四半期報告書-第101期第3四半期(平成26年10月1日-平成26年12月31日)

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2015/02/12 9:45
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33項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、各種経済対策や原油価格の下落などを背景に企業収益に改善が見られ、設備投資も増加基調で推移しましたが、消費増税前の駆け込み需要の反動や円安による原材料価格の上昇で生産コストが増加したことなどにより、期初に期待された程の回復にはいたりませんでした。海外経済におきましても、米国経済は好調な個人消費により堅調に推移する一方で、欧州経済は低成長が持続し、中国・新興国経済においても成長鈍化の懸念が継続するなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間は、バルブ事業において国内市場向けでは、前第4四半期に実施した価格改定などにより増収となり、また、海外市場においても増収となりました。伸銅品事業の需要低迷に伴う減収や、フィットネス事業を行う子会社、株式会社キッツウェルネス(以下、「キッツウェルネス」)の株式を平成26年10月1日に外部に譲渡し同社が当社の連結対象から離脱したことなどによる減収はありましたが、売上高の総額は前年同期比0.6%増の865億51百万円となりました。損益面では、営業利益は、国内市場向けにおける価格改定効果や海外市場向けでの円安による収益改善効果などにより、バルブ事業の収益が改善し、前年同期比34.5%増の55億34百万円となり、経常利益も前年同期比40.3%増の58億3百万円となりました。四半期純利益につきましては、キッツウェルネス株式の譲渡益を特別利益に計上したことにより、前年同期比111.9%増の55億22百万円となりました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
① バルブ事業
バルブ事業の外部売上高は、国内市場において消費増税前の駆け込み需要の反動や、人手不足による建築設備物件の工期遅れなどによる販売量の減少はありましたが、前第4四半期における一部製品価格の値上げによる販売価格の上昇や、半導体製造設備向けの回復などにより増収となり、海外市場においては、北米向け及びアジア向けで増加したことにより、前年同期比3.2%増の659億39百万円となりました。営業利益は、円安の進行に伴う海外生産品の仕入れ価格の上昇はありましたが、販売価格改定に伴う収益改善や海外生産子会社も順調に推移したことから、前年同期比30.5%増の71億53百万円となりました。
② 伸銅品事業
伸銅品事業の外部売上高は、需要の減少に伴い販売量が減少したことにより、前年同期比1.6%減の153億50百万円となりました。営業利益は、利幅の確保に努めましたが、売上高の減少に加え、第1四半期において新規導入した設備の稼働効率の向上に時間を要したことなどにより、第2四半期以降収益は回復しましたが、前年同期比42.8%減の2億43百万円となりました。
③ その他
その他の外部売上高は、平成26年10月にキッツウェルネスの株式を外部に譲渡したことにより同社が当社の連結対象から離脱したことに伴い減収となった結果、前年同期比19.6%減の52億62百万円となりました。営業利益でも、ホテル事業においてコスト削減等に努め増益となりましたが、前年同期比4.1%減の3億10百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産につきましては、主としてキッツウェルネスの連結離脱に伴い建物及び構築物が減少しましたが、株式譲渡代金などにより現預金が増加したほか、投資有価証券の評価も改善したことなどにより、前連結会計年度末に比べ19億37百万円増加し1,095億20百万円となりました。負債につきましては、有利子負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ31億56百万円減少し376億48百万円となりました。
純資産につきましては、配当金の支払に加え自己株式の取得などを行いましたが、当第3四半期の純利益55億22百万円などにより、前連結会計年度末に比べ50億93百万円増加し718億71百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ20億39百万円増の99億63百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前四半期純利益は77億70百万円、減価償却費は26億38百万円となり、法人税等の納付やたな卸資産の増加などはありましたが、営業活動によるキャッシュ・フローは52億90百万円の資金の増加(前年同期は14億2百万円の増加)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
バルブ事業を中心に25億39百万円の設備投資などがありましたが、キッツウェルネスの株式売却による収入38億90百万円などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは12億61百万円の資金の増加(前年同期は29億15百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金の返済25億60百万円、短期借入金の返済19億37百万円、社債の償還7億54百万円、配当金の支払い12億1百万円、自己株式の取得4億87百万円などに対し、長期借入金を24億80百万円調達しましたが、財務活動によるキャッシュ・フローは45億24百万円の資金の減少(前年同期は18億38百万円の増加)となりました。
(注) 当社では短期の運転資金需要の発生に備え、当社取引銀行との間で総額40億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当第3四半期連結会計期間末における当該借入金の残高はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、13億93百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
① 経営成績に重要な影響を与える要因
海外の生産拠点及び販売地域における情勢の変化が製品・部品供給、販売等に影響を及ぼす可能性があること、また、国内バルブ売上が民間設備投資に左右される傾向があること、そして、各種金属素材市況の急騰による材料調達への影響や価格転嫁の遅れ、などが影響を与える要因です。
② 経営戦略の現状と見通し
当社は、「真のグローバル化を実現し、企業価値を最大化すること」、そして「強くて良い会社を実現すること」を目指すべく、2020年度末を目標とする長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」及び2015年度までの「中期経営計画」を策定しております。経営戦略としては、バルブ・流体周辺事業、伸銅品事業及びサービス事業をキッツグループの基幹事業と定め、世界市場に目を向けた事業展開を進めるものであり、2020年度の連結業績目標を、売上高2,500億円、営業利益200億円、海外売上高比率50%としております。
バルブ事業では、国内市場においては、ターゲットとした市場・エリアでシェアNo.1を目指すとともに海外市場においては、真のグローバル化を実現させグローバルトップ3を狙ってまいります。
また、伸銅品事業では、グローバル展開を視野に徹底した効率化と新素材・新事業の開発により、付加価値の拡大を図り、そして、サービス事業では、お客様目線に立ったきめ細やかで徹底したサービスを提供してまいります。
「中期経営計画」では、当該計画に基づく諸政策について、グループで目標達成に向け推進してまいります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは52億90百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得が25億39百万円ありましたが、子会社株式の売却による収入38億90百万円により12億61百万円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金24億80百万円の資金調達はありましたが、長期借入金25億60百万円、短期借入金19億37百万円の返済や、配当金の支払12億1百万円などにより、45億24百万円の支出となりました。
上記の結果、第3四半期末における現金及び現金同等物の残高は99億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億39百万円の増加となりました。
② 資金調達
当社グループは、グループ全体の資金を包括して管理するシステム(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金効率を最大化するとともに、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金の水準を十分に満たす流動性を保持しております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。平成22年5月に策定いたしました「KITZ Global Vision 2020」の基本戦略に沿って長期経営計画の最終年度目標を達成するための諸施策を実行いたします。