四半期報告書-第183期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/10/30 16:00
【資料】
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【項目】
18項目

※第1四半期連結会計期間から、セグメントを変更しています。
また、前年同期との比較数値については、前年同期の数値を新たなセグメントに組み替えて表示しています。
なお、「調整後営業損益」は、営業損益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)を控除し、買収会社の全社への貢献を明確化した、本源的な事業の業績を測る利益指標です。また、「親会社の所有者に帰属する調整後四半期損益」は、四半期損益から営業損益に係る調整項目およびこれらに係る税金相当・非支配持分相当を控除した、親会社所有者に帰属する本源的な事業の業績を測る利益指標です。
(1)財政状態および経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の経済環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下「新型コロナウイルス感染症」という。)の世界的な流行に伴う外出制限や営業・生産活動の停止等の影響から、世界経済、日本経済ともに大きく悪化しました。外出制限等の解除後も、経済活動の自粛等の影響から、改善のペースは緩やかなものになりました。
このような事業環境のもと、当第2四半期連結累計期間の売上収益は、1兆3,150億円と前年同期に比べ1,340億円(9.2%)減少しました。これは、エンタープライズ事業や社会公共事業、グローバル事業が減収となったことなどによるものです。
収益面につきましては、営業損益は、前年同期に比べ269億円悪化し、200億円の利益となりました。これは、費用の効率化により販売費及び一般管理費が改善したことに加え、子会社株式売却益の計上によるその他の損益の改善があったものの、売上収益が減少したことなどによるものです。また、調整後営業損益は、前年同期に比べ263億円悪化し、290億円の利益となりました。
税引前四半期損益は、営業損益が悪化したことなどにより、前年同期に比べ268億円悪化し、194億円の利益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期損益は、税引前四半期損益が悪化したことなどにより、前年同期に比べ182億円悪化し、110億円の利益となりました。また、親会社の所有者に帰属する調整後四半期損益は、前年同期に比べ177億円悪化し、166億円の利益となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。なお、セグメント別の売上収益については、外部顧客への売上収益を記載しています。
a.社会公共事業
社会公共事業の売上収益は、医療向けや地域産業向けが減少したことに加え、企業向けパソコンの更新需要の一巡などにより、前年同期に比べ301億円(14.5%)減少し、1,771億円となりました。
調整後営業損益は、売上が減少したことなどにより、前年同期に比べ53億円悪化し、46億円の利益となりました。
b.社会基盤事業
社会基盤事業の売上収益は、航空宇宙・防衛向けが減少したことに加え、連結子会社の売上が減少したことなどにより、前年同期に比べ176億円(5.9%)減少し、2,816億円となりました。
調整後営業損益は、主に連結子会社が減益となったことなどにより、前年同期に比べ77億円悪化し、166億円の利益となりました。
c.エンタープライズ事業
エンタープライズ事業の売上収益は、前年同期にあった大型案件の売上の減少や企業向けパソコンの更新需要の一巡に加え、製造業や流通・サービス業におけるIT投資の抑制などにより、前年同期に比べ501億円(17.4%)減少し、2,381億円となりました。
調整後営業損益は、売上が減少したことなどにより、前年同期に比べ73億円悪化し、180億円の利益となりました。
d.ネットワークサービス事業
ネットワークサービス事業の売上収益は、連結子会社を中心に増加したことなどにより、前年同期に比べ111億円(5.2%)増加し、2,255億円となりました。
調整後営業損益は、売上が増加したものの、5G関連の投資費用の増加などにより、前年同期に比べ29億円悪化し、62億円の利益となりました。
e.グローバル事業
グローバル事業の売上収益は、海洋システムが増加したものの、ディスプレイやワイヤレスバックホールなどが減少したことに加え、買収時から見込んでいたケーエムディ社における一部の事業の終息などにより、前年同期に比べ240億円(9.9%)減少し、2,193億円となりました。
調整後営業損益は、売上が減少したことなどにより、前年同期に比べ44億円悪化し、33億円の損失となりました。
f.その他
その他の売上収益は、前年同期に比べ233億円(11.8%)減少し、1,734億円となりました。
調整後営業損益は、前年同期に比べ67億円悪化し、72億円の利益となりました。
財政状態につきましては、当第2四半期連結会計期間末の総資産は、3兆259億円と前年度末に比べ973億円減少しました。流動資産は、棚卸資産の増加があったものの、売上債権の回収などにより、前年度末に比べ1,087億円減少し、1兆5,903億円となりました。非流動資産は、株式の時価上昇に伴うその他の金融資産の増加などにより、前年度末に比べ113億円増加し、1兆4,357億円となりました。
負債は、1兆8,290億円と前年度末に比べ1,797億円減少しました。これは、主に資材費の支払等による営業債務及びその他の債務の減少や有利子負債の返済に伴う減少などによるものです。有利子負債残高は、前年度末に比べ445億円減少の6,310億円となり、デット・エクイティ・レシオは0.64倍(前年度末比0.10ポイント改善)となりました。また、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前年度末に比べ566億円減少の2,596億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は、0.26倍(前年度末比0.09ポイント改善)となりました。
資本は、配当金の支払があったものの、日本電信電話㈱に対する第三者割当増資の実行に加え、株式の時価上昇に伴うその他の資本の構成要素の増加、四半期利益を計上したことなどにより、前年度末に比べ824億円増加し、1兆1,969億円となりました。
この結果、親会社の所有者に帰属する持分は9,932億円となり、親会社所有者帰属持分比率は32.8%(前年度末比3.7ポイント改善)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、639億円の収入で、運転資本が改善したものの、税引前四半期損益が悪化したことなどにより、前年同期に比べ414億円悪化しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、342億円の支出で、子会社の売却による収入を計上したことなどにより、前年同期に比べ155億円支出額が減少しました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、297億円の収入となり、前年同期に比べ259億円の悪化となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入および社債の発行による収入があったものの、社債の償還やリース負債の返済による支出に加え、配当金の支払などにより、143億円の支出となりました。
上記の結果、現金及び現金同等物は、3,714億円となり、前年度末に比べ122億円増加しました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、NECグループが定めた経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、NECグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるNECグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第2四半期連結累計期間におけるNECグループの主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。
・新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向け、駅や空港といった公共施設や店舗など人が集まる場所に設置されたカメラの映像を解析し、個人を特定しないかたちで人の密集度合いをリアルタイムに可視化するソーシャルディスタンシング判定技術を開発(グローバル事業)
・新型コロナウイルスのワクチン開発を支援する取り組みとして、個別化がん免疫療法の開発で培ったAI予測技術を適用し、新型コロナウイルスの遺伝子解析を行い、その解析結果を公開(その他)
・ロボット専門家による事前の手順設計などを要することなく、現場の作業者が作業目標を指示するだけで、全自動でロボットの作業手順を設定し、最も効率的で安全な動作を導き出して制御することができるAI技術「目標指向タスクプランニング技術」を開発(エンタープライズ事業)
・フロンを含まず、地球温暖化への影響が少ない新冷媒を用いた空調設備を世界で初めて実用化し、データセンター内で発生する大量の熱を冷却するために要する空調消費電力を、従来の冷却システムと比較して半減できることを実証(その他)
(注)本実証実験は、NTTコミュニケーションズ㈱と共同で行いました。
当第2四半期連結累計期間におけるNECグループ全体の研究開発費は、51,671百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
社会公共事業 4,888百万円
社会基盤事業 5,203百万円
エンタープライズ事業 6,811百万円
ネットワークサービス事業 14,511百万円
グローバル事業 8,417百万円
その他 11,841百万円