有価証券報告書-第57期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 11:27
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【項目】
128項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当企業集団は、2021年度以降のV字回復を可能とし、将来的な発展の足がかりとすべく、会社の体質強化(収益力を強化させるビジネスモデルへの転換)を目指して2023年3月期を最終年度とする「中期経営計画2023」をスタートさせております。
当連結会計年度は、期初においてコロナ禍の影響から世界経済は大幅に落ち込み、対策の進捗に合わせて徐々に持ち直しつつも、繰り返される感染拡大の波により足踏みすることを余儀なくされました。ワクチン接種が世界各国で開始されましたが、抜本的な解決までには至っておらず、「密」を避けるという行動指針は当企業集団の企業活動に大きな影響を与えました。
当企業集団は、コロナ禍に対応して、巣ごもり需要の取り込みや、社会貢献を兼ねた販促策を実施するとともに、官公庁案件等の受注獲得に注力いたしました。
品目別では、アマチュア用無線通信機器が、新製品効果に加え巣ごもり需要の増加から日欧米を中心に好調に推移したことで増収となりました。海上用無線通信機器は主要市場である欧米地域で行動制限が行われたことからレジャー需要が減少し、陸上業務用無線通信機器も各種イベントの自粛や規模縮小など経済活動停滞の影響が大きく、第2四半期連結会計期間以降はいずれも回復基調となったものの、通期で減収となりました。
地域別では、期初において、コロナ禍の影響を受け全地域で大きく減収となりましたが、徐々に需要が回復し、期間後半には、欧米地域で増収に転じ、アジア・オセアニア地域においても回復基調となりました。
⦅参考⦆地域別売上高
前連結会計年度
(自2019年4月1日
至2020年3月31日)
当連結会計年度
(自2020年4月1日
至2021年3月31日)
増減率
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内13,27643.512,24743.8△7.8
北米7,49924.67,40926.5△1.2
欧州(EMEA)4,01413.14,03814.50.6
アジア・オセアニア4,99716.43,61112.9△27.7
その他(含む中南米)7452.46342.3△14.9
海外計17,25656.515,69356.2△9.1
合計30,533100.027,941100.0△8.5

これらの結果、売上高は279億4千1百万円(前年同期比8.5%減)、売上総利益は116億7千2百万円(前年同期比8.2%減)となりました。販売費及び一般管理費は経費削減により6億3千7百万円減少して97億8千2百万円となりましたが、減収により営業利益は18億8千9百万円(前年同期比17.9%減)、経常利益は22億5千9百万円(前年同期比11.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億3千6百万円(前年同期比10.0%減)となりました。
また、当該期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ105.82円及び123.29円であり、前年同期に比べ対米ドルでは3.0%の円高水準、対ユーロでは1.3%の円安水準で推移しました。
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益
(百万円)
当連結会計年度
(2021年3月期)
27,9411,8892,2591,736
前連結会計年度
(2020年3月期)
30,5332,3002,5411,928
増減率△8.5%△17.9%△11.1%△10.0%

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(セグメント業績については、57ページ(セグメント情報等)にある所在地別区分で記載しており、前記「地域別売上高」とは異なります。)
a. 日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱]
国内市場において、アマチュア用無線通信機器は新製品の発売により大きく増収となりました。陸上業務用無線通信機器では、IP無線の回線料収入や年度末の官公庁案件が大きく売上に寄与したものの、各種イベントの中止や規模縮小が継続したことから品目としては減収となりました。海外市場においては、欧州地域で、アマチュア用無線通信機器は、巣ごもり需要の増加や新製品の寄与で増収となりましたが、他の品目は行動制限や経済活動の停滞により減収となりました。アジア地域でも、回復の早かった中国等では増収となりましたが、経済停滞の影響を受けてインドネシア、タイなど主要各国で減収となりました。これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は169億2千3百万円(前年同期比15.7%減)となりました。
利益面では、減収により16億4千7百万円の営業利益(前年同期比16.3%減)となりました。
b. 北米[Icom America,Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA. ]
アマチュア用無線通信機器は堅調な巣ごもり需要に支えられ、新製品効果も寄与し大幅な増収となりましたが、期間前半においてコロナ感染防止対策で経済活動が制限されたことの影響は大きく、陸上業務用無線通信機器及び海上用無線通信機器は減収となり、加えて前年同期に比べ対米ドルレートは3.0%の円高水準で推移したことから、本セグメントの外部顧客に対する売上高は80億7千7百万円(前年同期比2.3%減)となりました。
利益面では、経費節減により営業利益は9千3百万円(前年同期は1百万円の営業損失)となりました。
c. ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]
期間当初では、コロナ禍により行動範囲が制限されたことで陸上業務用無線通信機器及び海上用無線通信機器が減収となりましたが、第2四半期連結会計期間以降は回復が進んだことから、いずれも増収となりました。アマチュア用無線通信機器は巣ごもり需要の増加や新製品効果により大きく増収となったことで、本セグメントの外部顧客に対する売上高は18億2千万円(前年同期比40.2%増)となりました。
利益面では、増収により営業利益は1億6千7百万円(前年同期比123.1%増)となりました。
d. アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、PURECOM CO.,LTD、ICOM ASIA CO.,LTD]
主力市場となるオーストラリアにおいて、期間当初ではコロナ禍の影響を大きく受けたことから減収となりましたが、販売ルートの新規開拓に注力するとともに、販売チャネルの見直しを図った結果、第2四半期連結会計期間以降は順調に回復が進んだことから全品目増収となり、アマチュア用無線通信機器の新製品効果も加わったことで、本セグメントの外部顧客に対する売上高は11億1千9百万円(前年同期比24.7%増)となりました。
利益面では、海外資材調達拠点を整理中であったことから営業利益は5千4百万円(前年同期比25.9%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
総資産は前連結会計年度比3千5百万円減少し、616億6千8百万円となりました。
主な内訳は、投資有価証券の増加20億5千6百万円、たな卸資産(合計)の増加14億8千5百万円、有価証券の増加3億2百万円、機械装置及び運搬具の増加1億8千万円及び土地の増加1億6千9百万円の増加要因と、現金及び預金の減少13億6千3百万円、差入保証金の減少9億9千4百万円、受取手形及び売掛金の減少9億8千1百万円、流動資産のその他の減少5億1千3百万円、有形固定資産のその他の減少2億2千2百万円及び無形固定資産の減少1億1千5百万円の減少要因によるものであります。
なお、流動資産のその他の減少5億1千3百万円の主な内訳は、信託受益権の減少5億円の減少要因によるものであります。
また、有形固定資産のその他の減少2億2千2百万円の主な内訳は、工具器具備品の減少2億1千1百万円の減少要因によるものであります。
(負債)
負債合計は前連結会計年度比9億4千9百万円減少し、51億5千万円となりました。
主な内訳は、未払法人税等の増加3億6千2百万円及び流動負債のその他の増加1億5千万円の増加要因と、買掛金の減少7億2千7百万円、退職給付に係る負債の減少3億7千4百万円、未払金の減少3億4百万円及び賞与引当金の減少1億2千7百万円の減少要因によるものであります。
なお、流動負債のその他の増加1億5千万円の主な内訳は、未払消費税等の増加1億2千9百万円の増加要因によるものであります。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度比9億1千4百万円増加し、565億1千8百万円となりました。
内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加17億3千6百万円、為替換算調整勘定の増加5億4千1百万円、その他有価証券評価差額金の増加3億1千万円及び退職給付に係る調整累計額の増加2億4千万円の増加要因と、自己株式の取得による減少11億4千2百万円及び剰余金の配当による減少7億7千1百万円の減少要因によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は90.1%から91.6%に増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ19億7千2百万円増加し、241億2千5百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加したキャッシュ・フローは、29億7千1百万円(前年同期は43億7千2百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益22億5千9百万円、減価償却費の計上12億3千5百万円、売上債権の減少10億4千8百万円及び営業活動その他による増加9億8千2百万円、一方で主な減少要因は、たな卸資産の増加13億4千6百万円、仕入債務の減少8億1千万円、法人税等の支払額2億5千2百万円及び受取利息及び受取配当金8千万円であります。
なお、営業活動その他による増加9億8千2百万円の主な内訳は、差入保証金の減少9億9千4百万円の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加したキャッシュ・フローは、7億3千2百万円(前年同期は45億5千8百万円の減少)となりました。主な増加要因は、預入期間3ヶ月超定期預金の減少35億8百万円、投資活動その他による増加3億6千2百万円及び投資有価証券の売却による収入8千8百万円、一方で主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出20億2千1百万円及び有形固定資産の取得による支出12億5千4百万円であります。
なお、投資活動その他による増加3億6千2百万円の主な内訳は、信託受益権の減少5億円の増加要因と、長期前払費用の増加1億4千8百万円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少したキャッシュ・フローは、19億4千1百万円(前年同期は9億3千6百万円の減少)となりました。内訳は、自己株式の取得による支出11億6千9百万円及び配当金の支払額7億7千1百万円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当企業集団の生産はすべて日本セグメントにおいて行っており、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
日本(百万円)25,189100.7

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
c.受注実績
当企業集団の製品は、需要予測による見込生産を行っており、原則として受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における報告セグメントごとの販売実績はセグメント情報等をご参照下さい。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況をご参照願います。
なお、当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は次のとおりであります。
売上高は、概ね想定通りの推移となり、第1四半期会計期間ではコロナ禍の影響を大きく受け減収となりましたが、第2四半期会計期間以降では回復傾向となり、アマチュア無線用通信機器の新製品効果や巣ごもり需要の拡大から計画通りの着地を見ました。利益面では、出張回数の減少等から販売費及び一般管理費が抑制されたことで、営業利益は計画比5億8千9百万円増(45.4%増)の18億8千9百万円となりました。又、営業利益率は計画を上回る6.8%となりました。
指標2021年3月期(計画)2021年3月期(実績)2021年3月期(計画比)
売上高(百万円)27,50027,941441( 1.6%増)
営業利益(百万円)1,3001,889589(45.4%増)
営業利益率(%)4.76.82.1

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末において、当該項目に記載すべき資金の支出予定はなく、事業運営上必要な資金につきましては自己資金により賄う予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用した重要な会計方針および見積りの方法につきましては、第5「経理の状況」1「連結財務諸表」「注記事項」(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

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