有価証券報告書-第142期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 11:01
【資料】
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【項目】
106項目

対処すべき課題

(1)当社グループの現状の認識について
当社グループは鉄鋼製品事業におきまして、収益力のあるみがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する新事業体制を立ち上げ、その新事業体制のもとで、採算性重視の受注活動を推進するとともに、固定費削減他あらゆるコスト低減策の継続実施等により、事業の黒字化を目指してまいりました。
その結果、損益状況は着実に改善に向かい、平成25年3月期には、営業損益は第2四半期連結会計期間より黒字化し、通期の営業キャッシュ・フローもプラスに転じました。平成26年3月期には通期ベースの営業損益、経常損益がともに黒字転換を果たし、黒字基調を確実なものにしつつあります。
(2)当面の対処すべき課題の内容
当社グループは収益力の改善と財務体質の強化を最重点課題と認識しております。事業として適正な利益を確保できる基盤を築くとともに、株主、従業員そして社会の負託に応え、どのような環境下でも継続的に黒字を確保できることを目指し、グループ連結経営の強化を図ってまいります。
一連の事業構造改革の効果により、鉄鋼製品事業での黒字体質は定着しつつありますが、さらに収益力を高め、財務体質の改善を図ってまいります。また、収益の下支えのため、不動産事業においても所有不動産の一層の有効活用を推進してまいります。
(3)対処方法及び具体的な取組状況等
当社グループは、平成24年度からの3年間を企業の永続及び発展に向けた基礎固めの時期とし、お客様と共に未来を切り拓き共に発展することを目指して、平成24年度を初年度とし平成26年度を最終年度とする「平成26年度中期計画」を策定し、以下の9項目を基本方針として定めております。
≪基本方針≫
① 社会、地域、お客様に信頼され、活力を生み出すパワーを秘めた企業、そして、常にお客様の役に立つ商品を提供し、お客様と共に成長し、喜び合える企業であり続ける。
② お客様の要望に迅速に応え、お客様と共に商品を育成し、活用いただき、信頼関係を深める。また、やる気と執着心と気概をもって、主体的・戦略的な営業活動を行う。
③ 当社は、競争市場において存在感を示すべく、コンパクトで小回りのきく機動力を活かし、「高砂ならでは」、「高砂でなくては」と評価されるこだわりの商品を開発、販売していくとともに、ニッチで新しい市場・分野を開拓する。併せて国内外の戦略的拠点の展開を図る。
④ いかなる環境下でも黒字を確保できる、弾力性をもった収益構造を構築するため、常に損益分岐点を意識し固定費の変動費化も含めた、コスト競争力の強化を継続して徹底的に進めていく。
⑤ 原料から一貫した品質・技術力を武器として、新たな市場分野を開拓し、原料メーカーとのシナジー効果を最大限発揮する。
⑥ 製造部門はお客様の要求をひとつももらすことなく応えるべく、チャレンジする。全員の絶え間ない工夫と改善で「品質を高める」、「コストを下げる」、「納期を早める」活動に全力を尽くす。
⑦ 収益とコストに対する意識とこだわりを身につけ、計画は必ず達成するという強い意志と責任を持ち、自ら積極的に発信し、スピーディーかつ自律的に行動する人材を育成する。
⑧ 法令及び社内外のルール遵守、ならびにリスク管理の徹底を図る。
⑨ 一段と高い目線で目標を自ら設定し、己に妥協を許さず、決してあきらめないで、みんなが心を一つににして取組む逞しいものづくり企業文化を構築する。
今後は、みがき帯鋼事業を柱としつつ、ステンレス、加工品を含めた全事業で、商品・品質・コストの競争力強化ならびに差別化を図り、当社グループがどのような環境下でも継続的に黒字を確保するために、
「ものづくりの原点に立ち返り、将来の発展につながる経営基盤を自らの力で築く」
との認識の下、収益力の改善と財務体質の強化を図ってまいります。