有価証券報告書-第196期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 15:32
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【項目】
130項目

研究開発活動

当社グループは、自社研究、技術導入、ベンチャーやアカデミアとの共同研究等あらゆる方法で、最先端の技術を取り入れて、研究開発活動に取り組んでおり、精神神経領域とがん領域を研究重点領域とし、革新的な医薬品の創製を目指しております。さらに、治療薬のない疾患分野や再生医療・細胞医薬といった新規分野において、世界に先駆けて事業展開を図ってまいります。
研究初期段階では、ゲノミクス、プロテオミクス、メタボロミクス等に関する自社保有の先端技術等の活用により、研究効率の向上に取り組むとともに、iPS細胞等の最先端サイエンスを創薬や再生医療・細胞医薬に応用する取組を進めております。また、京都大学iPS細胞研究所と難治性希少疾患の治療薬の創製を目指した共同研究を推進中であり、産官学連携プロジェクトである「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」にも積極的に参加しております。
研究後期および開発段階では、研究重点領域および新規分野を中心に他の領域も含めて、グローバルな視点からグループ全体でのポートフォリオの最適化を行っております。加えて、製品価値の最大化を目指した剤形展開等の製品ライフサイクルマネジメントにも積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度における主な開発の進捗状況は、次のとおりであります。
(1) 精神神経領域
①「アプティオム」
米国において、部分てんかん発作の単剤療法を適応とした追加承認を昨年8月に取得いたしました。
② ルラシドン塩酸塩
日本において、統合失調症を対象とした新規第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。また、中国において、統合失調症を対象とした承認申請を昨年12月に行いました。
③ dasotraline(開発コード:SEP-225289)
米国において、注意欠如・多動症(ADHD)を対象とした第Ⅲ相臨床試験を進めておりますが、これに加えて、過食性障害(BED)を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。
(2) がん領域
① napabucasin
米国等において、胃または食道胃接合部腺がんを対象とした併用での国際共同第Ⅲ相臨床試験を進めておりますが、これに加えて、米国において、結腸直腸がんを対象とした併用での国際共同第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。また、日本において、悪性胸膜中皮腫を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の第Ⅱ相段階を開始いたしました。
② amcasertib(開発コード:BBI503)
米国において、卵巣がんを対象とした第Ⅱ相臨床試験を開始いたしました。
③ DSP-7888
日本において、骨髄異形成症候群(MDS)を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の第Ⅱ相段階を開始いたしました。
(3) 再生医療・細胞医薬
① 再生医療
当社と株式会社ヘリオスとの合弁会社である株式会社サイレジェンが、商用を視野に入れた網膜色素上皮細胞の製法検討を開始いたしました。また、当社において、新規細胞生産設備の設置に向けた準備を進めております。
② 細胞医薬
米国において、サンバイオ社と共同でSB623について慢性期脳梗塞を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を開始いたしました。
当社グループは、開発品の導入および研究提携にも積極的に取り組んでおります。当連結会計年度においては、国内の研究機関および研究者を対象に、当社の創薬研究ニーズと合致するアイデアを募集する公募型オープンイノベーション活動「PRISM」を開始いたしました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は820億33百万円であります。
なお、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分しておりません。
当社グループにおける開発状況は以下のとおりであります。
(平成28年5月11日現在)
開発段階製品/コード名
剤形
一般名予定適応症国/地域
申請中ブロナンセリン
経口剤
ブロナンセリン統合失調症中国
アプティオム
経口剤
eslicarbazepine acetate(新効能)てんかん(単剤)カナダ
SM-13496
経口剤
ルラシドン塩酸塩統合失調症中国
第Ⅲ相SM-13496
経口剤
ルラシドン塩酸塩統合失調症日本
双極Ⅰ型障害うつ
双極性障害メンテナンス
BBI608
経口剤
napabucasin結腸直腸がん(単剤) (注)1米国・
カナダ・
日本等
胃または食道胃接合部腺がん
(併用)
米国・
カナダ・
日本等
結腸直腸がん(併用)米国
SEP-225289
経口剤
dasotraline成人注意欠如・多動症(ADHD)米国
SUN-101
吸入剤
グリコピロニウム臭化物慢性閉塞性肺疾患(COPD)米国
ロナセン
経口剤
ブロナンセリン(小児用量)統合失調症日本
ロナセン
経皮吸収型製剤
(新剤形:経皮吸収型製剤)統合失調症
トレリーフ
経口剤
ゾニサミド(新効能)レビー小体型認知症(DLB)に伴うパーキンソニズム日本
第Ⅱ/Ⅲ相EPI-743
経口剤
バチキノンリー脳症 (注)2日本
SEP-225289
経口剤
dasotraline小児注意欠如・多動症(ADHD)米国
過食性障害(BED)
第Ⅱ相BBI608
経口剤
napabucasin結腸直腸がん(併用)米国・
カナダ
DSP-1747
経口剤
obeticholic acid非アルコール性脂肪肝炎(NASH)日本
DSP-6952
経口剤
未定便秘型IBS、慢性便秘日本
BBI503
経口剤
amcasertib腎細胞がん、尿路上皮がん(単剤)カナダ
肝細胞がん、胆管がん(単剤)
消化管間質腫瘍(単剤)
卵巣がん(単剤)米国

(注) 1 平成26年5月に新規患者登録および登録済みの患者への投与を中止
2 第Ⅱ/Ⅲ相試験終了、今後の開発方針について検討中
開発段階製品/コード名
剤形
一般名予定適応症国/地域
第Ⅱ相SB623
注射剤
未定慢性期脳梗塞米国
EPI-589
経口剤
未定パーキンソン病米国
筋萎縮性側索硬化症(ALS)米国
第Ⅰ/Ⅱ相BBI608
経口剤
napabucasin固形がん(併用)米国・
カナダ
悪性胸膜中皮腫(併用)日本
肝細胞がん(併用)米国
膠芽腫(併用)カナダ
固形がん(併用)米国
BBI503
経口剤
amcasertib固形がん(単剤)米国・
カナダ
肝細胞がん(併用)米国
固形がん(併用)米国・
カナダ
DSP-7888
注射剤
未定骨髄異形成症候群日本
小児悪性神経膠腫
WT4869
注射剤
未定骨髄異形成症候群日本
第Ⅰ相WT4869
注射剤
未定固形がん日本
WT2725
注射剤
未定固形がん、血液がん米国
固形がん日本
DSP-2230
経口剤
未定神経障害性疼痛英国・米国日本
SEP-363856
経口剤
未定統合失調症米国
BBI608
経口剤
napabucasin消化器がん(併用)米国・
カナダ
膵がん(併用)米国
血液がん(単剤・併用)
肝細胞がん(併用)日本
結腸直腸がん(併用)
DSP-3748
経口剤
未定統合失調症に伴う認知機能障害米国
BBI503
経口剤
amcasertib固形がん(単剤)、肝細胞がん(併用)日本
BBI608+BBI503
経口剤
固形がん(併用)米国
DSP-7888
注射剤
未定固形がん、血液がん米国
DSP-1200
経口剤
未定治療抵抗性うつ米国