四半期報告書-第103期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

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2016/08/10 9:38
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、消費が伸び悩み、生産活動も停滞するなど景気は足踏みの状況が続き、海外経済では、米国が堅調なものの、中国及び他の新興国の減速が継続し、英国のEU離脱の影響も懸念されるなど先行き不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当第1四半期連結累計期間は、バルブ事業において、国内市場は前期並みで推移しましたが、海外市場では、原油価格の低迷に伴う投資抑制の影響と円高の進行などにより減収となりました。また、伸銅品事業では、原材料相場の下落に伴う販売価格の低下及び販売量の減少により大幅な減収となった結果、売上高の総額は前年同期比5.5%減の274億11百万円となりました。
損益面では、営業利益は、製造コスト削減の他、円高による海外生産品の仕入コストの減少により、前年同期比26.9%増の19億円、経常利益は、円高による為替差損の発生はありましたが前年同期比21.0%増の18億3百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前年同期比13.6%増の10億92百万円となりました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
① バルブ事業
バルブ事業の外部売上高は、国内市場において、建築設備向けが微増となったほか、既設プラント向け定期修理案件への納入はありましたが、前年好調であった半導体製造装置向けが減少したことにより前期並みとなりました。一方、海外市場においては、ブラジル子会社の売上が当第1四半期連結累計期間より加わりましたが、北米及びアジア向けを中心に減収となったことにより、バルブ事業の売上高は、前年同期比2.8%減の222億9百万円となりました。営業利益は、製造コスト削減の他、円高による海外生産品の仕入コストの減少及び前年同期に発生したM&A関連費用の負担が減少したことなどにより前年同期比14.6%増の25億94百万円となりました。
② 伸銅品事業
伸銅品事業の外部売上高は、売価に影響を与える原材料相場が対前年同期比で下落したほか、販売量の減少もあり大幅減収となり、前年同期比17.3%減の44億88百万円となりました。営業利益は、当第1四半期連結累計期間を通じて原材料相場が安定的に推移し一定の利益を確保することができたことから、前年同期比445.2%増の1億42百万円となりました。
③ その他
その他の外部売上高は、ホテル事業では前期並みとなりましたが、前年6月末の保険事業譲渡の影響により前年同期比3.0%減の7億13百万円となり、営業利益は、1百万円の営業損失(前年同期は5百万円の営業利益)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産につきましては、有利子負債の返済などにより現金及び預金が減少したほか、売上債権、たな卸資産及び投資有価証券が減少したことから、前連結会計年度末に比べ51億65百万円減少し1,142億56百万円となりました。負債につきましては、仕入債務や有利子負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ25億77百万円減少し407億47百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益10億92百万円はありましたが、自己株式の取得を9億31百万円行い、また、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ25億87百万円減少し735億9百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ22億4百万円減の108億45百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前四半期純利益17億58百万円、減価償却費9億85百万円となったほか、売上債権やたな卸資産の減少などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは25億35百万円の資金の増加(前年同期は1億45百万円の減少)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
バルブ事業を中心に11億26百万円の設備投資を行ったことなどにより、投資活動によるキャッシュ・フローは12億97百万円の資金の減少(前年同期は6億24百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の返済13億3百万円、配当金の支払7億50百万円及び自己株式の取得9億31百万円などの結果、財務活動によるキャッシュ・フローは30億82百万円の資金の減少(前年同期は22億17百万円の減少)となりました。
(注) 当社では短期の運転資金需要の発生に備え、当社取引銀行との間で総額40億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当第1四半期連結会計期間末における当該借入金の残高はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4億73百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
① 経営成績に重要な影響を与える要因
海外の生産拠点及び販売地域における情勢の変化が製品・部品供給、販売等に影響を及ぼす可能性があります。また、国内バルブ売上が民間設備投資に左右される傾向があること、ならびに海外生産品の輸入価格が為替相場の変動を受けるほか、各種金属素材市況の変動が材料調達や販売価格へ影響を与える要因となっております。
② 経営戦略の現状と見通し
当社は、「真のグローバル化を実現し、企業価値を最大化すること」、そして「強くて良い会社を実現すること」を目指すべく、2020年度末を目標とする長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」及び2018年度までの「中期経営計画」を策定しており、2020年度の連結業績目標を、売上高1,350億円、営業利益125億円、海外売上高比率37.7%としております。
中期経営計画においては、強みが生かせる重点市場分野である「建築設備」「石油化学・一般化学」「クリーンエネルギー」に経営資源を集中するとともに、機能別組織を貫く全社横断の戦略推進体制を強化してまいります。さらに、グローバル調達・内製化・生産性向上によるコスト改善を推進し、利益を生む設備投資を積極的に実施して、利益とキャッシュ・フロー重視の方針を徹底することで、ROEを向上させ、2018年度に営業利益100億円以上、2020年度に過去最高益を目指してまいります。
また、株主還元の充実として、現金配当による目標連結配当性向25%に加え、自己株式の取得にも積極的に取り組み、株主価値の一層の向上を図ります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益は17億58百万円、減価償却費は9億85百万円となったほか、売上債権やたな卸資産の減少などにより、25億35百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより12億97百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払などにより30億82百万円の支出となりました。
上記の結果、第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は108億45百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億4百万円の減少となりました。
② 資金調達
当社グループは、グループ全体の資金を包括して管理するシステム(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金効率を最大化するとともに、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金の水準を十分に満たす流動性を保持しております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。平成28年5月に数値目標の見直しを行いました「KITZ Global Vision 2020」の基本戦略に沿って長期経営計画の最終年度目標を達成するための諸施策を実行いたします。