四半期報告書-第104期第1四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)

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2017/08/10 9:15
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における国内経済は、企業収益の改善を受けて設備投資は緩やかに増加し、個人消費も底堅く推移するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。海外経済では、米国経済が良好な雇用情勢に基づく個人消費の改善を背景に回復を持続し、欧州及び中国・新興国経済においても景気に持ち直しの兆しを見せる一方で、海外の政治情勢への懸念の高まりなどにより、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当第1四半期連結累計期間は、バルブ事業において、海外市場向けで原油価格の低迷による設備投資の抑制の影響が続きましたが、半導体製造設備向けにおいて大幅増収となったことにより増収となり、伸銅品事業においても、銅相場の上昇による販売価格の上昇と販売量の増加により大幅な増収となった結果、売上高の総額は前年同期比6.9%増の293億2百万円となりました。
損益面では、営業利益は、バルブ事業において、海外市場向けの減収の影響等はありましたが、半導体製造設備向けの増収や製造コストの削減等により、前年同期比1.9%増の19億37百万円となり、経常利益は前年同期比4.0%増の18億76百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、海外子会社において法人税等の増加がみられたことなどにより前年同期比6.9%減の10億17百万円となりました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
① バルブ事業
バルブ事業の外部売上高は、国内市場において建築設備向けで増収となったほか、半導体製造設備向けが好調に推移したことにより増収となりました。海外市場においては、半導体製造設備向けは好調であったものの、主に原油価格の低迷による設備投資の減少で、北米及びヨーロッパ市場向けを中心に減収となり、バルブ事業の売上高は、前年同期比3.6%増の230億3百万円となりました。営業利益は、海外需要の低迷や原材料価格の上昇による影響がある一方で、半導体製造設備向けでの増収のほか、製造コストの削減などに努めた結果、前年同期比2.0%増の26億46百万円となりました。
② 伸銅品事業
伸銅品事業の外部売上高は、売価に影響を与える原材料相場の上昇に伴い販売価格が上昇したほか、需要の増加に伴う販売量の増加もあり、前年同期比25.8%増の56億44百万円となりました。営業利益は、販売量の増加による原価低減のほか、原材料相場が安定的に推移し一定の利幅を確保することができた結果、前年同期比13.5%増の1億62百万円となりました。
③ その他
その他の外部売上高は、ホテル事業で、前期においては御柱祭による集客があったことなどから、前年同期比8.4%減の6億53百万円となり、営業利益、は42百万円の営業損失(前年同期は1百万円の営業損失)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産につきましては、たな卸資産の増加、基幹システム投資による無形固定資産の増加及び時価の上昇による投資有価証券の増加などはありましたが、有利子負債の返済などにより現預金が大幅に減少したことから、前連結会計年度末に比べ22億81百万円減少し1,168億67百万円となりました。負債につきましては、仕入債務の増加などはありましたが、有利子負債や賞与引当金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ15億26百万円減少し427億28百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益10億17百万円はありましたが、自己株式の取得10億36百万円の他、配当金の支払による利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ7億54百万円減少し741億38百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ34億91百万円減の133億7百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前四半期純利益18億31百万円、減価償却費9億92百万円となり、法人税等の支払額11億22百万円、たな卸資産の増加11億13百万円などはありましたが、営業活動によるキャッシュ・フローは5億67百万円の資金の増加(前年同期は25億35百万円の増加)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
バルブ事業を中心に有形固定資産の取得による支出13億34百万円及び無形固定資産の取得による支出6億17百万円などを行った結果、投資活動によるキャッシュ・フローは19億35百万円の資金の減少(前年同期は12億97百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
有利子負債の減少12億3百万円、配当金の支払7億12百万円などを行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは19億52百万円の資金の減少(前年同期は30億82百万円の減少)となりました。
(注) 当社では短期の運転資金需要の発生に備え、当社取引銀行との間で総額40億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当第1四半期連結会計期間末における当該借入金の残高はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5億45百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因
海外の生産拠点及び販売地域における情勢の変化が製品・部品供給、販売等に影響を及ぼす可能性があります。また、国内バルブ売上が民間設備投資に左右される傾向があること、ならびに海外生産品の輸入価格が為替相場の変動を受けるほか、各種金属素材市況の変動が材料調達や販売価格へ影響を与える要因となっております。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益18億31百万円、減価償却費9億92百万円となり、法人税等の支払額11億22百万円、たな卸資産の増加11億13百万円などはありましたが、5億67百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、バルブ事業を中心に有形固定資産の取得による支出13億34百万円及び無形固定資産の取得による支出6億17百万円などを行った結果、19億35百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少12億3百万円、配当金の支払7億12百万円などを行った結果、19億52百万円の減少となりました。
② 資金調達
当社グループは、グループ全体の資金を包括して管理するシステム(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金効率を最大化するとともに、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされている資金の水準を十分に満たす流動性を保持しております。
(9) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。平成28年5月には中期経営計画の数値目標の見直しを行いました「KITZ Global Vision 2020」の基本戦略に沿って引き続き長期経営計画の最終年度目標を達成するための諸施策を実行いたします。