四半期報告書-第159期第2四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/13 15:00
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年1月1日から2020年6月30日まで)の世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による生産活動及び消費活動の著しい停滞により、歴史的な落ち込みが見られました。ウイルスの感染拡大が沈静化してきた国・地域がある一方で、未だ感染が拡大、あるいは再拡大している国・地域もあり、今年度は深刻な景気後退に見舞われる懸念があります。
このような情勢下、当社グループにおいては、本年2月に公表した2020年から2022年までの3年間を対象とするローリング中期経営計画「T-2022」の活動を進めてまいりましたが、当社の主力事業である、黒鉛電極事業とカーボンブラック事業において、それぞれの対面業界である鉄鋼産業、タイヤ産業の需要減少を受け、業績の低下を余儀なくされており、全社的な投資抑制、生産調整と在庫削減、生産性改善と経費削減、潤沢な手元流動性確保のための資金調達等に、喫緊の対応として取り組んでおります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比32.6%減の937億3千8百万円となりました。営業利益は前年同期比85.6%減の58億1千7百万円となりました。経常利益は前年同期比87.3%減の51億6千3百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比91.7%減の21億5千8百万円となりました。
セグメント別の経営成績は下記のとおりです。
[黒鉛電極事業]
昨年から継続している世界的な景気減速に伴う鉄鋼市況の悪化に加え新型コロナウイルス感染拡大による鉄鋼業界の操業落ち込みを受け、当社の黒鉛電極販売量は前年同期比で減少しました。黒鉛電極価格もこれらの需要減少の影響を受け前年同期比で下がりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比63.3%減の209億2千7百万円となり、営業利益は前年同期比95.1%減の15億2千2百万円となりました。
[カーボンブラック事業]
新型コロナウイルス感染拡大を受け、対面業界であるタイヤメーカー各社が操業停止などの対応を実施し、当社販売数量は前年同期比で減少しました。また、販売量低下に伴う生産調整により原価率が上昇し、営業利益は前年同期比で減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比40.2%減の326億3千万円となり、営業損失は1億8百万円(前年同期は56億8千6百万円の営業利益)となりました。
[ファインカーボン事業]
半導体、太陽光発電向け生産・出荷は堅調に推移しましたが、一般産業用向けは顧客の生産・在庫調整及び新型コロナウイルス感染拡大の影響等により販売量が減少しました。一方で、高付加価値商品であるソリッドSiC(シリコンカーバイド)製品は堅調に推移しており、事業全体の利益率向上に寄与しております。
この結果、当事業の売上高は前年同期比2.6%減の155億4千4百万円となり、営業利益は前年同期比0.8%増の34億8千4百万円となりました。

[精錬ライニング事業]
当社は2019年7月26日にドイツの炭素黒鉛製品メーカーTokai COBEX HoldCo GmbH(旧商号COBEX HoldCo GmbH)及びそのグループ会社を連結子会社化したことから、報告セグメントを追加しております。主な事業は、アルミ精錬用カソード、高炉用ブロック、炭素電極等の製造、販売、研究開発となります。
新型コロナウイルスの感染拡大もあり、顧客の対面業界である建設・自動車業界の活動が大幅に停滞し、足もとのアルミ市況は低位に推移しました。これにより、アルミ精錬ポットの巻替え時期が当初予定より繰り下がり、カソードの出荷も後ろ倒しとなりました。
この結果、当事業の売上高は129億円となり、営業損失は2億3千8百万円となりました。Tokai COBEX HoldCo GmbHの営業利益(当第2四半期累計期間)は43億9千7百万円となっており、セグメント会計において取得原価配分に伴う評価差額に係る償却費24億4千4百万円及びのれん償却費等21億9千2百万円が発生しております。
[工業炉及び関連製品事業]
工業炉の売上高は、主要な需要先である情報技術関連業界向け及びエネルギー関連業界向けの設備投資が堅調に推移し前年同期比増となりました。発熱体その他製品の売上高は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済の減速により、電子部品業界向けを中心とした消耗品需要及び中国のガラス業界向けの需要が減少したため前年同期比減となりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比27.4%増の63億9千万円となり、営業利益は前年同期比23.0%増の16億5千9百万円となりました。
[その他事業]
摩擦材
四輪市販市場からの撤退による売り上げ減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大が建設用機械、農業用機械、二輪向け市場に影響しました。
この結果、摩擦材の売上高は前年同期比18.9%減の31億7千5百万円となりました。
負極材
負極材市場における新興勢の台頭等により競争が激化し、当社は前年同期比で販売数量が減少しました。
この結果、負極材の売上高は前年同期比18.2%減の20億9千7百万円となりました。
その他
不動産賃貸等その他の売上高は、前年同期比1.7%減の7千1百万円となりました。
以上により、その他事業の売上高は前年同期比18.5%減の53億4千4百万円となり、営業利益は前年同期比17.3%増の2億3千3百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、売掛金及び棚卸資産の減少等により、前連結会計年度末比143億8百万円減の4,485億6千3百万円となりました。負債は、社債等の有利子負債が増加したものの買掛金の減少等により、前連結会計年度末比15億6千5百万円減の2,283億3千1百万円となりました。また、純資産は、為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末比127億4千2百万円減の2,202億3千2百万円となりました。
この結果、自己資本比率は44.5%で、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント低下いたしました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比201億8千6百万円増の666億3千万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前四半期純利益の減少等により収入が減少したものの、棚卸資産の減少、売上債権の減少等により収入が増加し、前第2四半期連結累計期間比105億9百万円収入増の、255億3千6百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出の増加等により、前第2四半期連結累計期間比38億7千1百万円支出増の、135億3千2百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、社債の発行による収入の増加等により、前第2四半期連結累計期間84億2千万円の支出から、90億9千5百万円の収入となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は12億4千4百万円であります。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。