有価証券報告書-第66期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済情勢は、国内経済は自然災害の影響も収束し緩やかに回復しているものの、サービス業や運輸業などの人手不足、原材料費の値上りなど懸念材料が顕在化し、また、世界経済は米国の保護主義政策が強まり、貿易摩擦などによる不透明感が増すとともに、中国の景気減速などの影響も拡大しました。
このような状況の中、当社グループが事業を展開する電子材料分野は、国内外ともに低調な動きとなり前期を下回る結果となりました。繊維分野は、海外市場の伸び悩みから、また製紙・印刷分野は、市場縮小傾向により前期を下回りましたが、化粧品分野は、国内外ともに好調に推移しました。その他工業用分野の水溶性ポリエステル樹脂は包装材料用途が堅調であったものの全体としては前期を下回る結果となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は7,150百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益は372百万円(同49.6%減)、経常利益は389百万円(同54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は218百万円(同70.9%減)の減収減益となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(反応系製品)
反応系製品の中で繊維関係は、国内市場では資材織物向けが低迷しましたが、衣料向けが堅調に推移したことで前期を上回る結果となりました。しかしながら、海外市場においてターゲットとする高級衣料分野が低調な動きとなり、全体として前期を下回る結果となりました。
製紙・印刷関係は、デジタル化の流れは止まらず広告媒体の変化や出版物の減少、さらにパッケージも減少し当社関連市場は全体的に低迷いたしました。特にダイレクトメール用圧着ニスは売上の低下が大きく、前期を大きく下回る結果となりました。
化粧品関係は、国内市場においてヘアセット分野は低調でしたが、洗浄剤分野で新規獲得により好調に推移し、また海外市場においてはヘアセット分野で海外企業が好調に推移したことで前期を上回る結果となりました。
その他工業用分野は、水溶性ポリエステル樹脂では、主要分野であるフィルム用途が回復傾向にあるものの低調な結果となり、繊維用途は堅調に推移したところもありましたがコストダウンによる使用量の低下があり、低調な結果となりました。海外市場は包装材料用途において堅調に推移しましたが、韓国市場の低下が大きく影響しほぼ横ばいで、全体としては前期をやや下回る結果となりました。転写用樹脂関係は国内外ともに販売が振るわず前期を大きく下回る結果となりました。自動車関連は、国内市場は堅調も、海外市場はEV化の影響を受け低調に推移しました。メッキ関連は国内市場は印刷機材用途が好調に推移しましたが、海外市場については中国政府の環境規制の影響を受け低迷しました。
その結果、当セグメントの売上高は6,109百万円(前年同期比4.8%減)、営業利益930百万円(同26.8%減)となりました。
(混合系製品)
電子材料関連はアミューズメント業界の回復ならず低調、LED照明も国内外ともに在庫調整により低迷しました。またスマートフォン関連は高機能タイプの販売が低迷し、国内外ともに低調に推移しました。
中国政府の環境規制の影響で中国PCB工場の閉鎖が相次ぎ、その影響によりレジストインクが低調に推移しました。またタッチパネル業界へも環境規制の影響は続き低迷しました。スクリーン製版樹脂関連の国内市場は底打ち感の中で販売は維持も、海外市場では太陽電池関連が低調な結果となりました。
その結果、当セグメントの売上高は1,040百万円(前年同期比12.4%減)、営業損失46百万円(前年同期は損失4百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から583百万円減少し、当連結会計年度末には1,247百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は127百万円(前年同期比87.5%減)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益352百万円(同66.3%減)に対し、減価償却費386百万円(同39.4%増)及び売上債権の減少額142百万円(前年同期は増加額160百万円)があったものの、たな卸資産の増加額196百万円(同減少額4百万円)及び仕入債務の減少額98百万円(同増加額211百万円)、未払消費税等の減少額89百万円(前年同期比113.9%増)、法人税等の支払額348百万円(同75.0%増)があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は158百万円(前年同期比89.9%減)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入5,874百万円(同12.9%減)などがあったものの、定期預金の預入による支出5,080百万円(同28.2%減)及び有形固定資産の取得による支出629百万円(同44.6%減)、投資有価証券の取得による支出309百万円(同49.1%減)があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は553百万円(前年同期比110.5%増)となりました。これは主として、自己株式の取得による支出291百万円(前年同期は0百万円)、配当金の支払額261百万円(前年同期比0.0%増)等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 反応系製品(千円) | 6,236,655 | 99.1 |
| 混合系製品(千円) | 1,008,851 | 84.9 |
| 合計(千円) | 7,245,506 | 96.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 反応系製品(千円) | 6,109,904 | 95.2 |
| 混合系製品(千円) | 1,040,122 | 87.6 |
| 合計(千円) | 7,150,027 | 94.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べ868百万円減少し10,107百万円となりました。これは、電子記録債権が60百万円、有価証券が300百万円、商品及び製品が154百万円、その他に含まれております未収法人税等が71百万円、同じくその他に含まれております未収消費税等が87百万円とそれぞれ増加しましたが、現金及び預金が1,378百万円、受取手形及び売掛金が208百万円とそれぞれ減少したこと等によるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ100百万円増加し6,092百万円となりました。これは、投資その他の資産が109百万円減少しましたが、有形固定資産が208百万円増加したこと等によるものです。
この結果、総資産は16,200百万円と前連結会計年度末に比べ、767百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べ312百万円減少し1,653百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が105百万円、未払法人税等が201百万円とそれぞれ減少したこと等によるものです。
固定負債は前連結会計年度末に比べ30百万円減少し547百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が8百万円増加しましたが、役員退職慰労引当金が39百万円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は2,200百万円と前連結会計年度末に比べ、343百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比べ424百万円減少し13,999百万円となりました。これは、自己株式が291百万円増加していることや、その他有価証券評価差額金が73百万円、為替換算調整勘定が15百万円とそれぞれ減少したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は86.2%(前連結会計年度は84.8%)となりました。
2)経営成績
当連結会計年度の売上高は7,150百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益は372百万円(同49.6%減)、経常利益は389百万円(同54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は218百万円(同70.9%減)となりました。
営業利益が減少しておりますのは、売上高が453百万円減少(同6.0%減)したことによるものです。経常利益が減少しておりますのは、営業外収益でロイヤリティが126百万円減少(同99.1%減)したことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益が減少しておりますのは、法人税、住民税及び事業税が230百万円減少(同72.7%減)しましたが、特別利益で前連結会計年度には投資有価証券売却益191百万円があったことによるものです。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、前連結会計年度に策定しました3年計画の2年目となりましたが、販売計画を達成した前連結会計年度から一転、大幅な販売計画比マイナスでの推移となりました。国内経済は緩やかに回復しているものの、世界経済は米国の保護主義政策が強まり、また中国における環境規制の強化・景気減速などの影響も大きく、当社の高機能性化学製品が使用される電子産業、繊維、製紙・印刷関連、その他工業用などの各分野において総じて低調な動きとなりました。このように販売が伸び悩む中で、設備投資に加え、化学物質の環境対応や特許関連の投資など必要かつ未来を見据えた各投資を計画的に行った結果、利益面でも従来と比較して低調な結果となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は7,150百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益は372百万円(同49.6%減)、経常利益は389百万円(同54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は218百万円(同70.9%減)となりました。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、運転資金、研究開発及び生産設備投資を自己資金にてまかなうこととしております。
キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、税金等調整前当期純利益352百万円に対し、法人税等の支払額348百万円、たな卸資産の増加額196百万円があったものの、減価償却費386百万円、売上債権の減少額142百万円などにより、営業活動から得られた資金は127百万円となりました。
なお、自己資本比率86.2%、流動比率611.3%、固定比率43.6%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な資金を確保することが可能と考えております。