有価証券報告書-第69期(2025/03/01-2026/02/28)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2025年3月1日~2026年2月28日)におけるわが国の経済は、回復基調にあるものの、インフレによる実質賃金の伸び悩みで個人消費が力強さを欠き、緩やかなものに留まっております。海外各国は、欧米ではインフレ減速と金融政策の緩和を背景に緩やかな成長基調にあるのに対し、中国経済は引き続き不動産不況を背景に内需が低迷して成長に減速が見られるなど、地域間で差が見られます。また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中国との関係悪化、中南米や中東の情勢緊迫化など地政学的リスクは高まり、米国の通商政策を始めとした各国の政策リスクも上昇しております。加えて、資源・エネルギー価格の上昇・変動やインフレ、金利・為替・株式相場の変動などが、経済活動に影響を及ぼすと共に先行き不透明感を高めております。
化粧品業界におきましては、国内では、新型コロナウイルス(COVID-19)禍明けのメイクアップ製品を中心とした新製品受注の波は前連結会計年度下期に沈静化しましたが、緩やかな需要の回復・改善傾向が続いております。海外においても、化粧品需要は緩やかながら改善の傾向にあるものと思われます。
当社グループにおきましては、国内では前連結会計年度の下期に新製品の受注の波が沈静化した水準から堅調に推移、生産設備の稼働も持ち直しつつありますが、欧州では医薬品・化粧品共に受注は軟調に推移しております。また、特に国内での採用難による工数不足をまかなうための外注加工費の上昇や、原材料費や各種経費等もインフレで上昇していることから、各種コストの圧縮努力を継続し、収益性の維持・改善に取り組んでおります。
今後も、化粧品需要の緩やかな回復・成長基調は継続していくと思われますが、足元は中東情勢緊迫化のような地政学的リスクが顕在化し、エネルギー価格を含めた全般的なインフレ、採用難や人件費上昇、金利や為替の変動等も継続しており、経済全般の先行き不透明感は高まっております。そのような経営環境下、先行きを慎重に見極めながら、黒字の維持・継続と成長に向けて「中期事業戦略ビジョン(2022-2026)」の諸施策を着実に実行してまいります。お客様の新製品ニーズに対応した処方のご提供や生産対応などの要請に応え、中長期的には化粧品のクリーン・ビューティー、SDGs等への対応といった当社の強みを更に強化するなど、変化し続ける環境で強みを活かして業績の改善を図るべく更なる努力を重ねてまいります。
以上の結果、当連結会計年度における財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高16,643百万円(前連結会計年度比5.6%減)、営業利益180百万円(前連結会計年度比63.2%減)、経常利益151百万円(前連結会計年度比58.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益335百万円(前連結会計年度比55.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本は、売上高11,789百万円(前連結会計年度比5.2%減)、営業利益281百万円(前連結会計年度比49.3%減)となりました。
(仏国)
仏国は、売上高5,043百万円(前連結会計年度比4.2%減)、営業損失82百万円(前連結会計年度は営業損失73百万円)となりました。
b.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ677百万円増加し、17,566百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ237百万円増加し、13,322百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ439百万円増加し、4,244百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,080百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、140百万円(前連結会計年度は567百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は、118百万円(前連結会計年度は1,111百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、179百万円(前連結会計年度は95百万円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、仏国の受注実績に著しい変動がありました。これは、主として医薬品事業における既存顧客からの受注が増加したこと等によるものです。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析等
1)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、国内における前連結会計年度の新型コロナウイルス禍明けの新製品の受注の波や大口受注の沈静化に加え、フランス連結子会社における医薬品・化粧品受注の伸び悩みもあって、前連結会計年度より989百万円(5.6%)減少して16,643百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、国内・海外共に売上高が減収となる中で、国内では引き続きつくば工場第3期拡張等により諸費用が高止まり、加えて原材料費や人件費、各種経費等がインフレで上昇しましたが、各種コスト圧縮努力もあって、前連結会計年度より8百万円(0.4%)増加して2,201百万円となりました。売上高に対する比率は、前連結会計年度より0.8ポイント上回って13.2%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費や各種経費がインフレで上昇したこともあって、前連結会計年度より317百万円(18.7%)増加して2,021百万円となりました。売上高に対する比率は、前連結会計年度より2.5ポイント上回って12.1%となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度より309百万円(63.2%)減少して180百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、為替差益65百万円等の計上もあって前連結会計年度より65百万円(97.1%)増加して132百万円、営業外費用は支払利息160百万円の計上により前連結会計年度より28百万円(15.2%)減少した160百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度より215百万円(58.6%)減少して151百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益284百万円や法人税、住民税及び事業税125百万円もあって、前連結会計年度より119百万円(55.1%)改善して335百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より58円79銭増加して162円00銭となりました。
2)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、7,965百万円(前連結会計年度末は6,734百万円)となり、前連結会計年度末に比べ1,230百万円増加いたしました。これは主に、期末に向けて堅調に推移した受注に伴う売上債権や棚卸資産の増加等によるものですが、科目別では受取手形及び売掛金が471百万円、原材料及び貯蔵品が251百万円、仕掛品が182百万円、現金及び預金が144百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、9,601百万円(前連結会計年度末は10,154百万円)となり、前連結会計年度末に比べ553百万円減少いたしました。これは主に、不動産売却により土地が586百万円、減価償却により建物及び構築物が154百万円減少し、建設仮勘定が205百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、8,476百万円(前連結会計年度末は6,245百万円)となり、前連結会計年度末に比べ2,231百万円増加いたしました。これは主に、売上債権や棚卸資産が増加した一方で中小受託取引適正化法施行に伴い買入債務が一時的に減少したことを反映したもので、科目別では短期借入金が2,169百万円、流動負債のその他が344百万円増加し、電子記録債務が243百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,845百万円(前連結会計年度末は6,840百万円)となり、前連結会計年度末に比べ1,994百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の返済により長期借入金が1,953百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、4,244百万円(前連結会計年度末は3,804百万円)となり、前連結会計年度末に比べ439百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が293百万円、その他の包括利益累計額が、為替換算調整勘定の増加もあって214百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は24.2%(前連結会計年度末は22.5%)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。これらのリスクの回避に努めるとともに発生した場合の対応に万全を期してまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは資本政策として、資本効率(自己資本利益率:ROE)の維持・改善(当面の目標:8%以上を維持、10%以上を目指す)と資本コストの抑制を通じて、持続的成長と企業価値向上を目指しております。
それに加え、新型コロナウイルスまん延による業績悪化の影響で財務安定性が低下、インフレの影響で収益性も低下している状況におきまして、売上高営業利益率及び自己資本比率の向上を当面の重要な経営課題・指標としております。
当連結会計年度の自己資本利益率は、前記のとおり親会社株主に帰属する当期純利益が増益となっていることから、前連結会計年度より2.4ポイント改善して8.3%となりました。
また、当連結会計年度の売上高営業利益率は、国内では受注の波の沈静化で稼働が低下する中で各種コストがインフレで上昇、フランス連結子会社における業績低迷もあり、前連結会計年度より1.7ポイント低下して1.1%となりました。自己資本比率は、前連結会計年度に続いて利益を計上したこともあり、前連結会計年度より1.6ポイント改善して24.2%となりました。
連結売上高は、「中期事業戦略ビジョン(2022-2026)」において、最終年度である2026年度の目標連結売上高として200億円レベルを掲げております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における所在地別セグメントの業績の概況は、次のとおりです。
(日本)
前連結会計年度の新型コロナウイルス禍明けの国内・海外化粧品メーカー各社からの新製品の受注の波や大口受注が沈静化したことから、足元は堅調に推移しているものの、売上高は前期比5.2%減の11,789百万円となりました。利益面では、引き続きつくば工場第3期拡張等による諸費用が高止まり、加えて原材料費や人件費、各種経費等もインフレで上昇している中で、受注水準低下に伴い生産設備の稼働も低下、各種コスト圧縮努力を継続しましたが、営業利益は前期比49.3%減の281百万円となりました。セグメント資産は、足元は受注が堅調に推移、売上債権や棚卸資産が増加したこと等もあり、前期比2.8%増の13,336百万円となりました。
(仏国)
子会社テプニエ社と日本色材フランス社の所在する欧州は、当連結会計年度(1~12月)において、景気は緩やかな回復基調にありますが医薬品及び化粧品の受注は低迷し、売上高はユーロ建て・円換算後共に減収、前期比4.2%減の5,043百万円となりました。利益面では、減収と人件費や諸物価の高騰に加えて、テプニエ社の一部新規設備稼働の遅れや日本色材フランス社の稼働低迷もあり、82百万円の営業損失(前連結会計年度は73百万円の営業損失)となりました。セグメント資産は、円安効果や設備投資による有形固定資産の増加等もあって、前期比15.9%増の5,955百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、140百万円(前連結会計年度は567百万円の増加)となりました。これは主に、減価償却費935百万円、税金等調整前当期純利益429百万円等による増加と、棚卸資産の増加額430百万円、売上債権の増加額344百万円、仕入債務の減少額205百万円、固定資産売却益284百万円等による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は、118百万円(前連結会計年度は1,111百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入872百万円による増加と、有形固定資産の取得による支出698百万円等による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、179百万円(前連結会計年度は95百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,522百万円と長期借入金の返済による支出2,761百万円、短期借入金の純増加額1,260百万円等によるものであります。
(現金及び現金同等物の期末残高)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、上記の要因により、1,080百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円増加いたしました。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要の主なものは、当社グループ製品の製造のための原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等によるものであります。また、設備資金需要としては経常的な機械設備等の買い換え取得や、増産に向けた機械設備の購入等によるものであります。
2)資金調達
当社グループは、メイン銀行をはじめ取引金融機関と円滑な取引関係を維持しつつ、健全な財務体質の維持に注力しております。経常的な設備等の買い換え取得や運転資金については、内部資金を活用すると共に金融機関からの短期借入金及び長期借入金により資金調達を実施しております。特に、大口の設備資金需要に関しては長期の安定資金を金融機関から調達しております。
3)財務政策
当社グループは資本政策として、資本効率(自己資本利益率:ROE)の維持・改善(当面の目標:8%以上を維持、10%以上を目指す)と資本コストの抑制を通じて、持続的成長と企業価値向上を目指しておりますが、自己資本利益率(ROE)の構成要素である財務レバレッジ(総資産/自己資本:自己資本比率の逆数)を財務政策の中で重視しております。
財務レバレッジの上昇はROE向上に貢献しますが、一方で過度に高いレバレッジ(低い自己資本比率)は財務安定性を下げ、安定的な資金調達と事業の継続に悪影響を及ぼすため、ROEの維持・向上と財務安定性の維持の双方を勘案して、財務レバレッジ/自己資本比率の水準を調整していくことを目指しております。
足元では、新型コロナウイルス禍による業績悪化によって自己資本比率が低位に留まるため、業績の回復による内部留保の蓄積等によって、自己資本を回復させることを重点課題としており、自己資本比率を当面の重要な経営指標の一つとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には、決算日における資産・負債の報告金額および偶発的資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積りおよび仮定が必要となりますが、この判断および見積りには決算日までに入手可能なすべての情報と過去の実績を勘案して、合理的な根拠に基づいて継続的に評価しております。
従って、連結財務諸表作成時点で実施した見積りおよび将来の予測が、予測不可能な事象の発生によって実際の結果が著しく異なることも考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2025年3月1日~2026年2月28日)におけるわが国の経済は、回復基調にあるものの、インフレによる実質賃金の伸び悩みで個人消費が力強さを欠き、緩やかなものに留まっております。海外各国は、欧米ではインフレ減速と金融政策の緩和を背景に緩やかな成長基調にあるのに対し、中国経済は引き続き不動産不況を背景に内需が低迷して成長に減速が見られるなど、地域間で差が見られます。また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中国との関係悪化、中南米や中東の情勢緊迫化など地政学的リスクは高まり、米国の通商政策を始めとした各国の政策リスクも上昇しております。加えて、資源・エネルギー価格の上昇・変動やインフレ、金利・為替・株式相場の変動などが、経済活動に影響を及ぼすと共に先行き不透明感を高めております。
化粧品業界におきましては、国内では、新型コロナウイルス(COVID-19)禍明けのメイクアップ製品を中心とした新製品受注の波は前連結会計年度下期に沈静化しましたが、緩やかな需要の回復・改善傾向が続いております。海外においても、化粧品需要は緩やかながら改善の傾向にあるものと思われます。
当社グループにおきましては、国内では前連結会計年度の下期に新製品の受注の波が沈静化した水準から堅調に推移、生産設備の稼働も持ち直しつつありますが、欧州では医薬品・化粧品共に受注は軟調に推移しております。また、特に国内での採用難による工数不足をまかなうための外注加工費の上昇や、原材料費や各種経費等もインフレで上昇していることから、各種コストの圧縮努力を継続し、収益性の維持・改善に取り組んでおります。
今後も、化粧品需要の緩やかな回復・成長基調は継続していくと思われますが、足元は中東情勢緊迫化のような地政学的リスクが顕在化し、エネルギー価格を含めた全般的なインフレ、採用難や人件費上昇、金利や為替の変動等も継続しており、経済全般の先行き不透明感は高まっております。そのような経営環境下、先行きを慎重に見極めながら、黒字の維持・継続と成長に向けて「中期事業戦略ビジョン(2022-2026)」の諸施策を着実に実行してまいります。お客様の新製品ニーズに対応した処方のご提供や生産対応などの要請に応え、中長期的には化粧品のクリーン・ビューティー、SDGs等への対応といった当社の強みを更に強化するなど、変化し続ける環境で強みを活かして業績の改善を図るべく更なる努力を重ねてまいります。
以上の結果、当連結会計年度における財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高16,643百万円(前連結会計年度比5.6%減)、営業利益180百万円(前連結会計年度比63.2%減)、経常利益151百万円(前連結会計年度比58.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益335百万円(前連結会計年度比55.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本は、売上高11,789百万円(前連結会計年度比5.2%減)、営業利益281百万円(前連結会計年度比49.3%減)となりました。
(仏国)
仏国は、売上高5,043百万円(前連結会計年度比4.2%減)、営業損失82百万円(前連結会計年度は営業損失73百万円)となりました。
b.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ677百万円増加し、17,566百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ237百万円増加し、13,322百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ439百万円増加し、4,244百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,080百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、140百万円(前連結会計年度は567百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は、118百万円(前連結会計年度は1,111百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、179百万円(前連結会計年度は95百万円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 11,639,840 | 95.1 |
| 仏国(千円) | 5,064,111 | 98.1 |
| 合計(千円) | 16,703,952 | 96.0 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 11,624,974 | 106.5 | 4,789,073 | 100.3 |
| 仏国 | 5,889,731 | 124.6 | 2,732,235 | 150.3 |
| 合計 | 17,514,705 | 111.9 | 7,521,309 | 114.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、仏国の受注実績に著しい変動がありました。これは、主として医薬品事業における既存顧客からの受注が増加したこと等によるものです。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 11,609,868 | 93.9 |
| 仏国(千円) | 5,033,159 | 95.7 |
| 合計(千円) | 16,643,028 | 94.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱井田ラボラトリーズ | 1,842,704 | 10.5 | 2,012,156 | 12.1 |
| Parfums Christian Dior SA | 1,902,746 | 10.8 | 1,777,775 | 10.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析等
1)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、国内における前連結会計年度の新型コロナウイルス禍明けの新製品の受注の波や大口受注の沈静化に加え、フランス連結子会社における医薬品・化粧品受注の伸び悩みもあって、前連結会計年度より989百万円(5.6%)減少して16,643百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、国内・海外共に売上高が減収となる中で、国内では引き続きつくば工場第3期拡張等により諸費用が高止まり、加えて原材料費や人件費、各種経費等がインフレで上昇しましたが、各種コスト圧縮努力もあって、前連結会計年度より8百万円(0.4%)増加して2,201百万円となりました。売上高に対する比率は、前連結会計年度より0.8ポイント上回って13.2%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費や各種経費がインフレで上昇したこともあって、前連結会計年度より317百万円(18.7%)増加して2,021百万円となりました。売上高に対する比率は、前連結会計年度より2.5ポイント上回って12.1%となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度より309百万円(63.2%)減少して180百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、為替差益65百万円等の計上もあって前連結会計年度より65百万円(97.1%)増加して132百万円、営業外費用は支払利息160百万円の計上により前連結会計年度より28百万円(15.2%)減少した160百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度より215百万円(58.6%)減少して151百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益284百万円や法人税、住民税及び事業税125百万円もあって、前連結会計年度より119百万円(55.1%)改善して335百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より58円79銭増加して162円00銭となりました。
2)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、7,965百万円(前連結会計年度末は6,734百万円)となり、前連結会計年度末に比べ1,230百万円増加いたしました。これは主に、期末に向けて堅調に推移した受注に伴う売上債権や棚卸資産の増加等によるものですが、科目別では受取手形及び売掛金が471百万円、原材料及び貯蔵品が251百万円、仕掛品が182百万円、現金及び預金が144百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、9,601百万円(前連結会計年度末は10,154百万円)となり、前連結会計年度末に比べ553百万円減少いたしました。これは主に、不動産売却により土地が586百万円、減価償却により建物及び構築物が154百万円減少し、建設仮勘定が205百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、8,476百万円(前連結会計年度末は6,245百万円)となり、前連結会計年度末に比べ2,231百万円増加いたしました。これは主に、売上債権や棚卸資産が増加した一方で中小受託取引適正化法施行に伴い買入債務が一時的に減少したことを反映したもので、科目別では短期借入金が2,169百万円、流動負債のその他が344百万円増加し、電子記録債務が243百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,845百万円(前連結会計年度末は6,840百万円)となり、前連結会計年度末に比べ1,994百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の返済により長期借入金が1,953百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、4,244百万円(前連結会計年度末は3,804百万円)となり、前連結会計年度末に比べ439百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が293百万円、その他の包括利益累計額が、為替換算調整勘定の増加もあって214百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は24.2%(前連結会計年度末は22.5%)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。これらのリスクの回避に努めるとともに発生した場合の対応に万全を期してまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは資本政策として、資本効率(自己資本利益率:ROE)の維持・改善(当面の目標:8%以上を維持、10%以上を目指す)と資本コストの抑制を通じて、持続的成長と企業価値向上を目指しております。
それに加え、新型コロナウイルスまん延による業績悪化の影響で財務安定性が低下、インフレの影響で収益性も低下している状況におきまして、売上高営業利益率及び自己資本比率の向上を当面の重要な経営課題・指標としております。
当連結会計年度の自己資本利益率は、前記のとおり親会社株主に帰属する当期純利益が増益となっていることから、前連結会計年度より2.4ポイント改善して8.3%となりました。
また、当連結会計年度の売上高営業利益率は、国内では受注の波の沈静化で稼働が低下する中で各種コストがインフレで上昇、フランス連結子会社における業績低迷もあり、前連結会計年度より1.7ポイント低下して1.1%となりました。自己資本比率は、前連結会計年度に続いて利益を計上したこともあり、前連結会計年度より1.6ポイント改善して24.2%となりました。
連結売上高は、「中期事業戦略ビジョン(2022-2026)」において、最終年度である2026年度の目標連結売上高として200億円レベルを掲げております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における所在地別セグメントの業績の概況は、次のとおりです。
(日本)
前連結会計年度の新型コロナウイルス禍明けの国内・海外化粧品メーカー各社からの新製品の受注の波や大口受注が沈静化したことから、足元は堅調に推移しているものの、売上高は前期比5.2%減の11,789百万円となりました。利益面では、引き続きつくば工場第3期拡張等による諸費用が高止まり、加えて原材料費や人件費、各種経費等もインフレで上昇している中で、受注水準低下に伴い生産設備の稼働も低下、各種コスト圧縮努力を継続しましたが、営業利益は前期比49.3%減の281百万円となりました。セグメント資産は、足元は受注が堅調に推移、売上債権や棚卸資産が増加したこと等もあり、前期比2.8%増の13,336百万円となりました。
(仏国)
子会社テプニエ社と日本色材フランス社の所在する欧州は、当連結会計年度(1~12月)において、景気は緩やかな回復基調にありますが医薬品及び化粧品の受注は低迷し、売上高はユーロ建て・円換算後共に減収、前期比4.2%減の5,043百万円となりました。利益面では、減収と人件費や諸物価の高騰に加えて、テプニエ社の一部新規設備稼働の遅れや日本色材フランス社の稼働低迷もあり、82百万円の営業損失(前連結会計年度は73百万円の営業損失)となりました。セグメント資産は、円安効果や設備投資による有形固定資産の増加等もあって、前期比15.9%増の5,955百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、140百万円(前連結会計年度は567百万円の増加)となりました。これは主に、減価償却費935百万円、税金等調整前当期純利益429百万円等による増加と、棚卸資産の増加額430百万円、売上債権の増加額344百万円、仕入債務の減少額205百万円、固定資産売却益284百万円等による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は、118百万円(前連結会計年度は1,111百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入872百万円による増加と、有形固定資産の取得による支出698百万円等による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、179百万円(前連結会計年度は95百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,522百万円と長期借入金の返済による支出2,761百万円、短期借入金の純増加額1,260百万円等によるものであります。
(現金及び現金同等物の期末残高)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、上記の要因により、1,080百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円増加いたしました。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要の主なものは、当社グループ製品の製造のための原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等によるものであります。また、設備資金需要としては経常的な機械設備等の買い換え取得や、増産に向けた機械設備の購入等によるものであります。
2)資金調達
当社グループは、メイン銀行をはじめ取引金融機関と円滑な取引関係を維持しつつ、健全な財務体質の維持に注力しております。経常的な設備等の買い換え取得や運転資金については、内部資金を活用すると共に金融機関からの短期借入金及び長期借入金により資金調達を実施しております。特に、大口の設備資金需要に関しては長期の安定資金を金融機関から調達しております。
3)財務政策
当社グループは資本政策として、資本効率(自己資本利益率:ROE)の維持・改善(当面の目標:8%以上を維持、10%以上を目指す)と資本コストの抑制を通じて、持続的成長と企業価値向上を目指しておりますが、自己資本利益率(ROE)の構成要素である財務レバレッジ(総資産/自己資本:自己資本比率の逆数)を財務政策の中で重視しております。
財務レバレッジの上昇はROE向上に貢献しますが、一方で過度に高いレバレッジ(低い自己資本比率)は財務安定性を下げ、安定的な資金調達と事業の継続に悪影響を及ぼすため、ROEの維持・向上と財務安定性の維持の双方を勘案して、財務レバレッジ/自己資本比率の水準を調整していくことを目指しております。
足元では、新型コロナウイルス禍による業績悪化によって自己資本比率が低位に留まるため、業績の回復による内部留保の蓄積等によって、自己資本を回復させることを重点課題としており、自己資本比率を当面の重要な経営指標の一つとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には、決算日における資産・負債の報告金額および偶発的資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積りおよび仮定が必要となりますが、この判断および見積りには決算日までに入手可能なすべての情報と過去の実績を勘案して、合理的な根拠に基づいて継続的に評価しております。
従って、連結財務諸表作成時点で実施した見積りおよび将来の予測が、予測不可能な事象の発生によって実際の結果が著しく異なることも考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。