有価証券報告書-第95期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 12:15
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)の世界的大流行のため緊急事態宣言が発出され、各種行動制限等を実施した影響で経済活動は大幅に落ち込み、緊急事態宣言解除後には段階的な経済活動再開に伴い一部に持ち直しの動きは見られたものの、感染症の再拡大などもあり、厳しい状況で推移しました。
海外経済については、米新政権の経済政策運営、米中間の通商政策を巡る動向、金融資本市場変動の影響及び中東の地政学的リスク等により先行き不透明感は継続する中で、感染症の世界的大流行の影響で雇用・所得環境等が急激に悪化し、経済活動再開による回復は見られたものの、総じて厳しい状況で推移しました。
このような状況のもと、当社グループの売上高並びに損益の大半を占めるニッケル事業の主需要先であるステンレス鋼業界は、原料価格高等に起因する収益性重視の強化体制となっており、不透明な稼働状況が継続していることに加え、期中には感染症の影響による急激な需要収縮も見られ、一部では回復基調を辿るものの、概ね厳しい状況で推移しました。
このため、フェロニッケル需要は、低調な推移となりました。
フェロニッケル製品の主原料であるニッケル鉱石の調達は、感染症予防対策の一環で、一部調達先国のニッケル鉱山が一定期間操業を停止せざるを得ない状況も見られましたが、操業・出荷状況は回復しており、当社生産・販売数量に見合う調達は維持しました。
ニッケル鉱石の価格に関しては、インドネシア未加工鉱石禁輸政策の再開に伴う鉱石供給懸念の継続を背景に、緩やかな上昇傾向で推移しました。
ロンドン金属取引所(LME)におけるニッケル価格は、世界的な貿易制限等の影響及び不安定な原油等商品市況等、また、感染症の長期化懸念に伴う景気回復持続に不確実性もあり、先行きには不透明感が見られております。こうした中で、感染症の世界的大流行の影響に伴う経済活動の停滞等もあって、期の初めは低調な推移ではありましたが、各国に経済活動再開の動きがみられ、生産活動等の回復及び感染症のワクチン実用化への期待感を背景に上昇基調となりました。第4四半期に入り金融資本市場の変動等もあって調整局面になったものの、比較的高水準で推移致しました。
その中で、当社のフェロニッケル販売数量は、前述のようなステンレス鋼業界の厳しい環境に伴うステンレス生産者の稼働率低迷、並びに海外ステンレス生産者の原料調達が比較的価格優位性の見られるニッケル銑鉄等へシフトしたこと等もあって厳しい販売環境となり、前連結会計年度と比べ国内外向けともに減少し、全体では前年度比27.1%の減少となりました。
また、フェロニッケル生産数量は、販売数量と概ね同様の傾向で、減少しました。
フェロニッケル製品の販売価格は、当社適用LMEニッケル価格は前年度比4.0%上昇したものの、当社適用平均為替レートが前年度比3.0%の円高となったことに加え、不透明感の増す事業環境への対応等のため、価格安となりました。
このように、不透明感の継続する経営環境のもと、当社グループは、感染症に対して、「感染拡大防止に関する行動指針」を策定し、感染予防等に努めており、販売先及び調達先の各国と適時適切なコミュニケーションを取りながら、事業活動等に与える感染症の影響について低減を図っております。また、感染症の影響は、翌連結会計年度において継続するものと考えられますが、このような事業環境等への対応施策は継続的に進めており、収益基盤をより一層強化させるため、省エネ・低コスト生産等によるトータルコスト削減の推進、最適生産体制構築のための設備強化及び鉱石の長期安定調達へ向けた取り組み並びに採算性重視の受注を徹底し、臨機応変な生産販売体制の構築等に努めております。さらには、海外事業展開・新規鉱山開発等の早期実現及びコストミニマムを追求するための業務効率改善策の強化等、業績の底上げ及び収益安定化に向けた取り組みを継続しております。
その結果、当連結会計年度の連結経営成績は、連結売上高が32,217百万円、前年度比では27.0%の減収となりました。損益面では、前連結会計年度に計上のたな卸資産の収益性低下による簿価切下げ額の一部戻入れ等を含めた営業損失は493百万円(前連結会計年度営業損失1,879百万円)、営業外収益において持分法適用会社6社の持分法による投資利益3,539百万円の計上等を含めた経常利益は3,344百万円、前年度比では244.1%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失へ減損損失1,896百万円を計上したことにより、1,162百万円、前年度比では85.9%の増益となりました。
売上高営業損失(△)経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
前連結会計年度
(百万円)
44,133△1,879972625
当連結会計年度
(百万円)
32,217△4933,3441,162
増減率(%)△27.0244.185.9

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。
(ニッケル事業)
ニッケル事業についての経営成績は、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
その結果、当部門の売上高は30,419百万円、前年度比30.1%の減収、営業損失は567百万円(前連結会計年度営業損失1,559百万円)となりました。
売上高
(百万円)
セグメント損失(△)
(営業損失(△))(百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減比率(%)前連結会計年度当連結会計年度増減比率(%)
43,48930,419△30.1△1,559△567

(ガス事業)
ガス事業についての経営成績は、感染症の影響もあり受注量は若干減少したものの、安定した操業で一定水準の利益を維持しました。
その結果、当部門の売上高は617百万円、前年度比1.2%の減収、営業利益は21百万円、前年度比448.8%の増益となりました。
売上高
(百万円)
セグメント利益
(営業利益)(百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減比率(%)前連結会計年度当連結会計年度増減比率(%)
624617△1.2321448.8

(その他)
その他の事業部門につきましては、廃棄物リサイクル事業は受注低迷等ではありましたが、不動産事業において、取引規模の大きい不動産の取引があり、当部門は利益計上となりました。
その結果、当部門の売上高は1,283百万円、前年度比762.5%の増収、営業利益は43百万円(前連結会計年度営業損失342百万円)となりました。
売上高
(百万円)
セグメント利益又は損失(△)
(営業利益又は営業損失(△))(百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減比率(%)前連結会計年度当連結会計年度増減比率(%)
1481,283762.5△34243

当連結会計年度末における当社グループの資産、負債及び純資産については、次のとおりであります。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,524百万円増加し、75,484百万円となりました。
流動資産では、主な減少要因である受取手形及び売掛金の決済に伴う減少、商品及び製品の減少等はありましたが、これらの影響で主な増加要因である現金及び預金の増加等もあり、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ2,911百万円の増加となりました。
固定資産では、減損損失の計上による有形固定資産の減少等はありましたが、一部保有株式の市場価格上昇に伴う投資有価証券の増加等により、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ2,613百万円の増加となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,017百万円増加し、8,470百万円となりました。
流動負債では、決済時期の影響による支払手形及び買掛金の増加、流動負債その他に含まれる設備未払金の増加等もあり、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ1,490百万円の増加となりました。
固定負債では、一部保有株式の市場価格上昇に伴う繰延税金負債の増加等もあり、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ526百万円の増加となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,507百万円増加し、67,014百万円となりました。
株主資本は、利益計上及び配当金の支払い等を加減算し1,270百万円の増加、その他の包括利益累計額はその他有価証券評価差額金の増加等により2,219百万円の増加及び非支配株主持分は17百万円の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主な増加要因である税金等調整前当期純利益1,399百万円、減損損失1,896百万円、利息及び配当金の受取額3,800百万円等に、主な減少要因である持分法による投資損益3,539百万円等を加減算し5,829百万円の収入で、前年度に比べ10,550百万円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主な増加要因である有価証券の償還による収入800百万円等に、主な減少要因である有価証券の取得による支出2,200百万円及び有形固定資産の取得による支出319百万円等を加減算し1,781百万円の支出で、前年度に比べ1,386百万円の支出増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等102百万円の支出で、前年度に比べ969百万円の支出減となりました。
現金及び現金同等物の増減額は、前年度に比べ10,170百万円の増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は22,286百万円となり前連結会計年度末残高に比べ3,971百万円の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
事業金額(百万円)前年度比(%)
ニッケル事業27,338△42.5
ガス事業617△1.2
その他1,282813.8
合計29,237△39.5

(注) 1 金額は、販売価格により算出したものであります。
2 セグメントをまたがる取引のための生産実績は、各セグメントに含めて表示しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
事業金額(百万円)前年度比(%)
ニッケル事業30,419△30.1
ガス事業617△1.2
その他1,283762.5
調整額△103
合計32,217△27.0

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額
(百万円)
割合(%)金額
(百万円)
割合(%)
三菱商事RtMジャパン株式会社41,89494.630,13893.3

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成にあたる見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
(売上高及び営業損失)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ11,916百万円の減収で32,217百万円となりました。また、営業損益は、前連結会計年度と比べ1,385百万円の改善で、営業損失493百万円となりました。
これは、ニッケル事業の主需要先であるステンレス鋼業界は、原料価格高等に起因する収益性重視の強化体制となっており、不透明な稼働状況が継続していることに加え、期中には感染症の影響による急激な需要収縮も見られ、一部では回復基調を辿るものの、概ね厳しい状況であり、ステンレス生産者の稼働率低迷、並びに海外ステンレス生産者の原料調達が比較的価格優位性の見られるニッケル銑鉄等へシフトしたこと等もあって厳しい販売環境で減収となり、前連結会計年度に計上のたな卸資産の収益性低下による簿価切下げ額の一部戻入れ等に伴う売上原価の減少等があって損失幅は圧縮されたものの、営業損失となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ2,372百万円の増益で3,344百万円となりました。
これは、主に、営業外収益の持分法による投資利益が3,539百万円計上したことにより、経常利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ537百万円の増益で1,162百万円となりました。
これは、主に、特別損失で固定資産の減損損失を計上したものの、経常利益が増益となったことに伴い収益へ大きな影響を与えたものです。
b 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
c 資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループは、事業活動のための適切な資金を維持するため、足許の環境下では、営業活動で得られた資金によって設備投資資金を賄うことを基本方針としており、また、短期流動性確保の手段として、コミットメントライン契約を締結しております。
資金の流動性に関しては、金融情勢等を勘案しながら、現金及び現金同等物の残高が適正になるように努めており、収益性向上を通じた営業活動によるキャッシュ・フローの改善を財政政策の最重要課題として位置付けております。

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