有価証券報告書-第65期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済情勢は、国内外ともに緩やかな回復傾向が持続し、個人消費についても緩慢ながら持ち直しの傾向が見られました。一方、サービス業や運輸業などの人手不足、原材料費の値上りなど懸念材料が顕在化するとともに、貿易摩擦や地政学的なリスクを抱えながら推移しました。
このような状況の中、当社グループが事業を展開する電子材料分野は、海外は低調な動きとなりましたが、国内は全体的には好調に推移しました。繊維分野におきましては、前期実績を下回りましたが、堅調な動きとなり、化粧品分野は国内外ともに好調、製紙印刷分野は市場が縮小傾向の中、現状を維持しました。その他工業用分野については、水溶性ポリエステル樹脂が前期実績を下回っておりますが、新規用途が増加しております。
その結果、当連結会計年度の売上高は7,603百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は739百万円(同8.6%減)、経常利益は858百万円(同5.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は750百万円(同20.7%増)の増収増益となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(反応系製品)
反応系製品の中で繊維関係は、国内市場で衣料向けのナイロン細番手織物が堅調であったことと、資材織物向けも好調に推移したことにより前期を上回ることが出来ました。しかし、海外市場では韓国向けの出荷が減少したことにより、全体として前期を若干下回る結果となりました。
製紙印刷関係は、長期的な市場縮小の中にある出版関係の減少や広告媒体の変化によるダイレクトメールの減少などがあるものの、高感度UVニスなどの環境対策関連製品の開発により全体として横ばいとなりました。
化粧品関係は、国内市場でヘアスタイリング剤の新規獲得があり、海外でも大手化粧品メーカーの売上拡大に連れて販売量を伸ばすことが出来ました。
その他工業用分野は、水溶性ポリエステル樹脂の新規用途開発により新規用途も増えつつあります。また既存の状況では、国内市場でテキスタイル用途、フィルム用途ともに前期を下回る状況となりましたが、海外市場では堅調に推移しております。メッキ関係は国内市場が基板関連で堅調に推移し、海外市場も印刷用途が好調に推移しました。転写用樹脂関係は、海外市場が好調に推移し、国内の建築リフォーム用途も堅調に推移しました。自動車用途は、国内外ともに好調に推移しました。それらによって前期を上回る結果となりました。
その結果、当セグメントの売上高は6,415百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益1,271百万円(同2.5%減)となりました。
(混合系製品)
レジストインク関係は、国内市場は引き続きアミューズメント関連が終始低調に推移しましたが、LED用途、自動車関連、スマートフォン向けは好調に推移しました。海外市場においては、中国の環境規制の影響でタッチパネル用途が低迷しました。LED用途はセットメーカーでの承認が得られ、順調に売上を伸ばすことが出来ました。また、スクリーン製版樹脂関連の国内市場は底打ち感があり販売を維持しましたが、海外市場は太陽電池関連で性能不足により販売が低迷しました。
その結果、当セグメントの売上高は1,187百万円(前年同期比3.1%増)、営業損失4百万円(前年同期は営業利益18百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から826百万円減少し、当連結会計年度末には1,831百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は1,020百万円(前年同期比1.1%減)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,046百万円(同22.3%増)に対し、法人税等の支払額199百万円(同33.2%減)及び投資有価証券売却益191百万円(前年同期は-)、売上債権の増加額160百万円(同減少額19百万円)があったものの、減価償却費277百万円(前年同期比11.4%減)及び仕入債務の増加額211百万円(前年同期は減少額1百万円)、賞与引当金の増加額42百万円(同増加額4百万円)があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は1,570百万円(前年同期比208.8%増)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入6,747百万円(同1.3%増)や投資有価証券の売却による収入505百万円(前年同期は-)があったものの、定期預金の預入による支出7,076百万円(前年同期比4.8%増)及び有形固定資産の取得による支出1,136百万円(同267.0%増)、投資有価証券の取得による支出608百万円(前年同期は支出102百万円)があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は263百万円(前年同期比33.9%増)となりました。これは主として、配当金の支払額261百万円(同33.5%増)によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 反応系製品(千円) | 6,296,219 | 102.1 |
| 混合系製品(千円) | 1,188,889 | 102.7 |
| 合計(千円) | 7,485,109 | 102.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 反応系製品(千円) | 6,415,944 | 102.3 |
| 混合系製品(千円) | 1,187,643 | 103.1 |
| 合計(千円) | 7,603,588 | 102.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末における総資産は16,968百万円と前連結会計年度末に比べ、709百万円増加しました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ339百万円減少し11,081百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が82百万円、電子記録債権が60百万円、繰延税金資産が24百万円とそれぞれ増加しましたが、現金及び預金が500百万円減少したこと等によるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ1,049百万円増加し5,886百万円となりました。これは、無形固定資産が11百万円減少しましたが、有形固定資産が679百万円、投資その他の資産が381百万円とそれぞれ増加したことによるものです。
流動負債は前連結会計年度末に比べ116百万円増加し1,965百万円となりました。これは、未払金が177百万円減少しましたが、電子記録債務が157百万円、未払法人税等が103百万円とそれぞれ増加したこと等によるものです。
固定負債は前連結会計年度末に比べ26百万円増加し578百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が17百万円増加したこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末に比べ566百万円増加し14,423百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が95百万円増加したことや、利益剰余金が489百万円増加したこと等によるものです。
2)経営成績
当連結会計年度の売上高は7,603百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は739百万円(同8.6%減)、経常利益は858百万円(同5.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は750百万円(同20.7%増)となりました。
営業利益が減少しておりますのは、売上原価が173百万円増加(同3.8%増)したことや販売費及び一般管理費が73百万円増加(同3.5%増)したことによるものです。経常利益が減少しておりますのは、営業外費用で支払補償費が31百万円発生(前年同期は-)したことや為替差損が8百万円発生(前年同期は為替差益が8百万円発生)したことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益が増加しておりますのは、法人税、住民税及び事業税が78百万円増加(前年同期比32.9%増)しましたが、特別利益で投資有価証券売却益が191百万円発生(前年同期は-)したことによるものです。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、飛躍の準備期間と位置付けた5年間の中期経営計画の4年目となりました。未達となりました2年目を終えた時点で原因を振り返り、人事評価制度の見直しや新たな目標管理制度の仕組み作りなど制度面の改革にも取り組みました。この改革はまだ始まったばかりであり、試行錯誤が続いておりますが、新たに策定した3年計画の初年度となりました当連結会計年度は、無事に販売計画を達成することが出来ました。
しかしながら、原材料費の上昇や海外市場における法令改正により影響を受け、その中でも中国における環境規制が厳しくなったことが多方面に影響いたしました。
製品の販売面では、河川・大気汚染規制強化による生産システムの変更から、タッチパネル用途のレジストインクの販売は減少しましたが、反面、LED照明用のレジストインクは増加することとなりました。また、原料調達面においては、環境規制により中国産原料の生産中止品目が増え、全般的な原材料費の上昇と相まって調達コスト高の要因にもなりました。その結果、当連結会計年度の売上高は7,603百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は739百万円(同8.6%減)、経常利益は858百万円(同5.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は750百万円(同20.7%増)となりました。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、運転資金、研究開発及び生産設備投資を自己資金にてまかなうこととしております。
キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、税金等調整前当期純利益1,046百万円に対し、法人税等の支払額199百万円、投資有価証券売却益191百万円、売上債権の増加額160百万円があったものの、減価償却費277百万円、仕入債務の増加額211百万円、賞与引当金の増加額42百万円などにより、営業活動から得られた資金は1,020百万円となりました。
なお、自己資本比率84.8%、流動比率563.7%、固定比率40.9%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な資金を確保することが可能と考えております。