四半期報告書-第181期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)
※第1四半期連結会計期間から、セグメントを変更しています。
また、前年同期との比較数値については、前年同期の数値を新たなセグメントに組み替えて表示しています。
(1)財政状態および経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国・欧州を中心に底堅く推移しました。新興国も総じて底堅く推移しましたが、一部の国で通貨が大幅に下落するなど、金融市場はやや不安定な状況となりました。また、米中間を中心に通商問題に対する懸念が高まりました。
日本経済は、安定した成長が続くものの、相次ぐ自然災害による影響で当第2四半期連結会計期間の成長率はやや鈍化しました。
このような事業環境のもと、当第2四半期連結累計期間の売上収益は、1兆3,364億円と前年同期に比べ484億円(3.8%)増加しました。これは、エンタープライズ事業およびパブリック事業が増収となったことなどによるものです。
収益面につきましては、営業損益は、前年同期に比べ66億円改善し、138億円の利益となりました。これは、売上収益が増加したことなどによるものです。
税引前四半期損益は、営業損益が改善したものの、前年同期に関連会社株式売却益を計上したことなどにより、前年同期に比べ90億円悪化し、218億円の利益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期損益は、税引前四半期損益が悪化したことなどにより、前年同期に比べ97億円悪化し、92億円の利益となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。なお、セグメント別の売上収益については、外部顧客への売上収益を記載しています。
a.パブリック事業
パブリック事業の売上収益は、航空宇宙・防衛向けが増加したことなどにより、前年同期に比べ155億円(3.8%)増加し、4,197億円となりました。
営業損益は、前年同期にあった一過性の利益が減少したことなどにより、前年同期に比べ23億円悪化し、123億円の利益となりました。
b.エンタープライズ事業
エンタープライズ事業の売上収益は、製造業向け、流通・サービス業向け、金融業向けいずれも増加したことなどにより、前年同期に比べ198億円(10.3%)増加し、2,117億円となりました。
営業損益は、AI(人工知能)・IoT(Internet of Things)関連の投資費用が増加したものの、システム構築サービスの増益などにより、前年同期並みの157億円の利益となりました。
c.ネットワークサービス事業
ネットワークサービス事業の売上収益は、ITサービスが減少したものの、ネットワークインフラが増加したことなどにより、前年同期に比べ28億円(1.6%)増加し、1,760億円となりました。
営業損益は、ネットワークインフラの収益性が改善したものの、ITサービスの特定プロジェクトにおいて損失を計上したことなどにより、前年同期に比べ21億円悪化し、34億円の利益となりました。
d.システムプラットフォーム事業
システムプラットフォーム事業の売上収益は、企業向けパソコンが増加したことなどにより、前年同期に比べ11億円(0.5%)増加し、2,426億円となりました。
営業損益は、新製品の立ち上げに伴う投資費用の増加などにより、前年同期に比べ13億円悪化し、40億円の利益となりました。
e.グローバル事業
グローバル事業の売上収益は、海洋システムやディスプレイが減少したものの、セーフティが増加したことなどにより、前年同期に比べ13億円(0.6%)増加し、2,133億円となりました。
営業損益は、セーフティやモバイルバックホールの収益性改善などにより、前年同期に比べ60億円改善し、50億円の損失となりました。
f.その他
その他の売上収益は、前年同期に比べ78億円(12.0%)増加し、730億円となりました。
営業損益は、前年同期に比べ63億円改善し、60億円の利益となりました。
財政状態につきましては、当第2四半期連結会計期間末の総資産は、2兆8,325億円と前年度末に比べ111億円増加しました。流動資産は、営業債権及びその他の債権の回収などにより、前年度末に比べ228億円減少し、1兆6,175億円となりました。非流動資産は、株式の時価上昇に伴うその他の金融資産の増加などにより、前年度末に比べ340億円増加し、1兆2,150億円となりました。
負債は、1兆7,729億円と前年度末に比べ58億円増加しました。これは、資材費の支払等により営業債務及びその他の債務が減少したものの、社債の発行を実施したことなどによるものです。有利子負債残高は、前年度末に比べ629億円増加の5,837億円となり、デット・エクイティ・レシオは0.66倍(前年度末比0.07ポイント悪化)となりました。また、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前年度末に比べ382億円増加の2,130億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は、0.24倍(前年度末比0.04ポイント悪化)となりました。
資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したことなどにより、前年度末に比べ54億円増加し、1兆596億円となりました。
この結果、親会社の所有者に帰属する持分は8,814億円となり、親会社所有者帰属持分比率は31.1%(前年度末比0.1ポイント悪化)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、143億円の収入で、前年同期に比べ358億円悪化しました。これは、営業債務及びその他の債務の支払額が増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、315億円の支出で、前年同期に比べ567億円支出額が増加しました。これは、前年同期に持分法で会計処理されている投資の売却による収入を計上したことなどによるものです。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、171億円の支出となり、前年同期に比べ925億円悪化しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入などにより、427億円の収入となりました。
上記の結果、現金及び現金同等物は、3,707億円となり、前年度末に比べ247億円増加しました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、NECグループが定めた経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、NECグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
② 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のありかたは、株主が最終的に決定するものと考えています。一方、経営支配権の取得を目的とする当社株式の大量買付行為や買収提案があった場合には、買収提案に応じるか否かについての株主の判断のため、買収提案者に対して対価等の条件の妥当性や買付行為がNECグループの経営方針や事業計画等に与える影響などに関する適切な情報の提供を求めるとともに、それが当社の企業価値および株主共同の利益の向上に寄与するものであるかどうかについて評価、検討し、速やかに当社の見解を示すことが取締役会の責任であると考えています。また、状況に応じて、買収提案者との交渉や株主への代替案の提示を行うことも必要であると考えます。
当社は、現在、買収提案者が出現した場合の対応方針としての買収防衛策をあらかじめ定めていませんが、買収提案があった場合に、買収提案者から適切な情報が得られなかったとき、株主が買収提案について判断をするための十分な時間が与えられていないとき、または買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益の向上に反すると判断したときには、その時点において実行可能で、かつ株主に受け入れられる合理的な対抗策を直ちに決定し、実施する予定です。
(5)研究開発活動
NECグループは、ICTを活用して社会インフラを高度化する「社会ソリューション事業」に注力することにより、人が豊かに生きる安全・安心・効率・公平な社会の実現を目指しています。その実現に向けて中央研究所は、社会ソリューション事業の軸となる既存事業を発展させる技術や、社会に新たな価値を提供しうる将来事業向けの先進的な技術を創出し、かかる技術の事業化を加速することで、NECグループの持続的な発展を支えていきます。
具体的には、ビッグデータの解析により新たな価値を創造する「データサイエンス」の技術領域と、これを効率的かつセキュアに支える「ICTプラットフォーム」の技術領域を中心に研究開発を推進しています。
「データサイエンス」の技術領域では、長年にわたる技術の蓄積と事業実績、世界トップレベルの性能を持つAI(人工知能)の技術群や、IoT(Internet of Things)基盤技術を活用し、実世界の見える化を図ることで従来よりも広く深い情報の収集・分析を行い、複雑化・不確実化する社会システムの将来を予測することによって、社会システム全体のデジタルトランスフォーメーションに貢献していきます。
「ICTプラットフォーム」の技術領域では、コンピューティングやネットワーキング、セキュリティの分野において、デジタルトランスフォーメーションの深化に対応するユニークな技術を発展させることにより、即時性・遠隔性・堅牢性とダイナミズムを実現するための研究開発を進めています。
また、グローバルに研究成果を創出するため、北米、欧州、シンガポール、インド、中国にも研究開発拠点を設置し、それぞれの地の利を生かした研究開発を推進し、その知見をグローバルな共通知とするとともに、顧客や世界最先端の技術を有する研究パートナーとのオープンイノベーションを通じて、より大きな社会価値を創出することに挑戦しています。
なお、NECグループは、「2020中期経営計画」のもと、「実行力の改革」に向けて事業開発力の強化に取り組んでおり、競争力のある技術の収益化を進めています。これを具現化する取り組みとして、2018年4月に、NECグループの最先端AI技術の開発リーダを創業者として、データ分析プロセスをAIによって自動化するソフトウェアを開発し、グローバルに販売するドットデータ社を米国に設立しました。同社は、外部資金調達などを通じて迅速な事業拡大を目指します。また、同年7月に、コア技術のグローバルな事業化を加速するインキュベーションを担うNECエックス社を米国に設立しました。
当第2四半期連結累計期間におけるNECグループの主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。
・発生確率が極めて低いため製品の設計段階での発見が困難な複数の不具合を、AIが学習しながらシミュレーションを繰り返して効率的に短時間で見つけ出す「希少事象発見技術」を開発(エンタープライズ事業)
(注)本開発は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で行いました。
・従来比2倍のサーバの冷却効率を実現し、データセンター全体の消費電力を最大20%削減することができる、データセンター向け冷却技術を開発(システムプラットフォーム事業)
・都市部における膨大な数の道路・ビル等の老朽化を診断する検査手法として、2つの衛星レーダによる変位解析を統合し、構造物ごとに水平垂直両方向の2次元変位を高精度に解析する「2次元微小変位計測技術」を開発(パブリック事業)
・5G(第5世代移動通信システム)の実用化に向けて、多素子アンテナを搭載した無線ユニットの体積を半分程度に小型化することを可能とする、アンテナからの放熱技術を開発(ネットワークサービス事業)
当第2四半期連結累計期間におけるNECグループ全体の研究開発費は、49,090百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
パブリック事業 4,272百万円
エンタープライズ事業 2,479百万円
ネットワークサービス事業 8,665百万円
システムプラットフォーム事業 13,162百万円
グローバル事業 10,533百万円
その他 9,979百万円
また、前年同期との比較数値については、前年同期の数値を新たなセグメントに組み替えて表示しています。
(1)財政状態および経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国・欧州を中心に底堅く推移しました。新興国も総じて底堅く推移しましたが、一部の国で通貨が大幅に下落するなど、金融市場はやや不安定な状況となりました。また、米中間を中心に通商問題に対する懸念が高まりました。
日本経済は、安定した成長が続くものの、相次ぐ自然災害による影響で当第2四半期連結会計期間の成長率はやや鈍化しました。
このような事業環境のもと、当第2四半期連結累計期間の売上収益は、1兆3,364億円と前年同期に比べ484億円(3.8%)増加しました。これは、エンタープライズ事業およびパブリック事業が増収となったことなどによるものです。
収益面につきましては、営業損益は、前年同期に比べ66億円改善し、138億円の利益となりました。これは、売上収益が増加したことなどによるものです。
税引前四半期損益は、営業損益が改善したものの、前年同期に関連会社株式売却益を計上したことなどにより、前年同期に比べ90億円悪化し、218億円の利益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期損益は、税引前四半期損益が悪化したことなどにより、前年同期に比べ97億円悪化し、92億円の利益となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。なお、セグメント別の売上収益については、外部顧客への売上収益を記載しています。
a.パブリック事業
パブリック事業の売上収益は、航空宇宙・防衛向けが増加したことなどにより、前年同期に比べ155億円(3.8%)増加し、4,197億円となりました。
営業損益は、前年同期にあった一過性の利益が減少したことなどにより、前年同期に比べ23億円悪化し、123億円の利益となりました。
b.エンタープライズ事業
エンタープライズ事業の売上収益は、製造業向け、流通・サービス業向け、金融業向けいずれも増加したことなどにより、前年同期に比べ198億円(10.3%)増加し、2,117億円となりました。
営業損益は、AI(人工知能)・IoT(Internet of Things)関連の投資費用が増加したものの、システム構築サービスの増益などにより、前年同期並みの157億円の利益となりました。
c.ネットワークサービス事業
ネットワークサービス事業の売上収益は、ITサービスが減少したものの、ネットワークインフラが増加したことなどにより、前年同期に比べ28億円(1.6%)増加し、1,760億円となりました。
営業損益は、ネットワークインフラの収益性が改善したものの、ITサービスの特定プロジェクトにおいて損失を計上したことなどにより、前年同期に比べ21億円悪化し、34億円の利益となりました。
d.システムプラットフォーム事業
システムプラットフォーム事業の売上収益は、企業向けパソコンが増加したことなどにより、前年同期に比べ11億円(0.5%)増加し、2,426億円となりました。
営業損益は、新製品の立ち上げに伴う投資費用の増加などにより、前年同期に比べ13億円悪化し、40億円の利益となりました。
e.グローバル事業
グローバル事業の売上収益は、海洋システムやディスプレイが減少したものの、セーフティが増加したことなどにより、前年同期に比べ13億円(0.6%)増加し、2,133億円となりました。
営業損益は、セーフティやモバイルバックホールの収益性改善などにより、前年同期に比べ60億円改善し、50億円の損失となりました。
f.その他
その他の売上収益は、前年同期に比べ78億円(12.0%)増加し、730億円となりました。
営業損益は、前年同期に比べ63億円改善し、60億円の利益となりました。
財政状態につきましては、当第2四半期連結会計期間末の総資産は、2兆8,325億円と前年度末に比べ111億円増加しました。流動資産は、営業債権及びその他の債権の回収などにより、前年度末に比べ228億円減少し、1兆6,175億円となりました。非流動資産は、株式の時価上昇に伴うその他の金融資産の増加などにより、前年度末に比べ340億円増加し、1兆2,150億円となりました。
負債は、1兆7,729億円と前年度末に比べ58億円増加しました。これは、資材費の支払等により営業債務及びその他の債務が減少したものの、社債の発行を実施したことなどによるものです。有利子負債残高は、前年度末に比べ629億円増加の5,837億円となり、デット・エクイティ・レシオは0.66倍(前年度末比0.07ポイント悪化)となりました。また、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前年度末に比べ382億円増加の2,130億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は、0.24倍(前年度末比0.04ポイント悪化)となりました。
資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したことなどにより、前年度末に比べ54億円増加し、1兆596億円となりました。
この結果、親会社の所有者に帰属する持分は8,814億円となり、親会社所有者帰属持分比率は31.1%(前年度末比0.1ポイント悪化)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、143億円の収入で、前年同期に比べ358億円悪化しました。これは、営業債務及びその他の債務の支払額が増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、315億円の支出で、前年同期に比べ567億円支出額が増加しました。これは、前年同期に持分法で会計処理されている投資の売却による収入を計上したことなどによるものです。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、171億円の支出となり、前年同期に比べ925億円悪化しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入などにより、427億円の収入となりました。
上記の結果、現金及び現金同等物は、3,707億円となり、前年度末に比べ247億円増加しました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、NECグループが定めた経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、NECグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
② 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のありかたは、株主が最終的に決定するものと考えています。一方、経営支配権の取得を目的とする当社株式の大量買付行為や買収提案があった場合には、買収提案に応じるか否かについての株主の判断のため、買収提案者に対して対価等の条件の妥当性や買付行為がNECグループの経営方針や事業計画等に与える影響などに関する適切な情報の提供を求めるとともに、それが当社の企業価値および株主共同の利益の向上に寄与するものであるかどうかについて評価、検討し、速やかに当社の見解を示すことが取締役会の責任であると考えています。また、状況に応じて、買収提案者との交渉や株主への代替案の提示を行うことも必要であると考えます。
当社は、現在、買収提案者が出現した場合の対応方針としての買収防衛策をあらかじめ定めていませんが、買収提案があった場合に、買収提案者から適切な情報が得られなかったとき、株主が買収提案について判断をするための十分な時間が与えられていないとき、または買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益の向上に反すると判断したときには、その時点において実行可能で、かつ株主に受け入れられる合理的な対抗策を直ちに決定し、実施する予定です。
(5)研究開発活動
NECグループは、ICTを活用して社会インフラを高度化する「社会ソリューション事業」に注力することにより、人が豊かに生きる安全・安心・効率・公平な社会の実現を目指しています。その実現に向けて中央研究所は、社会ソリューション事業の軸となる既存事業を発展させる技術や、社会に新たな価値を提供しうる将来事業向けの先進的な技術を創出し、かかる技術の事業化を加速することで、NECグループの持続的な発展を支えていきます。
具体的には、ビッグデータの解析により新たな価値を創造する「データサイエンス」の技術領域と、これを効率的かつセキュアに支える「ICTプラットフォーム」の技術領域を中心に研究開発を推進しています。
「データサイエンス」の技術領域では、長年にわたる技術の蓄積と事業実績、世界トップレベルの性能を持つAI(人工知能)の技術群や、IoT(Internet of Things)基盤技術を活用し、実世界の見える化を図ることで従来よりも広く深い情報の収集・分析を行い、複雑化・不確実化する社会システムの将来を予測することによって、社会システム全体のデジタルトランスフォーメーションに貢献していきます。
「ICTプラットフォーム」の技術領域では、コンピューティングやネットワーキング、セキュリティの分野において、デジタルトランスフォーメーションの深化に対応するユニークな技術を発展させることにより、即時性・遠隔性・堅牢性とダイナミズムを実現するための研究開発を進めています。
また、グローバルに研究成果を創出するため、北米、欧州、シンガポール、インド、中国にも研究開発拠点を設置し、それぞれの地の利を生かした研究開発を推進し、その知見をグローバルな共通知とするとともに、顧客や世界最先端の技術を有する研究パートナーとのオープンイノベーションを通じて、より大きな社会価値を創出することに挑戦しています。
なお、NECグループは、「2020中期経営計画」のもと、「実行力の改革」に向けて事業開発力の強化に取り組んでおり、競争力のある技術の収益化を進めています。これを具現化する取り組みとして、2018年4月に、NECグループの最先端AI技術の開発リーダを創業者として、データ分析プロセスをAIによって自動化するソフトウェアを開発し、グローバルに販売するドットデータ社を米国に設立しました。同社は、外部資金調達などを通じて迅速な事業拡大を目指します。また、同年7月に、コア技術のグローバルな事業化を加速するインキュベーションを担うNECエックス社を米国に設立しました。
当第2四半期連結累計期間におけるNECグループの主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。
・発生確率が極めて低いため製品の設計段階での発見が困難な複数の不具合を、AIが学習しながらシミュレーションを繰り返して効率的に短時間で見つけ出す「希少事象発見技術」を開発(エンタープライズ事業)
(注)本開発は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で行いました。
・従来比2倍のサーバの冷却効率を実現し、データセンター全体の消費電力を最大20%削減することができる、データセンター向け冷却技術を開発(システムプラットフォーム事業)
・都市部における膨大な数の道路・ビル等の老朽化を診断する検査手法として、2つの衛星レーダによる変位解析を統合し、構造物ごとに水平垂直両方向の2次元変位を高精度に解析する「2次元微小変位計測技術」を開発(パブリック事業)
・5G(第5世代移動通信システム)の実用化に向けて、多素子アンテナを搭載した無線ユニットの体積を半分程度に小型化することを可能とする、アンテナからの放熱技術を開発(ネットワークサービス事業)
当第2四半期連結累計期間におけるNECグループ全体の研究開発費は、49,090百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
パブリック事業 4,272百万円
エンタープライズ事業 2,479百万円
ネットワークサービス事業 8,665百万円
システムプラットフォーム事業 13,162百万円
グローバル事業 10,533百万円
その他 9,979百万円