有価証券報告書-第96期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/30 13:05
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【項目】
124項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度期間(2020年1月1日から2020年12月31日まで)における当社グループを取り巻く世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けました。中国では、2月頃から景気が減速したものの、4月頃より持ち直しています。また、欧州、米国、日本などでは、3月から景気が急速に悪化したものの、5月頃より経済活動の再開が段階的に進められ、7月より持ち直しつつあります。但し、依然として感染拡大による影響の長期化が見込まれており、先行きは不透明な状況です。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(ⅰ) 財政状態
イ. 資産
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比1,990億円(8.5%)増の25,345億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が増加したことによるものであります。
ロ. 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比2,386億円(22.7%)増の12,914億円となりました。これは主に、有利子負債が増加したことによるものであります。
ハ. 資本
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末比396億円(3.1%)減の12,430億円となりました。これは主に、前期末比で円高になったことにより在外営業活動体の換算差額が減少したことによるものであります。
(ⅱ) 経営成績
当社グループは、2016年に長期経営戦略「2025年のありたい姿」を策定しました。この戦略では、長期安定的な収益基盤となる「コア事業」とグループ全体の成長を牽引する「戦略事業」の2つの事業軸で、「高収益のグローバルな優良素材メーカー」となることを目指しています。2018年からの3カ年は、「2025年のありたい姿」実現のための礎を築く期間と位置づけ、中期経営計画AGC plus-2020に取り組みました。
最終年度である当連結会計年度においては、自動車用ガラスや建築用ガラス、輸送機器向けフッ素関連製品などにおいて新型コロナウイルス感染拡大による需要減少の影響を受けました。一方、電子部材及び液晶用ガラス基板、ライフサイエンス製品は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けず、出荷が増加しました。また、東南アジアにおける苛性ソーダ、及び液晶用ガラス基板や建築用ガラスの価格が下落しました。
このような事業環境の下、戦略事業領域のうちエレクトロニクス事業で、EUV露光用フォトマスクブランクスの供給体制の大幅増強を決定しました。また、ライフサイエンス事業では国内外の生産能力増強に加え、米国バイオ医薬品原薬製造工場や遺伝子・細胞治療CDMOを手掛けるMolecular Medicine S.p.A.(現AGC Biologics S.p.A.)の買収など、積極的に事業拡大を進めました。コア事業ではガラス事業において欧州のガラス窯閉鎖や人員削減など固定費削減の取組みを開始し、収益改善に努めています。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比1,057億円(7.0%)減の14,123億円、営業利益は、同258億円(25.4%)減の758億円となりました。税引前利益は、同191億円(25.0%)減の571億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、同117億円(26.4%)減の327億円となりました。
<当連結会計年度の業績>(億円:千万単位四捨五入)
売上高1兆4,123億円(前連結会計年度比 7.0%減)
営業利益758億円(前連結会計年度比 25.4%減)
税引前利益571億円(前連結会計年度比 25.0%減)
親会社の所有者に帰属する当期純利益327億円(前連結会計年度比 26.4%減)



なお、営業利益(前連結会計年度比△258億円)の主な増減要因は以下のとおりです。
販売数量・品種構成△91億円
販売価格△249億円
原燃材料価格+54億円
コストその他+27億円

<報告セグメント別の概況>
(億円:千万単位四捨五入)

売上高営業利益
第96期第95期第96期第95期
ガラス6,5107,429△16693
電子2,8942,767378256
化学品4,5124,758505630
セラミックス・その他8118324239
消去又は全社△603△606△1△0
合計14,12315,1807581,016

報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。
イ. ガラス
建築用ガラスは、南米など一部を除く地域で、新型コロナウイルス感染拡大の影響により需要が減少しました。また、日本及び南米を除く地域における販売価格下落の影響も加わり、前連結会計年度に比べ減収となりました。自動車用ガラスは、新型コロナウイルス感染拡大及び景況感悪化による世界的な自動車生産台数減少の影響を受け、当社グループの出荷は減少し、前連結会計年度に比べ減収となりました。
以上の結果から、当連結会計年度のガラスの売上高は、前連結会計年度比920億円(12.4%)減の6,510億円となりました。営業利益は、前述の減収要因、及び製造設備の大幅な稼働調整による製造原価悪化により、同258億円減の166億円の損失となりました。
ロ. 電子
ディスプレイのうち、ディスプレイ用特殊ガラスは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スマートフォンの販売台数が減少したことから出荷が減少しました。一方、液晶用ガラス基板は販売価格が下落したものの、出荷が増加したことから、ディスプレイの売上高は前連結会計年度に比べ増収となりました。電子部材は、オプトエレクトロニクス用部材及びEUV露光用フォトマスクブランクス等の半導体関連製品の出荷がともに増加しました。また、2019年6月に買収したTaconic社のプリント基板材料事業等の売上高が寄与したこともあり、電子部材の売上高は前連結会計年度に比べ増収となりました。
以上の結果から、当連結会計年度の電子の売上高は、前連結会計年度比127億円(4.6%)増の2,894億円となり、営業利益は、同122億円(47.8%)増の378億円となりました。
ハ. 化学品
クロールアルカリ・ウレタンは、新型コロナウイルス感染拡大の影響による出荷減少、東南アジアでの苛性ソーダの販売価格下落などにより、前連結会計年度に比べ減収となりました。フッ素・スペシャリティは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により航空機などの輸送機器向けフッ素関連製品の出荷が減少したため、前連結会計年度に比べ減収となりました。ライフサイエンスは、合成医農薬、バイオ医薬品ともに受託件数が増加したことにより、前連結会計年度に比べ増収となりました。
以上の結果から、当連結会計年度の化学品の売上高は、前連結会計年度比246億円(5.2%)減の4,512億円となり、営業利益は同125億円(19.8%)減の505億円となりました。
各報告セグメントに属する主要な製品の種類は以下のとおりです。
報告セグメント主要製品
ガラスフロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)、自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等
電子液晶用ガラス基板、有機EL用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、
ディスプレイ用周辺部材、ソーラー用ガラス、産業用加工ガラス、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、プリント基板材料、照明用製品、理化学用製品等
化学品塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、撥水撥油剤、ガス、溶剤、医農薬中間体・原体、ヨウ素製品等

上記製品の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、税引前利益やその他の金融資産の売却が減少したことなどにより、49億円の支出(前連結会計年度は93億円の収入)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて、長期有利子負債の借入による収入等があり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より1,223億円(107.5%)増加し、2,361億円となりました。
(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比335億円(17.4%)増の2,254億円となりました。
(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動により使用された資金は、前連結会計年度比476億円(26.1%)増の2,302億円となりました。当該支出は、有形固定資産の取得による支出、子会社又はその他の事業の取得による支出等があったことによるものであります。
(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動により得られた資金は、1,284億円(前連結会計年度は173億円の支出)となりました。当該収入は、長期有利子負債の借入による収入等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの設備に使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとの生産規模や受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 (ⅱ) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けして示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 及び 3 重要な会計方針」に記載しております。
また、ガラスセグメントに属する欧州自動車用ガラス事業の有形固定資産及び電子セグメントに属するディスプレイ用特殊ガラス等に係る有形固定資産の減損テストに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 8 有形固定資産 (2) 減損損失」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、中期経営計画に則り、持続的な業績成長のための成長基盤の構築や事業体質・競争力の強化に取り組み、資産効率を高めながら株主価値の継続的な向上に努めております。また、今後の成長のために必要な設備及び研究開発活動に投資するために、適切な資金確保を行い、最適な流動性を保持し、健全なバランスシートを維持することを財務方針としており、D/Eについては0.5以下を目標値として定めております。 資金調達活動については、当社グループを取り巻く金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債発行、コマーシャル・ペーパー発行等、多様な手段により、より安定的で低コストの資金調達を目指しております。また、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで、借り換えリスクの低減を図っております。
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金水準を充分満たす流動性を保持していると考えております。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営財務目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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