有価証券報告書-第94期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 13:15
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、第3四半期までは、政府の各種経済政策を背景に雇用環境の改善等が継続する一方、企業収益は高水準を維持しつつも弱含み、輸出は力強さを欠く動きで、緩やかな回復基調の中で弱さの見られる推移でありました。
海外経済については、中国経済の減速もあって一部に弱い動きが見られ、また、米国の保護主義的な通商政策の行方、金融資本市場の変動の影響及び中東の地政学的リスク等による先行き不透明感は継続する一方で、米国は雇用・所得環境等は良好であり、欧州においても個人消費等は底堅く、概ね堅調な推移でありました。
しかしながら、第4四半期に入り、国内外の景気は、新型コロナウイルス感染症の突然の世界的大流行の影響により経済活動は足下で急激に減速し、これまでとは一転して厳しい状況となりました。
このような状況のもと、当社グループの売上高並びに損益の大半を占めるニッケル事業の主需要先であるステンレス鋼業界は、期中のLMEニッケル価格上昇に伴う原料価格の上昇等もあって収益性重視の体制強化を進めており、また、海外の一部生産者のステンレス製品が市場へ大量流入したことに伴って生産活動の調整が一部に見られ、さらには、第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の拡がりによる稼働状況への影響が現出したこともあり、事業環境に不透明感が増した推移となりました。
このため、フェロニッケル需要は、堅調であったものの、伸び悩みの状況で推移しました。
フェロニッケル製品の主原料であるニッケル鉱石の調達は、主要調達先のフィリピンにおける鉱業環境規制厳格化の方針が継続しており、一部の鉱山操業に影響は見られますが、当連結会計年度における当社の鉱石調達量に概ね影響はありませんでした。
ニッケル鉱石の価格に関しては、インドネシア未加工鉱石禁輸政策が一部緩和された影響で比較的落ち着いた水準で推移したものの、期の中盤には、インドネシア政府は、同禁輸政策を2年前倒して再開すると発表したこともあって上昇傾向となり、今後の価格動向に不透明感を残しました。
ロンドン金属取引所(LME)におけるニッケル価格は、需給バランスは改善傾向となっており、期の中盤にはインドネシア未加工鉱石禁輸政策の再開に伴う鉱石供給懸念の再燃等もあって上昇傾向となりましたが、一方で、世界的な貿易制限の影響及び依然不安定な原油等商品市況等もあって軟調な動きも見せており、また、第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響等もあって急激な下落基調となり、期の平均としては比較的高価格ではあるものの、方向感の定まらない推移となりました。
その中で、当社のフェロニッケル販売数量は、前連結会計年度と比べ、国内外向けともに減少し、全体では前年度比10.8%の減少となりました。
フェロニッケル製品の販売価格は、当社適用平均為替レートが前年度比1.8%の円高となりましたが、価格形成の指標となる当社適用LMEニッケル価格が前年度比6.7%上昇したため、価格高となりました。
このように、依然不透明感のある経営環境のもと、当社グループは、収益基盤をより一層強化させるため、省エネ・低コスト生産等によるトータルコスト削減を推し進め、また、最適生産体制構築のための設備強化及び鉱石の長期安定調達へ向けた取り組み並びに製品の優位性等を活かした機動的な販売体制の構築等に努めております。さらには、これらの取り組みを加速するため組織改編を実施し、海外事業展開の早期実現及びコストミニマムを追求するための業務効率改善策の強化等、業績の底上げ及び収益安定化に向けた取り組みを継続しております。
その結果、当連結会計年度の連結経営成績は、連結売上高が44,133百万円、前年度比では、10.0%の減収となりました。損益面では、減収要因に加え、たな卸資産の収益性低下による簿価切り下げ額の計上に伴う売上原価の増加等もあって営業損失1,879百万円(前連結会計年度営業利益176百万円)となりましたが、営業外収益において持分法適用会社6社の持分法による投資利益2,757百万円の計上等もあって経常利益は972百万円、前年度比71.8%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は625百万円、前年度比83.1%の減益となりました。
なお、当連結会計年度より、当社グループの報告セグメントはニッケル事業の単一報告セグメントへ変更しており、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であるため、セグメント情報の記載は省略しております。
売上高営業利益又は
営業損失(△)
経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
前連結会計年度
(百万円)
49,0621763,4513,693
当連結会計年度
(百万円)
44,133△1,879972625
増減率(%)△10.0△71.8△83.1

当連結会計年度末における当社グループの資産、負債及び純資産については、次のとおりであります。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,973百万円減少し、69,960百万円となりました。
流動資産では、主な増加要因である次期設備維持更新投資に備えた在庫の積み増し等に伴う商品及び製品の増加に加えて、流動資産その他に含まれる原材料購入に伴う前渡金の増加等はありましたが、同様の理由により支出増となり現金及び預金は減少し、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ1,123百万円の減少となりました。
固定資産では、有形固定資産の一部について、所有目的を販売用不動産へ変更したことに伴い流動資産の商品及び製品へ振り替えたこと等により有形固定資産が減少及び一部保有株式の市場価格下落等に伴う投資有価証券の減少等により、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ849百万円の減少となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,040百万円減少し、6,453百万円となりました。
流動負債では、支払手形及び買掛金の減少に加えて、未払費用の減少等の決済時期の影響等に伴う減少等もあり、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ518百万円の減少となりました。固定負債では、一部保有株式の市場価格下落に伴う繰延税金負債の減少及び契約損失引当金の減少等もあり、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ521百万円の減少となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ933百万円減少し、63,506百万円となりました。
株主資本は、利益計上及び配当金の支払い等を加減算し454百万円の減少、その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金の減少等により503百万円の減少及び非支配株主持分は25百万円の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主な増加要因である利息及び配当金の受取額2,433百万円及び税金等調整前当期純利益937百万円等に、主な減少要因であるたな卸資産の増減額2,813百万円及び持分法による投資損益2,757百万円等を加減算し4,720百万円の支出で、前年度に比べ5,119百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主な増加要因である定期預金の払戻による収入900百万円等に、主な減少要因である有価証券の取得による支出800百万円等を加減算し394百万円の支出で、前年度に比べ3,421百万円の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額1,068百万円等もあり1,072百万円の支出で、前年度に比べ674百万円の減少となりました。
現金及び現金同等物の増減額は、前年度に比べ9,228百万円の減少となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は18,314百万円となり前連結会計年度末残高に比べ6,198百万円の減少となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループにおいて開示対象となる報告セグメントは、ニッケル事業のみであるため、事業別に記載しております。
事業金額(百万円)前年度比(%)
ニッケル事業47,565△6.4
その他764△26.4
合計48,330△6.8

(注) 1 金額は、販売価格により算出したものであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c 販売実績
当社グループにおいて開示対象となる報告セグメントは、ニッケル事業のみであるため、事業別に記載しております。
事業金額(百万円)前年度比(%)
ニッケル事業43,489△9.6
その他643△30.7
合計44,133△10.0

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額
(百万円)
割合(%)金額
(百万円)
割合(%)
三菱商事RtMジャパン株式会社46,49994.541,89494.6

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成にあたる見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ4,929百万円の減収で44,133百万円となりました。また、営業損益は、営業利益であった前連結会計年度と比べ2,055百万円の減益で、営業損失1,879百万円となりました。
これは、ニッケル事業の主需要先であるステンレス鋼業界は、期中のLMEニッケル価格上昇に伴う原料価格の上昇等もあって収益性重視の体制強化を進めており、また、海外の一部生産者のステンレス製品が市場へ大量流入したことに伴って生産活動の調整が一部に見られ、さらには、第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の拡がりによる稼働状況への影響が現出し、フェロニッケル需要が伸び悩んだことによって減収となり、また、たな卸資産の収益性低下による簿価切り下げ額(2,461百万円)の計上に伴う売上原価の増加等もあって、利益幅が抑えられ、営業損失となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ2,479百万円の減益で972百万円となりました。
これは、主に、営業外収益の持分法による投資利益は2,757百万円計上したことにより経常利益となりましたが、営業損失になったことにより、前連結会計年度と比べ減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ3,068百万円の減益で625百万円となりました。
これは、主に、経常利益が減益になったことに加え、特別利益に投資有価証券売却益を計上した前連結会計年度と比べ、当連結会計年度は、特別利益が僅少であったためであります。
b 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
c 資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループは、事業活動のための適切な資金を維持するため、足許の環境下では、営業活動で得られた資金によって設備投資資金を賄うことを基本方針としており、また、短期流動性確保の手段として、コミットメントライン契約を締結しております。
資金の流動性に関しては、金融情勢等を勘案しながら、現金及び現金同等物の残高が適正になるように努めており、収益性向上を通じた営業活動によるキャッシュ・フローの改善を財政政策の最重要課題として位置付けております。

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