四半期報告書-第118期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日(2017年12月31日)現在において当社及び連結子会社(以下、当社グループ)が判断したものです。
以下の文中において、当第3四半期連結累計期間を当第3四半期(累計)、当第3四半期連結会計期間を当第3四半期、前年同四半期連結累計期間及び前年同四半期連結会計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。
非継続事業について
当社は、2017年11月1日に富士通テン株式会社(以下、富士通テン)の株式を株式会社デンソーに譲渡いたしました。これに伴い、富士通テンを非継続事業に分類しております。富士通テンは、従来、ユビキタスソリューションに含まれておりましたが、非継続事業に分類したため、セグメント情報から除いております。
(1)経営成績の分析(当第3四半期(累計))
①損益の状況
(単位:億円)
売上収益は2兆9,263億円と、ほぼ前年同期並みとなりました。ネットワークプロダクトを中心にシステムプラットフォームが減収となりましたが、国内サービスが堅調に推移したほか、パソコン及びLSIが増収となりました。
営業利益は385億円と、前年同期比159億円の減益となりました。ネットワークプロダクトの減収影響があったほか、パソコンや携帯電話事業において円安影響などにより部材調達価格が上昇したことなどによります。
税引前四半期利益は723億円と、前年同期比130億円の増益となりました。営業利益は減益となりましたが、金融収益が前年同期比292億円増加しました。富士電機株式会社との株式持合い見直しに伴う株式売却益273億円を計上したことなどによります。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は554億円と、税引前四半期利益の増益、法人所得税費用の負担軽減などにより前年同期比231億円の増益となりました。
②セグメント情報
(単位:億円)
a テクノロジーソリューション
売上収益は2兆1,504億円と、前年同期比1.5%の減収となりました。国内サービスは堅調に推移しましたが、ネットワークプロダクトが前年同期に国内向け携帯電話基地局の引き合いが強かった反動に加え、競争環境の厳しさが増してきた影響により減収となりました。
営業利益は744億円と、前年同期比295億円の減益となりました。ネットワークプロダクトの減収影響があったほか、国内外で不採算プロジェクトが発生したことなどによります。
b ユビキタスソリューション
売上収益は4,865億円と、前年同期比3.9%の増収となりました。携帯電話事業は減収となりましたが、パソコンが法人向けを中心に伸長したほか、為替の円安影響もありました。
営業利益は116億円と、前年同期比79億円の減益となりました。パソコンや携帯電話事業において円安影響などにより米国ドル建の部材調達価格が上昇した影響がありました。
c デバイスソリューション
売上収益は4,211億円と、前年同期比3.6%の増収となりました。スマートフォン向け製品の所要が回復したほか、為替の円安影響もありました。
営業利益は115億円と、前年同期比69億円の増益となりました。増収効果などによります。
d その他及び消去又は全社
営業利益は590億円の損失と前年同期比146億円の改善となりました。次世代クラウドやセキュリティ関連の先行投資を拡充しましたが、ニフティのコンシューマ事業売却による一時的な利益計上がありました。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
(単位:億円)
親会社所有者帰属持分を資産で控除した自己資本比率は、当期利益の計上などにより当第3四半期末で33.4%と前年度末から5.8%上昇しました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
営業活動によるキャッシュ・フローは709億円のプラスと、前年同期比232億円の収入減となりました。ビジネスモデル変革に伴う人員対策費用の支払などがありました。
投資活動によるキャッシュ・フローは375億円のマイナスと、前年同期比934億円の支出減となりました。富士電機株式の売却収入や貸付金の回収を含めた富士通テンの事業譲渡に係る収入があったほか、有形固定資産の取得による支出が減少しました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期(累計)において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第3四半期(累計)において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。
(5)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話等のユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての考えを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。研究開発からお客様へのアプローチ、そして製品・サービスの提供に至るすべての事業活動をこのビジョンにもとづいて実行しています。このビジョンの中心的な考えとして、Human Centric Innovationというコンセプトを2014年に発表しました。これは先進技術で人をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会のイノベーションを生み出す新たなアプローチです。
イノベーションは、人々の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、そしてモノやインフラのつながり、という3つの要素を組み合わせることによって実現することができます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。
当社グループの研究開発活動は、2017年度のテーマであるHuman Centric Innovation: Digital Co-creationのもと、この3つの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。
①ヒューマン・エンパワーメント
デジタル技術を活用して人をエンパワーします。
②クリエイティブ・インテリジェンス
データ分析とアルゴリズムから引き出されるインテリジェンスを活用します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ビジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します。
上記の各アクションアイテム等に関する、当第3四半期における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第3四半期(累計)における研究開発費の総額は、1,178億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
該当事項はありません。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・異なるブロックチェーンをつなげ、取引の安全性を確保するコネクションチェーン技術を開発
近年、ブロックチェーンを活用し、個人や企業が仮想通貨を販売して資金を調達するICO(Initial Coin Offering)のブームをきっかけに様々なブロックチェーンが立ち上がり、独自の仮想通貨の発行が増えています。そのため、仮想通貨同士の交換やブロックチェーン同士のデータ交換のニーズが高まってきています。ブロックチェーンには、取引や契約を自動化するスマートコントラクトという仕組みがあるものの、一つのブロックチェーンでしか動作しないという課題がありました。その課題を解決するため、今回、異なるブロックチェーン間での決済を簡単・安全に実行できるセキュリティ技術「コネクションチェーン」を世界で初めて開発しました。スマートコントラクトを複数のブロックチェーンが関わる処理に適用可能とする拡張技術と、取引状況に応じて資産の移動を制御するトランザクションの制御技術により、複数の異なるブロックチェーンの取引を一つの流れで実行できるようになります。本技術により、多様な地域通貨の決済や、特定の仮想通貨を対象としたキャンペーンでの変換レートの簡単な設定等通貨交換のみならず、企業間の高信頼なデータ交換や契約自動化などを可能にしていきます。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・クラウド間の大量データ転送を可能にする業界最高性能なWAN(Wide Area Network)高速化技術を開発
近年、企業内のサーバで管理していたデータ(社内文書、設計データなど)のクラウド移行や、大量のデータを分析、活用するIoT、AIなどのデジタル技術の活用が広がることで、クラウド間のWAN回線を流れるデータ量が爆発的に増加し、より高速なデータ転送が求められています。WAN高速化処理では、転送データの圧縮や重複除去によるデータ削減を行いますが、処理すべきデータが非常に多く、十分に実効転送速度を向上できませんでした。今回、サーバに搭載したFPGA(集積回路)を、処理能力を高めるアクセラレータとして活用し、10Gbps以上のWAN回線でも実時間動作が可能なWAN高速化技術を開発しました。WAN高速化処理のうち、負荷が重くCPUでの処理速度向上が難しい一部の処理をFPGAで実行し、CPUとFPGAアクセラレータを効率よく連携させました。サーバ間を10Gbps回線で接続した実験環境では、業界最高性能となる最大40Gbpsの実効転送速度を確認しました。クラウドでのデータ共有やバックアップなどのデータ転送を高速に行うことが可能となり、様々な企業・拠点間で大量のデータを共有し活用する次世代のクラウドサービスを実現できます。
・長距離無線「LPWA」に対応した電池交換不要の世界最小センサーデバイスを実現
2020年には数百億個もの膨大なIoT機器がネットワークを経由してクラウドに繋がると予測されています。このようなIoTシステムでは、クラウドでデータを収集し分析する必要があるため、低消費電力で広い領域からクラウドに直接データ送信できる無線通信技術LPWAが注目され、そのセンサーデバイスでは利便性とコストから電池交換の手間がかからない小型のものが期待されています。そこで、富士通研究所では、これまで、太陽電池のみの電力でビーコンを動作させる電源制御技術を開発してきました。従来は、温度による太陽電池の発電電力のバラツキに対して、蓄電素子を大きくして対応していましたが、今回、温度センサーで測定した温度に合わせて電波送信のタイミングを制御する技術を開発し、電力を効率よく利用することで、電波送信に必要な蓄電素子を半減し、デバイスの小型化に成功しました。本技術により電池交換不要でLPWA通信を実現する世界最小82×24×6mmのセンサーデバイスを試作し、約7km先の基地局にダイレクトに送信できることを実証しました。工場やビルなどでの空調制御や橋梁の劣化監視など様々な現場のデジタル化を促進します。
・5G基地局向け10Gbps高速通信を実現する低消費電力のミリ波回路技術を開発
進化する情報社会において、移動通信のトラフィック量は増大し続けています。2020年頃の実用化を目指して研究・開発が進む第5世代移動通信方式(5G)では、増大するトラフィックに応えるネットワークシステムの大容量化に加え、低コスト、低消費電力が求められています。今回、5Gで求められている10Gbps超の高速通信を、Wi-Fiアクセスポイント並みの低消費電力で実現できる基地局向けミリ波回路技術を世界に先がけて開発しました。フェーズシフタと呼ばれるアンテナ素子への信号の位相を制御する回路のアンプ数を減らし、回路の電力ロスを最小化するミリ波回路技術により、消費電力を半減させることに成功しました。本技術と既存技術の組み合わせにより、基地局を狭いエリアでも多数設置でき、駅やスタジアムなど人が多く集まる場所で小型の5G基地局によるミリ波の高速通信が可能になります。例えば、スタジアムでは各利用者が様々な状況やシーンを高精細映像で視聴するサービスなどの実現が期待できます。
④その他共通な基盤等
・GaN-HEMT送信用パワーアンプを高出力化するダイヤモンド常温接合技術を世界で初めて開発
気象レーダーや5G向けミリ波帯無線通信に利用される高周波GaN-HEMTパワーアンプは、長距離の電波用途に広く利用されています。観測範囲の拡大や長距離・大容量化のためには、パワーアンプの高出力化が必要です。高出力化するには、増大するデバイスの熱を効率的に冷却装置に伝える必要がありますが、従来のSiC基板より熱伝導率の高い材料が求められています。単結晶ダイヤモンドは、熱伝導率が高いものの、製造プロセスで表面にダメージ層が形成され接合強度が低くなるため、排熱素材として利用できませんでした。しかし、今回、GaN-HEMTパワーアンプを高効率に冷却するため、単結晶ダイヤモンドとSiC基板という熱膨張係数の異なる硬い材料同士を常温で接合する技術を開発しました。ダイヤモンドの表面を非常に薄い金属膜で保護することで、表面のダメージ層の形成を防止し、接合強度を改善しました。本技術を気象レーダーなどのシステムへ応用した場合、さらに高出力なGaN-HEMT送信用パワーアンプの実現につながり、レーダーの観測範囲を従来の約1.5倍に拡大でき、様々な防災面での安心・安全に貢献します。
・世界最高の放熱性能を持つ純カーボンナノチューブ放熱シートを開発
高い熱伝導性をもつ素材として知られる円筒状構造のカーボンナノチューブは、シート化することで次世代自動車などに使用する放熱材料としての活用が期待されています。しかし、本来の特性を十分に活用するためには安定した生成や単体でのシート化に課題があり、従来材料との複合など簡易的な応用への適用にとどまっていました。今回、熱伝導性を高めるために、カーボンナノチューブを垂直方向に配列し、高密度かつ均一に成長させる多層カーボンナノチューブ成長制御技術と、熱伝導率が高い配列を維持したままカーボンナノチューブをシート状に成形する技術を開発しました。これらの技術により、高耐熱かつ高熱伝導の純カーボンナノチューブシートを実現しました。本技術により、電気自動車やハイブリッド自動車の車載パワーモジュールを効率良く冷却することが可能となり、また、次世代HPCや次世代通信機器への適用も期待できます。
(6)主要な設備
当社は、2017年11月1日付けで富士通テンの株式を株式会社デンソーに譲渡しました。この株式譲渡により、当第3四半期(累計)において、富士通テンに係る設備は、当社の主要な設備ではなくなりました。
(7)従業員数
当第3四半期(累計)において、連結会社の従業員数は、前年度末から12,651名減少し、当四半期末において142,418名となりました。これは、ユビキタスソリューションにおいて、2017年11月1日付けで富士通テンの株式を株式会社デンソーに譲渡し、富士通テンが当社連結子会社でなくなったことなどによります。
なお、従業員数は就業人員(当社グループ(当社及び連結子会社)からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)です。
以下の文中において、当第3四半期連結累計期間を当第3四半期(累計)、当第3四半期連結会計期間を当第3四半期、前年同四半期連結累計期間及び前年同四半期連結会計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。
非継続事業について
当社は、2017年11月1日に富士通テン株式会社(以下、富士通テン)の株式を株式会社デンソーに譲渡いたしました。これに伴い、富士通テンを非継続事業に分類しております。富士通テンは、従来、ユビキタスソリューションに含まれておりましたが、非継続事業に分類したため、セグメント情報から除いております。
(1)経営成績の分析(当第3四半期(累計))
①損益の状況
(単位:億円)
| 2016年度 | 2017年度 | 前年同期比 | |||
| 第3四半期累計 | 第3四半期累計 | 増減率(%) | |||
| 売上収益 | 29,286 | 29,263 | △23 | △0.1 | |
| 営業利益 | 544 | 385 | △159 | △29.3 | |
| (営業利益率) | (1.9%) | (1.3%) | (△0.6%) | ||
| 税引前四半期利益 | 592 | 723 | 130 | 22.1 | |
| 四半期利益(親会社所有者帰属) | 322 | 554 | 231 | 71.9 | |
売上収益は2兆9,263億円と、ほぼ前年同期並みとなりました。ネットワークプロダクトを中心にシステムプラットフォームが減収となりましたが、国内サービスが堅調に推移したほか、パソコン及びLSIが増収となりました。
営業利益は385億円と、前年同期比159億円の減益となりました。ネットワークプロダクトの減収影響があったほか、パソコンや携帯電話事業において円安影響などにより部材調達価格が上昇したことなどによります。
税引前四半期利益は723億円と、前年同期比130億円の増益となりました。営業利益は減益となりましたが、金融収益が前年同期比292億円増加しました。富士電機株式会社との株式持合い見直しに伴う株式売却益273億円を計上したことなどによります。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は554億円と、税引前四半期利益の増益、法人所得税費用の負担軽減などにより前年同期比231億円の増益となりました。
②セグメント情報
(単位:億円)
| 2016年度 | 2017年度 | 前年同期比 | |||||
| 第3四半期累計 | 第3四半期累計 | 増減率(%) | |||||
| 売上収益 | テクノロジーソリューション | 21,837 | 21,504 | △333 | △1.5 | ||
| ユビキタスソリューション | 4,683 | 4,865 | 182 | 3.9 | |||
| デバイスソリューション | 4,065 | 4,211 | 146 | 3.6 | |||
| その他/消去又は全社 | △1,299 | △1,318 | △19 | - | |||
| 連結計 | 29,286 | 29,263 | △23 | △0.1 | |||
| 営業利益 | テクノロジーソリューション | 1,039 | 744 | △295 | △28.4 | ||
| ユビキタスソリューション | 196 | 116 | △79 | △40.7 | |||
| デバイスソリューション | 46 | 115 | 69 | 150.4 | |||
| その他/消去又は全社 | △737 | △590 | 146 | - | |||
| 連結計 | 544 | 385 | △159 | △29.3 | |||
a テクノロジーソリューション
売上収益は2兆1,504億円と、前年同期比1.5%の減収となりました。国内サービスは堅調に推移しましたが、ネットワークプロダクトが前年同期に国内向け携帯電話基地局の引き合いが強かった反動に加え、競争環境の厳しさが増してきた影響により減収となりました。
営業利益は744億円と、前年同期比295億円の減益となりました。ネットワークプロダクトの減収影響があったほか、国内外で不採算プロジェクトが発生したことなどによります。
b ユビキタスソリューション
売上収益は4,865億円と、前年同期比3.9%の増収となりました。携帯電話事業は減収となりましたが、パソコンが法人向けを中心に伸長したほか、為替の円安影響もありました。
営業利益は116億円と、前年同期比79億円の減益となりました。パソコンや携帯電話事業において円安影響などにより米国ドル建の部材調達価格が上昇した影響がありました。
c デバイスソリューション
売上収益は4,211億円と、前年同期比3.6%の増収となりました。スマートフォン向け製品の所要が回復したほか、為替の円安影響もありました。
営業利益は115億円と、前年同期比69億円の増益となりました。増収効果などによります。
d その他及び消去又は全社
営業利益は590億円の損失と前年同期比146億円の改善となりました。次世代クラウドやセキュリティ関連の先行投資を拡充しましたが、ニフティのコンシューマ事業売却による一時的な利益計上がありました。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
(単位:億円)
| 2016年度末 | 2017年度 第3四半期末 | 前年度末比 | ||
| 資産 | 31,914 | 29,824 | △2,090 | |
| 負債 | 21,722 | 18,624 | △3,097 | |
| 資本(純資産) | 10,192 | 11,199 | 1,007 | |
| 親会社所有者帰属持分(自己資本) | 8,812 | 9,948 | 1,136 | |
| (自己資本比率) | (27.6%) | (33.4%) | (5.8%) | |
親会社所有者帰属持分を資産で控除した自己資本比率は、当期利益の計上などにより当第3四半期末で33.4%と前年度末から5.8%上昇しました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
| 2016年度 第3四半期累計 | 2017年度 第3四半期累計 | 前年同期比 | ||
| Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 942 | 709 | △232 | |
| Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,309 | △375 | 934 | |
| Ⅰ+Ⅱ フリー・キャッシュ・フロー | △367 | 333 | 701 | |
| Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー | 389 | △323 | △713 | |
| Ⅳ 現金及び現金同等物の四半期末残高 | 3,809 | 3,889 | 79 | |
営業活動によるキャッシュ・フローは709億円のプラスと、前年同期比232億円の収入減となりました。ビジネスモデル変革に伴う人員対策費用の支払などがありました。
投資活動によるキャッシュ・フローは375億円のマイナスと、前年同期比934億円の支出減となりました。富士電機株式の売却収入や貸付金の回収を含めた富士通テンの事業譲渡に係る収入があったほか、有形固定資産の取得による支出が減少しました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期(累計)において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第3四半期(累計)において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。
(5)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話等のユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての考えを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。研究開発からお客様へのアプローチ、そして製品・サービスの提供に至るすべての事業活動をこのビジョンにもとづいて実行しています。このビジョンの中心的な考えとして、Human Centric Innovationというコンセプトを2014年に発表しました。これは先進技術で人をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会のイノベーションを生み出す新たなアプローチです。
イノベーションは、人々の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、そしてモノやインフラのつながり、という3つの要素を組み合わせることによって実現することができます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。
当社グループの研究開発活動は、2017年度のテーマであるHuman Centric Innovation: Digital Co-creationのもと、この3つの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。
①ヒューマン・エンパワーメント
デジタル技術を活用して人をエンパワーします。
②クリエイティブ・インテリジェンス
データ分析とアルゴリズムから引き出されるインテリジェンスを活用します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ビジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します。
上記の各アクションアイテム等に関する、当第3四半期における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第3四半期(累計)における研究開発費の総額は、1,178億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
該当事項はありません。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・異なるブロックチェーンをつなげ、取引の安全性を確保するコネクションチェーン技術を開発
近年、ブロックチェーンを活用し、個人や企業が仮想通貨を販売して資金を調達するICO(Initial Coin Offering)のブームをきっかけに様々なブロックチェーンが立ち上がり、独自の仮想通貨の発行が増えています。そのため、仮想通貨同士の交換やブロックチェーン同士のデータ交換のニーズが高まってきています。ブロックチェーンには、取引や契約を自動化するスマートコントラクトという仕組みがあるものの、一つのブロックチェーンでしか動作しないという課題がありました。その課題を解決するため、今回、異なるブロックチェーン間での決済を簡単・安全に実行できるセキュリティ技術「コネクションチェーン」を世界で初めて開発しました。スマートコントラクトを複数のブロックチェーンが関わる処理に適用可能とする拡張技術と、取引状況に応じて資産の移動を制御するトランザクションの制御技術により、複数の異なるブロックチェーンの取引を一つの流れで実行できるようになります。本技術により、多様な地域通貨の決済や、特定の仮想通貨を対象としたキャンペーンでの変換レートの簡単な設定等通貨交換のみならず、企業間の高信頼なデータ交換や契約自動化などを可能にしていきます。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・クラウド間の大量データ転送を可能にする業界最高性能なWAN(Wide Area Network)高速化技術を開発
近年、企業内のサーバで管理していたデータ(社内文書、設計データなど)のクラウド移行や、大量のデータを分析、活用するIoT、AIなどのデジタル技術の活用が広がることで、クラウド間のWAN回線を流れるデータ量が爆発的に増加し、より高速なデータ転送が求められています。WAN高速化処理では、転送データの圧縮や重複除去によるデータ削減を行いますが、処理すべきデータが非常に多く、十分に実効転送速度を向上できませんでした。今回、サーバに搭載したFPGA(集積回路)を、処理能力を高めるアクセラレータとして活用し、10Gbps以上のWAN回線でも実時間動作が可能なWAN高速化技術を開発しました。WAN高速化処理のうち、負荷が重くCPUでの処理速度向上が難しい一部の処理をFPGAで実行し、CPUとFPGAアクセラレータを効率よく連携させました。サーバ間を10Gbps回線で接続した実験環境では、業界最高性能となる最大40Gbpsの実効転送速度を確認しました。クラウドでのデータ共有やバックアップなどのデータ転送を高速に行うことが可能となり、様々な企業・拠点間で大量のデータを共有し活用する次世代のクラウドサービスを実現できます。
・長距離無線「LPWA」に対応した電池交換不要の世界最小センサーデバイスを実現
2020年には数百億個もの膨大なIoT機器がネットワークを経由してクラウドに繋がると予測されています。このようなIoTシステムでは、クラウドでデータを収集し分析する必要があるため、低消費電力で広い領域からクラウドに直接データ送信できる無線通信技術LPWAが注目され、そのセンサーデバイスでは利便性とコストから電池交換の手間がかからない小型のものが期待されています。そこで、富士通研究所では、これまで、太陽電池のみの電力でビーコンを動作させる電源制御技術を開発してきました。従来は、温度による太陽電池の発電電力のバラツキに対して、蓄電素子を大きくして対応していましたが、今回、温度センサーで測定した温度に合わせて電波送信のタイミングを制御する技術を開発し、電力を効率よく利用することで、電波送信に必要な蓄電素子を半減し、デバイスの小型化に成功しました。本技術により電池交換不要でLPWA通信を実現する世界最小82×24×6mmのセンサーデバイスを試作し、約7km先の基地局にダイレクトに送信できることを実証しました。工場やビルなどでの空調制御や橋梁の劣化監視など様々な現場のデジタル化を促進します。
・5G基地局向け10Gbps高速通信を実現する低消費電力のミリ波回路技術を開発
進化する情報社会において、移動通信のトラフィック量は増大し続けています。2020年頃の実用化を目指して研究・開発が進む第5世代移動通信方式(5G)では、増大するトラフィックに応えるネットワークシステムの大容量化に加え、低コスト、低消費電力が求められています。今回、5Gで求められている10Gbps超の高速通信を、Wi-Fiアクセスポイント並みの低消費電力で実現できる基地局向けミリ波回路技術を世界に先がけて開発しました。フェーズシフタと呼ばれるアンテナ素子への信号の位相を制御する回路のアンプ数を減らし、回路の電力ロスを最小化するミリ波回路技術により、消費電力を半減させることに成功しました。本技術と既存技術の組み合わせにより、基地局を狭いエリアでも多数設置でき、駅やスタジアムなど人が多く集まる場所で小型の5G基地局によるミリ波の高速通信が可能になります。例えば、スタジアムでは各利用者が様々な状況やシーンを高精細映像で視聴するサービスなどの実現が期待できます。
④その他共通な基盤等
・GaN-HEMT送信用パワーアンプを高出力化するダイヤモンド常温接合技術を世界で初めて開発
気象レーダーや5G向けミリ波帯無線通信に利用される高周波GaN-HEMTパワーアンプは、長距離の電波用途に広く利用されています。観測範囲の拡大や長距離・大容量化のためには、パワーアンプの高出力化が必要です。高出力化するには、増大するデバイスの熱を効率的に冷却装置に伝える必要がありますが、従来のSiC基板より熱伝導率の高い材料が求められています。単結晶ダイヤモンドは、熱伝導率が高いものの、製造プロセスで表面にダメージ層が形成され接合強度が低くなるため、排熱素材として利用できませんでした。しかし、今回、GaN-HEMTパワーアンプを高効率に冷却するため、単結晶ダイヤモンドとSiC基板という熱膨張係数の異なる硬い材料同士を常温で接合する技術を開発しました。ダイヤモンドの表面を非常に薄い金属膜で保護することで、表面のダメージ層の形成を防止し、接合強度を改善しました。本技術を気象レーダーなどのシステムへ応用した場合、さらに高出力なGaN-HEMT送信用パワーアンプの実現につながり、レーダーの観測範囲を従来の約1.5倍に拡大でき、様々な防災面での安心・安全に貢献します。
・世界最高の放熱性能を持つ純カーボンナノチューブ放熱シートを開発
高い熱伝導性をもつ素材として知られる円筒状構造のカーボンナノチューブは、シート化することで次世代自動車などに使用する放熱材料としての活用が期待されています。しかし、本来の特性を十分に活用するためには安定した生成や単体でのシート化に課題があり、従来材料との複合など簡易的な応用への適用にとどまっていました。今回、熱伝導性を高めるために、カーボンナノチューブを垂直方向に配列し、高密度かつ均一に成長させる多層カーボンナノチューブ成長制御技術と、熱伝導率が高い配列を維持したままカーボンナノチューブをシート状に成形する技術を開発しました。これらの技術により、高耐熱かつ高熱伝導の純カーボンナノチューブシートを実現しました。本技術により、電気自動車やハイブリッド自動車の車載パワーモジュールを効率良く冷却することが可能となり、また、次世代HPCや次世代通信機器への適用も期待できます。
(6)主要な設備
当社は、2017年11月1日付けで富士通テンの株式を株式会社デンソーに譲渡しました。この株式譲渡により、当第3四半期(累計)において、富士通テンに係る設備は、当社の主要な設備ではなくなりました。
(7)従業員数
当第3四半期(累計)において、連結会社の従業員数は、前年度末から12,651名減少し、当四半期末において142,418名となりました。これは、ユビキタスソリューションにおいて、2017年11月1日付けで富士通テンの株式を株式会社デンソーに譲渡し、富士通テンが当社連結子会社でなくなったことなどによります。
なお、従業員数は就業人員(当社グループ(当社及び連結子会社)からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)です。