有価証券報告書-第9期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 11:33
【資料】
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【項目】
103項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき、当社単独の財務諸表は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づいて作成しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度は、ステンレス製管継手の製造販売を主力事業とする当社グループを取り巻く環境につきましては、民間設備投資に回復の兆しは見えるものの、足元の国内需要は依然として本格的な回復には至っておらず、企業間競争の厳しい状況が続いております。
このような状況下で、汎用品を中心とした流通問屋向け販売につきましては、期中を通じ伸び悩みましたが、造船案件を中心とした物件の確実な取り込みにより一定の売上高を確保することができました。収益につきましては、高採算の特殊材継手案件の受注、生産性の向上および前期の赤字要因でありましたニッケル価格の低下と第4四半期に入ってからのドル高の是正により仕入コストが低減し改善いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は4,740百万円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。売上総利益につきましては、前連結会計年度に比べて売上高が増加したことと、売上総利益率が1.8ポイント改善し16.6%となったことによりまして、前連結会計年度比103百万円増加し、787百万円となりました。営業利益は56百万円(前連結会計年度は営業損失69百万円)、経常利益は16百万円(前連結会計年度は経常損失134百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は7百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失141百万円)となり、僅かではありますが黒字に転じることができました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ306百万円減少し、5,277百万円となりました。これは主に、現金及び預金が41百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が81百万円、たな卸資産が192百万円それぞれ減少したことによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ306百万円減少し、4,591百万円となりました。これは主に、長期借入金が114百万円増加しましたが、短期借入金が362百万円、社債が52百万円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べ0百万円増加し、686百万円となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益7百万円を計上したことにより増加したものであります。
(4)連結キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、期首の337百万円から当期中に13百万円増加した結果、当連結会計年度末は351百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、380百万円(前連結会計年度は287百万円の減少)となりました。これは主に、売上債権の減少81百万円、たな卸資産の減少192百万円によりそれぞれ資金が増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、46百万円(前連結会計年度は16百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出46百万円により資金が減少したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、315百万円(前連結会計年度は150百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入による収入260百万円により資金が増加しましたが、短期借入金の減少362百万円、長期借入金の返済による支出131百万円、社債の償還による支出68百万円によりそれぞれ資金が減少したものであります。
(5) 戦略的現状と見通し
ステンレス製管継手業界においては、次期(平成29年3月期)についても本格的な需要の回復は期待できず、不透明な状況が続くものと予想されます。このような状況の中で、当社グループは当面見込まれる造船案件の確保、新規先の開拓、特殊材質案件の受注拡大、並びに工程管理の改善等による生産性向上に取り組んでまいります。
このような情勢のなか、当社グループは、平成26年度から3年間にわたる中期経営計画「CHANGE&CHALLENGE」《変革への挑戦 社会の変革ニーズへの対応》を基本方針とし、「売上高確保と粗利益額アップ」「生産拡大と生産性向上」「海外調達品及び内製品の品質向上」に努めてまいります。そして黒字体質への変革を図り、ステンレス製管継手業界屈指のメーカーとして持続的発展を遂げることを目指し、収益の確保と企業価値の向上に努めてまいります。
次期の連結業績見通しにつきましては、売上高4,800百万円、営業利益90百万円、経常利益40百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は20百万円を見込んでおります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、1.変革への挑戦 社会の変革ニーズへの対応 2.全社一丸となった経営 を平成26年度の経営の基本方針としております。厳しい経営環境の中、グループ一丸となった取り組みにより新中期経営計画初年度の目標を達成し、黒字体質への変革を図り持続的発展を遂げることを目指します。
また当社グループは、①顧客・市場から評価される経営品質の創造 ②グループの成長・発展を目指す一体経営 の実践 ③株主・社員・社会への調和のとれた成果還元 を経営理念としております。