四半期報告書-第83期第1四半期(2023/01/01-2023/03/31)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)経営成績の分析
2023年第1四半期の世界経済は、COVID-19収束後の経済活動の正常化が進み景気回復への期待が高まったものの、ウクライナ情勢の長期化、米中の緊張状態等の地政学リスク、世界的な物価高と金融引き締めによる消費の下振れ、米欧金融機関の相次ぐ経営危機からの金融不安等で回復の速度は鈍化し、先行き不透明な状況が続きました。
インダストリアル事業の主要市場であるLNG、次世代エネルギー関連市場は、足元では欧州地域などで天然ガス価格が高止まりしているものの、中長期的なエネルギー確保、低・脱炭素化の動きは継続し、設備投資需要は伸長しています。航空機市場は、小型機(単通路機)の需要が活況のなか、中型機の需要も徐々に回復方向にありますが、サプライチェーンの再構築に時間を要しており、航空機産業全体の生産量の回復は遅れています。メディカル事業の主要市場である血液透析市場は、国内需要は堅調に推移、海外は市場拡大の著しい中国が引き続き好調に推移しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループ業績は、受注高 54,427百万円(前年同期比1.9%増)、売上収益 40,856百万円(同0.3%増)、営業損失 861百万円(前年同期は営業損失270百万円)、税引前四半期利益は、主に円安による為替差益の計上により 876百万円(同3.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は 163百万円(同73.8%減)となりました。
なお、2022年12月期第1四半期連結累計期間の当社グループ業績には、2022年8月から連結対象外となったLEWA GmbH および Geveke B.V.の業績が含まれていますが、受注高、売上収益について、その両社の業績を除くと、2023年12月期第1四半期連結累計期間の当社グループ全体の受注高、売上収益は対前年比で大きく増加しています。営業利益についても同様に、その両社の業績影響を除く本業部分においては増益となりましたが、子会社譲渡益に係る法人事業税806百万円を計上したため、減益となりました。
セグメント別の状況 (単位:百万円)
※ 工業部門合計欄には、深紫外線LED事業の金額が含まれています。
※ セグメントごとの各金額欄には、内部取引控除前の金額を表示しています。
※ 2022年12月期第1四半期は、LEWA/Geveke社の受注額15,604百万円、売上収益10,011百万円、セグメント利益1,111百万円を含んでいます(内部取引控除前の金額)。
≪事業セグメント別の事業環境と事業概況≫
<インダストリアル事業>■事業環境
・LNG、次世代エネルギー関連市場は米国、アジア、欧州など海外を中心にエネルギー確保や脱炭素化によるLNGや水素関連への投資が継続。
・半導体市場は、半導体メモリの生産調整に伴う投資の一部延期がみられる。パワー半導体は引き続き需要旺盛。
■2023年12月期第1四半期の事業概況
・米国LNG液化基地などの大口案件獲得により、受注高は前年同期を上回る。
・Clean Energy & Industrial Gasグループは、当第1四半期から韓国・中国でのLNG燃料船向けの燃料供給装置の本格生産開始などで、売上収益は前年同期を大きく上回るも、人件費の上昇、体制整備等の固定費負担が重く収益性は低下。
・半導体関連産業向けキャンドモータポンプ需要は一服するも、海外の石油化学関連向けの受注は堅調に推移。原材料・部品調達の遅れなどで、生産計画の見直しが発生し、減収。
・電子部品製造機器事業は、半導体市場における足元での投資抑制を受けて、受注高は大きく減少。既受注案件の生産・出荷を進め、売上収益は前年同期並みを維持。
<航空宇宙事業>■事業環境
・小型機(単通路機)の需要が活況、中型機の需要も徐々に回復方向。その一方、航空機メーカーはサプライチェーンの再構築などで、増産に時間を要している。
■2023年12月期第1四半期の事業概況
・主力製品のカスケードを初め、ベトナム ハノイ工場生産の主翼部品等の出荷も回復基調にあり増収。一方、原材料価格高騰および仕掛品増加により、前年同期並みの営業損失を計上。
・原材料の供給制約の影響から、一部製品の出荷遅延が発生。
<メディカル事業>■事業環境
・血液透析装置の国内需要は堅調、海外では市場拡大の著しい中国市場の引き合いが好調を継続。
・CRRT事業は、経済活動が活発化する中国市場の需要が堅調に推移。
■2023年12月期第1四半期の事業概況
・血液透析装置の国内販売は、原材料・部品調達が徐々に改善、前年からの受注残も含めて生産・出荷が進み、前年同期を上回る。海外販売は、中国市場が牽引する形で前年同期を上回る。
・ヘルスケア事業の売上収益は、前期同期並みに留まる。設備組み込み型の空間除菌装置の引き合いが増加している。
・原材料・部品価格高騰影響は前年から継続するも、血液透析装置および消耗品の増収や前年発生した血液回路輸送費の解消、経費の未消化等があり、事業全体では増益。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は283,563百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,038百万円減少しました。現金及び現金同等物の減少が主な要因です。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は168,644百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,192百万円減少しました。借入金の減少が主な要因です。
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は114,918百万円となり、前連結会計年度末に比べ845百万円減少しました。利益剰余金の減少が主な要因です。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて9,806百万円減少し、38,656百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは△676百万円となりました。これは主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上及び契約負債の増加による増加要因があった一方、棚卸資産の増加による減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△2,508百万円となりました。有形固定資産の取得による支出、無形資産の取得による支出が主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは△5,504百万円となりました。長期借入金の返済による支出が主な要因です。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,140百万円です
(1)経営成績の分析
2023年第1四半期の世界経済は、COVID-19収束後の経済活動の正常化が進み景気回復への期待が高まったものの、ウクライナ情勢の長期化、米中の緊張状態等の地政学リスク、世界的な物価高と金融引き締めによる消費の下振れ、米欧金融機関の相次ぐ経営危機からの金融不安等で回復の速度は鈍化し、先行き不透明な状況が続きました。
インダストリアル事業の主要市場であるLNG、次世代エネルギー関連市場は、足元では欧州地域などで天然ガス価格が高止まりしているものの、中長期的なエネルギー確保、低・脱炭素化の動きは継続し、設備投資需要は伸長しています。航空機市場は、小型機(単通路機)の需要が活況のなか、中型機の需要も徐々に回復方向にありますが、サプライチェーンの再構築に時間を要しており、航空機産業全体の生産量の回復は遅れています。メディカル事業の主要市場である血液透析市場は、国内需要は堅調に推移、海外は市場拡大の著しい中国が引き続き好調に推移しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループ業績は、受注高 54,427百万円(前年同期比1.9%増)、売上収益 40,856百万円(同0.3%増)、営業損失 861百万円(前年同期は営業損失270百万円)、税引前四半期利益は、主に円安による為替差益の計上により 876百万円(同3.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は 163百万円(同73.8%減)となりました。
なお、2022年12月期第1四半期連結累計期間の当社グループ業績には、2022年8月から連結対象外となったLEWA GmbH および Geveke B.V.の業績が含まれていますが、受注高、売上収益について、その両社の業績を除くと、2023年12月期第1四半期連結累計期間の当社グループ全体の受注高、売上収益は対前年比で大きく増加しています。営業利益についても同様に、その両社の業績影響を除く本業部分においては増益となりましたが、子会社譲渡益に係る法人事業税806百万円を計上したため、減益となりました。
セグメント別の状況 (単位:百万円)
2022年12月期 第1四半期実績 | 2023年12月期 第1四半期実績 | 前年同期比 | |||||
増減額 | 増減率 | ||||||
受注高 | 53,432 | 54,427 | +994 | +1.9% | |||
工業部門 | 35,277 | 32,215 | △3,062 | △8.7% | |||
インダストリアル事業 | 32,741 | 29,413 | △3,328 | △10.2% | |||
航空宇宙事業 | 2,069 | 2,601 | +531 | +25.7% | |||
医療部門 | 18,265 | 22,331 | +4,066 | +22.3% | |||
売上収益 | 40,730 | 40,856 | +125 | +0.3% | |||
工業部門 | 23,896 | 20,296 | △3,600 | △15.1% | |||
インダストリアル事業 | 21,351 | 17,437 | △3,913 | △18.3% | |||
航空宇宙事業 | 2,041 | 2,681 | +639 | +31.3% | |||
医療部門 | 16,944 | 20,677 | +3,733 | +22.0% | |||
セグメント利益 | △270 | △861 | △590 | - | |||
工業部門 | 584 | △1,134 | △1,718 | - | |||
インダストリアル事業 | 1,013 | △220 | △1,233 | - | |||
航空宇宙事業 | △659 | △569 | +90 | - | |||
医療部門 | 393 | 1,956 | +1,562 | +396.7% | |||
調整額(全社費用等) | △1,285 | △1,693 | △408 | - | |||
税引前四半期利益 | 911 | 876 | △35 | △3.8% | |||
親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 624 | 163 | △461 | △73.8% |
※ 工業部門合計欄には、深紫外線LED事業の金額が含まれています。
※ セグメントごとの各金額欄には、内部取引控除前の金額を表示しています。
※ 2022年12月期第1四半期は、LEWA/Geveke社の受注額15,604百万円、売上収益10,011百万円、セグメント利益1,111百万円を含んでいます(内部取引控除前の金額)。
≪事業セグメント別の事業環境と事業概況≫
<インダストリアル事業>■事業環境
・LNG、次世代エネルギー関連市場は米国、アジア、欧州など海外を中心にエネルギー確保や脱炭素化によるLNGや水素関連への投資が継続。
・半導体市場は、半導体メモリの生産調整に伴う投資の一部延期がみられる。パワー半導体は引き続き需要旺盛。
■2023年12月期第1四半期の事業概況
・米国LNG液化基地などの大口案件獲得により、受注高は前年同期を上回る。
・Clean Energy & Industrial Gasグループは、当第1四半期から韓国・中国でのLNG燃料船向けの燃料供給装置の本格生産開始などで、売上収益は前年同期を大きく上回るも、人件費の上昇、体制整備等の固定費負担が重く収益性は低下。
・半導体関連産業向けキャンドモータポンプ需要は一服するも、海外の石油化学関連向けの受注は堅調に推移。原材料・部品調達の遅れなどで、生産計画の見直しが発生し、減収。
・電子部品製造機器事業は、半導体市場における足元での投資抑制を受けて、受注高は大きく減少。既受注案件の生産・出荷を進め、売上収益は前年同期並みを維持。
<航空宇宙事業>■事業環境
・小型機(単通路機)の需要が活況、中型機の需要も徐々に回復方向。その一方、航空機メーカーはサプライチェーンの再構築などで、増産に時間を要している。
■2023年12月期第1四半期の事業概況
・主力製品のカスケードを初め、ベトナム ハノイ工場生産の主翼部品等の出荷も回復基調にあり増収。一方、原材料価格高騰および仕掛品増加により、前年同期並みの営業損失を計上。
・原材料の供給制約の影響から、一部製品の出荷遅延が発生。
<メディカル事業>■事業環境
・血液透析装置の国内需要は堅調、海外では市場拡大の著しい中国市場の引き合いが好調を継続。
・CRRT事業は、経済活動が活発化する中国市場の需要が堅調に推移。
■2023年12月期第1四半期の事業概況
・血液透析装置の国内販売は、原材料・部品調達が徐々に改善、前年からの受注残も含めて生産・出荷が進み、前年同期を上回る。海外販売は、中国市場が牽引する形で前年同期を上回る。
・ヘルスケア事業の売上収益は、前期同期並みに留まる。設備組み込み型の空間除菌装置の引き合いが増加している。
・原材料・部品価格高騰影響は前年から継続するも、血液透析装置および消耗品の増収や前年発生した血液回路輸送費の解消、経費の未消化等があり、事業全体では増益。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は283,563百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,038百万円減少しました。現金及び現金同等物の減少が主な要因です。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は168,644百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,192百万円減少しました。借入金の減少が主な要因です。
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は114,918百万円となり、前連結会計年度末に比べ845百万円減少しました。利益剰余金の減少が主な要因です。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて9,806百万円減少し、38,656百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは△676百万円となりました。これは主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上及び契約負債の増加による増加要因があった一方、棚卸資産の増加による減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△2,508百万円となりました。有形固定資産の取得による支出、無形資産の取得による支出が主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは△5,504百万円となりました。長期借入金の返済による支出が主な要因です。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,140百万円です