四半期報告書-第58期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

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2018/11/14 10:12
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文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、アメリカの通商政策による影響が懸念されつつも、企業収益や設備投資が増加し、個人消費や雇用も改善するなど、景気は緩やかな回復を続けてきました。
当社グループの主力分野である工作機械業界においては、様々なリスクがある中でも国内外ともに依然として堅調さを維持し、業界受注総額は22ヵ月連続で前年同月を上回りました。平成30年度上期における業界受注実績は9,166億円(前年同期比11.4%増)となり、半期ベースでは過去最高であった平成29年度下期に次ぐ2番目の高水準となっています。
このような状況の中で、当社グループの当第2四半期連結累計期間の連結売上高は前年同期に比べ18億49百万円(21.3%増)増収の、105億32百万円となりました。売上高の増加に伴い、営業利益は8億98百万円(前年同期比73.6%増)、経常利益は9億81百万円(同91.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億73百万円(同102.0%増)となりました。
なお当社は、平成30年9月に創業70周年を迎えました。これもひとえに株主の皆様をはじめ、関係各位の長年にわたるご支援の賜物と心より感謝しております。つきましては創業70周年記念株主優待として、平成31年3月末に当社株式を1単元(100株)以上保有する株主様にオリジナルQUOカードを贈呈する予定です。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 工作機械事業
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、受注高が100億93百万円(前年同期比8.8%増)、受注残高が199億94百万円(同117.4%増)、売上高が94億74百万円(同21.5%増)、営業利益が8億68百万円(同72.5%増)となりました。
受注高の地域別内訳は、高い国内需要に比べ、欧米向けが減少した結果、内需が68億81百万円(同14.9%増)、外需が32億11百万円(同2.3%減)となりました。
売上高の地域別内訳は、国内向けが好調に推移する中、アジア向け、北米向けが増加した結果、内需が60億89百万円(同9.1%増)、外需が33億84百万円(同52.8%増)、外需比率が35.7%(前年同期は28.4%)となりました。
当第2四半期連結累計期間における主な取り組みとして、平成30年6月に中国・九州地方の更なる拡販強化のため広島で初となるプライベートショーを開催しました。また、9月にはユーザ様、ディーラ様及び協力企業様に謝意を込めて、創業70周年記念プライベートショーを地元石川にて開催し、2日間にわたって約1,000名の方々にご来場いただきました。新製品をはじめとした当社製品群や生産性アップにつながるIoTシステムなどを紹介したほか、直接の意見交換ができたなど、次の10年、20年につながる貴重な機会となりました。このように、国内外各地の展示会、プライベートショーにて実機や加工実演を披露したほか、創業70周年を記念したユーザ様・ディーラ様向けキャンペーンを展開することで、需要の確保に努めてきました。
生産面では、需要が高水準を維持している中、生産性の向上をはかりフル生産で対応してきましたが、需要増加によって主要部品の供給が安定せず、計画の一部において生産の進捗遅れが生じました。
製品面では、ロングセラー機である「XC-100」、「XL-100」を進化させたCNC1スピンドル1タレット精密旋盤「XT-6」、加工可能なワークサイズを拡大したCNC2スピンドル2タレット精密旋盤「XWT-10」、一貫加工で工程集約のニーズに応えるCNC2スピンドル2タレット複合精密旋盤「XYT-51」の3機種を発表しました。特に「XT-6」は、オプションで操作性の向上をはかれるタッチパネルが搭載でき、見える化を促進するIoT技術にも対応が可能です。
② IT関連製造装置事業
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が6億66百万円(前年同期比30.4%増)、営業利益が47百万円(同18.9%増)となりました。
安定した需要が継続する中で、適切な生産に努めて売上高を確保するとともに、更なる拡大に向けて新規案件の獲得や新規顧客の開拓に取り組んできました。また、コストダウンを推進し、原価の抑制に努めることで、利益率の向上をはかってきました。
③ 自動車部品加工事業
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が3億90百万円(前年同期比4.4%増)、営業損失が17百万円(前年同期は23百万円の営業損失)となりました。
売上規模の拡大をはかり、引合案件対応など、新規受注確保の営業活動を推進してきましたが、既存受注部品において生産計画の下振れが生じたことで売上が伸び悩み、営業損失の計上となりました。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は222億71百万円で前連結会計年度末に比べ3億47百万円の増加となりました。
区分別にみますと、流動資産は161億16百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億59百万円増加しました。その主な要因としては、受取手形及び売掛金が8億1百万円、流動資産のその他(前渡金等)が1億29百万円減少したものの、たな卸資産が9億2百万円、電子記録債権が4億13百万円、現金及び預金が75百万円増加したことによるものです。
固定資産は61億55百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億12百万円減少しました。その主な要因としては、有形固定資産のその他(純額)が52百万円、建物及び構築物(純額)が38百万円減少したことによるものです。
次に当第2四半期連結会計期間末の負債は85億55百万円で前連結会計年度末に比べて92百万円の減少となりました。
区分別にみますと、流動負債は74億42百万円となり、前連結会計年度末に比べて61百万円減少しました。その主な要因としては、電子記録債務が3億7百万円増加したものの、流動負債のその他(未払金等)が2億36百万円、未払法人税等が82百万円、支払手形及び買掛金が50百万円減少したことによるものです。
固定負債は11億12百万円となり、前連結会計年度末に比べて30百万円減少しました。その主な要因としては、長期借入金が49百万円減少したことによるものです。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は137億15百万円で前連結会計年度末に比べて4億39百万円の増加となりました。その主な要因としては、利益剰余金が5億32百万円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は61.5%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
① 営業活動によるキャッシュ・フローは、4億49百万円の資金流入(前年同期は4億7百万円の資金流入)となりました。
その主な要因としては、たな卸資産の増加や、法人税等の支払い等があったものの、売上債権の減少や税金等調整前四半期純利益の計上等があったことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フローは、7億9百万円の資金流出(前年同期は70百万円の資金流出)となりました。
その主な要因としては、定期預金の預入による支出や、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フローは、2億34百万円の資金流出(前年同期は4億4百万円の資金流出)となりました。
その主な要因としては、配当金の支払、長期借入金の返済による支出等があったことによるものです。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、5億24百万円の減少(前年同期は77百万円の減少)となり、当第2四半期連結累計期間末残高は21億59百万円(前年同期は18億81百万円)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、平成20年5月9日開催の取締役会において、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます)を決定しました。
Ⅰ.会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、株式公開会社として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
しかしながら、近年わが国の資本市場においては、株主に買収内容を判断するために必要な合理的な情報・期間を十分に与えることなく、一方的に大規模買付行為を強行する動きが顕在化しており、これら大規模買付提案の中には、濫用目的によるものや、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの等、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのあるものも散見されます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉、当社のステークホルダーとの信頼関係を理解した上で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。
従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案、又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、そのような提案に対して、当社取締役会は株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様の判断のために必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
Ⅱ.会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み
当社は、昭和23年に織機メーカーの下請けとして個人創業後、工作機械の自社ブランド製品を開発したことで工作機械事業に進出し、昭和36年に会社を設立して以降、工作機械及び周辺装置の製造・販売を主要な事業として発展してきました。
当社の経営理念は、『高松機械は「社会に貢献」する。お客様には安全でメリットのある商品を、従業員には生活の安定と希望を、株主には適切な配当を提供するとともに、協力企業とも共存共栄の精神をもって、社会の発展に積極的に貢献する。』であります。この経営理念と、「お客様に稼ぐ機械を提供する」ことをモットーとして、これまで成長を続けてきました。
機械単体の標準機を販売するのではなく、お客様のニーズに細かく対応し、当社からも適切な加工方法などの提案を行うことで、コストパフォーマンスや使い勝手に優れた自動化された製品群をお客様に提供し続けることが当社の企業価値の源泉であると考えており、そのためのたゆまぬ努力を継続しています。
また、企業体質の強化をはかるため、これまで工作機械事業で培ってきたノウハウを活かした事業の多角化として、液晶や半導体関連の製造装置の一部を製造するIT関連製造装置事業、自社製品で構築された自動化ラインによって部品加工を行う自動車部品加工事業を展開しており、受注・生産・販売を積極的に行うことで、事業の安定と事業規模の拡大を推進し、企業価値の向上をはかっています。
Ⅲ.会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が決定されることを防止するための取り組み
近年わが国においては、会社の経営陣との間で、十分な協議又は合意のプロセスを経ることなく、一方的に大規模買付行為を強行するといった動きが顕在化しております。
もとより、大規模買付行為に応じて当社株式等を売却するか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであります。しかしながら、大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様に短期間のうちに適切に判断していただくためには、大規模買付者と当社取締役会の双方から必要かつ十分な情報が提供されることが不可欠であり、当社株式を継続保有することを考える株主の皆様にとっても、大規模買付者の提案(経営方針、事業計画等)は、その継続保有の是非を検討する上で重要な判断材料となります。
また、当社取締役会が当該大規模買付行為についてどのような意見を有しているのか、大規模買付者の提案と比べて当社の企業価値ひいては株主共同の利益を高める代替案があるのか否かという点も、株主の皆様にとっては重要な判断材料となります。
このようなことを踏まえ、当社取締役会では、大規模買付行為に際しては、まず、大規模買付者が事前に株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報を提供すべきであるという結論に至りました。
当社取締役会も、かかる情報が提供された後、大規模買付行為に対する検討を速やかに開始し、当社取締役会としての意見を公表します。また、大規模買付者が行った提案内容の改善についての交渉や当社取締役会としての株主の皆様に対する代替案の提示を行うこともあります。
かかるプロセスを経ることにより、株主の皆様は、当社取締役会の意見を参考にしつつ、大規模買付者の提案に対する諾否、あるいは当社取締役会から提示した代替案がある場合には、大規模買付者の提案と当該代替案との優劣を比較検討することが可能となり、大規模買付者の提案に対する最終的な諾否を適切に決定するために必要かつ十分な情報の確保と検討の機会が得られることとなります。
以上のことから、当社取締役会は、大規模買付行為が一定の合理的なルールに従って行われることが、不適切な買収を防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考え、当社株式等の大規模買付行為に関するルールを設定するとともに、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策」(以下、「本プラン」といいます)の継続を第56回定時株主総会(平成29年6月28日開催)に議案として上程し、株主の皆様のご承認をいただきましたので発効しました。
なお、詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成29年5月9日付プレスリリース「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照下さい。
(https://www.takamaz.co.jp/pdf/170509-3.pdf)
Ⅳ.本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
1.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上、②事前開示・株主意思、③必要性・相当性)に沿うものであります。また、本プランは企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」にも適合するものであります。
2.当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的としていること
本プランは、大規模買付者に対し、事前に当該大規模買付行為に関する情報の提供及び評価・検討等を行う期間の確保を求めることにより、株主の皆様が当該大規模買付行為に応じるべきか否かを適切に判断すること、当社取締役会が代替案等を提示すること、又は大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的としております。
3.合理的な客観的発動要件の設定
本プランにおける対抗措置は、あらかじめ定められた合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
4.株主意思を尊重するものであること
本プランは、第56回定時株主総会における株主の皆様の承認をもって継続されました。また、株主総会における本プラン廃止の通常決議を通じて本プランを廃止することが可能です。この点においても株主の皆様の意思が反映されることとなっております。
5.独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
当社は、本プランの必要性及び相当性を確保し、経営者の自己保身のために本プランが濫用されることを防止するために、第三者委員会を設置し、当社取締役会が本プランに基づく対抗措置の発動を判断するに当たっては、取締役会の恣意的判断を排除するために、第三者委員会の勧告を最大限尊重した上で、その決議を行うこととしております。
また、その判断の概要については、株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。
6.デッドハンド型及びスローハンド型の買収防衛策でないこと
本プランは、当社の株主総会における普通決議で廃止することができるため、デッドハンド型の買収防衛策ではありません。また、当社は取締役の期差選任を行っていないため、スローハンド型の買収防衛策でもありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、79百万円であります。