有価証券報告書-第60期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当企業集団は、「100年企業」を目指したサステナブル経営の第2フェーズとして、当期より2026年3月期を最終年度とする「中期経営計画2026」をスタートさせておりますが、当期の業績は計画策定時の目標を1年前倒しで達成したことから、足元の業績動向を踏まえ、2年目以降の目標値を引き上げることといたしました。
当連結会計年度における世界経済は、コロナ禍からの経済活動正常化への流れの加速や各地域での地政学的リスクの高まりに加え、国内では、インバウンド需要の回復などが進み設備投資需要が増加している状況です。一方で、為替相場の急速な変動、円安による原材料価格の高騰や輸送コストの上昇など、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような経済環境の下、当企業集団が関連する市場において、業務用無線通信機器の分野では、地政学的リスクへの対策に加え、無線機のデジタル化による客先ニーズの多様化により需要が拡大しています。海上用無線通信機器の分野では、北米及び欧州におけるレジャー需要が好調を維持したことに加え、アジア・オセアニア地域においても経済活動の活性化に伴い無線機需要が拡大しました。アマチュア用無線通信機器の分野では、当社の様々な取り組みにより新しい楽しみ方が増えたことで、当社製品に対するユーザーの関心が高まってきています。航空用無線通信機器の分野では、経済活動の活性化による需要回復に加え、自然災害対応やドローンユーザーへの無線機の携帯義務化等の新規ニーズが拡大しています。
当企業集団においては、電子部品等原材料の供給状況に一部部材の長納期化、無線機で使用する主要部品終息の増加等の課題が残るものの回復する動きが見られたことに加え、販売チャネルとの連携強化、代替え製品の販売推進、材料調達方法の多様化等を継続し、客先ニーズに合った製品の安定供給に応える取り組みに努めました。
これらの結果、前期に続きストックビジネスの伸長を図れたことや期初の想定に比べ為替相場が円安で推移したこともあり、売上高は前期に続いて過去最高を更新しました。
当連結会計年度における売上高は、371億1千7百万円(前年同期比8.6%増)となり、売上総利益は160億3千7百万円(前年同期比12.3%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費の増加、円安の影響、広告宣伝活動の強化、のれん償却費の発生などにより、11億8千5百万円増加して126億2千1百万円となりましたが、増収により営業利益は34億1千5百万円(前年同期比19.8%増)、為替差益6億5千9百万円を計上したことにより経常利益は44億1千6百万円(前年同期比35.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億6千1百万円(前年同期比34.4%増)となりました。
また、当該期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ143.14円及び154.28円であり、前年同期に比べ対米ドルでは6.6%、対ユーロでは10.2%の円安水準で推移しました。
なお、地域別の状況については、下表のとおりであります。
⦅参考⦆地域別売上高
[品目別の状況]
・陸上業務用無線通信機器
当連結会計年度における陸上業務用無線通信機器の売上高は、前年同期比で11.8%増の178億1千2百万円となりました。地政学的リスクの高まりに加え、他社の供給停滞による機会を捉え客先需要に合わせた供給ができたことで、全地域で増収となりました。
・アマチュア用無線通信機器
当連結会計年度におけるアマチュア用無線通信機器の売上高は、前年同期比で10.1%増の60億1千万円となりました。電子部品等原材料の供給が安定しはじめたことに加え、当期に発売した新製品効果もあり、全地域で増収となりました。
・海上用無線通信機器
当連結会計年度における海上用無線通信機器の売上高は、前年同期比で9.7%増の40億3千6百万円となりました。電子部品等原材料の供給が安定しはじめたことで、北米、欧州での前期に続くレジャー用途での好調な需要及びアジア・オセアニア地域での経済活動の活性化等に伴う需要回復等に応じた出荷が可能になり、増収となりました。
・その他の品目
当連結会計年度における付属品その他の売上高は、前年同期比で1.6%増の92億5千5百万円となりました。前期の官庁向け大型入札案件の反動減の影響があったものの、海外向け航空用無線通信機器や海上航法機器の売上が堅調に推移し、増収となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(セグメント業績については、65ページ(セグメント情報等)にある所在地別区分で記載しており、前記「地域別売上高」とは異なります。)
a. 日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱、㈱マクロテクノス]
≪国内市場≫(日本国内より国内市場への売上高)
前期官庁向け航空用無線通信機器大型入札案件の反動減があったものの、陸上業務用無線通信機器での経済活動の回復に伴うレンタル用需要増及びストックビジネスの伸長、付属品その他でのソフトウエア関連の売上が貢献し、当市場全体としては増収となりました。
≪海外市場≫(日本国内より海外市場への売上高)
電子部品等原材料の供給が安定し始めたことで、欧州及びアジア地域での旺盛な需要を満たす供給が可能になったこと、それに合わせた付属品の売上が伸びたことで増収となりました。
これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は194億7千8百万円(前年同期比7.6%増)となり、利益面では、増収及び前期に利益率の低下要因であった官庁向け航空用無線通信機器大型入札案件の反動が、人件費及び広告宣伝費の増加などによる販売費及び一般管理費の増加を上回り営業利益は35億3千3百万円(前年同期比46.9%増)となりました。
b. 北米[Icom America,Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA.、ICOM CENTRAL AMERICA,S.DE R.L.DE C.V.]
陸上業務用無線通信機器が、他社の供給停滞による機会を捉え拡販が進んだことに加え、航空用無線通信機器が売上を伸ばし、増収となりました。
為替レートも対米ドルで前年同期に比べ6.6%の円安水準となり、本セグメントの外部顧客に対する売上高は136億4千8百万円(前年同期比9.5%増)となりました。利益面では、円安の影響及び人件費の増加などにより販売費及び一般管理費が増加しましたが、営業利益は5億4千万円(前年同期比13.3%増)となりました。
c. ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]
電子部品等原材料の供給が安定し始めたことで、主要カテゴリである陸上業務用無線通信機器及びアマチュア無線機通信器の旺盛な需要を満たす供給ができました。また、IP無線機が好調だったことで、増収となりました。
為替レートも対ユーロで前年同期に比べ10.2%の円安水準となり、本セグメントの外部顧客に対する売上高は24億2千1百万円(前年同期比13.6%増)となりました。利益面では、円安の影響及び自社ビル取得による減価償却費の増加などにより販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は1億9千4百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
d. アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、PURECOM CO.,LTD.、ICOM ASIA CO.,LTD.]
主力市場となるオーストラリアにおいて、陸上業務用無線通信機器及び航空用無線通信機器の需要が底堅く、堅調に推移したことに加え、アマチュア用無線通信機器が新製品効果もあり、前期の売上を上回ったことで増収となりました。
これにより、本セグメントの外部顧客に対する売上高は15億6千8百万円(前年同期比6.5%増)となりました。利益面では、増収により営業利益は1億3千6百万円(前年同期比44.6%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
総資産は前連結会計年度末比59億9千5百万円増加し、731億5千9百万円となりました。
主な内訳は、投資有価証券の増加18億9千1百万円、棚卸資産(合計)の増加15億5千6百万円、差入保証金の増加10億3百万円、退職給付に係る資産の増加8億5千万円、投資その他の資産のその他の増加7億9千3百万円、有価証券の増加6億円、建物及び構築物の増加4億4千4百万円、有形固定資産のその他の増加3億円、流動資産のその他の増加2億1千3百万円、土地の増加2億1千1百万円及び売掛金の増加1億4千8百万円の増加要因と、現金及び預金の減少15億5千9百万円及び繰延税金資産の減少4億1千8百万円の減少要因によるものであります。
なお、投資その他の資産のその他の増加7億9千3百万円の主な内訳は、長期定期預金の増加5億1百万円及び長期貸付金の増加3億7千8百万円の増加要因によるものであります。
また、有形固定資産のその他の増加3億円の主な内訳は、工具器具備品の増加2億8千万円の増加要因によるものであります。
また、流動資産のその他の増加2億1千3百万円の主な内訳は、信託受益権の増加2億円の増加要因によるものであります。
(負債)
負債合計は前連結会計年度末比7億円増加し、74億1千4百万円となりました。
主な内訳は、賞与引当金の増加4億2千4百万円、未払法人税等の増加3億9千3百万円、流動負債のその他の増加1億6千3百万円及び製品保証引当金の増加9千9百万円の増加要因と、買掛金の減少4億2千8百万円の減少要因によるものであります。
なお、流動負債のその他の増加1億6千3百万円の主な内訳は、未払費用の増加1億4千3百万円の増加要因によるものであります。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末比52億9千4百万円増加し、657億4千5百万円となりました。
主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加34億6千1百万円、その他有価証券評価差額金の増加13億1千4百万円、為替換算調整勘定の増加10億9千3百万円及び退職給付に係る調整累計額の増加4億5千8百万円の増加要因と、剰余金の配当による減少10億3千3百万円の減少要因によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は90.0%から89.9%に低下いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ19億8千5百万円減少し、259億9千3百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加したキャッシュ・フローは、22億8百万円(前年同期は34億1千8百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益44億1千6百万円、減価償却費の計上11億6千4百万円及び売上債権の減少1億6千4百万円、一方で主な減少要因は、棚卸資産の増加10億4千4百万円、法人税等の支払額10億1千6百万円、営業活動その他による減少7億3千3百万円、仕入債務の減少4億3千3百万円及び受取利息及び受取配当金2億7千9百万円であります。
なお、営業活動その他による減少7億3千3百万円の主な内訳は、差入保証金の増加10億3百万円の減少要因と、賞与引当金の増加4億1千7百万円の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少したキャッシュ・フローは、36億7千5百万円(前年同期は24億8千4百万円の増加)となりました。減少要因は、有形固定資産の取得による支出18億6千5百万円、預入期間3ヶ月超定期預金の増加8億2千3百万円、投資有価証券の取得による支出6億8千万円及び投資活動その他による減少5億8千8百万円、一方で増加要因は、利息及び配当金の受取額2億7千2百万円及び投資有価証券の売却による収入1億3千6百万円であります。
なお、投資活動その他による減少5億8千8百万円の主な内訳は、長期貸付による支出3億7千8百万円及び信託受益権の増加2億円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少したキャッシュ・フローは、11億2千4百万円(前年同期は7億1千8百万円の減少)となりました。主な内訳は、配当金の支払額10億3千3百万円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当企業集団の生産はすべて日本セグメントにおいて行っており、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
c.受注実績
当企業集団の製品は、需要予測による見込生産を行っており、原則として受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における報告セグメントごとの販売実績はセグメント情報等をご参照下さい。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況をご参照願います。
なお、当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は次のとおりであります。
当連結会計年度の当初計画時点において、コロナ禍による経済活動縮小の緩和や電子部品等原材料の入手難による製品供給の制約は徐々に解消される傾向にあり、業績向上の好材料はあるものの未だ部材の長納期化が懸念される状況にありました。そのことにより製品の受注残がどの程度順調に市場供給できるかについては不透明な状態での計画立案となっておりました。しかし、前連結会計年度に引き続き部材調達方法の多様化等により計画より早期に受注残が解消できる見通しとなったことにより2023年8月16日に計画を見直し、下表に記載の計画といたしました。その後も部材の入手難の状況改善や世界情勢の不安から危機管理意識が高まるにつれ無線通信機に対する需要が増加したこと、また為替が想定レートよりも円安に推移した効果も伴って、計画比9億1千7百万円増(2.5%増)の371億1千7百万円と前年度の記録を更新し過去最高の売上高となりました。
利益面では、売上高が計画を上回ったこと、為替が円安で推移したこと等により営業利益は計画比3億8千5百万円増(12.7%増)の34億1千5百万円、営業利益率も計画を上回る9.2%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末において、当該項目に記載すべき資金の支出予定はなく、事業運営上必要な資金につきましては自己資金により賄う予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用した重要な会計方針および見積りの方法につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当企業集団は、「100年企業」を目指したサステナブル経営の第2フェーズとして、当期より2026年3月期を最終年度とする「中期経営計画2026」をスタートさせておりますが、当期の業績は計画策定時の目標を1年前倒しで達成したことから、足元の業績動向を踏まえ、2年目以降の目標値を引き上げることといたしました。
当連結会計年度における世界経済は、コロナ禍からの経済活動正常化への流れの加速や各地域での地政学的リスクの高まりに加え、国内では、インバウンド需要の回復などが進み設備投資需要が増加している状況です。一方で、為替相場の急速な変動、円安による原材料価格の高騰や輸送コストの上昇など、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような経済環境の下、当企業集団が関連する市場において、業務用無線通信機器の分野では、地政学的リスクへの対策に加え、無線機のデジタル化による客先ニーズの多様化により需要が拡大しています。海上用無線通信機器の分野では、北米及び欧州におけるレジャー需要が好調を維持したことに加え、アジア・オセアニア地域においても経済活動の活性化に伴い無線機需要が拡大しました。アマチュア用無線通信機器の分野では、当社の様々な取り組みにより新しい楽しみ方が増えたことで、当社製品に対するユーザーの関心が高まってきています。航空用無線通信機器の分野では、経済活動の活性化による需要回復に加え、自然災害対応やドローンユーザーへの無線機の携帯義務化等の新規ニーズが拡大しています。
当企業集団においては、電子部品等原材料の供給状況に一部部材の長納期化、無線機で使用する主要部品終息の増加等の課題が残るものの回復する動きが見られたことに加え、販売チャネルとの連携強化、代替え製品の販売推進、材料調達方法の多様化等を継続し、客先ニーズに合った製品の安定供給に応える取り組みに努めました。
これらの結果、前期に続きストックビジネスの伸長を図れたことや期初の想定に比べ為替相場が円安で推移したこともあり、売上高は前期に続いて過去最高を更新しました。
当連結会計年度における売上高は、371億1千7百万円(前年同期比8.6%増)となり、売上総利益は160億3千7百万円(前年同期比12.3%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費の増加、円安の影響、広告宣伝活動の強化、のれん償却費の発生などにより、11億8千5百万円増加して126億2千1百万円となりましたが、増収により営業利益は34億1千5百万円(前年同期比19.8%増)、為替差益6億5千9百万円を計上したことにより経常利益は44億1千6百万円(前年同期比35.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億6千1百万円(前年同期比34.4%増)となりました。
また、当該期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ143.14円及び154.28円であり、前年同期に比べ対米ドルでは6.6%、対ユーロでは10.2%の円安水準で推移しました。
なお、地域別の状況については、下表のとおりであります。
⦅参考⦆地域別売上高
| 前連結会計年度 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) | 増減率 (%) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | |||
| 国内 | 11,267 | 33.0 | 11,337 | 30.5 | 0.6 | |
| 北米 | 10,944 | 32.0 | 12,032 | 32.4 | 9.9 | |
| 欧州(EMEA) | 5,580 | 16.3 | 6,245 | 16.8 | 11.9 | |
| アジア・オセアニア | 4,899 | 14.4 | 5,955 | 16.1 | 21.5 | |
| その他(含む中南米) | 1,481 | 4.3 | 1,546 | 4.2 | 4.4 | |
| 海外計 | 22,906 | 67.0 | 25,779 | 69.5 | 12.5 | |
| 合計 | 34,173 | 100.0 | 37,117 | 100.0 | 8.6 | |
[品目別の状況]
・陸上業務用無線通信機器
当連結会計年度における陸上業務用無線通信機器の売上高は、前年同期比で11.8%増の178億1千2百万円となりました。地政学的リスクの高まりに加え、他社の供給停滞による機会を捉え客先需要に合わせた供給ができたことで、全地域で増収となりました。
・アマチュア用無線通信機器
当連結会計年度におけるアマチュア用無線通信機器の売上高は、前年同期比で10.1%増の60億1千万円となりました。電子部品等原材料の供給が安定しはじめたことに加え、当期に発売した新製品効果もあり、全地域で増収となりました。
・海上用無線通信機器
当連結会計年度における海上用無線通信機器の売上高は、前年同期比で9.7%増の40億3千6百万円となりました。電子部品等原材料の供給が安定しはじめたことで、北米、欧州での前期に続くレジャー用途での好調な需要及びアジア・オセアニア地域での経済活動の活性化等に伴う需要回復等に応じた出荷が可能になり、増収となりました。
・その他の品目
当連結会計年度における付属品その他の売上高は、前年同期比で1.6%増の92億5千5百万円となりました。前期の官庁向け大型入札案件の反動減の影響があったものの、海外向け航空用無線通信機器や海上航法機器の売上が堅調に推移し、増収となりました。
| 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) | |
| 当連結会計年度 (2024年3月期) | 37,117 | 3,415 | 4,416 | 3,461 |
| 前連結会計年度 (2023年3月期) | 34,173 | 2,850 | 3,262 | 2,574 |
| 増減率 | 8.6% | 19.8% | 35.4% | 34.4% |
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(セグメント業績については、65ページ(セグメント情報等)にある所在地別区分で記載しており、前記「地域別売上高」とは異なります。)
a. 日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱、㈱マクロテクノス]
≪国内市場≫(日本国内より国内市場への売上高)
前期官庁向け航空用無線通信機器大型入札案件の反動減があったものの、陸上業務用無線通信機器での経済活動の回復に伴うレンタル用需要増及びストックビジネスの伸長、付属品その他でのソフトウエア関連の売上が貢献し、当市場全体としては増収となりました。
≪海外市場≫(日本国内より海外市場への売上高)
電子部品等原材料の供給が安定し始めたことで、欧州及びアジア地域での旺盛な需要を満たす供給が可能になったこと、それに合わせた付属品の売上が伸びたことで増収となりました。
これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は194億7千8百万円(前年同期比7.6%増)となり、利益面では、増収及び前期に利益率の低下要因であった官庁向け航空用無線通信機器大型入札案件の反動が、人件費及び広告宣伝費の増加などによる販売費及び一般管理費の増加を上回り営業利益は35億3千3百万円(前年同期比46.9%増)となりました。
b. 北米[Icom America,Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA.、ICOM CENTRAL AMERICA,S.DE R.L.DE C.V.]
陸上業務用無線通信機器が、他社の供給停滞による機会を捉え拡販が進んだことに加え、航空用無線通信機器が売上を伸ばし、増収となりました。
為替レートも対米ドルで前年同期に比べ6.6%の円安水準となり、本セグメントの外部顧客に対する売上高は136億4千8百万円(前年同期比9.5%増)となりました。利益面では、円安の影響及び人件費の増加などにより販売費及び一般管理費が増加しましたが、営業利益は5億4千万円(前年同期比13.3%増)となりました。
c. ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]
電子部品等原材料の供給が安定し始めたことで、主要カテゴリである陸上業務用無線通信機器及びアマチュア無線機通信器の旺盛な需要を満たす供給ができました。また、IP無線機が好調だったことで、増収となりました。
為替レートも対ユーロで前年同期に比べ10.2%の円安水準となり、本セグメントの外部顧客に対する売上高は24億2千1百万円(前年同期比13.6%増)となりました。利益面では、円安の影響及び自社ビル取得による減価償却費の増加などにより販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は1億9千4百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
d. アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、PURECOM CO.,LTD.、ICOM ASIA CO.,LTD.]
主力市場となるオーストラリアにおいて、陸上業務用無線通信機器及び航空用無線通信機器の需要が底堅く、堅調に推移したことに加え、アマチュア用無線通信機器が新製品効果もあり、前期の売上を上回ったことで増収となりました。
これにより、本セグメントの外部顧客に対する売上高は15億6千8百万円(前年同期比6.5%増)となりました。利益面では、増収により営業利益は1億3千6百万円(前年同期比44.6%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
総資産は前連結会計年度末比59億9千5百万円増加し、731億5千9百万円となりました。
主な内訳は、投資有価証券の増加18億9千1百万円、棚卸資産(合計)の増加15億5千6百万円、差入保証金の増加10億3百万円、退職給付に係る資産の増加8億5千万円、投資その他の資産のその他の増加7億9千3百万円、有価証券の増加6億円、建物及び構築物の増加4億4千4百万円、有形固定資産のその他の増加3億円、流動資産のその他の増加2億1千3百万円、土地の増加2億1千1百万円及び売掛金の増加1億4千8百万円の増加要因と、現金及び預金の減少15億5千9百万円及び繰延税金資産の減少4億1千8百万円の減少要因によるものであります。
なお、投資その他の資産のその他の増加7億9千3百万円の主な内訳は、長期定期預金の増加5億1百万円及び長期貸付金の増加3億7千8百万円の増加要因によるものであります。
また、有形固定資産のその他の増加3億円の主な内訳は、工具器具備品の増加2億8千万円の増加要因によるものであります。
また、流動資産のその他の増加2億1千3百万円の主な内訳は、信託受益権の増加2億円の増加要因によるものであります。
(負債)
負債合計は前連結会計年度末比7億円増加し、74億1千4百万円となりました。
主な内訳は、賞与引当金の増加4億2千4百万円、未払法人税等の増加3億9千3百万円、流動負債のその他の増加1億6千3百万円及び製品保証引当金の増加9千9百万円の増加要因と、買掛金の減少4億2千8百万円の減少要因によるものであります。
なお、流動負債のその他の増加1億6千3百万円の主な内訳は、未払費用の増加1億4千3百万円の増加要因によるものであります。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末比52億9千4百万円増加し、657億4千5百万円となりました。
主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加34億6千1百万円、その他有価証券評価差額金の増加13億1千4百万円、為替換算調整勘定の増加10億9千3百万円及び退職給付に係る調整累計額の増加4億5千8百万円の増加要因と、剰余金の配当による減少10億3千3百万円の減少要因によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は90.0%から89.9%に低下いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ19億8千5百万円減少し、259億9千3百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加したキャッシュ・フローは、22億8百万円(前年同期は34億1千8百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益44億1千6百万円、減価償却費の計上11億6千4百万円及び売上債権の減少1億6千4百万円、一方で主な減少要因は、棚卸資産の増加10億4千4百万円、法人税等の支払額10億1千6百万円、営業活動その他による減少7億3千3百万円、仕入債務の減少4億3千3百万円及び受取利息及び受取配当金2億7千9百万円であります。
なお、営業活動その他による減少7億3千3百万円の主な内訳は、差入保証金の増加10億3百万円の減少要因と、賞与引当金の増加4億1千7百万円の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少したキャッシュ・フローは、36億7千5百万円(前年同期は24億8千4百万円の増加)となりました。減少要因は、有形固定資産の取得による支出18億6千5百万円、預入期間3ヶ月超定期預金の増加8億2千3百万円、投資有価証券の取得による支出6億8千万円及び投資活動その他による減少5億8千8百万円、一方で増加要因は、利息及び配当金の受取額2億7千2百万円及び投資有価証券の売却による収入1億3千6百万円であります。
なお、投資活動その他による減少5億8千8百万円の主な内訳は、長期貸付による支出3億7千8百万円及び信託受益権の増加2億円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少したキャッシュ・フローは、11億2千4百万円(前年同期は7億1千8百万円の減少)となりました。主な内訳は、配当金の支払額10億3千3百万円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当企業集団の生産はすべて日本セグメントにおいて行っており、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(百万円) | 31,867 | 123.2 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
c.受注実績
当企業集団の製品は、需要予測による見込生産を行っており、原則として受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における報告セグメントごとの販売実績はセグメント情報等をご参照下さい。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況をご参照願います。
なお、当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は次のとおりであります。
当連結会計年度の当初計画時点において、コロナ禍による経済活動縮小の緩和や電子部品等原材料の入手難による製品供給の制約は徐々に解消される傾向にあり、業績向上の好材料はあるものの未だ部材の長納期化が懸念される状況にありました。そのことにより製品の受注残がどの程度順調に市場供給できるかについては不透明な状態での計画立案となっておりました。しかし、前連結会計年度に引き続き部材調達方法の多様化等により計画より早期に受注残が解消できる見通しとなったことにより2023年8月16日に計画を見直し、下表に記載の計画といたしました。その後も部材の入手難の状況改善や世界情勢の不安から危機管理意識が高まるにつれ無線通信機に対する需要が増加したこと、また為替が想定レートよりも円安に推移した効果も伴って、計画比9億1千7百万円増(2.5%増)の371億1千7百万円と前年度の記録を更新し過去最高の売上高となりました。
利益面では、売上高が計画を上回ったこと、為替が円安で推移したこと等により営業利益は計画比3億8千5百万円増(12.7%増)の34億1千5百万円、営業利益率も計画を上回る9.2%となりました。
| 指標 | 2024年3月期(計画) | 2024年3月期(実績) | 2024年3月期(計画比) |
| 売上高(百万円) | 36,200 | 37,117 | 917( 2.5%増 ) |
| 営業利益(百万円) | 3,030 | 3,415 | 385( 12.7%増 ) |
| 営業利益率(%) | 8.4% | 9.2% |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末において、当該項目に記載すべき資金の支出予定はなく、事業運営上必要な資金につきましては自己資金により賄う予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用した重要な会計方針および見積りの方法につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。