四半期報告書-第163期第1四半期(2024/01/01-2024/03/31)

【提出】
2024/05/14 15:00
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日から2024年3月31日まで)の世界経済は、米国経済が底堅く推移したものの、欧州経済の低迷、中国経済の低成長等を受け、停滞感の強い状態が続いております。中東情勢悪化など地政学的リスクの高まりが、世界経済の先行きに与える影響が懸念されます。
このような情勢下、当社グループにおいては、本年2月に2024年から2026年までの3年間を対象とするローリング中期経営計画「T-2026」を開示いたしました。「主力事業の収益基盤強化」「事業ポートフォリオマネジメントの高度化」「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針を掲げ、2026年の定量目標として、売上高4,580億円、営業利益530億円、ROS12%、EBITDA 1,040億円の達成を目指しております。黒鉛電極事業について生産体制の見直しを図るのと同時に、成長事業であるファインカーボンと工業炉への積極投資や、サステナビリティ諸施策に注力することを通じて、企業価値の向上及びPBRの早期改善を目指してまいります。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比5.0%減の821億6千1百万円となりました。営業利益は前年同期比69.6%減の34億8千9百万円となりました。経常利益は前年同期比60.3%減の46億8千7百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比79.6%減の16億2千7百万円となりました。
セグメント別の経営成績は下記のとおりです。
[カーボンブラック事業]
タイヤメーカーにおける補修用タイヤの在庫調整が継続しており、販売数量は前年同期比微減となったものの、為替等の影響により前年同期比で売上高は増加しました。前年度末に完了した北米大型環境設備の稼働開始による減価償却負担増と原料価格高騰等により前年同期比で営業利益は減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比5.9%増の396億2百万円となり、営業利益は前年同期比1.1%減の56億9千6百万円となりました。
[ファインカーボン事業]
スマートフォン・パソコン需要低下による顧客の在庫調整や米国対中輸出規制の影響で、メモリ半導体市場向け主要製品Solid SiCフォーカスリングの販売は前年同期比で落ち込みました。一方で、パワー半導体向けでは旺盛な需要が継続しており、生産と販売は堅調に推移したため、セグメント全体としては前年同期比で増収減益となりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比9.5%増の125億3千7百万円となり、営業利益は前年同期比0.8%減の30億7千8百万円となりました。
[スメルティング&ライニング事業]
アルミ製錬炉の巻替え需要減退により、アルミ電解用カソード販売量が前年同期比で減少し、売価も低下しました。さらに、欧州拠点における原材料費やエネルギーコストの高止まりにより収益が圧迫されました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比27.0%減の140億3千万円となり、のれんの償却費負担を含めた営業損失は35億4千6百万円(前年同期営業利益は4億8百万円)となりました。
[黒鉛電極事業]
鉄鋼生産が引き続き軟調に推移するなか、顧客の在庫調整もあり、当社主要マーケットであるアジア、北米、欧州各地域における需要が減少しました。このため前年同期比で販売数量の大幅な減少があり、売価下落も続きました。さらには、エネルギー、労務費等のコストの高止まりや稼働率低下もあり前年同期比で減収減益となりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比19.4%減の108億7千4百万円となり、営業損失は21億7千5百万円(前年同期営業利益は16億3千7百万円)となりました。
[工業炉及び関連製品事業]
工業炉及び発熱体の主要市場であるエネルギー関連及び電子部品業界での在庫調整やプロジェクトの遅れは継続しているものの、中国国内における需要回復なども見られ、前年同期比で増収減益となりました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比1.5%増の24億8千5百万円となり、営業利益は前年同期比4.3%減の5億1千1百万円となりました。
[その他事業]
摩擦材
建設機械及び電磁市場は中国における需要減退の影響を受け、また鉱山機械市場は資源価格下落の影響を受け減少したことで、売上高は前年同期比で減少しました。一方で、二輪市場については安定的に推移しました。
この結果、摩擦材の売上高は前年同期比16.1%減の20億6千4百万円となりました。
負極材
当社材が採用されているEV及びESS(Energy Storage System)の販売回復により、前年同期比で販売は増加しました。
この結果、負極材の売上高は前年同期比大幅増の5億3千5百万円(前年同期売上高は2千9百万円)となりました。
その他
不動産賃貸等その他の売上高は前年同期比2.4%減の3千2百万円となりました。
以上により、その他事業の売上高は前年同期比4.3%増の26億3千2百万円となり、営業利益は前年同期比25.5%減の2億2千4百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末比202億3千6百万円増の6,602億4千2百万円となりました。負債は、借入金等の有利子負債が増加したものの買掛金等の仕入債務等の減少により、前連結会計年度末比7億7千6百万円減の2,791億2千5百万円となりました。また、純資産は、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末比210億1千3百万円増の3,811億1千7百万円となりました。
この結果、自己資本比率は52.1%で、前連結会計年度末に比べ1.4ポイント増加しました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は10億5千8百万円であります。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。