四半期報告書-第1期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 11:00
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、前連結会計年度末においてTokai COBEX HoldCo GmbHとの企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行ったため、前第3四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2020年1月1日から2020年9月30日まで)の世界経済は、新型コロナウイルスの影響により生産活動及び消費活動が著しく停滞しました。いち早く経済活動を再開させた中国を含め、各国とも新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮しつつ社会経済活動の維持・拡大を図っていますが、新型コロナウイルス感染拡大が継続する国・地域も多く、今年度の世界経済見通しは依然不透明な状況が継続しております。
当社グループにおいては、本年2月に公表した2020年から2022年までの3年間を対象とするローリング中期経営計画「T-2022」の下、事業活動を進めてまいりましたが、当社の主力事業である黒鉛電極事業とカーボンブラック事業の対面業界である鉄鋼産業、タイヤ産業の需要減少を受け業績の低下を余儀なくされております。フランスの炭素黒鉛製品メーカーであるCarbone Savoie International SASの買収等、戦略分野への投資による成長機会も追求しておりますが、本格的な業績回復には至っておらず、全社的な投資抑制、在庫削減、生産性改善と経費削減等に引き続き取り組んでおります。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比27.2%減の1,446億2千3百万円となりました。営業利益は前年同期比84.8%減の74億4百万円となりました。経常利益は前年同期比87.2%減の61億5千7百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比96.7%減の10億1千8百万円となりました。
セグメント別の経営成績は下記のとおりです。
[黒鉛電極事業]
昨年から継続している世界的な景気減速に伴う鉄鋼市況の悪化と新型コロナウイルス感染拡大等により世界の鉄鋼業界操業は落ち込みました。鉄鋼生産量は4月を底として回復基調ではあるものの、前年同期比では当社の黒鉛電極販売量は減少しました。また、黒鉛電極市況の悪化や生産調整による原価率上昇で営業利益についても前年同期比で減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比58.5%減の302億8千2百万円となり、営業利益は前年同期比99.1%減の3億1千8百万円となりました。
[カーボンブラック事業]
新型コロナウイルス感染拡大を受け、対面業界であるタイヤメーカーを始めとした各社の活動が大幅に停滞し、当社販売数量は前年同期比で減少しました。また、販売価格の下落と生産調整による原価率上昇等により、営業利益は前年同期比で減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比37.3%減の504億円となり、営業利益は前年同期比91.9%減の6億4千8百万円となりました。
[ファインカーボン事業]
半導体、太陽光発電市場向けの出荷は堅調に推移しましたが、一般産業用途向けは新型コロナウイルス感染拡大に伴う顧客の生産調整により減少しました。一方で、高付加価値商品であるソリッドSiC(シリコンカーバイド)製品は世界的に旺盛な需要を取り込み出荷が伸びました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比1.4%増の235億8千2百万円となり、営業利益は前年同期比1.7%増の50億4百万円となりました。
[精錬ライニング事業]
当社は2019年7月26日にドイツの炭素黒鉛製品メーカーTokai COBEX HoldCo GmbH(旧商号COBEX HoldCo GmbH)及びそのグループ会社を連結子会社化し、これを「精錬ライニング事業」として報告セグメントに追加しております。さらに2020年7月17日にフランスの炭素黒鉛製品メーカーTokai Carbon Savoie International SAS(旧商号Carbone Savoie International SAS)及びそのグループ会社を連結子会社化し本セグメントに加えました。本セグメントの主な事業は、アルミ精錬用カソード、高炉用ブロック、炭素電極等の製造、販売、研究開発となります。
主力のアルミ精錬用カソードは、世界的な景気後退を受けアルミ市場価格が低位に推移したことにより、アルミ精錬用ポットの巻き替え需要が後退し出荷量が減少しました。一方で高炉の内張り用ライニング材となる高炉用ブロックは中国の旺盛な巻き替え需要により高水準の出荷となりました。
この結果、当事業の売上高は232億8百万円となり、取得原価配分に伴う評価差額に係る償却費及びのれん償却費等の73億6千万円を差し引いた営業損失は1百万円となりました。
[工業炉及び関連製品事業]
工業炉の売上高は、主要な需要先である情報技術関連業界向け及びエネルギー関連業界向けの設備投資が堅調に推移し前年同期比増となりました。発熱体その他製品の売上高は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済の減速により、電子部品業界向け及び中国のガラス業界向けの需要が減少したため前年同期比減となりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比12.2%増の92億7百万円となり、営業利益は前年同期比7.5%増の23億1千7百万円となりました。
[その他事業]
摩擦材
四輪市販市場からの撤退による売り上げ減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大が建設用機械、農業用機械、二輪向け市場に影響しました。
この結果、摩擦材の売上高は前年同期比20.1%減の46億1千5百万円となりました。
負極材
負極材市場における新興勢の台頭等により競争が激化し、当社は前年同期比で販売数量が減少しました。
この結果、負極材の売上高は前年同期比5.1%減の32億1千8百万円となりました。
その他
不動産賃貸等その他の売上高は、前年同期比2.0%減の1億6百万円となりました。
以上により、その他事業の売上高は前年同期比14.4%減の79億4千1百万円となり、営業利益は前年同期比33.2%減の1億8千8百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、有形固定資産等が増加したものの、棚卸資産及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末比139億5千5百万円減の4,489億1千6百万円となりました。負債は、買掛金等が減少したものの、社債等の有利子負債の増加等により、前連結会計年度末比3億8千9百万円増の2,302億8千6百万円となりました。また、純資産は、利益剰余金及び為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末比143億4千5百万円減の2,186億3千万円となりました。
この結果、自己資本比率は43.9%で、前連結会計年度末に比べ1.9ポイント低下いたしました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は19億1千3百万円であります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。