四半期報告書-第102期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

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2015/11/10 15:10
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における国内経済は、為替相場の円安推移や原油安の影響により、企業収益が回復基調にある中、設備投資の増加や雇用環境の回復がみられました。海外経済におきましては、米国景気は堅調に推移しておりますが、中国経済の減速による世界経済の減速リスクもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当第2四半期連結累計期間は、バルブ事業では、国内市場向け及び海外市場向けともに増収となり、伸銅品事業においても販売単価の上昇により増収となりました。一方、フィットネス事業を行う子会社株式を平成26年10月に外部に譲渡し、同社が当社の連結対象から外れたことにより、その他の売上が大幅減収となりましたが、売上高の総額は、前年同期比4.4%増の600億36百万円となりました。
損益面では、営業利益は、一般管理費用の増加のほか、フィットネス事業の連結離脱はありましたが、前期並みの前年同期比0.5%増の36億6百万円となりました。経常利益は、為替差益の減少により、前年同期比5.4%減の34億44百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前年同期比2.8%減の23億88百万円となりました。
平成27年6月30日に株式会社キッツジーアンドアイの保険事業を外部保険会社に売却し、また、平成27年7月1日に伸銅品事業会社で伸銅加工製品を製造する北東技研工業株式会社の譲渡を受けるなど基幹事業へ経営資源の集中を進めております。
セグメントの業績は、次の通りであります。
① バルブ事業
バルブ事業の外部売上高は、国内市場において、在庫調整の影響はありましたが、半導体製造設備向けが引き続き大幅増収となったほか、海外市場においては、北米向け及びアジア向けが増加するとともにプロジェクト物件売上も増加したことにより、バルブ事業全体の売上高は、前年同期比10.8%増の473億98百万円となりました。営業利益は、システム開発に係るソフトウェア関連費用及びM&A関連費用などの一般管理コストが増加したものの、半導体製造設備向けなどで増収となったことから、前年同期比9.4%増の50億83百万円となりました。
② 伸銅品事業
伸銅品事業の外部売上高は、7月より北東技研工業が新たに連結対象となる中、需要の減少はありましたが販売単価の上昇により前年同期比5.9%増の108億82百万円となりました。しかしながら、営業損益は、販売単価について前年同期比では上昇したものの、当第2四半期連結累計期間における銅相場の急激な下落により収益性が悪化したことから29百万円の営業損失(前年同期は129百万円の営業利益)となりました。
③ その他
ホテル事業においてサービスエリア売上が増加し増収となりましたが、フィットネス事業の連結離脱により売上、利益とも大幅に減少し、売上高は前年同期比60.8%減の17億55百万円となり、営業利益は前年同期比51.4%減の1億39百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間において、第2回無担保公募社債60億円の償還を主な資金使途として、第3回債(総額100億円)を発行いたしました。当第2四半期連結会計期間末の資産につきましては、売掛債権や投資有価証券が減少いたしましたが、社債の発行による現預金の増加により、前連結会計年度末に比べ81億67百万円増加の1,239億57百万円となり、負債につきましては、借入金の減少などはありましたが、社債発行により有利子負債が増加し、前連結会計年度末に比べ68億43百万円増の471億40百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の純資産につきましては、その他有価証券評価差額金が1億89百万円減少したほか、配当金の支払いはありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益23億88百万円などにより、前連結会計年度末に比べ13億23百万円増の768億17百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ86億32百万円増の212億8百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前四半期純利益は36億38百万円、減価償却費は18億83百万円となったほか、売上債権の減少などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは29億45百万円の資金の増加(前年同期は52億77百万円の増加)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
バルブ事業を中心に22億78百万円の設備投資を行ったことなどにより、投資活動によるキャッシュ・フローは21億18百万円の資金の減少(前年同期は16億93百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金の返済17億33百万円や配当金の支払い7億57百万円などがありましたが、第3回無担保公募社債100億円の発行を行ったことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは77億4百万円の資金の増加(前年同期は2億70百万円の増加)となりました。
(注) 当社では短期の運転資金需要の発生に備え、当社取引銀行との間で総額40億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当第2四半期連結会計期間末における当該借入金の残高はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、10億96百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
① 経営成績に重要な影響を与える要因
海外の生産拠点及び販売地域における情勢の変化が製品・部品供給、販売等に影響を及ぼす可能性があること、また、国内バルブ売上が民間設備投資に左右される傾向があること、そして、各種金属素材市況の急騰による材料調達への影響や価格転嫁の遅れ、などが影響を与える要因です。
② 経営戦略の現状と見通し
当社は、「真のグローバル化を実現し、企業価値を最大化すること」、そして「強くて良い会社を実現すること」を目指すべく、2020年度末を目標とする長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」及び2015年度までの「中期経営計画」を策定しております。経営戦略としては、バルブ・流体周辺事業、伸銅品事業及びサービス事業をキッツグループの基幹事業と定め、世界市場に目を向けた事業展開を進めるものであり、2020年度の連結業績目標を、売上高2,500億円、営業利益200億円、海外売上高比率50%としております。
バルブ事業では、国内市場においては、ターゲットとした市場・エリアでシェアNo.1を目指すとともに海外市場においては、真のグローバル化を実現させグローバルトップ3を狙ってまいります。
また、伸銅品事業では、グローバル展開を視野に徹底した効率化と新素材・新事業の開発により、付加価値の拡大を図り、そして、サービス事業では、お客様目線に立ったきめ細やかで徹底したサービスを提供してまいります。
「中期経営計画」では、当該計画に基づく諸政策について、グループで目標達成に向け推進してまいります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益は36億38百万円、減価償却費は18億83百万円となったほか、売上債権の減少などにより、29億45百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、バルブ事業を中心に22億78百万円の設備投資などを行ったことなどにより21億18百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済17億33百万円や配当金の支払い7億57百万円などがありましたが、第3回無担保公募社債100億円の発行を行ったことにより、77億4百万円の収入となりました。
上記の結果、第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は212億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ86億32百万円の増加となりました。
② 資金調達
当社グループは、グループ全体の資金を包括して管理するシステム(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金効率を最大化するとともに、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金の水準を十分に満たす流動性を保持しております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。平成22年5月に策定いたしました「KITZ Global Vision 2020」の基本戦略に沿って長期経営計画の最終年度目標を達成するための諸施策を実行いたします。