四半期報告書-第82期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/13 10:59
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32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 財政状態の分析
当第3四半期末における流動資産は、152,133百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,797百万円減少しました。これは主に、売掛金が6,664百万円、仕掛品が3,222百万円、原材料及び貯蔵品が1,212百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金と有価証券を合わせた手元資金が16,703百万円減少したことによるものであります。売掛金の増加は、主に当第3四半期連結累計期間の売上水準が堅調に推移したことによるものであります。仕掛品と原材料及び貯蔵品の増加は、主に水処理装置事業の工事進捗によるものであります。現金及び預金と有価証券を合わせた手元資金の減少は、主に超純水供給事業用設備等の設備投資、韓国の水処理薬品事業会社(持分法適用関連会社)の連結子会社化及び自己株式の買取等に資金を使用したことによるものであります。
固定資産は、156,956百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,638百万円増加しました。これは主に、有形固定
資産が7,309百万円、無形固定資産が6,043百万円、投資その他の資産が288百万円それぞれ増加したことによるもの
であります。有形固定資産の増加は、主に超純水供給事業用設備等の設備投資額が減価償却費を上回ったことによるものであります。無形固定資産の増加は、主に韓国の水処理薬品事業会社の連結子会社化に伴いのれんを6,246百万円計上したことによるものであります。投資その他の資産の増加は、主に保有する株式の時価上昇による含み益増加により投資有価証券が1,929百万円増加した一方で、投資その他の資産のその他が、主に韓国の水処理薬品事業会社の連結子会社化に伴う関係会社株式の減少等により1,642百万円減少したことによるものであります。
流動負債は、47,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,347百万円増加しました。これは、主に流動負債の
その他が設備投資に係る未払金の増加等により5,425百万円増加した一方で、引当金が1,095百万円減少したことに
よるものであります。
固定負債は、26,100百万円となり、前連結会計年度末に比べ20百万円増加しました。
純資産合計は、235,232百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,474百万円増加しました。これは主に、株主資本が2,177百万円、その他の包括利益累計額が3,491百万円それぞれ増加したことによるものであります。株主資本の増加は、利益剰余金が773百万円減少した一方で、自己株式が2,949百万円減少(純資産は増加)したことによるものであります。利益剰余金の減少は、当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により13,545百万円増加した一方で、前連結会計年度の期末配当金と当期の中間配当金の合計額5,793百万円及び自己株式の消却8,525百万円により14,318百万円減少したことによるものであります。自己株式の減少(純資産の増加)は、市場買付等により5,590百万円増加した一方で、消却等により8,539百万円減少したことによるものであります。その他の包括利益累計額の増加は、主に繰延ヘッジ損益が1,085百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の含み益増加に伴い2,596百万円、為替換算調整勘定が円安ユーロ高に伴い1,994百万円それぞれ増加したことによるものであります。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における資産合計並びに負債純資産合計は309,090百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,841百万円増加しました。
(2) 経営成績の分析
当社グループを取り巻く市場環境は、国内では、製造業の生産活動は回復基調が鮮明となり、設備投資も企業収益の改善を受け堅調に推移しました。海外では、米国及び欧州経済は成長が持続し、中国をはじめとした新興国も景気回復の動きが続きました。
このような状況のもとで、当社グループは、IT・センシング技術を活用した競争力のある商品・サービスの開発と市場展開に取り組むとともに、環境負荷低減、省エネルギー、生産性向上など顧客の課題解決に貢献する提案を推進しました。また、米国において買収したフレモント・インダストリーズ,LLCの経営成績を第1四半期連結会計期間から新規に連結しました。
以上の結果、当社グループ全体の受注高は187,926百万円(前年同期比15.9%増)、売上高は163,511百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
利益につきましては、営業利益14,854百万円(前年同期比8.9%増)、経常利益14,726百万円(前年同期比4.4%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,545百万円(前年同期比33.5%増)となりました。
なお、韓国の持分法適用関連会社の韓水Co.,Ltd.の株式を追加取得し、連結子会社としたことに伴い段階取得に係る差益2,443百万円を特別利益に計上しております。また、政策保有株式売却により1,572百万円を特別利益に計上しております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(水処理薬品事業)
受注高・売上高につきましては、国内では、顧客工場の操業度回復や新商品・新サービスを活用した課題解決提案により新規の顧客開拓に努めたことにより、主力商品のボイラ薬品、冷却水薬品が増加したことに加え、紙パルプ向けプロセス薬品及び鉄鋼向けプロセス薬品も伸長し、受注高・売上高はともに増加しました。
海外では、各地域で増収となったことに加え、買収した米国子会社の経営成績を第1四半期連結会計期間から新規に連結したことにより、受注高・売上高ともに増加しました。
この結果、当社グループの水処理薬品事業全体の受注高は66,511百万円(前年同期比8.6%増)、売上高は66,498百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
利益につきましては、増収による増益要因がありましたが、海外事業の積極展開による人件費増加やIT関連費用の増加により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は5,602百万円(前年同期比4.6%減)となりました。
(水処理装置事業)
国内では、電子産業分野向けの水処理装置の受注高は、大型案件の受注により増加し、売上高は、前連結会計年度に受注した大型案件の工事進捗により増加しました。メンテナンス・サービスは、顧客工場の操業度上昇を背景とした増設、改造案件の受注により、受注高・売上高ともに増加しました。
一般産業分野向けの水処理装置は、受注高は減少しましたが、売上高は増加しました。メンテナンス・サービスの受注高・売上高は、顧客工場の設備更新や増設案件を中心に増加しました。電力分野向け水処理装置の受注高は減少しましたが、売上高は増加しました。土壌浄化は、前連結会計年度の大型案件の受注・売上計上の反動で受注高・売上高ともに減少しました。海外では、受注高は、中国及び韓国の大型案件の受注により大幅に増加し、売上高も前連結会計年度に受注した案件の工事進捗により増加しました。なお、超純水供給事業の国内及び海外を合わせた売上高は、増設案件の収益計上があったものの、前連結会計年度における一部顧客との契約変更による減収の影響があり、減少しました。
これらの結果、当社グループの水処理装置事業全体の受注高は121,415百万円(前年同期比20.4%増)、売上高は97,013百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
利益につきましては、増収となったことに加え、工事案件の工程・原価管理の徹底により収益性が改善したことなどにより営業利益は9,260百万円(前年同期比18.9%増)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、3,842百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画した当連結会計年度の設備投資計画について、総額を200億円から240億円に40億円修正しております。これは主に、水処理装置事業における超純水供給事業用設備の拡充に伴うものであります。