有価証券報告書-第152期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/20 16:14
【資料】
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【項目】
139項目

事業等のリスク

業績等に影響を与える可能性のある重要な要因には、以下の事項があります。なお、業績に影響を与える要因はこれらに限定されるものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝人グループが判断したものです。
(1) 競合・市況変動にかかるもの
帝人グループは、外部環境の変化に左右されない企業体への転換を図っていますが、一部で市況製品を展開しており、景気動向、他社との競合に伴う市場価格の変動が事業業績に影響を及ぼす可能性があります。
特に、景気や他社との競合という観点からは、ポリエステル繊維、ポリエステルフィルム、ポリカーボネート樹脂といった汎用素材の分野では、販売量、売値及び原燃料調達価格に関し変動を受ける構造となっています。また、これらの事業は、製造原価に占める原燃料コストのウェイトが高いため、原油価格の動向により、損益に影響を受ける可能性があります。
また、帝人グループの素材事業は中間材料が多く、末端需要の拡大・縮小が各段階での在庫調整により実体経済以上に増減する可能性があります。
加えて、ヘルスケア事業は、公定価格水準の変動といった価格変動要因以外にも他社との競争はますます激化しており、売値下落のリスクがあります。
また、為替や金利の変動が、帝人グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 製品の品質にかかるもの
帝人グループでは、帝人㈱及び帝人ファーマ㈱等の主要な子会社に、他の部門から独立した専任の品質・信頼性保証部門を設置し、厳格な品質管理基準に基づき、事業活動全般における品質保証を確保する体制を敷いています。しかしながら、全ての製品・サービスにおいて、予期し得ない重大な品質問題が発生する可能性を排除することはできません。従って、そうした製品・サービスの欠陥が、業績、財務状況、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発にかかるもの
帝人グループでは、技術を核とした持続的成長を実現するための研究開発に、積極的に経営資源を投入しています。しかしながら、そうした研究開発の成果が目標から大きく乖離した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
特に医療用医薬品の開発には、多額の費用と長い期間がかかるうえ、創薬研究において、有用な化合物を発見できる可能性は決して高くありません。また、臨床試験の結果、予測していた有効性が証明できない、あるいは予測していない副作用が発現した等の理由で承認申請を断念しなければならない可能性があります。また、承認申請した後でも審査の過程で承認されない、また、市販後調査の結果、承認が取り消される可能性があります。
(4) 海外活動にかかるもの
帝人グループは、中国、タイ等の東南アジア、ドイツ・オランダ等の欧州、米国等海外で事業展開しており、これら海外での活動について為替変動に係るリスクのほか、次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は、帝人グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律・規制の施行、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
・経済変動、政変・テロ・戦争等による社会的混乱
(5) 事故・災害にかかるもの
帝人グループは、グループ共通の防災に関するガイドラインや事業継続計画(BCP)を整備し、防災診断、地震対策、火災予防等の未然防止対策や防災教育、防災訓練、防火設備強化等の拡大防止対策を積極的に推進するとともに、被害を受けた場合の速やかな復旧計画を策定しています。しかしながら、万一、大規模な自然災害や不慮の事故等により生産設備が損害を受けた場合や原材料の供給等サプライチェーンに大きな障害が生じた場合は、帝人グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 情報セキュリティにかかるもの
帝人グループでは、各種製品の研究・開発から製造・販売に至る様々な重要情報を保持しています。また、医療関係では対象患者の個人情報等も扱っています。重要情報や個人情報等を取り扱うにあたり、帝人グループではハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、災害、サイバー攻撃、不正アクセスその他不測の事態によりこれら情報等が外部へ流出し、ステークホルダーに対して予期しない被害や業績に対しても好ましくない影響を及ぼす可能性があります。