推移したことから、全体としては穏やかな回復基調となりました。しかしながら、海外情勢において米国の保護主義政策推進等による経済摩擦の動向及び為替・金融市場の変動など、景気の下振れリスクが懸念される状況が続いております。
国内農業は、農業生産量の減少、農業生産者の高齢化および減少が進んでおり、依然として市場環境は厳しい状況にありますが、他方で、大規模生産者や農業法人が増加するなどの農業生産構造の変化が顕著に現れてきています。政府主導による「農業競争力強化」のプログラムが進んでいる一方で、TPP11、日EU経済連携協定(EPA)の発効、並びに、日米物品貿易協定の交渉の行方による国内農業への影響が懸念される状況となっています。国内農薬業界では、地震、豪雨、台風等の自然災害が次々と発生した年となりましたが、農薬工業会による2018農薬年度における農薬出荷金額は3,372億円とほぼ前年並みとなりました。2018年12月には農薬取締法の一部改正が施行され、今後一層、農薬の安全性の向上が期待されるようになりました。また、グローバル企業の再編が進展し、今後の国内外での農薬販売の構図も大きく変わるものと予想されます。
研究開発については、欧米各社のトレンドが特定の除草剤抵抗性や病害虫防御機能ならびに環境耐性を有する遺伝子組み換え作物の創出や生物農薬の開発に移ってきており、新規合成化学農薬の研究開発は日系メーカーが主流になってきています。
このような情勢の中で当社グループは、以下の活動をしてまいりました。
研究開発部門では、創薬のための研究開発を継続するために組織力の増強と研究レベルの向上をはかり、ポートフォリオの充実と海外市場での開発の拡大を図っております。
生産部門では、2018年11月1日に山口工場が竣工を迎え、本格稼働に向けて活動を開始しております。山口工場は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により操業停止になりました福島工場に代わる生産拠点であり、茨城工場・直江津工場と合せて、自社生産体制が大きく向上いたします。また、西日本の物流拠点としての機能を持ち、関東の所沢倉庫とあわせて、製品の供給体制が強化されました。
営業技術普及部門では、農業生産者への適切な技術情報の提供に加えて、開設5年目の土壌分析室を活用し、農業の根幹となる土づくりや土壌のセンチュウ対策や病害診断の支援活動を拡大しています。さらに、グローバルGAP認定取得支援ならびに地域の農業・栽培問題解決のための研究実践農場の運営などを開始し、地域農業や農業生産者への付加価値サービスの向上に努めております。
また、2018年12月に株式会社KANESHO CHPを設立し、Dow AgroSciences LLCが日本及び韓国で展開しているクロルピリホス剤の営業権を取得して、販売を開始しました。
以上の結果、当連結会計年度においては、主要剤である土壌消毒剤はもちろんのこと、害虫防除剤等が特に海外市場において順調に売上を伸ばし、またほぼ全ての製品の種類別の売上で前連結会計年度を上回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は154億1千1百万円(前連結会計年度比8億2千3百万円の増加、前連結会計年度比5.6%増)、営業利益は21億5千7百万円(前連結会計年度比6千万円の増加、前連結会計年度比2.9%増)、経常利益は21億6千1百万円(前連結会計年度比6千7百万円の増加、前連結会計年度比3.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億1百万円(前連結会計年度比6億2千万円の減少、前連結会計年度比32.3%減 )となりました。
当社グループは農薬の製造、販売事業の単一セグメントでありますが、製品の種類別の営業概況は次のとおりであります。
(イ)害虫防除剤
国内ではダニ剤「ペンタック水和剤」、「カネマイトフロアブル」が好調、また海外向け「カネマイトフロアブル」も北米向けが前連結会計年度を大きく上回り、害虫防除剤全体でも前連結会計年度を上回りました。また12月にDow AgroSciences LLCより営業権を譲受けたことにより、「ダーズバンDF」、「クロルピリホス原体」が売上に寄与しました。この結果、売上高は31億8千7百万円(前連結会計年度比4億6千2百万円の増加、前連結会計年度比17.0%増)となりました。
(ロ)病害防除剤
「キノンドー剤」、「兼商ストライド顆粒水和剤」が前連結会計年度を上回り、また当連結会計年度より販売が開始されました「兼商クプロシールド」が売上に貢献し、病害防除剤全体で前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は9億1千9百万円(前連結会計年度比7千2百万円の増加、前連結会計年度比8.5%増)となりました。
(ハ)土壌消毒剤
国内では「バスアミド微粒剤」、「ネマキック粒剤」が苦戦しましたが、海外向け「バスアミド微粒剤」の欧州、アジア向けが好調、「D-D」は国内、海外ともに順調で土壌消毒剤全体では前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は87億6百万円(前連結会計年度比2億4千1百万円の増加、前連結会計年度比2.9%増)となりました。
(ニ)除草剤
「アークエース1キロ粒剤」が前連結会計年度を上回りましたが、「カソロン粒剤」が前連結会計年度を下回り、除草剤全体で前連結会計年度を若干下回りました。この結果、売上高は15億2千3百万円(前連結会計年度比3百万円の減少、前連結会計年度比0.2%減)となりました。
(ホ)その他
家庭園芸関連が前連結会計年度を下回りましたが、展着剤、植調剤が前連結会計年度を上回り、その他全体で前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は10億7千3百万円(前連結会計年度比5千万円の増加、前連結会計年度比4.9%増)となりました。
生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。
(注)1 金額は正味販売価格により算出しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)及び当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当社グループ製品は見込生産を主体としており、総販売高に占める受注生産の割合は僅少のため受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
(イ)資産
当連結会計年度の総資産304億2千9百万円は、有形固定資産が主に山口工場を新設したことで38億8千5百万円増加したことにより、前連結会計年度の264億9千4百万円に比べ、39億3千4百万円の増加となりました。
(ロ)負債及び純資産
当連結会計年度の負債88億3百万円は、主に山口工場を新設するにあたり長期借入金が33億6千万円増加したことにより、前連結会計年度の52億8千5百万円に比べ、35億1千8百万円の増加となりました。
純資産は216億2千5百万円となり、前連結会計年度に比べ4億1千6百万円の増加となりました。その結果、自己資本比率は60.3%、1株当たり純資産額は1,451円23銭となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は121億3千2百万円(前連結会計年度比34億2千万円の減少、前連結会計年度比22.0%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は 4百万円(前連結会計年度は24億2千7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(22億2千万円)、減価償却費の計上(3億6千1百万円)、仕入債務の増加(4億7千2百万)による収入及び、法人税等の支払(12億3千3百万円)、売上債権の増加(6億6千4百万円)、たな卸資産の増加(9億4千5百万円)による支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は 57億5千6百万円(前連結会計年度は3億1千3百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得(40億3千8百万円)、無形固定資産の取得(18億2千万円)による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は 28億8千4百万円(前連結会計年度は6億5百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金(36億4千4百万円)による収入及び、長期借入金の返済(2億8千3百万円)、配当金の支払(2億7千9百万円)、非支配株主への配当金の支払額(1億8千3百万円)による支出によるものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、設備投資や雇用環境が堅調に推移したことから、全体としては穏やかな回復基調となりました。しかしながら、海外情勢において米国の保護主義政策推進等による経済摩擦の動向及び為替・金融市場の変動など、景気の下振れリスクが懸念される状況が続いております。
国内農業は、農業生産量の減少、農業生産者の高齢化および減少が進んでおり、依然として市場環境は厳しい状況にありますが、他方で、大規模生産者や農業法人が増加するなどの農業生産構造の変化が顕著に現れてきています。政府主導による「農業競争力強化」のプログラムが進んでいる一方で、TPP11、日EU経済連携協定(EPA)の発効、並びに、日米物品貿易協定の交渉の行方による国内農業への影響が懸念される状況となっています。国内農薬業界では、地震、豪雨、台風等の自然災害が次々と発生した年となりましたが、農薬工業会による2018農薬年度における農薬出荷金額は3,372億円とほぼ前年並みとなりました。2018年12月には農薬取締法の一部改正が施行され、今後一層、農薬の安全性の向上が期待されるようになりました。また、グローバル企業の再編が進展し、今後の国内外での農薬販売の構図も大きく変わるものと予想されます。
研究開発については、欧米各社のトレンドが特定の除草剤抵抗性や病害虫防御機能ならびに環境耐性を有する遺伝子組み換え作物の創出や生物農薬の開発に移ってきており、新規合成化学農薬の研究開発は日系メーカーが主流になってきています。
このような情勢の中で当社グループは、以下の活動をしてまいりました。
研究開発部門では、創薬のための研究開発を継続するために組織力の増強と研究レベルの向上をはかり、ポートフォリオの充実と海外市場での開発の拡大を図っております。
生産部門では、2018年11月1日に山口工場が竣工を迎え、本格稼働に向けて活動を開始しております。山口工場は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により操業停止になりました福島工場に代わる生産拠点であり、茨城工場・直江津工場と合せて、自社生産体制が大きく向上いたします。また、西日本の物流拠点としての機能を持ち、関東の所沢倉庫とあわせて、製品の供給体制が強化されました。
営業技術普及部門では、農業生産者への適切な技術情報の提供に加えて、開設5年目の土壌分析室を活用し、農業の根幹となる土づくりや土壌のセンチュウ対策や病害診断の支援活動を拡大しています。さらに、グローバルGAP認定取得支援ならびに地域の農業・栽培問題解決のための研究実践農場の運営などを開始し、地域農業や農業生産者への付加価値サービスの向上に努めております。
また、2018年12月に株式会社KANESHO CHPを設立し、Dow AgroSciences LLCが日本及び韓国で展開しているクロルピリホス剤の営業権を取得して、販売を開始しました。
以上の結果、当連結会計年度においては、主要剤である土壌消毒剤はもちろんのこと、害虫防除剤等が特に海外市場において順調に売上を伸ばし、またほぼ全ての製品の種類別の売上で前連結会計年度を上回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は154億1千1百万円(前連結会計年度比8億2千3百万円の増加、前連結会計年度比5.6%増)、営業利益は21億5千7百万円(前連結会計年度比6千万円の増加、前連結会計年度比2.9%増)、経常利益は21億6千1百万円(前連結会計年度比6千7百万円の増加、前連結会計年度比3.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億1百万円(前連結会計年度比6億2千万円の減少、前連結会計年度比32.3%減 )となりました。
当社グループは農薬の製造、販売事業の単一セグメントでありますが、製品の種類別の営業概況は次のとおりであります。
(イ)害虫防除剤
国内ではダニ剤「ペンタック水和剤」、「カネマイトフロアブル」が好調、また海外向け「カネマイトフロアブル」も北米向けが前連結会計年度を大きく上回り、害虫防除剤全体でも前連結会計年度を上回りました。また12月にDow AgroSciences LLCより営業権を譲受けたことにより、「ダーズバンDF」、「クロルピリホス原体」が売上に寄与しました。この結果、売上高は31億8千7百万円(前連結会計年度比4億6千2百万円の増加、前連結会計年度比17.0%増)となりました。
(ロ)病害防除剤
「キノンドー剤」、「兼商ストライド顆粒水和剤」が前連結会計年度を上回り、また当連結会計年度より販売が開始されました「兼商クプロシールド」が売上に貢献し、病害防除剤全体で前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は9億1千9百万円(前連結会計年度比7千2百万円の増加、前連結会計年度比8.5%増)となりました。
(ハ)土壌消毒剤
国内では「バスアミド微粒剤」、「ネマキック粒剤」が苦戦しましたが、海外向け「バスアミド微粒剤」の欧州、アジア向けが好調、「D-D」は国内、海外ともに順調で土壌消毒剤全体では前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は87億6百万円(前連結会計年度比2億4千1百万円の増加、前連結会計年度比2.9%増)となりました。
(ニ)除草剤
「アークエース1キロ粒剤」が前連結会計年度を上回りましたが、「カソロン粒剤」が前連結会計年度を下回り、除草剤全体で前連結会計年度を若干下回りました。この結果、売上高は15億2千3百万円(前連結会計年度比3百万円の減少、前連結会計年度比0.2%減)となりました。
(ホ)その他
家庭園芸関連が前連結会計年度を下回りましたが、展着剤、植調剤が前連結会計年度を上回り、その他全体で前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は10億7千3百万円(前連結会計年度比5千万円の増加、前連結会計年度比4.9%増)となりました。
生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。
| 区分 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 害虫防除剤 | 2,960,118 | △2.2 |
| 病害防除剤 | 1,044,950 | +20.7 |
| 土壌消毒剤 | 6,479,599 | +7.1 |
| 除草剤 | 1,581,902 | △10.5 |
| その他 | 1,088,375 | △18.7 |
| 合計 | 13,154,946 | +0.8 |
(注)1 金額は正味販売価格により算出しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)及び当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当社グループ製品は見込生産を主体としており、総販売高に占める受注生産の割合は僅少のため受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。
| 区分 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 害虫防除剤 | 3,187,780 | +17.0 |
| 病害防除剤 | 919,055 | +8.5 |
| 土壌消毒剤 | 8,706,858 | +2.9 |
| 除草剤 | 1,523,592 | △0.2 |
| その他 | 1,073,899 | +4.9 |
| 合計 | 15,411,185 | +5.6 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| カネコ種苗株式会社 | 2,220,635 | 15.2 | 2,293,034 | 14.9 |
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
(イ)資産
当連結会計年度の総資産304億2千9百万円は、有形固定資産が主に山口工場を新設したことで38億8千5百万円増加したことにより、前連結会計年度の264億9千4百万円に比べ、39億3千4百万円の増加となりました。
(ロ)負債及び純資産
当連結会計年度の負債88億3百万円は、主に山口工場を新設するにあたり長期借入金が33億6千万円増加したことにより、前連結会計年度の52億8千5百万円に比べ、35億1千8百万円の増加となりました。
純資産は216億2千5百万円となり、前連結会計年度に比べ4億1千6百万円の増加となりました。その結果、自己資本比率は60.3%、1株当たり純資産額は1,451円23銭となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は121億3千2百万円(前連結会計年度比34億2千万円の減少、前連結会計年度比22.0%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は 4百万円(前連結会計年度は24億2千7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(22億2千万円)、減価償却費の計上(3億6千1百万円)、仕入債務の増加(4億7千2百万)による収入及び、法人税等の支払(12億3千3百万円)、売上債権の増加(6億6千4百万円)、たな卸資産の増加(9億4千5百万円)による支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は 57億5千6百万円(前連結会計年度は3億1千3百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得(40億3千8百万円)、無形固定資産の取得(18億2千万円)による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は 28億8千4百万円(前連結会計年度は6億5百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金(36億4千4百万円)による収入及び、長期借入金の返済(2億8千3百万円)、配当金の支払(2億7千9百万円)、非支配株主への配当金の支払額(1億8千3百万円)による支出によるものであります。