有価証券報告書-第152期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における日本経済は、雇用や所得環境の改善から緩やかな回復基調が続きました。海外では、米国や欧州など先進国で回復基調が続いたほか、中国・新興国でも持ち直しの動きがみられるなど、総じて堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、電力関連事業では、がいし、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)ともに出荷が低調に推移しました。セラミックス事業では、中国市場のトラック販売増や欧州の排ガス規制強化の影響等により自動車関連製品の物量が増加しました。エレクトロニクス事業では、中国の携帯基地局向けにセラミックパッケージの物量が減少した一方、ベリリウム銅製品や半導体製造装置用製品の物量が増加しました。これらの結果、当連結会計年度における売上高合計は、前期比12.4%増の4,511億25百万円となりました。
利益面では、減価償却費や研究開発費等が増加したものの、売上高の増加や為替円安等により営業利益は前期比10.8%増の700億26百万円、経常利益は同9.4%増の706億15百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として減損損失37億68百万円や競争法関連損失引当金繰入額21億45百万円を計上した一方で、投資有価証券売却益12億86百万円を特別利益に計上したほか、前期は過年度法人税等112億13百万円を計上した要因もあり、前期比25.9%増の458億14百万円となりました。
当社グループは、ROEを主要な経営指標として採り上げ、株主重視の経営を推進しております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、経営資源を既存コア事業の拡大や新規事業の立ち上げに効率的に投入して収益性の向上に努めると共に、資本効率のさらなる向上を目指しております。
当連結会計年度におけるROEは10.4%(前年同期比1.6ポイント改善)であり、目標である10%以上の水準を達成しておりますが、引き続き当該指標の維持・向上に取り組んでまいります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[電力関連事業]
当事業の売上高は、544億51百万円と前期に比して3.1%増加いたしました。
がいしは、電力需要の低迷等を背景とした国内電力会社の設備投資抑制により配電機器の需要が減少した一方、中国や中近東向けに出荷が増加し増収となりました。NAS®電池は大口案件の出荷が無く低調でした。
利益面では、前期66億22百万円の営業損失から47億14百万円の営業損失となりました。
[セラミックス事業]
当事業の売上高は、2,678億31百万円と前期に比して9.2%増加いたしました。
自動車関連製品は、中国市場のトラック販売増により触媒用セラミックス担体(大型ハニセラム)の物量が増加したほか、欧州や中国の排ガス規制強化に伴う1台当たりの使用本数増によりセンサーの物量が増加しました。産業機器関連製品は、中国の客先で車載用リチウムイオン電池関連の設備投資が増加し、加熱装置を中心に増収となりました。
営業利益は、自動車関連製品や産業機器関連製品の物量が増加したものの、減価償却費や研究開発費の増加に加え増産設備の立上げ費用が増加したことなどから前期比10.1%減の580億76百万円となりました。
[エレクトロニクス事業]
当事業の売上高は、1,289億54百万円と前期に比して24.6%増加いたしました。
半導体製造装置用製品は、半導体の三次元化・微細化を背景に半導体メーカーの設備投資が高水準で継続し、半導体製造装置向けに物量が増加しました。金属は、中国市場の産業機器向けを中心にベリリウム銅製品の出荷が増加しました。電子部品は、セラミックパッケージの需要が減少した一方で、複合ウエハーやHDD用圧電素子などの物量が増加しました。また、連結子会社の双信電機株式会社におきましては、産業機器向けの製品需要が好調で増収となりました。
営業利益は、主として半導体製造装置用製品の増収効果により前期比217.2%増の166億56百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.購入品仕入実績については区分して記載することが困難なため、生産実績に含めて記載しております。
2.上記は、販売価格をもって表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.セグメント間取引については、相殺消去しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し10.1%増加し8,363億35百万円となりました。
流動資産は、有価証券が減少したものの、現金及び預金や受取手形及び売掛金、たな卸資産等が増加したことなどから、前期比7.8%増の4,724億72百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前期比13.3%増の3,638億62百万円となりました。
流動負債は、支払手形及び買掛金が増加したものの、競争法関連損失引当金や未払法人税等が減少したことなどから、前期比1.2%減の1,269億5百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことや社債の発行などにより、前期比16.3%増の2,365億66百万円となりました。
純資産は、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加により、前期比10.6%増の4,728億63百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は55.1%(前連結会計年度末54.9%)となり、1株当たり純資産は1,432.67円と、前期を137.01円上回りました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
[電力関連事業]
当事業の総資産は、前期比6.1%減少し、809億2百万円となりました。減損損失や減価償却により有形固定資産が減少しました。
[セラミックス事業]
当事業の総資産は、前期比13.4%増加し、4,112億38百万円となりました。自動車関連製品の増産投資に伴い有形固定資産が増加しました。
[エレクトロニクス事業]
当事業の総資産は、前期比16.4%増加し、1,227億22百万円となりました。半導体製造装置用製品の増産投資に伴い有形固定資産が増加しました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による505億54百万円の収入、投資活動による494億13百万円の支出、及び財務活動による225億46百万円の収入などにより前期末に比し252億25百万円増加し、当期末残高は1,699億18百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払い、たな卸資産や売上債権の増加などがあったものの、税金等調整前当期純利益657億72百万円に減価償却費を加え、合計では505億54百万円の収入となりました。前期との比較では、296億18百万円の収入減となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入の一方、有形固定資産や有価証券の取得などから合計で494億13百万円の支出となりました。前期との比較では、70億39百万円の支出減となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや長期借入れの返済による支出の一方、長期借入れや社債の発行による収入などから合計で225億46百万円の収入となりました。前期との比較では、355億59百万円の収入増となりました。
資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、労務費等の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の調達について、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、国内外でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における日本経済は、雇用や所得環境の改善から緩やかな回復基調が続きました。海外では、米国や欧州など先進国で回復基調が続いたほか、中国・新興国でも持ち直しの動きがみられるなど、総じて堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、電力関連事業では、がいし、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)ともに出荷が低調に推移しました。セラミックス事業では、中国市場のトラック販売増や欧州の排ガス規制強化の影響等により自動車関連製品の物量が増加しました。エレクトロニクス事業では、中国の携帯基地局向けにセラミックパッケージの物量が減少した一方、ベリリウム銅製品や半導体製造装置用製品の物量が増加しました。これらの結果、当連結会計年度における売上高合計は、前期比12.4%増の4,511億25百万円となりました。
利益面では、減価償却費や研究開発費等が増加したものの、売上高の増加や為替円安等により営業利益は前期比10.8%増の700億26百万円、経常利益は同9.4%増の706億15百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として減損損失37億68百万円や競争法関連損失引当金繰入額21億45百万円を計上した一方で、投資有価証券売却益12億86百万円を特別利益に計上したほか、前期は過年度法人税等112億13百万円を計上した要因もあり、前期比25.9%増の458億14百万円となりました。
当社グループは、ROEを主要な経営指標として採り上げ、株主重視の経営を推進しております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、経営資源を既存コア事業の拡大や新規事業の立ち上げに効率的に投入して収益性の向上に努めると共に、資本効率のさらなる向上を目指しております。
当連結会計年度におけるROEは10.4%(前年同期比1.6ポイント改善)であり、目標である10%以上の水準を達成しておりますが、引き続き当該指標の維持・向上に取り組んでまいります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[電力関連事業]
当事業の売上高は、544億51百万円と前期に比して3.1%増加いたしました。
がいしは、電力需要の低迷等を背景とした国内電力会社の設備投資抑制により配電機器の需要が減少した一方、中国や中近東向けに出荷が増加し増収となりました。NAS®電池は大口案件の出荷が無く低調でした。
利益面では、前期66億22百万円の営業損失から47億14百万円の営業損失となりました。
[セラミックス事業]
当事業の売上高は、2,678億31百万円と前期に比して9.2%増加いたしました。
自動車関連製品は、中国市場のトラック販売増により触媒用セラミックス担体(大型ハニセラム)の物量が増加したほか、欧州や中国の排ガス規制強化に伴う1台当たりの使用本数増によりセンサーの物量が増加しました。産業機器関連製品は、中国の客先で車載用リチウムイオン電池関連の設備投資が増加し、加熱装置を中心に増収となりました。
営業利益は、自動車関連製品や産業機器関連製品の物量が増加したものの、減価償却費や研究開発費の増加に加え増産設備の立上げ費用が増加したことなどから前期比10.1%減の580億76百万円となりました。
[エレクトロニクス事業]
当事業の売上高は、1,289億54百万円と前期に比して24.6%増加いたしました。
半導体製造装置用製品は、半導体の三次元化・微細化を背景に半導体メーカーの設備投資が高水準で継続し、半導体製造装置向けに物量が増加しました。金属は、中国市場の産業機器向けを中心にベリリウム銅製品の出荷が増加しました。電子部品は、セラミックパッケージの需要が減少した一方で、複合ウエハーやHDD用圧電素子などの物量が増加しました。また、連結子会社の双信電機株式会社におきましては、産業機器向けの製品需要が好調で増収となりました。
営業利益は、主として半導体製造装置用製品の増収効果により前期比217.2%増の166億56百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
電力関連事業(百万円) | 53,452 | 98.3 |
セラミックス事業(百万円) | 276,041 | 110.5 |
エレクトロニクス事業(百万円) | 132,738 | 131.6 |
合計(百万円) | 462,232 | 114.1 |
(注) 1.購入品仕入実績については区分して記載することが困難なため、生産実績に含めて記載しております。
2.上記は、販売価格をもって表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.セグメント間取引については、相殺消去しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
電力関連事業 | 49,726 | 90.8 | 17,623 | 91.8 |
セラミックス事業 | 268,884 | 108.6 | 29,520 | 104.0 |
エレクトロニクス事業 | 138,343 | 123.7 | 38,643 | 126.8 |
合計 | 456,954 | 110.3 | 85,787 | 109.9 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
電力関連事業(百万円) | 54,408 | 103.0 |
セラミックス事業(百万円) | 267,762 | 109.3 |
エレクトロニクス事業(百万円) | 128,954 | 124.6 |
合計(百万円) | 451,125 | 112.4 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し10.1%増加し8,363億35百万円となりました。
流動資産は、有価証券が減少したものの、現金及び預金や受取手形及び売掛金、たな卸資産等が増加したことなどから、前期比7.8%増の4,724億72百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前期比13.3%増の3,638億62百万円となりました。
流動負債は、支払手形及び買掛金が増加したものの、競争法関連損失引当金や未払法人税等が減少したことなどから、前期比1.2%減の1,269億5百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことや社債の発行などにより、前期比16.3%増の2,365億66百万円となりました。
純資産は、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加により、前期比10.6%増の4,728億63百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は55.1%(前連結会計年度末54.9%)となり、1株当たり純資産は1,432.67円と、前期を137.01円上回りました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
[電力関連事業]
当事業の総資産は、前期比6.1%減少し、809億2百万円となりました。減損損失や減価償却により有形固定資産が減少しました。
[セラミックス事業]
当事業の総資産は、前期比13.4%増加し、4,112億38百万円となりました。自動車関連製品の増産投資に伴い有形固定資産が増加しました。
[エレクトロニクス事業]
当事業の総資産は、前期比16.4%増加し、1,227億22百万円となりました。半導体製造装置用製品の増産投資に伴い有形固定資産が増加しました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による505億54百万円の収入、投資活動による494億13百万円の支出、及び財務活動による225億46百万円の収入などにより前期末に比し252億25百万円増加し、当期末残高は1,699億18百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払い、たな卸資産や売上債権の増加などがあったものの、税金等調整前当期純利益657億72百万円に減価償却費を加え、合計では505億54百万円の収入となりました。前期との比較では、296億18百万円の収入減となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入の一方、有形固定資産や有価証券の取得などから合計で494億13百万円の支出となりました。前期との比較では、70億39百万円の支出減となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや長期借入れの返済による支出の一方、長期借入れや社債の発行による収入などから合計で225億46百万円の収入となりました。前期との比較では、355億59百万円の収入増となりました。
資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、労務費等の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の調達について、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、国内外でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。