四半期報告書-第103期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/11 9:20
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、天候不順による消費の伸び悩み等はありましたが、企業の生産活動が底堅く推移するなど緩やかな回復基調となりました。海外経済では、米国経済が、良好な個人消費や雇用環境に支えられ堅調に推移する一方、中国及びその他周辺新興国の経済は低迷し、欧州においても先行き不透明な状況が継続しています。
このような状況の中、当第2四半期連結累計期間は、バルブ事業において、国内向けは前期並みとなりましたが、海外向けは原油価格低迷による設備投資の抑制や、円高の影響などから減収となりました。伸銅品事業では、原材料相場の下落に伴う販売価格の低下及び販売量の減少により大幅な減収となった結果、売上高の総額は前年同期比8.5%減の549億41百万円となりました。
損益面では、営業利益は、製造コスト削減等により、前年同期比19.0%増の42億93百万円、経常利益は、円高による為替差損の発生はありましたが前年同期比18.6%増の40億84百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比11.7%増の26億67百万円となりました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
① バルブ事業
バルブ事業の外部売上高は、国内市場において建築設備向けが微増となる中、既設プラントへの定期修理案件への納入はありましたが、前年好調であった半導体製造装置向けが減少したことにより、前期並みとなりました。海外市場においては、ブラジル子会社の売上が第1四半期累計期間より加わりましたが、北米及びアジア向けにおける大幅減収が響き減収となった結果、バルブ事業の売上高は、前年同期比6.3%減の443億93百万円となりました。営業利益は、製造コスト削減の他、円高による海外生産品の仕入コスト減少などにより前年同期比10.1%増の55億94百万円となりました。
② 伸銅品事業
伸銅品事業の外部売上高は、売価に影響を与える原材料相場が対前年同期比で下落したほか、販売量の減少もあり大幅減収となり、前年同期比18.7%減の88億43百万円となりました。営業利益は、当第2四半期連結累計期間を通じて原材料相場が安定的に推移し一定の利益を確保することができたことから、2億84百万円の営業利益(前年同期は29百万円の営業損失)となりました。
③ その他
その他の外部売上高は、ホテル事業で夏季の天候不順等による集客不振などから、前年同期比2.9%減の17億4百万円となり、営業利益は前年同期比20.3%減の1億11百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産につきましては、売上債権及びたな卸資産が減少したことから、前連結会計年度末に比べ51億60百万円減少し1,142億61百万円となりました。負債につきましては、仕入債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べ19億28百万円減少し413億97百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益26億67百万円はありましたが、前期末配当金の支払いに加え、自己株式の取得13億92百万円を行ったため、株主資本の増加額は約5億円となりました。また、為替換算調整勘定が円高に伴い大幅に減少したことなどにより、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億32百万円減少し728億64百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ97百万円増の131億48百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前四半期純利益40億57百万円、減価償却費19億95百万円となったほか、売上債権やたな卸資産の減少などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは60億72百万円の資金の増加(前年同期は29億45百万円の増加)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
バルブ事業を中心に23億34百万円の設備投資を行ったことなどにより、投資活動によるキャッシュ・フローは28億71百万円の資金の減少(前年同期は21億18百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払7億50百万円及び自己株式の取得13億92百万円等の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは21億29百万円の資金の減少(前年同期は77億4百万円の増加)となりました。
(注) 当社では短期の運転資金需要の発生に備え、当社取引銀行との間で総額40億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当第2四半期連結会計期間末における当該借入金の残高はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億63百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
① 経営成績に重要な影響を与える要因
海外の生産拠点及び販売地域における情勢の変化が製品・部品供給、販売等に影響を及ぼす可能性があります。また、国内バルブ売上が民間設備投資に左右される傾向があること、ならびに海外生産品の輸入価格が為替相場の変動を受けるほか、各種金属素材市況の変動が材料調達や販売価格へ影響を与える要因となっております。
② 経営戦略の現状と見通し
当社は、「真のグローバル化を実現し、企業価値を最大化すること」、そして「強くて良い会社を実現すること」を目指すべく、2020年度末を目標とする長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」及び2018年度までの「中期経営計画」を策定しており、2020年度の連結業績目標を、売上高1,350億円、営業利益125億円、海外売上高比率37.7%としております。
中期経営計画においては、強みが生かせる重点市場分野である「建築設備」「石油化学・一般化学」「クリーンエネルギー」に経営資源を集中するとともに、機能別組織を貫く全社横断の戦略推進体制を強化してまいります。さらに、グローバル調達・内製化・生産性向上によるコスト改善を推進し、利益を生む設備投資を積極的に実施して、利益とキャッシュ・フロー重視の方針を徹底することで、ROEを向上させ、2018年度に営業利益100億円以上、2020年度に過去最高益を目指してまいります。
また、株主還元の充実として、現金配当による目標連結配当性向25%に加え、自己株式の取得にも積極的に取り組み、株主価値の一層の向上を図ります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益40億57百万円、減価償却費は19億95百万円となったほか、売上債権やたな卸資産の減少などにより、60億72百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより28億71百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払などにより21億29百万円の支出となりました。
上記の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は131億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ97百万円の増加となりました。
② 資金調達
当社グループは、グループ全体の資金を包括して管理するシステム(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金効率を最大化するとともに、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金の水準を十分に満たす流動性を保持しております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。平成28年5月に数値目標の見直しを行いました「KITZ Global Vision 2020」の基本戦略に沿って長期経営計画の最終年度目標を達成するための諸施策を実行いたします。